こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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これでこの章は終わり。
同じ時間軸なのに、話って変わるもんだなあ……と自分が驚く。
次は「輪舞~真~」 大雪の刻 ~幸村~ですな。
同じ時間軸なのに、話って変わるもんだなあ……と自分が驚く。
次は「輪舞~真~」 大雪の刻 ~幸村~ですな。
*****
家康はその日の夕方、別れを惜しみながら稲葉山の別邸から己の城へと戻っていった。
ずっと思いを寄せていた相手が自分を思っていてくれた、その事実は若い二人に全てを乗り越える力を与えてくれたらしい。視線と手の平を重ね合わせながら名残惜しげに、だが未来を作り上げようとする意志をその内に秘め。
また必ず会いにくる。
そう約束して去っていった家康を見送る三成の背には、死を覚悟した人間が抱く諦念は跡形もなく消え失せていた。
それを見て安心した官兵衛だったし、家康と連絡を取る手はずはもうつけてある。すぐに二人を会わせてやれる事に満足していた官兵衛だったが、家康との会談に乱入してきた挙げ句三成と会わせてしまったことを大谷には散々怒られてしまった。彼を守るように周囲に浮かぶ玉に散々追いかけ回され、悪口雑言に心を傷つけられはしたが大谷は三成より先に大阪城に戻らなければならなかった。三成の体が癒えるまでの間、彼には大坂城でやらなければいけない政務が山のようにあるのだ。
まだ官兵衛の事をいたぶり足りなかったのか、渋々といった様子大阪城へと戻っていった大谷は三成が体を休ませている間に一人悪巧みをするつまりなのだろうが。
自分の策を邪魔する者を放置しておく官兵衛ではない。
大谷が留守の間に信頼している人間を相当数大坂城に送り込んであるし、秀頼の世話係の人間のほとんどは官兵衛の息がかかった人間だ。三成の新しい主君である秀頼を暗殺されては困るし、なによりも大谷の手を汚させるわけにはいかなかった。
そんなことになれば三成が悲しむ。
大谷に秀頼の命を狙わせない方法を考え続けた官兵衛は、突拍子もないが確実なある方法を思いつきそれをすぐに実行に移したのだが。
さてそれはどのような結果をもたらしてくれているだろうか。
大谷に五日程遅れて大阪城に戻ってきた三成は、旅支度を解く暇すら惜しみ天守閣で這い回って遊んでいることが多い秀頼に官兵衛と共に謁見を願ったのだが。
派手な足音を立てながら天守閣へと到達した三成と官兵衛を待っていたのは、大谷吉継の哀願に近い声であった。
「やれ、我は困った……三成、我を助けてはくれぬか?」
「刑部……」
「我を助けると思って、秀頼様をどこかへどけてはくれ……」
広大な大広間の真ん中には、包帯を巻いた全身の上に緩め着物を羽織った大谷吉継の姿。
そして彼の使役する幾つもの玉が転がる中、三成の現在の主君である豊臣秀頼はその玉の上に乗り満面の笑顔で遊び続けていた。小さな体に見合わぬふくふくとした手足は彼が将来大柄な男になることを教えてくれるが、今はまだつかまり立ちができるようになったばかりの赤子。
適当に手を動かすと転がっていく玉を見ては嬌声を上げ、乗っている玉と共に足の力で移動しては手をぱたぱたと動かす。豪奢で広すぎる室内の真ん中で、小さな赤子が大人に見守られながら遊んでいる。それは見ているだけで心和む光景だったのだが、玉を遊び道具にされている大谷は気が気ではなかったらしい。
包帯だらけの指先をおろおろしながら動かし、彼らしくない程動揺しながら玉同士が強い音を立ててぶつかり合うのを見つめ続けている。その顔に同様と驚愕が張り付いているのをちらりと目線をやることで確認し、官兵衛は三成を追い抜かして玉にじゃれついている秀頼を抱き上げてやった。
こういう時は恩を売っておくに限る。
「暗か……我はぬしには頼んでおらぬ」
「お前さんにも苦手があったんだな」
「赤子はすぐ泣くのでな」
「秀頼様は強いお方だ、無闇に泣くわけがない」
慣れぬ官兵衛の腕の中でもがいて顔を歪める秀頼の姿を見て、三成が官兵衛の腕からその小さな体を受け取る。わずかの間に赤子が苦しくならない抱き方を覚えたらしい三成は、小さな尻を自分の腕に乗せ足を手を思う存分動かせるように調整してから秀頼にこれ以上ない程優しく笑いかけた。
「秀頼様……私が軟弱なばかりにお一人にさせてしまい……申し訳ございません。ですが刑部が忠心を持って尽くしていたようで、安心いたしました」
「酷い目にあったわ……赤子は何をしでかすかわからぬ」
「秀頼様のやることには全て意味があるのだ」
「我にはそうは思えぬが……」
包帯の奥で顔をしかめながら三成に聞こえぬように独りごちた大谷は、よろめきながらも腕に力をこめて立ち上がる。それに呼応するように宙に浮き始める玉と共に不安定な足取りで三成へと近づいていくと、ぺちぺちと秀頼に頬を叩かれている彼の肩にそっと手をやった。
この男、三成にだけは恋人に囁くかのような声音で話しかけるのだ。
「よう戻ってきた……体はもう大丈夫なのか?」
「心配ない。それよりも貴様に全てを任せてしまった……すまなかったな」
「我は三成が無事に戻ってくればそれでよい。暗も多少の役には立ったか?」
「ああ、思ったよりは使えた」
官兵衛に関する話題をさらりと流し、三成は前髪を引っ張り出した腕の中の幼子を制するために柔らかい頬に己のそれをすり寄せた。途端にきゃっきゃと嬌声を上げて手足を動かし出す秀頼と、それを温かい眼差しで見つめる大谷。
そして官兵衛は言葉を発することなくじっとそれを観察し続けていた。
大谷の中にあるのは、三成への揺るぎなき恋人に寄せる愛情よりも強い友情。もしかしたら大谷本人が気がついていないだけで、それは情人に寄せる熱烈な思いまで成長しているのかもしれないが今のところは友誼でしかないと官兵衛は解釈していた。
そうでなければ家康と三成の再会を知った時、もっと怒り狂っているはずなのだ。
今はまだ友。
だが今後の動き方によって、はそれは御しがたい感情に変わってしまうかもしれない。だからこそ官兵衛は自分の手の人間に命じて、大谷と秀頼が二人きりで触れあう時間を長く作るようにしていった。勿論監視付きではあったが、それは大谷の心をわずかに変化させてはくれたらしい。
三成の代わりに豊臣の象徴となった子供への憎しみから、三成が愛おしんでいる元気の良い赤子へ。
困りながらもちゃんと秀頼を見守っていた大谷が、秀頼の暗殺を考えることはもうないとみていいはず。これならば大坂城に集う兵たちは秀頼の名の下に一丸にまとまり、三成と大谷で仲違いすることなく軍を動かせる。
