がんかたうるふ 作家さんと大学生 せかんど~妹、襲来編その3~・下(現パロ・毛長) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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作家の毛利さんと大学生長曾我部くんのゆるぐだらいふ。夏休み編終盤。
もうちょっとで襲来編自体終わります。

(書いた人:みっし)






 *****


「休暇よ休暇。この祭りは毎年立ち寄っておるが中々楽しくてなぁ。今年は三成も居たので共に誘ったところ何故か徳川まで一緒に来て、これは我の手に負えぬと判断したので黒田も巻き込んだのよ」
 ベンチの一角を陣取り、紫色のかき氷を食べながら大谷は言う。(紫色はブドウ味らしい)
「…それで小生は仕事がまだあったというのに引っ張り回されてこのザマだよ……っていうか小生明日から夏期休暇だというのに予定が総崩れだよ…」
 哀愁を漂わせながら、冷めかけたたこ焼きを頬張り、黒田は言う。
「?…黒田の予定とは、以前言っていた通りのものか?あの東京から車で数時間かけて行く山の中にある温泉旅館に一人で籠もるという」
「なに!?それは休みの過ごし方としては寂しくないか?黒田殿!」
 りんごあめに食らいつきつつ三成は言い、家康は焼きそばを平らげて邪気無く言い放つ。二人に悪気は無いのだろうが、その言葉を聞いた途端に黒田の周囲に暗雲が立ちこめたのは決して気のせいではあるまい。
 悪気は無いのは時に罪だな、と思いながら元親は鶴姫が残したかき氷を半分食べていた。色んなものが食べたいけど食べきれないですと嘆く妹に代わり、食べきれなかった物を受け取っている元親だが、すぐ隣でハンターのごとく目をぎらつかせている毛利が居るので限界になったら毛利に渡そう、そう思っていた。
「しかし…石田も黒田とは顔見知りだったのか」
 両手にクレープを携えながら毛利は呟く。三成はそれに対して頷きながら答えた。
「何度か刑部の会社にお邪魔したことがある。その時に顔を会わせた。夏休みの予定は…刑部から聞いた」
「部下の行動把握も上司には必要な行動だからのう」
 そう言いながらかき氷を食べる大谷はひどく楽しげに笑った。
「いやいやいや!?上司っていってもあんたトップだろ!?なんで下っ端の小生なんぞを気にする!?」
 必死な黒田の問いかけに、大谷はふうむと少しだけ悩む混む様子を見せると、こう言った。

「その方が楽しいからにきまっておろう」

 眉一つ動かさずそう言い放つ大谷を見て元親は思った。
 ああ、この人はやっぱり毛利の友達なんだ、と。

「これってパワハラになるのか…?」
「…ならんだろうな」
 呟いた言葉に応えたのは二つ目のクレープを食べ終えた毛利だった。
「日頃の仕事の邪魔はそれほどしないはずだ。大谷が、あれを巻き込むのは黒田が相当煮詰まっているとき、気分転換も兼ねてふりまわしているようなものだからな」
 くれ、と言わんばかりに毛利が手を出したので、自身が手にしていたかき氷のコップを手渡す。既に溶けかけて半分以上はジュースになっているようなきがするが構わないようだ。そして受け取ったそれを瞬く間に飲み干して毛利は言った。
「…まぁ黒田が煮詰まっている原因のみで言うと、我が今日データで送りつけた次回作の設定資料集、A4サイズで100P越えが原因とも考えられるが」
「絶対それだろ!!」
 思わず突っ込んだ元親は、絶対に悪く無い。
 休暇の前にそんなもん押しつけられた黒田の心中は如何に。仕事をしない作家の担当でも大変だが、仕事をし過ぎる作家の担当も大変だな…と元親は我が事のように思っていた。

「あれ?鶴は?」
 ふと気がつくと隣に居たはずの妹の姿が見えなくなっている。
「長曾我部の妹御であれば、ゴミ捨てに行くと言ってしまったぞ」
 ようやくかき氷を食べ終わったらしい大谷が元親を見て口を開く。
「…一人で?」
「いや、三成と徳川のが一緒に行っておる。どちらか一人だけならばともかく、二人であれば妹御と共に行っても問題ないであろう。そのまま他の屋台を見に行くかも知れぬしな」
 三成と家康と、一体どっちを一人にするのが不安なんだろうと思いながら、大谷から型抜きを進められた元親はそれをやりながらしばし待つことにした。元より鶴姫は石田も家康も見知っているので問題は無いだろう、そう思いながら。そしてその隣では毛利が型抜きを指さし「食えるのかこれは」と大谷に問いかけ「食えるが美味くは無いぞ」という会話を交わしていた。

