こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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ちょっと短め、夏休み企画。
書いているのはうずみです。
そして来週はその頃の家康さん&忠子の様子の予定。
(書いた人 うずみ)
*****
こおりはあまあまでひえひえでおいしいよ。
という内容が書かれているらしい大坂城からの手紙を受け取り、甲斐の武田家に住んでいるちびたちはとても大喜びした。甲斐のちびたちは友達が少ないというわけではないが、甲斐の外に出ることが少ないので基本的に他のちびたちとの関わりが少ない。
世話係兼母親がわり兼危険から守る役の佐助としては、もう少し他のちびと会わせてやりたいというのが本音。いつも二人で仲良く遊んでいる姿は周囲の心を和ませてくれるが、二人きりでかくれんぼをしたりしている姿はなんというか。
物悲しい。
もっとたくさんの友達とかくれんぼをしたり鬼ごっこをしたりすれば、ちびたちも、もっと楽しめるだろうに。そう思いはするが、甲斐のちびたち……いや、甲斐の人間たちに問題があるのだ。
「ゆきむるぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!」
「おやかたさぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!」
「甘いぞゆきむるぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!」
「さすがでございますぅぅぅぅ! おやかたさぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!」
甲斐の人間というか、幸村と武田信玄はちびたちにとって危険人物極まりない人物だった。
今も屋敷の庭で恒例になった殴り合い、ではなく愛の鉄拳を交わし合っているが。そうしている間にも彼らが破砕した壁の欠片が凄まじい勢いで周囲へ飛んでいっているし、そのうちのいくつかは塀の上で二人を止める機会を見計らっている佐助にもぶつかりそうになる。
この暑さで動くだけで疲れが溜まるというのに、どうして彼らは夏の暑さに負けず動き続ける事ができるのか。見ているだけで憂鬱になる光景に頭を抱えながら、佐助は壊れていく屋敷の周辺を見つめ続けていた。
おまけに、気を抜くと木や壁の破片が凄まじい勢いで飛んでくる。
佐助は手で受け止めることができるが、膝の上にいる虎耳を持つちび村はそれで何度も怪我をしているのだ。熱くなると周囲が見えなくなる熱血師弟を叱りつけても、彼らは稽古に熱中するとまた同じ事を繰り返す。
それでもちび村は幸村のことが大好きで、稽古の時以外は幸村の肩の上にいることが多いのだ。自分を慕う者の身の安全くらいは考えて欲しいんだけどね、幸村に付き従う忍びである佐助はそう思ったりするがちび村は幸村はそれでいいと言う。
ゆきむら、かっこいい。
だからおけいこがんばるの。
いたいの、がまんするよ。
なんで旦那と同じ顔でこんな周囲に気遣いができるいい子なのか。
幸村が好きすぎて同じ格好がしたいと言いだしたので佐助が作ってやった赤い戦装束に身を包み、先程からひっきりなしに飛んでくる破片を気合いで避けているちび村だったが。
小さい体にはやはり限界がある。
「う、うおぉぉぉぉぉ!」
「ほら、なんでも気合いで避けるのは無理なんだから。おとなしくちび助みたいに隠れててよ」
「うぉぉ!」
ちび村にとって幸村は頼れるお兄ちゃんで、憧れの存在。
強くてかっこいい幸村の姿を常に見ていたいという気持ちはわかるが、その幸村も信玄に殴られて吹っ飛ばされてばかり。
「おやかたさまぁぁぁぁぁ! 枝が刺さったでござるぅぅぅぅ!」
「甘いぞ、幸村ぁぁぁぁぁっ!」
あ、また吹っ飛ばされた。
庭の松の木に全身がおもいっきりめり込んでいるが、幸村は頭に枝を刺したまま必死に立ち上がる。それを見てぱちぱちと拍手しているちび村に向かって飛んでくる破片を手で受け止めていると、腿のあたりの布を軽く引っ張られた。
「どうしたの、ちび助?」
「……みゃ」
「え? なんでみんな痛いことが好きなのかって?」
「みゃ~みゃ」
「大将と旦那にとって、あれが稽古……いや、遊びみたいなものだからね……まあ俺様には理解できないんだけど」
「みゃ」
小さな、小さな手が佐助の影からぴょこんと飛び出ている。