官兵衛は三成に忠告しながら、影で軍を動かせばいい。
まだ小さな秀頼を囲みながら、付き合いの長い友人としての軽口混じりの会話をしていたまだ若い二人。彼らを少し離れた距離で鉄球に座りながら見ていた官兵衛だったが、会話の最中にふと表情を強ばらせた三成に急に声をかけられた。
「官兵衛……宇都宮から先日の返事が来た。虎と戯れるしか脳のない男だと思っていた……あれほど人を馬鹿にした文章はなかなか書けぬものよ。別な意味で見直したわ」
「相当ひどい返事だったって事か」
「太閤様をあそこまで侮辱するとは思わなんだ」
「宇都宮め……秀吉様を侮辱するとは! 私自ら誅してやらねばならぬようだな!」
「向こうにしてみりゃ、目の上のこぶが死んだんだ喜ぶ所なんだろうがな……」
「宇都宮には秀吉様と秀頼様の素晴らしさがわからないのか……愚か者め」
「秀頼に会ったことがないんだからな、わかるわけないだろうよ」
「秀頼様と呼べ!」
座っていた鉄球から下り、畳を傷つけながら引きずり近づいていくと宇都宮の件で途端に不機嫌になった三成にきっと睨み付けられた。
秀吉が死んだ時から宇都宮と豊臣家は激しく対立するようになった。力で無理矢理秀吉に服従させられたことを、若き当主は相当恨んでいたのだろう。豊臣家と敵対する家と積極的に同盟を組み始め、周辺の友好国を脅かしている彼にこのまま続けていれば武力で制圧する用意があることを臭わせる手紙を送ったのだが。
秀吉亡き今、豊臣恐れるに足りず。
宇都宮家はそういう結論に達したらしい。大坂城と彼の領地が遠く離れていることも、宇都宮が豊臣軍を挑発してくる理由の一つなのだろう。徳川家との緊張が深まりつつある今、自分たちに兵を出す余裕があるわけがない。
そう高をくくっているのならそれは大間違い。
三成も大谷も豊臣軍をこよなく愛しており、その名誉を傷つける者にはそれ相応の報いを与える気概に満ちている。そして一兵卒までが高い士気を維持し続けている豊臣軍にとって、距離や兵力の差など何の意味も持たないのだ。
このまま三成に宇都宮を攻め落とさせるか、それとも。
一瞬考え込んだ官兵衛だったが、答えはもう彼の中で決まってしまっていた。
「…………宇都宮からの和解はもうないって事だな」
「私の話を聞いていなかったのか?」
「後でその文を確認させてくれ。内容次第によっては向こうに攻め込んで無駄に戦力を減らす必要がなくなるかもしれん」
「不幸に憑かれた軍師殿になにができるやら」
口元を盛大に歪めた大谷に揶揄されたが、三成は何も言わずにこちらを見つめていた。
家康と会わせてくれた上に、自分を守ろうとしている官兵衛を信じていいのか。それとも勢いに任せて宇都宮に攻め入るか。腕の中にいる秀頼さえいなければ好戦的な三成のことだ、誰が反対しようとも攻め入っただろうが。さすがの彼も幼子をおいて戦には出られないのだろう。
三成にとっても大谷にとっても、今後秀頼は良い意味での枷となってくれる。勢いと力に任せて他者を傷つけることを選ぶのではなく、まず幼い君主の未来にとって一番良いと思えることを彼らは選んでいかなくてはならないのだ。
「とにかく見せてくれ。刑部……お前さんだって無駄に兵と兵糧を減らしたくはないだろう? 相手の文につつくべきところがあれば……非は向こうにあると言い切ることができるはずだ。そうすりゃわざわざ兵を出して脅しをかける必要もなくなる。逆に宇都宮家は君主を亡くした豊臣に非道な行為を仕掛ける……と言ってやれるかもしれん」
「そこまで言うのなら、此度の件はぬしに任すとするか。三成も病み上がりの身、無理に出陣させるわけにはいかぬ故」
「刑部、私はもう大丈夫だ」
「ならぬ……ぬしにはしてもらわねばならぬことがそれこそ空に浮かぶ星の数程ある。太閤様の御名を汚したことは腹立たしいが、我らの真の望みは太閤殿の命を奪った徳川を滅ぼす事よ」
隠し事のできない正直すぎる三成の体が、その言葉に顕著に反応した。
秀吉を抱く手に力を込め、目に悲しげな色を潜ませ。愛している男が理由があったにせよ敬愛する君主を討った。その事実をどう受け入れるべきなのかを、三成はまだ悩んでいるのだ。
秀頼に愛情と忠誠を注ぐ事で、秀吉を失ったことで生まれた喪失感を埋めようとしている。その姿は周囲には痛々しくみえるのかもしれないが、今の三成は秀吉の死の衝撃から立ち直り家康との新しい道を探ろうとしている。ならば官兵衛は三成の惑いも憤りも、そして家康に向ける無垢な愛情も受け入れるべきだと思っていた。
そして決して表には出さないが、大谷だって秀吉と半兵衛を失った悲しみを胸の内に抱えているはずなのだ。秀頼との交流はきっと、そんな大谷をも救ってくれると官兵衛は信じているが。
まずは目の前にあることを順に片付けていかなければ。
大谷が動く前にできる限りのことをした、そしてその結果はこれから確かめていく必要がある。できる限り戦わず、一つでも多くの命を新しい世の中へ連れて行く。
それがやり直しを認められた自分のできる、せめてもの贖罪。
「ところでな三成……お前さんに言わないで勝手にやっちまったことがあるんだが……」
「…………刑部?」
唐突に切り出したその件について、三成が最初に行ったのは目の前にいる刑部に首をかしげながら問うことだった。そうすると背の高すぎる子供のように見えて奇妙に愛らしいのだが、大谷はその仕草で顔を緩めることはなかった。
全ては官兵衛の独断、それを三成に伝えるために無言で首を振る。
「貴様……何をした?」
「そろそろ返事が返ってくるはずなんでな、先に叱られとくことにしておこうと思ってな。小生はお前さんのためになることしかする気はないが……それを気に入ってくれるかどうかは……言ってみないとわからんだろう?」
「言え」
三成の言葉は短く、そして鋭利だった。
家康の前ではその鋭さは影を潜めていたが、本来の彼は敵と認めた相手を容赦なく切り捨てる男なのだ。そんな彼が自分に何も言わずに官兵衛が影で動いていた事を知れば。
当然許すわけがない。
無言で秀頼を大谷の腕へと移動させ、いつでも刀を抜けるようにした三成は。
「話せ……内容次第ではこの場で貴様を斬滅する」
端正な面を徐々に燃え上がりつつある怒りに染め、官兵衛へと向けて少しずつ距離を詰めてくる。
今後の話の進め方次第では三成に切られかねない状況。だがその時官兵衛が感じていたのは、簡素な袴姿だというのに着飾った娘よりも艶やかに。袴の裾をほとんど揺らすことなく近づいてくる三成に対する賛辞と、そして彼に対する愛おしさだった。