「…貴様、何故にそれほどまでに器用なのだ…?店番が目を剥いていたぞ…」
「あ?まぁ細かい作業は好きだからな。そのせいじゃねぇか?あとはゆっくり、慎重に、揺れないように気をつけるぐらいだぜ」
 そういうレベルでは無い。
 思ったものの毛利は黙っていることにした。

 開始してから三十分後、そこには最高難易度の型抜きを見事クリアし、賞金一万円を獲得した元親の姿があった。正しく言うと店主は微妙なかけが…と言ったものの大谷と毛利の重圧に負けて賞金を手渡したとも言える。
「いやー、でもあんな型…だんごの抜き型なんてあるんだなー」
 見たこと無かったぜ、と言いながら歩く元親の隣に立つ。
「鶴たちどこに行ったんだか…まぁ石田と家康が一緒なら大丈夫だろうけど…」
「…あの三人の中でならば鶴姫が一番しっかりしていてもおかしくは無いな…」
 毛利のつぶやきに、元親は頷かざるをえなかった。
 暴走特急の高校生と、甘味に目が無い高校生と、割合しっかりしている小学生女児。確かにこの三人で一番信頼が置けるのは鶴姫なのかも知れない。

 妹と、後輩を探しながら出店を歩く。
「さっきより人も増えてるな」
「まぁ、規模も大きいしな…ステージでの出し物もあるようだから、そのためだろう」
 会場に着いた時よりも人が増えているのは目に見えて明らかだった。どの見せも、そして通路も混み合っている。その中でようやく元親は見慣れた三人の頭を見つけた。
「鶴、なにやってんだ?」
「あ、おにいちゃん!毛利さんも!」
 手渡しておいたお小遣いで買ったのであろうキャラクターのお面を頭に付けた鶴姫はしゃがみ込んでスーパーボールすくいを眺めている。
「徳川のお兄ちゃんがここから動かないんです。心配になったので、一緒に居ました。石田のおにいちゃんはチョコバナナが呼んでいるって言って行っちゃいました」
 確かに出店の真ん中には見慣れたつんつん頭が見える。十中八九、家康だろう。この屋台はスーパーボール以外にも小さな人形などが浮いている。何を取りたいのかはわからぬが、家康が必死だと言うことだけはわかった。
 そして三成は確かにいた。戦隊物の黒のお面を頭正面のチョコバナナの屋台の隅で豪快に食べている。更に言うと毛利もふらふらと行ったのを目の端で確認する。本当に甘い物に目が無い二人であった。
「家康?なにやってんだ?」
 元親はというと未だに必死な家康に向かって声をかける。
「うむ?元親か!」
 振り向いた家康が見せたもの。

