こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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作家の毛利さんと大学生長曾我部くんのゆるぐだライフ。ちょこっと寄り道夏休み編の、終盤。
長かったんで分割しました。
(書いた人:みっし)
*****
毛利と鶴姫が打ち解けてから、いや正しくは毛利が(長曾我部の妹限定で)妹萌え属性に目覚めた日から、そしてその兄が『俺の妹は凄いだろ!』と妹自慢に走ってから数日後のこと。
リビングでは宿題に励む鶴姫と、それを見守る毛利という構図が見慣れたものになっていた。
ふと毛利が鶴姫の行っていた課題を指差して、指摘する。
「…それでは字が間違っておるぞ」
軽く指差しされた漢字の書き取り部分は確かに間違え画あった。線が一本増えている。
「あれ?またやっちゃいました」
指摘されてすぐに鶴姫は消しゴムをかけて訂正する。すると今度こそ正しい字が姿を現した。それを見て安堵したかのように毛利は再びモニターへと視線を移す。
午前中は勉強の時間と決めているらしい鶴姫は、リビングの床にぺたんと座る姿勢で夏休みの宿題を行っている。毛利はというと鶴姫の正面にてノートパソコンを設置し、それを使って仕事をしていた。
鶴姫の兄であり、毛利に雇われている家政婦である元親はというと今日は水周りの大掃除ということで洗剤とバケツ片手に家中のあちこちを慌しく移動していた。だが、リビングにいる二人に対し時計を見ながら声をかける。
「十時半になったら一回休憩にしようぜ」
「はーい」
「うむ」
それだけ聞くと今度は離れのほうに行ってしまう。
鶴姫は鶴姫で、毛利がいようが何がいようが、あまり気にしている様子はない。
毛利はというとたまに鶴姫と、家のあちこちを掃除している元親をじっとみたかと思うと凄まじい勢いでキーボードを叩きつけるということを何度か繰り返していた。
表情はいつもと同じで無表情に近い。だがそんな毛利が心の中で『妹萌えキター!!むしろ兄妹共々萌え!!』などと考えているとは思うまい。そして先程から書いているその文章が新作の萌え系ライトノベルの設定集だとは誰も信じられまい。その表情と、眼鏡を上げる仕草も相まって、見た目だけならば毛利はクールな印象の持ち主だろう。中身は色々と残念なのだが。
ちなみに言うとこの二人、鶴姫と毛利の年齢は軽く二十歳、下手をすればそれ以上は離れている。鶴姫の兄である元親にしても十歳は離れているのでいずれにしろ犯罪臭が漂う。
そんな感じで、毛利の脳内以外は割合平和に時間は過ぎていったのだった。
「…ふむ今日は夏祭りか」
毛利は午前のおやつであるひやしあめを飲んでいた。その傍ら新聞に入っていたチラシを見ており、あるチラシを手にそう呟く。チラシを片付けていた元親と鶴姫は揃って顔を見合わせる。
「夏祭り…?」
こてんと首を傾げて鶴姫が呟く。
「…みたいだぞ?」
同じように元親も首を傾げる。
十歳の少女と二十歳の青年が全く同じ動きをするという、傍から見ると不思議な、それでもある意味可愛いく微笑ましい振る舞いである。もっとも作為的では無いことが一番大きいのだろうが。
『この萌え兄妹が……!!』
その自然な振る舞いにノックアウトされかける男が一人。毛利にとって幸運だったのはこの時の彼は、自身が思っている以上に無表情だったことだろうか。少なくとも、これらの呟きを全て口にしていたら、それはとても危険な事である。今後の生活的な意味で。
「うむ。毎年この時期は、裏の商店街主催の祭りがあってな。それが今年は今日という訳よ」
燃えたぎる内心をひた隠しにしつつ毛利は説明する。幸いにというべきか、元親も鶴姫も気がついた様子は無かった。
「へー…商店街のお祭りか」
「出店はでるんでしょうか?」
毛利から手渡されたチラシを元親と鶴姫は並んでのぞき込む。この二人、顔は似ていないのに仕草や振る舞いがなんとなく似ている。やはり兄妹だからなのだろうか。
「…ああ、商店街の出店だけでなく外部からも呼ぶから、毎年かなり盛況のようだぞ」
参考になるかならんかはわからんが、と付け加えて言った後、毛利はひやしあめを飲み干す。
「盛況のようだ…って毛利は行ったこと無いのか?」
飲み干したのを見計らったように元親はグラスにお変わり分を継ぎ足した。