三成と大谷の許可無く、各国に豊臣の名で書状を送った。
今回の徳川家の裏切りによって君主秀吉が討たれたこと、そして幼い秀頼がその後を継ぐことになったこと。重臣が徳川家の戦いでほとんど討ち死にしてしまっており、まだ弱輩ではあるが石田三成が秀頼の後見として徳川家に報復戦を行おうとしている事実。
それら全てを公開し、官兵衛は各地の将たちに文の形でもって問うたのだ。
天下統一に手が届く程の強大な力を持つ豊臣につくか。
それとも徳川の味方につくか。
今後この国はこの二つの勢力を中心に動いていく、どちらにも与しないという選択肢はまずありえない。次の時代を見据えて動くことができない愚鈍な存在に一国を任せる程、豊臣も徳川も甘くはない。だが確固たる意志と決意を持ってこちらに力を貸すと伝えてくるのなら、それ相応の待遇は約束しよう。
半ば懐柔、半ば脅し。
拘束されたままの官兵衛の下手すぎる字では相手に疑われるので、それ相応の技術を持つ者に三成や大谷の字を真似てもらい。丁寧な文章を心がけて作った書状と、大谷たちが送った脅し混じりの文章がほぼ同時に届き宇都宮も相当混乱したのだろう。
彼には悪いことをしたと思いはするが、できれば彼には一度こちらに屈服して欲しいのだ。
意図してはいなかったとはいえ、望む方向に物事が動いたことに内心感謝しながら全てを語り終えた次の瞬間。
官兵衛の首筋を襲ったのは、細長い棒のような物での強烈な一撃だった。それが三成が腰に差していた刀であることに気がついた時には、細くもか弱くもない官兵衛の体は大きく吹き飛び畳に叩きつけられていた。
鞘から抜いていない刀の一撃で、自分よりも体格のいい男を吹っ飛ばすのか。
さすがに鉄球ごと吹っ飛ばす事はできなかったらしく、鎖がぴんと張り詰める程の距離までしか飛ばされなかったわけだが。そのせいかかなりおかしな格好で落ちたらしく、肩と頭頂部が焼けるように痛い。禿げていなければいいのだがと思いながら体を起こそうとすると、顎に突きつけられたのはわずかの曇りもない輝く切っ先。
そして官兵衛の視界には、今の音を聞きつけて集まってきた使用人たちの足が映り始めていた。
「…………官兵衛……貴様……」
「小生はそれが必要だと思った、だから行っただけだ」
「黙れ! 豊臣の名を汚した貴様を、私は許せない!」
音もなく自分の目の前に立った三成の刃は、いつでも官兵衛の首と体を切り離すことができる。だが三成が怒りにまかせてそれを行わないのは、彼なりに官兵衛に恩を感じているからなのだろう。
その目は怒りに燃え上がり、怒気に当てられぐずりだした秀頼をあやすことしかできなくなっている大谷もこちらを睨み付けてくる。しかし今の三成の刃の届く範囲に避けることも受け止めることもできない秀頼を近づけるわけにはいかない、そう考えているのだろう。
距離を測りながら、介入する時機を窺っているようにも見える。
「今の徳川なら今の戦力なら十分叩き潰せるだろうよ。だがな……それじゃ上手く戦を終わらせることができなくなるんだよ。豊臣と徳川が普通に戦えば、またこの国は戦乱の世に逆戻りだ。秀頼が大きくなった時、戦でいつ命が失われるかわからん世の中を……お前さんはこいつにくれてやるつもりか?」
「豊臣が他者に頭を垂れることがあってはならぬのだ! それと秀頼様と呼べ!」
「小生はこんなチビガキに暗殺の危機に怯える暮らしなんて与えたくはないんでな。そのためなら誰にだろうと頭を下げてやるよ」
「うるさい!」
自分の名を騙られたうえに、望んでもいない他の将からの協力を勝手に募られたのだ。短期な三成がそれを許すわけがないし、彼は豊臣軍は常勝無敗と信じきっている。家康と彼に他国を巻き込んで戦を行っていくことは説明したのだが、三成は納得しながらも最後まで渋る様子をみせていた。
だがそれでは駄目なのだ。
最強だからこそ、その力を惜しむべき。自分たちの力にだけ頼るのではなく、消耗を避けるためにも他の勢力の力を使わせてもらわなければならない。それに三成が最初から他国と同盟を結ぶことに積極的であれば、大谷だって影でこそこそ動く必要はなくなる。
秀頼の存在が大谷を縛る一つ目の鎖なら、二つ目は同盟する他国。
常に彼らに見張られている状況を作ることで、彼を無闇に動けぬようにする。一つだけ心配なことがあったが、それに関しては別な解決法を考えてあった。
だから今すべきことはここで三成を説得し、他国との同盟を積極的に進めさせることだけ。とはいっても三成だってここで他国を巻き込んでおかなければ、半兵衛が望む戦を行えないことはわかっているのだ。
彼が許せないと思っているのは、官兵衛が自分の名を使い豊臣の価値を下げるような文を送ったことであって、同盟を結ぶことについては一度も反対していない。
三成の大声が人を呼び徐々に人が集まってきている状況、そして大谷と秀頼がこの場にいる。
これほどの好機は、もうこれから無いと思っていいだろう。
「お前さんと刑部の名を使ったことについては謝る……すまなかった! だが小生は豊臣の未来のためにそうしなければと思った……小生を斬りたければ斬ってくれても構わん」
「ならば今貴様を斬滅する」
「小生は豊臣に、いや三成……お前さんに忠誠を捧げたつもりだ。お前さんに不忠と判断されて斬られるなら……しょうがないだろうさ」
切れ味の良い刃は、わずかに動くだけで官兵衛の顎を切り裂くだろう。
そして三成の圧倒的な剣速は、官兵衛に切られたことすら気がつかせない。怒りに任せたまま官兵衛を一刀のもとに切り伏せる力を持つ三成に、今官兵衛は生殺与奪の権利を握られているわけだが。
不思議と死の恐怖は湧いてこなかった。
頭を擦りつけて謝ることができないので、顎をあげて怒りを隠そうとしない愛しい存在の姿を見る。さすがにこの季節になると寒いのか、厚めの羽織を羽織ってはいるが細い体の線を官兵衛は、はっきりと見ることができた。
細くしなやかな体に、堅く清らかな心。
家康と再会してから、仕草の一つ一つに色香のようなものが漂うようになってきたのも官兵衛は嬉しかった。こちらに向けられるふいの視線に込められる、胸をざわめかせる程の妖艶さと威厳。本人は全く自覚していないはずなのだが、こんなものを気構えなしに見せられたらどれだけの人間が三成に墜ちるだろうか。
常に行動を共にしていて耐性があるはずの官兵衛でさえ、今こうやって見下されてながら死んでもいいと考えてしまうのだ。あまり三成の側に年の近い人間を寄せない方がいいと考えながら、官兵衛はため息を押し隠しながらちらりと三成の足を見る。
