がんかたうるふ ぷちばさのくりすます その1 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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みっしさんに了解得たから書いてみた。
奥州編始めて書いた~

あ、書いてるのはうずみですので。



 *****
 奥州は雪の季節。


 屋敷の外を舞い、地面に積もっていく白い輝き。それは畑をも覆い、外に出ることすら邪魔し。
 外に出るのが大好きな奥州のちびたちを、思いっきり落ち込ませていた。
「めぇ……」
「みぃ……」
「めぇめぇ」
「みぃ~」
 政宗の部屋の隅にあるわずかに欄間越しに日の光が入ってくる場所に集まり、日向ぼっこしながらがっくりと肩を落とすちびたち。彼等を見守りながら指をこまめに動かし、藁を綯い続けてながら監視しているのは部屋の真ん中でうめき続けている若き主君の姿。
「小十郎」
「それは政宗様の仕事でございます、代わって差し上げることはできませぬので」
「……なんでそこまでcoolなんだよ……」
「政宗様と奥州のためでございます。小十郎も政宗様にお付き合いして、こちらで作業をさせていただきますのでどうか……」
「お前の作業は『それ』で、オレは『これ』かよ」
 文机の上に突っ伏してしまいそうなほど憔悴しきっている政宗の横には、各国からの書状などが山のように積み重なっている。政宗が仕事をさぼり続けていたからというわけではなく、農繁期が終わり内政に力を入れ始めた各国の君主たちがあちこちに根回しを始めているのが今の状況なのだ。
 どこの国とどのようにつきあっていくか。
 国境での小競り合いにはどう対処するか。
 それらは全て奥州を治める政宗が決めなければならないことだ。政宗宛に送られてきた文を読み、それに適切な返事を返す。同時に来年の奥州のあり方もその文から考えていかなければならないのだ。
 面倒かつ責任の重い仕事から逃げたくなる気持ちはわかるし、小十郎が全て肩代わりしてやりたいのだ、本当は。しかしここで甘やかしてしまうと政宗のためにならないわけで。そういう事情もあって、小十郎は政宗が仕事をする横で自分の仕事を行いながら心の中で必死に政宗を応援していたわけだ。
 ちなみに小十郎の仕事は、ちびたちが外に出て遊べるように藁で靴と蓑を編むというある意味面倒な作業である。図体のでかい顔に傷のある男がちまちまと手を動かして藁を編んでいる姿は周囲に違和感を与え続けていたのだが、本人は特に気にしていないらしい。
「ちびこじゅ、こっちに来てくれ」
「めぇ?」
「もう少し長い方がいいな……もう少し待ってろ、外で遊べるようにしてやる」
「めぇ!」
 ある程度の長さまで編めた蓑をこじゅの体に当ててやると、ようやく小十郎の作っている物の正体に気がついたらしい。ぱぁっと顔を輝かせ、次の瞬間には深々と感謝を込めたお辞儀をしてみせ。
 ちび政宗に事の次第を伝えるために、慌てて小さな日だまりの元へと戻っていった。
「めぇめぇ」
「みぃ?」
「めぇめぇ めぇ~」
「……みぃ!」
 小十郎の作っている物ができたら、お外で遊べるようになるよ。
 もそもそと畳の上を這い回り、少しでも角に光を当てようとしていたちび政宗もこじゅの話を聞いて事情を理解したらしい。ぴょこんと飛びはね小十郎に向けて手を振り、待ちきれないかのように部屋中をぱたぱたと走り回り始めた。
 座ってのんびりと待つ構えのこじゅとは、こういう所が違うのだ。
 だがその走り回るちび政宗が、大きい政宗には我慢ならなかったらしい。自分は仕事に追われてある意味自室に軟禁されているというのに、小さい方の政宗はこれから自由に外に行くことができるようになる。それだけでも十分腹立たしいだろうに、喜びを見せつけるかのように目の前をくるくると。歓喜の踊りを踊っているかのように回られたら、それは腹も立つだろう。
 ちび政宗にしてみれば、大好きな政宗にこの喜びを伝えたいと言ったところなのだろうが今回ばかりは全くの逆効果となっていた。
「静かにしやがれ!」
「みぃ?」
「オレは忙しいんだ……ちびこじゅを見習って少しはそっちで大人しくしてろ」
「みぃみぃ」
「嬉しいから踊る? 人の仕事の邪魔をするような奴には……Santaは来ねえんだよ」
「みぃぃぃぃぃぃっ!」
「わかったらあっちに行ってろ」
「ま、政宗様……さんたとは一体……」
 政宗のおかしな異国の言葉には慣れているはずの小十郎なのだが、さんた、という単語を聞くのは初めてだった。おまけにちび政宗までが意味を理解しているらしく、衝撃の余り目を大きく見開いて唇をぎゅっと噛みしめている。
 今の季節に泣き出したら、やっぱり雪が降るのだろうか。
 部屋が寒くなるからそれはできれば阻止したい。
 指は止めずにそんなことを考えていると、事態を察したこじゅが駆け寄ってきて必死にちび政宗を慰め始めた。そんなちびこじゅですら、さんたのことは知っているらしく。
「めぇ……」
 と、少し落ち込んだ(ような)様子を見せているので、この場で知らないのはどうやら小十郎だけらしい。