「ない。前の家政婦から聞いたり、たまたまその日遊びに来た大谷やらに聞いただけだ…そもそも無駄に人混みの多いところに行って何が楽しい。食い物は高いし混むし良いところでは無いだろう」
偏見もあるのだろうが、毛利の言い分はこうだった。毛利が偏屈で頑固なことはすでにいやというほどに理解していた元親は溜息を吐きながら頷く。
「あんたが祭りというものを嫌いなのはよくわかった…でも行ってみたら結構楽しかったりしねぇ?」
困ったような顔をしながら元親は毛利に言う。たとえるならばわがままな子供に手を焼く親のような、そんな表情をしていた。それが少し腹立たしくて、敢えて問いかけることにする。
「では逆に聞くがお前は祭りが好きなのか?」
好きだからそんなにも困った顔をしているのかと思ったのだが、元親から返ってきたのはそれ以外の言葉だった。
「俺か?まぁ割と好き、だな。鶴が行けるようになってからは二人で地元の祭りにはずっと行ってたぜ。…まぁ好きってよりも鶴に誘われて惰性で行ってたようなもんだけどな」
「ではお前よりも鶴姫のほうが祭り好きなのか」
鶴姫とここ数日で随分となじんだ名前を改めて口にする。元親は改めて頷いた。
「おお、あいつの方が好きだぜ。まぁ年も年だしな…ほら」
元親が指さす方向には、元親から渡されたチラシにかじりついている鶴姫の姿があった。その表情は窺えないが、恐らく相当熱意を込めて見ているのであろうということだけは窺える。
『これが世に聞く妹パワー…』
毛利が全くもって間違った方向に考えていたことを知らなかったのは元親にとって幸運だったのだろうか。
「おにいちゃん!」
「おお、どうした?」
鶴姫は立ち上がり、チラシを元親と毛利に向けて掲げる。
「わたし、これに行きたいです!!今日の分の宿題が終わったら一緒に行ってください」
きらきらした満面の笑みと共に言われたその言葉に、誰が一体逆らえようか。いや逆らえまい。そしてとどめの一撃である。
「あの、できればみんなでいっしょにいきたいです!お祭り!」
そうお願いされて、断る兄がいようか。いや、いない。
「任せろ!」
元親は、自分で思っている以上、相当なレベルで妹馬鹿だった。俺が教えて何でもとは言わないけど色々出来る俺の妹は凄い!!ぐらいは素で思っていた。まぁ元親の場合は、まだいきすぎた兄馬鹿として許されるのかもしれないが。
「…我もか?」
まさか自分にも声がかかると思っていなかった毛利は眉根を寄せて呟く。もとより祭りは嫌いなのだ。だが、それでもだ。
「はい!毛利さんとお兄ちゃんと一緒に行きたいです!」
鈴を鳴らすような軽やかな声音で言われたそれを、どうして拒絶できようか。
「…わかった」
もう認めてしまおう。自分はこの少女に対して、間違いなく妹萌えというものを実感していることを。
毛利元就三十×歳。
職業作家。性格割とフリーダム。
弱点 長曾我部元親、鶴姫
毛利の弱点に長曾我部妹限定の妹萌えが追加された瞬間であった。
夕方、支度を終えた三人は祭りの会場へと赴いていた。
「俺も着ることになるとは…」
「私も借りて良かったんでしょうか?」
元親と鶴姫がやや所在なさげなのは二人がそれぞれ纏っている浴衣に理由がある。
元親は紺地の鶴姫は白地の、それぞれ浴衣を着用している。鶴姫のものには赤とんぼの図柄が描かれており、とても愛らしい。
「構わぬだろう。死蔵させているよりは、着てもらった方が服も幸せというものよ」
そう話す毛利は毛利で濃紺の浴衣を着用している。これらの浴衣は全て、毛利が所有するものだった。
何故成人男子用から女児向けのものまでほとんどのサイズを網羅しているのかと元親が尋ねたところ「資料だ」との返答が返ってきた。小説を書くのに何で衣類がここまでいるのかと思ったが、細かいディテールを知るのにはやはり現物があった方が手っ取り早いということでまとめて買った物らしい。浴衣と小道具を一通り買って資料にした後は、和だんすの中で眠っていたらしい。思わず、もったいない使い方だなと思ったことは秘密である。
「でも、浴衣はうれしいです。おにいちゃんも毛利さんもありがとうございます」
そう言って鶴姫ははにかんだように笑う。浴衣の提供は毛利で着付けをしたのは元親だったからそう言ったのだろう。鶴姫の笑顔を見て毛利が密かにガッツポーズを取った事を元親は見逃さなかった。