足袋に包まれた足の先に唇を落とし、衆人環視の中で忠誠を誓ってしまいたい。そう思うほどの今の三成は魅力的になりつつあるし、そんな彼を三成を本気で愛していた。
だからこそ、彼を幸せにするために生きて家康に託したいのだ。
自分だけでは三成を守れないことも、三成に愛してもらえないことも理解した。だから彼が幸せになれる場所へ、笑顔で送り出すのが今の官兵衛の一番の望みなのだ。できれば三成の人生を最後まで見届け、それこそ兄か父のように尽くし続けてやりたいが。
ここで斬られれば、それもしてやれないわけか。
諦めているわけではないが、ここで三成に斬られて死ぬのも悪くないのではという思いがあるのも事実。愛している相手が別な相手と幸せになるのを見たくないが、そうするのが彼にとって一番幸せだということを官兵衛はもう知ってしまっている。今後やるべき事は全て家康に教えてあるし、自分の配下の人間にも三成を助け続けるように厳命しておいた。
ここで死んだ方が楽かもしれないが、そうすると三成を見続けることができない。
そんな官兵衛の二律背反な思いを目から感じ取ったのか、ほんのわずかであったが三成の刀が力を失った。
「私と……秀頼様に忠誠を捧げると?」
「小生は最初からそのつもりだ」
「…………そうだな、貴様は私の味方であり続けた」
三成の声から、徐々に力が抜け始めている。
昔から三成は自分の信じたことだけが正しいと思っていた。そして官兵衛はそんな彼が困難に突き当たっているのを見かける度に、事細かく世話してやっていた。単に気は強いが根は素直な子供が理不尽な大人たちに潰されていくのが我慢ならなかっただけだし、見かけたら手を貸してやっていた程度。
礼儀を理解していないと上役にいびられた時には事細かく作法を教えてやり、三成が大切にしていた神社を勝手に直してやったり。何をしても余計なお世話だと逆に怒られていたが、どうやらそれは照れ隠しだったらしい。
ちゃんと三成はその時のことを、感謝と共に覚えていてくれたわけだ。
色々と含むところはあるようだが怒りを何度か深く呼吸することで押さえ込み、表情を和らげていく三成の姿に見守る使用人たちの口から安堵のため息が漏れる。彼らが見たことはすぐに大坂城中に広がり、三成に対する周囲の評価を少しだけ変えてくれるだろう。
間違いを犯した臣下を無為に切り捨てることをしない、賢明な主人だと。
「……今回だけは秀頼様に免じて命を取るのはやめてやる、だが次はないと思え」
「いいのか?」
「斬られたいとでも?」
「そういうわけじゃないんだがな……」
「その身に罰を受ける覚悟があるということだな? ならば今回の件の咎を貴様の体で償ってもらおう」
「夜伽なら喜んで引き受けるが、どうする?」
「貴様……よほど私に斬滅されたいようだな……」
刃を地につけることは敗北の意。
だから三成は決して切っ先を地面につけることはないのだが、官兵衛を殺す気を完全に失ったのか畳につくかつかない位置で鋭い切っ先は彷徨い続けている。
何故鞘に収めないのか。
それに官兵衛が気がついた時、三成の右足が半歩だけ前に進んだ。足の先にこもった力、そして周囲に宣誓するようにその言葉を口にした時。
三成が己の目的を遂げるために動き出した。
「み、三成!?」
思わずうわずった声を無視し、三成はゆらりと刃を持ち上げる。その全身から感じる気迫は、三成は在りし日の秀吉を思わせる強さに満ちており。
「首は斬らない、ただし別な物を貰うぞ。官兵衛……背筋を正せ」
「わ、わかった!」
有無を言わせない力に満ちた声に思わず素直に従い、膝の上に枷を置いて美しき主君の言葉の続きを待っていた官兵衛に与えられたのは。
自分の体を襲う、銀色の一閃だった。
「な、なにぃ!」
「……私と秀頼様に忠誠を誓え、決して裏切るな。秀頼様に勝利を与えた時、残りも砕いてやろう」
「い……いいのか……」
「誰にも文句は言わせん。たとえ刑部だろうともな」
「ぬしの望みを我が聞かぬ訳がなかろう……だが、よく壊せたものよ」
呆れきったような大谷の声と、落ち着いたらしい秀頼の可愛らしい声。それに何の感慨も抱くことなく、官兵衛は呆然と自分の体を見つめ続けていた。
主に手を。
今までずっと自分を拘束し続けていた木製の枷。
中には金属のからくりが仕込まれていて、無理矢理外そうとすれば官兵衛の両手首を切り落とすと言われていたそれが。
真ん中から真っ二つになっていた。
勿論完全に外れたわけでなく手首を覆い続けているし、鉄球が外れたわけではない。だが両手首が自由に動くようになったというだけで、官兵衛にとっては十分に喜ばしいことだった。
喜ばしすぎて、夢なのではと思うほどには。
だがこれで字を誰かに書いてもらわなくても良くなるし、自由に着物を着替えることができる。今後の日常生活が楽になることの喜びに浸っていると、少しだけ困っているような三成の声。
「少し刃が欠けたな……研ぎに出さねば」
と言いながら鞘に刀をしまっている三成は、自分がどれだけ常識外れのことを行ったのかを全く理解していないらしい。枷に内蔵されているからくりが発動する前に、からくりごと真っ二つにする。そんな神業を行いながら誇ることも安堵することもなく、当たり前のことを行ったかのように三成は振る舞うのだ。
どれだけこの無自覚な青年は、官兵衛の心をかき乱すのか。
自由になった腕の感触を味わうかのように動かしていると、三成はもう官兵衛から遠ざかり始めていた。泣かせそうになった秀頼のことが気になっていたのか、足早に近づいていくと大谷の手から再度小さな手を大きく動かす秀頼を受け取り。
安堵させるために、優しく微笑んでいた。
この頃にはもう使用人たちはそれぞれの仕事場へと戻り始めていたが、彼らはその目に三成の全てを目に焼き付けた。あの中の何人かが三成に心酔し、全てを捧げるようになるのは時間の問題。
そして官兵衛はまた三成に惚れ直したわけなのだが。
惚れたからといって思いのままに手に入れるわけにはいかない、相手の生存と幸福を願うのならば。
「…………結局、小生は不幸なままか」
枷から半分だけ解放されようが、三成に認められようが。
根本的な『不幸』は何も変わっていない。坊主の様にきちんと膝をそろえて正座しながら、三成と家康だけでなく自分も幸福になるにはどうすればいいのか考え。
全く答えが浮かんでこないことに気がついた官兵衛は、気の枷に覆われたままの手を軽く持ち上げ。
その重さと鎖の鳴る音に、自分がまだ縛り付けられていることに改めて気がつかされた。
________________________________________
次の章はずっとすと魔女の曲聞いて書く、ぷろっとの時から決めてた!