佐助にそっくりな猫耳を持つちび、ちび助。彼は見た目以外は佐助に全く似ておらず、常に佐助の影に隠れてよっぽどの事がなければ外に出てこない。しかし本人に聞くと佐助の影の中が中々に広いそうで、その中で運動したり昼寝したりとなかなか有意義な生活を送っているらしい。
おまけに影の中は気温が常に一定。
これを聞いた瞬間自分も影に入りたいと心の底から願った佐助だったが、よく考えると自分の影に自分で入ることはできない。たまに影に入れてもらっているちび村を羨むくらいには、今年の暑さは異常だった。
去年の夏はもう少し涼しかったのに。
手だけを出したちび助と握手をして喜んでいるちび村の頭を撫でてやりながら、佐助は今年の夏をどう乗り切るかを考え始める。信玄と幸村が発する熱気から守るために、氷室の類は武田家の屋敷から離れた場所に作ってある。大坂城のように潤沢に氷があるわけではないが、それでも一度くらいは彼らに氷を食べさせてやることができるだろう。
手紙が来たことであれだけ喜んだのだから、実際に氷を食べられると知ったらどれだけ喜んでくれるだろうか。
「お……お……やかたさぶぁ……」
「ゆ……きむら……」
「まだ……倒れませ……ぬ……」
信玄の渾身の一撃を腹に受け、大きくよろめいている幸村に塀の上から声をかける。
「大将~ 今日のおやつ、氷でいいかな?」
「氷か……この暑さの中氷とは中々風流な……儂には小豆がけで頼む」
「じゃあ用意するね、旦那とちびたちは団子を乗っけてあげるよ」
「うぉぉぉぉぉっ!」
「だ、団子だと!?」
目の焦点が合わなくなり始めていたというのに、顔に大きな痣を作った幸村は『団子』という言葉で一気に目を輝かせ始める。
当然幸村に近い思考と行動形態を持つちび村もかなり喜んでおり、影の中に隠れているちび助が気になって影から顔を出すほどに飛び跳ねている。
そんなちび助を佐助は捕まえ、
「隠れてたら、氷は食べられないよ」
と、ぴるぴる震える耳を指先で小突いてやりながら言ってやった。
「みゃぁ~」
自分にそっくりな顔の猫耳ちびを抱き上げ、腕の中に収めるとさすがの引きこもりも観念したらしい。しゅんとした様子ではあるが佐助の仕事を手伝う気らしく、佐助に作って貰った忍び装束の腕をまくって準備を始めている。
そういえば四国の方には『ろいやるにーと』と呼ばれる、周囲の迷惑を巻会えずに被害を広げる引きこもりがいると聞いたが。
ちび助は必要な時には出てくるから可愛いなあ。
頬ずりする勢いでちび助を愛おしんでいると、その動きで体勢を崩したのかちび村が頭の上の黄と黒の耳を揺らしながら。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!?」
ぽちゃん、と佐助の影の中に落ちた。
「ちょ、ちび助! これどういうこと!?」
「みゃみゃ」
「影を閉じるの忘れてたって? ち、ちび旦那! 無事!?」
塀の下では信玄が巨体を動かして動けなくなった幸村を起こしてやっている。
その様子を見ながら必死に自分の影に向けて声をかけると、影の中からか細い声。思った以上に元気な声に、ほっと息を吐くが。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!」
「……こっちの方が涼しいから、氷ができるまでここにいる?」
「うぉぉぉ!」
「ちび助……影の出口塞いでいいよ。かわりに旦那の影に入っていいから」
「みゃ~」
妙な所で幸村に似ているのか、ちび村は単純な考え方しかできない。
ここで影から素直に出てきてちび助のようにお手伝いをすると言えば、いい子だねと褒めてやったのに。
ちび助がやる気になっているのに、どうしてここでさぼろうとするのか。
ちょっとだけ怒りを感じた佐助は影の出口をちび助に閉じさせ、二人で仲良く氷作りに励んだのだが。
皆が仲良く氷を食べている間、佐助の影から泣き声がし続けたのだが。
ちゃんと後から出してもらえて、説教された後作りたての氷を食べられたのでちび村は深く反省してから美味な氷を食べることができた。
母(忍び)の教育は厳しくも優しい。
その事実を身をもって受け取りながらにこにこ顔で氷を食べ続けるちびたちを、満足げな顔で世話する佐助であった。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
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