 それは非常に出来の良い仏像のお面だった。
 
「………お前なんでわざわざそれ被ってるの?」
 元親に声をかけられ、ようやくスーパーボールすくいを終えた家康に向かい、元親はそれしか声をかけることが出来なかった。
「うむ。先程三人で行ったお面屋でな、これ一個だけ片隅に置かれていたんだ。そこでワシは思った。一個しか無いと言うことは希少価値が高いのでは無いかと!!」
 何故そう思った。
 思いながらも口には出さず、家康の言葉を促す。
「しかも色が金色…これは素晴らしいとワシは思い、こうして身につけているというわけだ!!」
「……ふーん…いや、誰かに強制されたとかじゃないならいいよ…」
 そういえば、家康は黄色もしくは金色だったら何でも許せるという独特のセンスを持っていたことを今更ながらに元親は思い出した。ふと家康の手を見ると黄色いスーパーボールがぎっしりと詰められた袋を手にしていた。選び抜かれたほどに黄色しか入っていない。
 お前は小学生男子か、と思いつつ気がつく。
「…そういやお前、あんまり祭りに行ったこと無いのか?」
「そうだな…元親に誘われて、高校の時に行ったぐらいだな。小中の頃は行かせてもらってないというか…日本にあまりいなかったから。だから、こういう祭りは新鮮だな!!」
 家康は家の事情で日本に数年住んでは海外へという生活を繰り返していた過去を持つ。高校に入ってからは日本に定住しているとは言え、こういった形式の祭りは慣れていないというのも本当だろう。
「だから、楽しいぞ。日本の祭りは、何とも言えない情緒がある。他の国では、あまり感じられないものだからな!」
 そう話しながら家康は笑う。
 元親とは違った意味で、彼もまた周囲との壁を感じていたのは間違いない。最も無駄にポジティブすぎるそれが、暗さを一切感じさせない原因でもあるのだろうけれど。
「…お前が楽しいならいいけどよ。あんまり無茶するなよ?石田が怒るぞ」
「怒ってくれるならまだいいじゃないか!ひどいときは何を言ってもやっても無言だぞ!?」
「…お前本当に何がしたいんだ?」
「うむ。ワシは三成に…怒られたいんだ!」
 実に良い笑顔で言い放つ言葉じゃないよなぁと思いながら、元親は鶴姫がスーパーボールすくいで取ったという人形を預かる。可愛いけれど微妙に気持ち悪い人形を4個ほど取っていたのでこれは何かを尋ねようとしたところ、背後に人の気配を感じて振りむいた。
「…変態か貴様」
「…まごう事なき変態だな」
 いつの間にか背後に立っていた三成と、そして毛利が呆れたように呟いた。三成はチョコバナナを食べ終わったようで今度はカルメ焼きを手にしている。そして毛利はというとスライスした小さめのチョコバナナを鶴姫に、やや大きめな方を元親に手渡した。
「なんだ、これ?」
「チョコバナナですねぇ?」
「そなたらにやる」
 わざわざくれるのか、珍しいと思いつつ素直に礼を言って受け取る。鶴姫の方は一つ一つが小さいので食べやすそうだが、元親の方の一本丸々はやはり食べづらい。
「…食いづらい」
 そう呟いて噛みちぎったところ、毛利が凄い顔をして見ていた。最も食べきれなかった分を渡したら機嫌は良くなったのだが。

 その後、射的で元親が当てすぎて店主から苦情を言われたり、また射的に最中の元親を舐めるような視線で毛利が見ていたり、家康が食い倒れにチャレンジして屋台の主達に泣かれたり、子供用の玩具を扱う店で何故か三成と鶴姫が夢中になっていたりと、時間はあっという間に過ぎていった。

「そうだ、お兄ちゃん。私、気がついた事があるんです」
 帰り道、大谷達と別れて毛利宅へと歩く最中、鶴姫が突然こう言った。相変わらず右手は元親と左手は毛利と繋いでいる。
「あ?何かびっくりするようなことあったのか?」
「はい、ありました」
 鶴姫は笑顔になったかと思うと、こう言った。

「宵闇の羽の方って…本当にいるんですね!!」

 瞬間、世界が止まった。

「…?よいやみの?それは朝のアニメのキャラクターではないか?」
 毛利が言うように、鶴姫が言う宵闇の羽の方とは、毎週日曜日の朝にやっている女児向けアニメの登場人物である。口数少なくクールだが、主人公の危機にはいつも駆けつけてくれるヒーロー。しかしその正体は!?というのが先週までの流れである。
 最も、アニメのキャラであり、実際にはいるはずの無い存在である。
「…まてまてまて…鶴、お前どこでそれを見たんだ?」
「お祭りの会場です!私が落としたお面を拾ってくれたんです!!本当に、テレビの中から出てきたのでは無いかと思うぐらいそっくりだったんです!!だから、きっとあの方は本物に間違いありません!!」
「そ、そうか……」
 力説する妹を無下にも出来ず、元親は頷いた。内心どこのコスプレ野郎だ、と思いつつも彼は耐えた。
「………」
 何も言わなかったが事前にチラシをじっくり見ていた毛利だけは知っている。ステージ会場にて『(コスプレ)そっくりさんコンテスト』なるイベントがあったことを。恐らく、鶴姫が見たその宵闇の羽の方はそのコスプレをしただけの人間であることを、毛利は知っていた。だけれども、それを鶴姫に告げる気は無かった。
 夢は、夢であるから美しいのである。

 どうせなら楽しい思い出を抱いて帰って行くのも良いだろう。だから告げる気は無い。

 自分はいつの間にこんなにお人好しになったんだろう。

 そう思いながら、三人並んで帰路に着く。

 頭上には優しい月明かりが輝いていた。












○変態が居る。夏休み編は毛利さんの残念度が増しただけのようなきがしてならない。

いしを投げられそうである。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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