まああんな感じでそんなイメージです。
BGM「青嵐血風録」
ずっと思いを寄せていた相手が自分を思っていてくれた、その事実は若い二人に全てを乗り越える力を与えてくれたらしい。視線と手の平を重ね合わせながら名残惜しげに、だが未来を作り上げようとする意志をその内に秘め。
また必ず会いにくる。
そう約束して去っていった家康を見送る三成の背には、死を覚悟した人間が抱く諦念は跡形もなく消え失せていた。
それを見て安心した官兵衛だったし、家康と連絡を取る手はずはもうつけてある。すぐに二人を会わせてやれる事に満足していた官兵衛だったが、家康との会談に乱入してきた挙げ句三成と会わせてしまったことを大谷には散々怒られてしまった。彼を守るように周囲に浮かぶ玉に散々追いかけ回され、悪口雑言に心を傷つけられはしたが大谷は三成より先に大阪城に戻らなければならなかった。三成の体が癒えるまでの間、彼には大坂城でやらなければいけない政務が山のようにあるのだ。
まだ官兵衛の事をいたぶり足りなかったのか、渋々といった様子大阪城へと戻っていった大谷は三成が体を休ませている間に一人悪巧みをするつまりなのだろうが。
自分の策を邪魔する者を放置しておく官兵衛ではない。
大谷が留守の間に信頼している人間を相当数大坂城に送り込んであるし、秀頼の世話係の人間のほとんどは官兵衛の息がかかった人間だ。三成の新しい主君である秀頼を暗殺されては困るし、なによりも大谷の手を汚させるわけにはいかなかった。
そんなことになれば三成が悲しむ。
大谷に秀頼の命を狙わせない方法を考え続けた官兵衛は、突拍子もないが確実なある方法を思いつきそれをすぐに実行に移したのだが。
さてそれはどのような結果をもたらしてくれているだろうか。
大谷に五日程遅れて大阪城に戻ってきた三成は、旅支度を解く暇すら惜しみ天守閣で這い回って遊んでいることが多い秀頼に官兵衛と共に謁見を願ったのだが。
派手な足音を立てながら天守閣へと到達した三成と官兵衛を待っていたのは、大谷吉継の哀願に近い声であった。
「やれ、我は困った……三成、我を助けてはくれぬか?」
「刑部……」
「我を助けると思って、秀頼様をどこかへどけてはくれ……」
広大な大広間の真ん中には、包帯を巻いた全身の上に緩め着物を羽織った大谷吉継の姿。
そして彼の使役する幾つもの玉が転がる中、三成の現在の主君である豊臣秀頼はその玉の上に乗り満面の笑顔で遊び続けていた。小さな体に見合わぬふくふくとした手足は彼が将来大柄な男になることを教えてくれるが、今はまだつかまり立ちができるようになったばかりの赤子。
適当に手を動かすと転がっていく玉を見ては嬌声を上げ、乗っている玉と共に足の力で移動しては手をぱたぱたと動かす。豪奢で広すぎる室内の真ん中で、小さな赤子が大人に見守られながら遊んでいる。それは見ているだけで心和む光景だったのだが、玉を遊び道具にされている大谷は気が気ではなかったらしい。
包帯だらけの指先をおろおろしながら動かし、彼らしくない程動揺しながら玉同士が強い音を立ててぶつかり合うのを見つめ続けている。その顔に同様と驚愕が張り付いているのをちらりと目線をやることで確認し、官兵衛は三成を追い抜かして玉にじゃれついている秀頼を抱き上げてやった。
こういう時は恩を売っておくに限る。
「暗か……我はぬしには頼んでおらぬ」
「お前さんにも苦手があったんだな」
「赤子はすぐ泣くのでな」
「秀頼様は強いお方だ、無闇に泣くわけがない」
慣れぬ官兵衛の腕の中でもがいて顔を歪める秀頼の姿を見て、三成が官兵衛の腕からその小さな体を受け取る。わずかの間に赤子が苦しくならない抱き方を覚えたらしい三成は、小さな尻を自分の腕に乗せ足を手を思う存分動かせるように調整してから秀頼にこれ以上ない程優しく笑いかけた。
「秀頼様……私が軟弱なばかりにお一人にさせてしまい……申し訳ございません。ですが刑部が忠心を持って尽くしていたようで、安心いたしました」
「酷い目にあったわ……赤子は何をしでかすかわからぬ」
「秀頼様のやることには全て意味があるのだ」
「我にはそうは思えぬが……」
包帯の奥で顔をしかめながら三成に聞こえぬように独りごちた大谷は、よろめきながらも腕に力をこめて立ち上がる。それに呼応するように宙に浮き始める玉と共に不安定な足取りで三成へと近づいていくと、ぺちぺちと秀頼に頬を叩かれている彼の肩にそっと手をやった。
この男、三成にだけは恋人に囁くかのような声音で話しかけるのだ。
「よう戻ってきた……体はもう大丈夫なのか?」
「心配ない。それよりも貴様に全てを任せてしまった……すまなかったな」
「我は三成が無事に戻ってくればそれでよい。暗も多少の役には立ったか?」
「ああ、思ったよりは使えた」
官兵衛に関する話題をさらりと流し、三成は前髪を引っ張り出した腕の中の幼子を制するために柔らかい頬に己のそれをすり寄せた。途端にきゃっきゃと嬌声を上げて手足を動かし出す秀頼と、それを温かい眼差しで見つめる大谷。
そして官兵衛は言葉を発することなくじっとそれを観察し続けていた。
大谷の中にあるのは、三成への揺るぎなき恋人に寄せる愛情よりも強い友情。もしかしたら大谷本人が気がついていないだけで、それは情人に寄せる熱烈な思いまで成長しているのかもしれないが今のところは友誼でしかないと官兵衛は解釈していた。
そうでなければ家康と三成の再会を知った時、もっと怒り狂っているはずなのだ。
今はまだ友。
だが今後の動き方によって、はそれは御しがたい感情に変わってしまうかもしれない。だからこそ官兵衛は自分の手の人間に命じて、大谷と秀頼が二人きりで触れあう時間を長く作るようにしていった。勿論監視付きではあったが、それは大谷の心をわずかに変化させてはくれたらしい。
三成の代わりに豊臣の象徴となった子供への憎しみから、三成が愛おしんでいる元気の良い赤子へ。
困りながらもちゃんと秀頼を見守っていた大谷が、秀頼の暗殺を考えることはもうないとみていいはず。これならば大坂城に集う兵たちは秀頼の名の下に一丸にまとまり、三成と大谷で仲違いすることなく軍を動かせる。
官兵衛は三成に忠告しながら、影で軍を動かせばいい。
まだ小さな秀頼を囲みながら、付き合いの長い友人としての軽口混じりの会話をしていたまだ若い二人。彼らを少し離れた距離で鉄球に座りながら見ていた官兵衛だったが、会話の最中にふと表情を強ばらせた三成に急に声をかけられた。
「官兵衛……宇都宮から先日の返事が来た。虎と戯れるしか脳のない男だと思っていた……あれほど人を馬鹿にした文章はなかなか書けぬものよ。別な意味で見直したわ」