 政宗が自分に教えてくれないことがあった。

 年齢の割に渋い、と称されることの多い顔に影を滲ませ。ため息をつきながら俯くと、慌てたかのように政宗が手を振りながら言い繕ってきた。
「あ、いや……小十郎に教えなかった訳じゃないからな!? ちびたちがなんか話してくれって言ってきたんで、寝る前に話してやっただけだ!」
「幼い頃の政宗様は、どんなことであろうと小十郎めに話してくださったというのに……」
「だ、だからっ!」
「小十郎の教育が悪かったのでございましょうか……隠し事をするなど……」
「いきなり男泣きしだすな!」
「めぇめぇ」
「みぃ」
 さすがに泣く子とはないと思う、そう言いたげにちびたちは政宗の横でうんうんと頷いている。
 ちびたちに諭されるのはさすがに悔しいというか屈辱というか。
 あまりにもちびたちが普通にしているので一気に悲しみが冷めた小十郎は、改めて政宗にさんたについて聞いてみることにした。この段階で完成したら蓑になるはずだった物体が、異常に長い何かになってしまっていたのだがこの時の小十郎は混乱のあまり気がついていない。
「申し訳ございませんでした……政宗様」
「いや、言っておかなかったオレも悪い」
「それで『さんた』というのは……」
「海の向こうの坊さんみたいなもんだ。Christmasって祭りがあるらしくてな、逆さづりにした鶏をそのまま丸焼きにして、木に飾ってから食うそうだ」
「おかしな祭りもあるものですな」
「で、最後に出てくるのがSantaって赤い服着たジイさんってワケだ。いい子にしてたガキには、足袋の中に Presentをブチこんで空飛んで帰っていくって話なんだがな……」
「それで話が理解できました」
もはや政宗語と化している異国の言葉と奇妙に融合した話を聞いて、小十郎はなんとなくだが何故政宗がちびたちにだけ話をしたかを理解した。そしてそれと同時に、主にそんな選択をさせてしまったことについて大きく悔やんだのだが。
 それを口に出してしまえば、政宗は深く傷つくことになるだろう。
 だから自分は単に話をしている場にいなかっただけ、と思っている風を装い笑顔を作って話を続けることにした。
「さんた、とやらが異国の祭りに登場するのはわかりました」
「まあさすがに本物は奥州までは来てくれないだろうからよ、かわりに別なSantaを頼んでおいた」
「もしやその代理のさんたは、鋼な上に巨体で最強であったりしないでしょうな」
「よくわかったな」
 にやりと笑った政宗は、仕事の手をとっくに止めてしまっている。
 膝の上によじ登ってきたちび政宗が持っている筆にじゃれついてくるがままに任せ、もう片方の手で膝に寄りかかってきたこじゅの頭を撫でる。そうやってちびたちをくつろがせながら、政宗は言葉を続けた。
「代理ではあるがSantaは来る。だから欲しい物をちびたちに書いておけって言っておいたわけだ。ついでにいい子にしてなきゃSantaに帰ってもらうとも、な」
「そういう訳でしたか」
「向こうの国でもSantaの代理はfatherかmotherらしいからな。オレがこいつらのSantaを用意してやるのが当たり前ってもんだ」
「政宗様はちびたちの父だと……」
 家族との縁が薄い政宗は、ちびという家族を得てできる限りのことをしてやりたいと思ったのだろう。自分がしてもらえなかったことを、小さな新しい家族に与えてやりたい。
 彼がそう思っているのなら、小十郎もそれに従うだけ。
 それにしてもちびたちはどんな物を欲しがるのやら。多分野菜や農機具を欲しがるのだろうが……
 と考えていたら、いつの間にかこじゅがすぐ側に来ていた。
「どうした?」
 そう聞いてはみるが、こじゅは困ったような顔でこちらを見ているだけ。
 上手く説明できないのか、それとも政宗やちび政宗の前では言えないことなのか。口をへの字にして首を傾げるちびこじゅに、後で来いと小さな声で囁き。
 小十郎はにっこり笑いながら政宗を睨み付けた。
「ところで政宗様、仕事の続きはなさらないのですか? まさか今の話でごまかして逃げてしまおうなどと考えておいででは……」
「……今からやる」
「それでこそ政宗様です」
膝の上からちび政宗を下ろし、真面目に文を読み返し始めた政宗を満足げに見つめ。近づいてきたちび政宗の相手をしてやっているこじゅが、いつもの死んだような目で時折こちらを見ることに気がつき。
 またおかしな事件にならなければいいのだが、そんなことを考えながら編み続けたこじゅ用の蓑は。

 何の用途で作ったのかわからないほど長く、そして外では着れないものになってしまっていた。






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多分あと2回で終わるはず?
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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