こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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4日目夜、次で終了。
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4日目 夜 快晴
外を見ると、月を削ったあとでその屑を空にばらまいたかのように、色とりどりの光が並んでいた。
手に持っているグラスは二つ、ルキーノがボスのワインセラーから強奪してきた貴重すぎるほど貴重なバルバレスコと、ベルナルドがどこからか持ち込んできたトカイワイン。ブドウ特有の酸味とコクを重視した澄んだ紅い輝きと、黄金に近い琥珀色がそれぞれグラスの中で己の存在を主張し、芳醇な香りを辺りに振りまき続けていた。
「今日はワインの品評会か?」
「いや……そういうわけでは……ないんだがな…………」
神妙な顔でワインを飲み比べているベルナルドの言葉が、妙に歯切れが悪い。
部屋を尋ねたルキーノにいきなりベッドに座れと命令したかと思ったら、隣に座って今度はこの状態。何かに救いを求めるかのように周囲に目をやったり、ルキーノを見てはため息をついたりと、見ていて気が気ではない。
きっと自分を傷つけずにうまく断る方法を考えているのだろうが、それにしてもこの落ち着きのなさは一体どうしたことだろう。
同性から向けられる一方的な愛情なんて、自慢の頭脳と口車でいくらでも無下に切って捨てることができるだろうに。ベルナルドに忠誠を誓う彼の部下達にこの姿を見せてみたいものだが、そんなことになったら彼は首を吊りかねない。
どうやって落ち着かせたらいいものかと考えていると、何かを決断したのか、恐ろしい程真剣な顔のベルナルドが声をかけてきた。
「ル、ルキーノ……あの……な」
「なんだ?」
「こっちを向いてくれ」
「は? 何言ってるんだ?」
「向いてくれと言っているだろう」
距離的には1メートルと離れていない。
ベルナルドの顔を見て話をしているし、目をそらした覚えもないというのに、何故こっちを向けと言われなければならないのか。嫌味ったらしくわざと顔をそらしてやろうかとも思ったが、ここでそれをやった時のベルナルドの行動が全く予測できなかった。
しょうがないので素直に彼の言葉に従って、少したけ体を前に倒し顔を近づけて彼の顔を凝視しようとする。
「すまんな」
「一体何をどうしたいんだ?」
「こういうことだ……勘弁してくれ」
後頭部にベルナルドの指が差し込まれ、ルキーノの頭をがっちりとホールドし。
そのまま近づいてきたベルナルドの唇が自分の唇をもしっかりと捕まえていた。
逃げる気はなかったが、いきなりだったために反射的に唇が閉じられる。そんなルキーノの口を、ベルナルドの器用すぎる舌が一気にこじ開け、なかにするりと入り込んできた。赤ワインの渋い味わいと、貴腐ワインの必要以上の甘さが口の中でブレンドされていく。
口の中をかき回され、時には舌を強く吸われ。
愛おしげに口内をまさぐっていく舌の優しさと柔らかく滑る感触を十分に堪能させてもらい、彼が満足し体を離そうとする頃合いを狙って、今度は自分が彼の背に手を回す。十分すぎるほど上手なキスだったが、どこかおっかなびっくりなところがあり、ルキーノの体に完全に火をつけるに至っていないからこそできる反撃。
ベッドサイドのテーブルに自分のワイングラスを置いてから、さっとベルナルドの手からもグラスをかすめ取り、それも並べて置いておく。
「…………………………っ!」
反射的に逃げようとしたベルナルドの体を強く抱き寄せ、逃げられないように両の腕でしっかりと体を固定する。自分の髪を掴んでいたベルナルドの手から力が抜け、肩に載せられたられた事を確認してから、舌をゆっくりと彼の中へを進ませ始めた。
抵抗は一切無い。
彼の舌を強弱をつけて吸い、素直に反応してびくりと震える背を抱き寄せ。急に唇を離して、口の端からこぼれる唾液を舐め取ってやった。
「…………ルキーノ……………ぁ………………」
「先に手を出したのはお前さんだ」
「……そう………………だな…………」
完全にルキーノに体を預け、ぼうっとした顔のままゆっくりと息を整えているベルナルド。自分の腕の中で完全に身を任せる姿があまりにも可愛らしく、もう一度だけ唇を重ね、舌で労るかのように口の中を探っていった。
「口の中が荒れてるぞ、もっと栄養を取れ」
「うるさいな……昨日よりは食事も取れてる」
「疲れてるんだろ? さっさと話を終わらせて休むぞ……」