「相当ひどい返事だったって事か」
「太閤様をあそこまで侮辱するとは思わなんだ」
「宇都宮め……秀吉様を侮辱するとは! 私自ら誅してやらねばならぬようだな!」
「向こうにしてみりゃ、目の上のこぶが死んだんだ喜ぶ所なんだろうがな……」
「宇都宮には秀吉様と秀頼様の素晴らしさがわからないのか……愚か者め」
「秀頼に会ったことがないんだからな、わかるわけないだろうよ」
「秀頼様と呼べ!」
座っていた鉄球から下り、畳を傷つけながら引きずり近づいていくと宇都宮の件で途端に不機嫌になった三成にきっと睨み付けられた。
秀吉が死んだ時から宇都宮と豊臣家は激しく対立するようになった。力で無理矢理秀吉に服従させられたことを、若き当主は相当恨んでいたのだろう。豊臣家と敵対する家と積極的に同盟を組み始め、周辺の友好国を脅かしている彼にこのまま続けていれば武力で制圧する用意があることを臭わせる手紙を送ったのだが。
秀吉亡き今、豊臣恐れるに足りず。
宇都宮家はそういう結論に達したらしい。大坂城と彼の領地が遠く離れていることも、宇都宮が豊臣軍を挑発してくる理由の一つなのだろう。徳川家との緊張が深まりつつある今、自分たちに兵を出す余裕があるわけがない。
そう高をくくっているのならそれは大間違い。
三成も大谷も豊臣軍をこよなく愛しており、その名誉を傷つける者にはそれ相応の報いを与える気概に満ちている。そして一兵卒までが高い士気を維持し続けている豊臣軍にとって、距離や兵力の差など何の意味も持たないのだ。
このまま三成に宇都宮を攻め落とさせるか、それとも。
一瞬考え込んだ官兵衛だったが、答えはもう彼の中で決まってしまっていた。
「…………宇都宮からの和解はもうないって事だな」
「私の話を聞いていなかったのか?」
「後でその文を確認させてくれ。内容次第によっては向こうに攻め込んで無駄に戦力を減らす必要がなくなるかもしれん」
「不幸に憑かれた軍師殿になにができるやら」
口元を盛大に歪めた大谷に揶揄されたが、三成は何も言わずにこちらを見つめていた。
家康と会わせてくれた上に、自分を守ろうとしている官兵衛を信じていいのか。それとも勢いに任せて宇都宮に攻め入るか。腕の中にいる秀頼さえいなければ好戦的な三成のことだ、誰が反対しようとも攻め入っただろうが。さすがの彼も幼子をおいて戦には出られないのだろう。
三成にとっても大谷にとっても、今後秀頼は良い意味での枷となってくれる。勢いと力に任せて他者を傷つけることを選ぶのではなく、まず幼い君主の未来にとって一番良いと思えることを彼らは選んでいかなくてはならないのだ。
「とにかく見せてくれ。刑部……お前さんだって無駄に兵と兵糧を減らしたくはないだろう? 相手の文につつくべきところがあれば……非は向こうにあると言い切ることができるはずだ。そうすりゃわざわざ兵を出して脅しをかける必要もなくなる。逆に宇都宮家は君主を亡くした豊臣に非道な行為を仕掛ける……と言ってやれるかもしれん」
「そこまで言うのなら、此度の件はぬしに任すとするか。三成も病み上がりの身、無理に出陣させるわけにはいかぬ故」
「刑部、私はもう大丈夫だ」
「ならぬ……ぬしにはしてもらわねばならぬことがそれこそ空に浮かぶ星の数程ある。太閤様の御名を汚したことは腹立たしいが、我らの真の望みは太閤殿の命を奪った徳川を滅ぼす事よ」
隠し事のできない正直すぎる三成の体が、その言葉に顕著に反応した。
秀吉を抱く手に力を込め、目に悲しげな色を潜ませ。愛している男が理由があったにせよ敬愛する君主を討った。その事実をどう受け入れるべきなのかを、三成はまだ悩んでいるのだ。
秀頼に愛情と忠誠を注ぐ事で、秀吉を失ったことで生まれた喪失感を埋めようとしている。その姿は周囲には痛々しくみえるのかもしれないが、今の三成は秀吉の死の衝撃から立ち直り家康との新しい道を探ろうとしている。ならば官兵衛は三成の惑いも憤りも、そして家康に向ける無垢な愛情も受け入れるべきだと思っていた。
そして決して表には出さないが、大谷だって秀吉と半兵衛を失った悲しみを胸の内に抱えているはずなのだ。秀頼との交流はきっと、そんな大谷をも救ってくれると官兵衛は信じているが。
まずは目の前にあることを順に片付けていかなければ。
大谷が動く前にできる限りのことをした、そしてその結果はこれから確かめていく必要がある。できる限り戦わず、一つでも多くの命を新しい世の中へ連れて行く。
それがやり直しを認められた自分のできる、せめてもの贖罪。
「ところでな三成……お前さんに言わないで勝手にやっちまったことがあるんだが……」
「…………刑部?」
唐突に切り出したその件について、三成が最初に行ったのは目の前にいる刑部に首をかしげながら問うことだった。そうすると背の高すぎる子供のように見えて奇妙に愛らしいのだが、大谷はその仕草で顔を緩めることはなかった。
全ては官兵衛の独断、それを三成に伝えるために無言で首を振る。
「貴様……何をした?」
「そろそろ返事が返ってくるはずなんでな、先に叱られとくことにしておこうと思ってな。小生はお前さんのためになることしかする気はないが……それを気に入ってくれるかどうかは……言ってみないとわからんだろう?」
「言え」
三成の言葉は短く、そして鋭利だった。
家康の前ではその鋭さは影を潜めていたが、本来の彼は敵と認めた相手を容赦なく切り捨てる男なのだ。そんな彼が自分に何も言わずに官兵衛が影で動いていた事を知れば。
当然許すわけがない。
無言で秀頼を大谷の腕へと移動させ、いつでも刀を抜けるようにした三成は。
「話せ……内容次第ではこの場で貴様を斬滅する」
端正な面を徐々に燃え上がりつつある怒りに染め、官兵衛へと向けて少しずつ距離を詰めてくる。
今後の話の進め方次第では三成に切られかねない状況。だがその時官兵衛が感じていたのは、簡素な袴姿だというのに着飾った娘よりも艶やかに。袴の裾をほとんど揺らすことなく近づいてくる三成に対する賛辞と、そして彼に対する愛おしさだった。
三成と大谷の許可無く、各国に豊臣の名で書状を送った。
今回の徳川家の裏切りによって君主秀吉が討たれたこと、そして幼い秀頼がその後を継ぐことになったこと。重臣が徳川家の戦いでほとんど討ち死にしてしまっており、まだ弱輩ではあるが石田三成が秀頼の後見として徳川家に報復戦を行おうとしている事実。
それら全てを公開し、官兵衛は各地の将たちに文の形でもって問うたのだ。
天下統一に手が届く程の強大な力を持つ豊臣につくか。