『妹というのは凄い生き物なのだな…!』
と毛利が感嘆するようになったのはつい先日のこと。子供が苦手だという理由で敬遠していたものの、胃袋を掴まれたことで毛利の中で何かが覚醒したようだ。妹力(そんなものがあるのかはわからないが)に魅入られつつある毛利に元親はこう言った。
『けどよー、世の妹がみんなこんなに色々やるかは俺しらねーからな。鶴はうちの事情が事情だったからあれこれやって覚えてるけど』
両親が共働きで、子供だけで過ごすことが多かった長曾我部家だからあれこれ覚えさせられたが、他の家の小学生女児がこれだけ色々やるのかというと、あまりやらないだろう。多分。
それを聞いた毛利は愕然としたような表情を見せた後、こう言った。
『するとこの妹が凄いというのは長曾我部の妹限定ということか…あやつはやはり凄いな!』
『おう!俺の妹は凄いだろ!』
そんな会話を交わしたのだ。
妹は可愛い。
鶴姫は、可愛い。それは昔から変わらない。だけど、何故だろう。毛利が鶴姫を褒めるのが少しだけ面白くない。それはきっと、可愛い妹を他人に取られたような、そんな気がするからだ。
毛利と鶴姫が打ち解けた時から、元親は少しだけそんな事を考えている。きっとこれもすぐに収まるに違いない。
悩むなんて、俺らしくない。
そこまで考えた所で元親は、妹の手を取って祭りの会場へと足を踏み入れた。
「はぐれると危ないです!」
鶴姫のその主張により鶴姫の右手は元親が、左手は毛利が繋いでいる。年若い男性と、少女の組み合わせは不審に取られかねないものだが、幸いにも商店街の面々はこの数日で毛利、元親、鶴姫の関係を見知った人間が多かったのでトラブルになることもなく三人は歩みを進めていた。
「いっぱいお店がありますね…」
「しかも、結構人がいるな」
「そのようだな…実際目にするのは初めてなのだが」
色とりどりの屋台を見ていた鶴姫は、ふとある店を見て足を止める。
「鶴?」
突如として足を止めた鶴姫に伺うように元親が問いかけると鶴姫は眉根を寄せて呟く。
「…?気のせいでしょうか。石田のお兄ちゃんがいるような…」
「は…?石田が」
「…何か見たことの無い方と一緒なんですが…あれ本当に石田のお兄ちゃんなんでしょうか?」
鶴姫が足を止めたそこは『かたぬき』の屋台であった。
「…この型抜きというものは難しいな…そのうえ食べられると言ってもあまり甘くは無いという…!!」
「やれ三成。甘いのが食べたければリンゴ飴や綿飴を買ってくるが良い。何ならほれ、そこの黒田を足に使え」
「何で小生が!?というか仕事は!?明日の準備があああ…」
「今日ぐらい休んでおけ、安心しろ。上司命令で黒田は半休だと伝えておる」
「いや仕事にも予定があるんだ!!…ああ…あれのチェックが…」
浴衣の三成と、和装に身を包んだ大谷と、やたらガタイの良い黒田の、三人。間違いなく顔見知りの人々であった。
「…間違いなく石田と大谷さんと黒田さんだな…」
「…あの三人は一体何をしておるのだ」
型抜き屋の片隅であれやこれやといい年した大人(うち一人は学生)が集っている光景はなんというか不思議だ。気のせいか型抜き屋だけこの三人しか居ないのは絶対に気のせいじゃないと元親は思った。
声をかけますか? YES
→NO
選択肢を選ぶ場面であれば、間違いなく後者を選ぶであろう。そう、それは毛利も同じだったようでそ怪訝そうな鶴姫を伴って足早に立ち去ろうとした。だが遅かった。
「おお!元親に鶴姫…毛利殿ではないか!!」
「あ、徳川のお兄ちゃんです」
複数の屋台を荒らしてきたと思しき徳川家康が両手いっぱいに荷物抱えて目の前に立っていたのだから。家康の服装はごく普通の普段着だった。和装では無い。
「む?長曾我部に長曾我部妹…それと毛利か?」
「なんぞ水くさいのう、毛利。気づいたのであれば声をかければよいものを」
「頼む…!この苦行から小生を救ってくれえええええ!!」
元親と毛利のこの時の心境は一致していた。
『厄介なのに、捕まった』と。
状況が飲み込めない鶴姫以外、元親も毛利も乾いた笑みを浮かべることしか出来なかった。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
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