口の中に口内炎がいくつか。
連日の過労がたまっているのか、抱きとめている体も骨張っているというか、痩せすぎているというか。さすがにこの状態で込み入った話をさせるのは酷だろう。自分の話の返事はいつでもいいし、いきなりおかしな行動に出たベルナルドのおかげで、キスを楽しむことができたのだから、今日はこれで終わらせるべき。
そう思って告げた言葉だったが、当の本人から強く拒否されてしまう。
「断る」
「明日も会議があるんだろう、俺のせいで倒れたとか言われても責任はとれんぞ」
「…………試したかっただけだ」
「何を? 男とキスできるかどうかをか?」
「お前に言わせると、俺がとんでもない見境無しに聞こえるな…………」
一つ小さなため息をついて、ベルナルドが一度言葉を切った。
「俺だって…………誰彼構わずこんな事をしてるわけじゃない」
「そういう噂は聞いたことがないな、確かに」
「茶化さないでくれ、俺なりに真剣なんだ。あのな…………俺はお前と…………」
本気で『恋愛』できるか試してみたかった。
ルキーノのすぐ目の前には、ベルナルドの真剣極まりない顔。
彼なりに思い悩み、苦悩し、そして出した結論なのだろう。その目には悩みや揺らぎは一切存在しなかった。
「俺は昨日言ったとおりお前を人生においての一番にする気はない。だがお前が俺をそこまで思ってくれているというなら…………その思いに報いるべきだ」
「同情でお付き合いなんてお断りだ」
「俺もそんなのはごめんだ。だから試したといっただろう……お前と今後やってけるかどうか」
「色々間違ってる気がするんだが……俺がおかしいのか?」
「安心しろ、俺もかなり間違ってると思ってる」
目線が絡み合い、同時に口から笑いがこぼれる。
試してみないと一歩目を踏み出せないベルナルドと、いざベルナルドから足を踏み出されるとどうしていいかわからない自分。打算とか、プライドとか、そんなものを捨ててとりあえず動いて見ることを選んだベルナルドの潔さには敬服するしかないが。
そんな理由で男と恋愛することを決めていいのか?
さすがに気になったので聞いてみると、
「後悔するくらいなら死ぬ気でぶつかってこい、そう言われたんでな。俺はお前との関係を後悔するものにしたくない、なら一度はお前が望む形にはまってみるのもいいんじゃないかと思った。試してみて、お前なら全部ひっくるめて付き合っていけるだろうと判断できたしな」
あっさりとしたそんな答えが返ってきた。
抵抗する気は最初から無いのだろう、ルキーノが背を撫でても、髪を指で弄んでも、ベルナルドは抵抗する意思すら示さない。むしろ他者のぬくもりを与えられたことで眠気がきているのか、目をひっきりなしにしばたたかせながら、欠伸をかみ殺しているかのように口元に力を入れている。
連日の疲れが彼の体を相当むしばんでいるのだろう。
一番欲しい言葉も聞けたのだ、そろそろ彼を寝かしつけた方が今後のため。そう判断して彼の体を横に倒そうとする。
「話はもうないな、付き合う付き合わないは……まあ前向きに検討するということで、今日はさっさと…………」
「お前の答えを聞いてない」
「言っただろう、昨日」
「俺はもう年寄りなんでな、昨日の言葉なんて覚えているわけないだろう。それとも俺にだけ言わせて、お前は逃げる気か?」
「恋愛できるか試してみたいって言うのは、お前にとっての愛の言葉だったんだな……よーく覚えておく」
「さっさと言えよ、ずっとこのままでいる気か?」
柔らかい、だがわざと作った笑いじゃない。
全ての壁を取り払った、本当の笑顔。
こんな顔を見せられて、愛の言葉をささやけなければ男じゃない。
「俺のものになってくれるか……筆頭幹部殿」
「筆頭幹部をモノにしたいのなら、俺が筆頭幹部じゃなくなったらもう用済みか?」
「へりくつ言いやがって…………なら言い換えてやるよ」
彼の手を取り、手の甲に唇を押し当てる。くすぐったいのか身をよじって笑うベルナルドの頬に一度だけキスを落としてから、最後の、そして始まりになる言葉をゆっくりと。
彼の耳に永久に残るように囁いた。
「俺のモノになれよ、ベルナルド…………」
ほんのわずかな時間、なのに凄まじく長く感じたその間に。
目を細め笑みを更に深くしたベルナルドは小さな声で、喜んで、と口にしてくれた。
BGM「素直なままで恋をしようよ」 by 東京Qチャンネル
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
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