それとも徳川の味方につくか。
今後この国はこの二つの勢力を中心に動いていく、どちらにも与しないという選択肢はまずありえない。次の時代を見据えて動くことができない愚鈍な存在に一国を任せる程、豊臣も徳川も甘くはない。だが確固たる意志と決意を持ってこちらに力を貸すと伝えてくるのなら、それ相応の待遇は約束しよう。
半ば懐柔、半ば脅し。
拘束されたままの官兵衛の下手すぎる字では相手に疑われるので、それ相応の技術を持つ者に三成や大谷の字を真似てもらい。丁寧な文章を心がけて作った書状と、大谷たちが送った脅し混じりの文章がほぼ同時に届き宇都宮も相当混乱したのだろう。
彼には悪いことをしたと思いはするが、できれば彼には一度こちらに屈服して欲しいのだ。
意図してはいなかったとはいえ、望む方向に物事が動いたことに内心感謝しながら全てを語り終えた次の瞬間。
官兵衛の首筋を襲ったのは、細長い棒のような物での強烈な一撃だった。それが三成が腰に差していた刀であることに気がついた時には、細くもか弱くもない官兵衛の体は大きく吹き飛び畳に叩きつけられていた。
鞘から抜いていない刀の一撃で、自分よりも体格のいい男を吹っ飛ばすのか。
さすがに鉄球ごと吹っ飛ばす事はできなかったらしく、鎖がぴんと張り詰める程の距離までしか飛ばされなかったわけだが。そのせいかかなりおかしな格好で落ちたらしく、肩と頭頂部が焼けるように痛い。禿げていなければいいのだがと思いながら体を起こそうとすると、顎に突きつけられたのはわずかの曇りもない輝く切っ先。
そして官兵衛の視界には、今の音を聞きつけて集まってきた使用人たちの足が映り始めていた。
「…………官兵衛……貴様……」
「小生はそれが必要だと思った、だから行っただけだ」
「黙れ! 豊臣の名を汚した貴様を、私は許せない!」
音もなく自分の目の前に立った三成の刃は、いつでも官兵衛の首と体を切り離すことができる。だが三成が怒りにまかせてそれを行わないのは、彼なりに官兵衛に恩を感じているからなのだろう。
その目は怒りに燃え上がり、怒気に当てられぐずりだした秀頼をあやすことしかできなくなっている大谷もこちらを睨み付けてくる。しかし今の三成の刃の届く範囲に避けることも受け止めることもできない秀頼を近づけるわけにはいかない、そう考えているのだろう。
距離を測りながら、介入する時機を窺っているようにも見える。
「今の徳川なら今の戦力なら十分叩き潰せるだろうよ。だがな……それじゃ上手く戦を終わらせることができなくなるんだよ。豊臣と徳川が普通に戦えば、またこの国は戦乱の世に逆戻りだ。秀頼が大きくなった時、戦でいつ命が失われるかわからん世の中を……お前さんはこいつにくれてやるつもりか?」
「豊臣が他者に頭を垂れることがあってはならぬのだ! それと秀頼様と呼べ!」
「小生はこんなチビガキに暗殺の危機に怯える暮らしなんて与えたくはないんでな。そのためなら誰にだろうと頭を下げてやるよ」
「うるさい!」
自分の名を騙られたうえに、望んでもいない他の将からの協力を勝手に募られたのだ。短期な三成がそれを許すわけがないし、彼は豊臣軍は常勝無敗と信じきっている。家康と彼に他国を巻き込んで戦を行っていくことは説明したのだが、三成は納得しながらも最後まで渋る様子をみせていた。
だがそれでは駄目なのだ。
最強だからこそ、その力を惜しむべき。自分たちの力にだけ頼るのではなく、消耗を避けるためにも他の勢力の力を使わせてもらわなければならない。それに三成が最初から他国と同盟を結ぶことに積極的であれば、大谷だって影でこそこそ動く必要はなくなる。
秀頼の存在が大谷を縛る一つ目の鎖なら、二つ目は同盟する他国。
常に彼らに見張られている状況を作ることで、彼を無闇に動けぬようにする。一つだけ心配なことがあったが、それに関しては別な解決法を考えてあった。
だから今すべきことはここで三成を説得し、他国との同盟を積極的に進めさせることだけ。とはいっても三成だってここで他国を巻き込んでおかなければ、半兵衛が望む戦を行えないことはわかっているのだ。
彼が許せないと思っているのは、官兵衛が自分の名を使い豊臣の価値を下げるような文を送ったことであって、同盟を結ぶことについては一度も反対していない。
三成の大声が人を呼び徐々に人が集まってきている状況、そして大谷と秀頼がこの場にいる。
これほどの好機は、もうこれから無いと思っていいだろう。
「お前さんと刑部の名を使ったことについては謝る……すまなかった! だが小生は豊臣の未来のためにそうしなければと思った……小生を斬りたければ斬ってくれても構わん」
「ならば今貴様を斬滅する」
「小生は豊臣に、いや三成……お前さんに忠誠を捧げたつもりだ。お前さんに不忠と判断されて斬られるなら……しょうがないだろうさ」
切れ味の良い刃は、わずかに動くだけで官兵衛の顎を切り裂くだろう。
そして三成の圧倒的な剣速は、官兵衛に切られたことすら気がつかせない。怒りに任せたまま官兵衛を一刀のもとに切り伏せる力を持つ三成に、今官兵衛は生殺与奪の権利を握られているわけだが。
不思議と死の恐怖は湧いてこなかった。
頭を擦りつけて謝ることができないので、顎をあげて怒りを隠そうとしない愛しい存在の姿を見る。さすがにこの季節になると寒いのか、厚めの羽織を羽織ってはいるが細い体の線を官兵衛は、はっきりと見ることができた。
細くしなやかな体に、堅く清らかな心。
家康と再会してから、仕草の一つ一つに色香のようなものが漂うようになってきたのも官兵衛は嬉しかった。こちらに向けられるふいの視線に込められる、胸をざわめかせる程の妖艶さと威厳。本人は全く自覚していないはずなのだが、こんなものを気構えなしに見せられたらどれだけの人間が三成に墜ちるだろうか。
常に行動を共にしていて耐性があるはずの官兵衛でさえ、今こうやって見下されてながら死んでもいいと考えてしまうのだ。あまり三成の側に年の近い人間を寄せない方がいいと考えながら、官兵衛はため息を押し隠しながらちらりと三成の足を見る。
足袋に包まれた足の先に唇を落とし、衆人環視の中で忠誠を誓ってしまいたい。そう思うほどの今の三成は魅力的になりつつあるし、そんな彼を三成を本気で愛していた。
だからこそ、彼を幸せにするために生きて家康に託したいのだ。
自分だけでは三成を守れないことも、三成に愛してもらえないことも理解した。だから彼が幸せになれる場所へ、笑顔で送り出すのが今の官兵衛の一番の望みなのだ。できれば三成の人生を最後まで見届け、それこそ兄か父のように尽くし続けてやりたいが。
ここで斬られれば、それもしてやれないわけか。
諦めているわけではないが、ここで三成に斬られて死ぬのも悪くないのではという思いがあるのも事実。愛している相手が別な相手と幸せになるのを見たくないが、そうするのが彼にとって一番幸せだということを官兵衛はもう知ってしまっている。今後やるべき事は全て家康に教えてあるし、自分の配下の人間にも三成を助け続けるように厳命しておいた。
ここで死んだ方が楽かもしれないが、そうすると三成を見続けることができない。
そんな官兵衛の二律背反な思いを目から感じ取ったのか、ほんのわずかであったが三成の刀が力を失った。
「私と……秀頼様に忠誠を捧げると?」
「小生は最初からそのつもりだ」
「…………そうだな、貴様は私の味方であり続けた」
三成の声から、徐々に力が抜け始めている。
昔から三成は自分の信じたことだけが正しいと思っていた。そして官兵衛はそんな彼が困難に突き当たっているのを見かける度に、事細かく世話してやっていた。単に気は強いが根は素直な子供が理不尽な大人たちに潰されていくのが我慢ならなかっただけだし、見かけたら手を貸してやっていた程度。
礼儀を理解していないと上役にいびられた時には事細かく作法を教えてやり、三成が大切にしていた神社を勝手に直してやったり。何をしても余計なお世話だと逆に怒られていたが、どうやらそれは照れ隠しだったらしい。
ちゃんと三成はその時のことを、感謝と共に覚えていてくれたわけだ。
色々と含むところはあるようだが怒りを何度か深く呼吸することで押さえ込み、表情を和らげていく三成の姿に見守る使用人たちの口から安堵のため息が漏れる。彼らが見たことはすぐに大坂城中に広がり、三成に対する周囲の評価を少しだけ変えてくれるだろう。
間違いを犯した臣下を無為に切り捨てることをしない、賢明な主人だと。
「……今回だけは秀頼様に免じて命を取るのはやめてやる、だが次はないと思え」
「いいのか?」
「斬られたいとでも?」
「そういうわけじゃないんだがな……」
「その身に罰を受ける覚悟があるということだな? ならば今回の件の咎を貴様の体で償ってもらおう」
「夜伽なら喜んで引き受けるが、どうする?」
「貴様……よほど私に斬滅されたいようだな……」
刃を地につけることは敗北の意。
だから三成は決して切っ先を地面につけることはないのだが、官兵衛を殺す気を完全に失ったのか畳につくかつかない位置で鋭い切っ先は彷徨い続けている。
何故鞘に収めないのか。
それに官兵衛が気がついた時、三成の右足が半歩だけ前に進んだ。足の先にこもった力、そして周囲に宣誓するようにその言葉を口にした時。
三成が己の目的を遂げるために動き出した。
「み、三成!?」
思わずうわずった声を無視し、三成はゆらりと刃を持ち上げる。その全身から感じる気迫は、三成は在りし日の秀吉を思わせる強さに満ちており。
「首は斬らない、ただし別な物を貰うぞ。官兵衛……背筋を正せ」
「わ、わかった!」
有無を言わせない力に満ちた声に思わず素直に従い、膝の上に枷を置いて美しき主君の言葉の続きを待っていた官兵衛に与えられたのは。
自分の体を襲う、銀色の一閃だった。
「な、なにぃ!」
「……私と秀頼様に忠誠を誓え、決して裏切るな。秀頼様に勝利を与えた時、残りも砕いてやろう」
「い……いいのか……」
「誰にも文句は言わせん。たとえ刑部だろうともな」
「ぬしの望みを我が聞かぬ訳がなかろう……だが、よく壊せたものよ」
呆れきったような大谷の声と、落ち着いたらしい秀頼の可愛らしい声。それに何の感慨も抱くことなく、官兵衛は呆然と自分の体を見つめ続けていた。
主に手を。
今までずっと自分を拘束し続けていた木製の枷。
中には金属のからくりが仕込まれていて、無理矢理外そうとすれば官兵衛の両手首を切り落とすと言われていたそれが。
真ん中から真っ二つになっていた。
勿論完全に外れたわけでなく手首を覆い続けているし、鉄球が外れたわけではない。だが両手首が自由に動くようになったというだけで、官兵衛にとっては十分に喜ばしいことだった。
喜ばしすぎて、夢なのではと思うほどには。
だがこれで字を誰かに書いてもらわなくても良くなるし、自由に着物を着替えることができる。今後の日常生活が楽になることの喜びに浸っていると、少しだけ困っているような三成の声。
「少し刃が欠けたな……研ぎに出さねば」
と言いながら鞘に刀をしまっている三成は、自分がどれだけ常識外れのことを行ったのかを全く理解していないらしい。枷に内蔵されているからくりが発動する前に、からくりごと真っ二つにする。そんな神業を行いながら誇ることも安堵することもなく、当たり前のことを行ったかのように三成は振る舞うのだ。
どれだけこの無自覚な青年は、官兵衛の心をかき乱すのか。
自由になった腕の感触を味わうかのように動かしていると、三成はもう官兵衛から遠ざかり始めていた。泣かせそうになった秀頼のことが気になっていたのか、足早に近づいていくと大谷の手から再度小さな手を大きく動かす秀頼を受け取り。
安堵させるために、優しく微笑んでいた。
この頃にはもう使用人たちはそれぞれの仕事場へと戻り始めていたが、彼らはその目に三成の全てを目に焼き付けた。あの中の何人かが三成に心酔し、全てを捧げるようになるのは時間の問題。
そして官兵衛はまた三成に惚れ直したわけなのだが。
惚れたからといって思いのままに手に入れるわけにはいかない、相手の生存と幸福を願うのならば。
「…………結局、小生は不幸なままか」
枷から半分だけ解放されようが、三成に認められようが。
根本的な『不幸』は何も変わっていない。坊主の様にきちんと膝をそろえて正座しながら、三成と家康だけでなく自分も幸福になるにはどうすればいいのか考え。
全く答えが浮かんでこないことに気がついた官兵衛は、気の枷に覆われたままの手を軽く持ち上げ。
その重さと鎖の鳴る音に、自分がまだ縛り付けられていることに改めて気がつかされた。
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次の章はずっとすと魔女の曲聞いて書く、ぷろっとの時から決めてた!
まああんな感じでそんなイメージです。
BGM「青嵐血風録」
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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