がんかたうるふ 世界が割れる、音がした 5上(三親・パロディ) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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一話に注意書きがあります。
三親 パロディ いつも以上に捏造、キャラ崩壊が激しいのですがそれでもよろしければどうぞ

書いた人:みっし



 *****



 目覚めると、包帯だらけの知人がいた。

「気分はどうだね、三成よ」
「…最悪だな、刑部」
 覚醒してすぐに、自分の身に何が起きたかを理解する
 一体この世のどこに、駅の階段から突き落とされて最高とのたまう人間がいるというのか。

「ヒヒッ…主も変わらずよのう…とはいえ無傷とはなぁ…強運もそこまで来るとさすがよ」
 包帯だらけの男、大谷吉継はそう言って笑う。
「全くもって嬉しくないな…それになんでわざわざ松永の病院に運び込まれなければならん」
 首だけ動かして見回すと、かつて慣れ親しんだ天井が見える。間違いなく松永の病院だった。
 するとどこからともなく声が聞こえる。
「一応主治医だったからじゃないかね。私とて、なんでここに運ばれたのかは知らないよ」
 ここは精神科なんだがね、と困ったような顔をして言っている。確かに専門的な処置なんて出来ないだろうに、なんでここに連れてこられたのだ。
「見たところ重傷は負っていなかったしのう、事情がわかる人間に場所を提供してもらいたいと思い、我が頼んだのよ」
 犯人はいた。目の前に。
 だが刑部ならば仕方が無い。むしろ許す。
 元親に対して甘いと評される私だが、同じぐらいこの男には甘いと思う。まぁ伝えることは無いのだけれども。
 
 この部屋にいるのは、私と、刑部と松永だけ。
「…元親は?」
 私の言葉に、刑部は少々案ずるような表情を見せる。まぁ当然か。彼が私を突き落としたのだから。
 
そもそも何故、私が突き落とされるに至ったのか。思い返してみたいと思う。



 それは、三件目の殺人事件が起こってから数日後の事だった。

 街は再び騒然となり、噂話が蔓延した。マスコミも再び街を訪れ、周囲はいつも異常に慌ただしい。
 そんな中私の携帯電話にメールが届く。
 送り主は大谷吉継。私は彼は刑部と呼ぶ。現在はこの街の警察署に勤務する警察官だ。過去の事件を機に、彼には何かと世話になっているが、ここしばらくは連絡を取っていなかった。

『久しぶりに会えぬか?』
 それだけが書いてあった。
『仕事は忙しくないのか?私は大丈夫だ』
 三件目の殺人事件ということで警察はどこもピリピリしているはずなのだが、彼は違うらしい。
『閑職故に暇なのよ。我が動員されるレベルではないらしい。それと気になることを聞いたのでな、直接会って話したい』

 刑部は八年前の事件で犯人を逮捕出来なかったという責任を負わされた。その後は出世コースまっしぐらのキャリアだったにも関わらず、閑職にまわされたらしい。
 どっちにしろ生きたまま逮捕することは無理だっただろう。犯人は巧妙に事実を隠していたし、なにより警察が犯人に気がつき家に踏み込んだ時点で殺されていたのだから。
 最も本人は飄々としており、私が問いただしても「さてな、主が気にする事ではなかろう」
と素知らぬ顔だ。松永と並び、事件後のケアという意味では私はこの男に頭が上がらない。当人達は気にしていないからなおさらだ。
 現在は主に何をしているのか尋ねたところ、こう返ってきた。
『現在は現場にでておらん。未解決事件資料の確認と整理。資料室の主と呼ばれておる』
 想像しただけで、似合いすぎていてどうしようかと思った。刑部はかつて携わった事件で全身に傷を負い、包帯で傷跡を隠している。私は事情を知っているから大して驚きはしないが、初対面の人間には怖いものだろう。そんな人間が資料室の主とは。恐らく資料室の利用者は激減しているのだろうなぁと勝手なことを考えていた。

 私も刑部と会うのは数年ぶりなので会いたかったが大きな課題が立ちふさがる。
 元親だ。
 嫉妬深い彼が、私が昔世話になった人物に会うと言っても納得するだろうか。男女問わず無理だろう。女性よりはハードルが低いかもしれないが多分無理だ。
 なので私は刑部と会う事実は伏せて、一度保護者の所に行くと言うことを彼に伝えた。元親は大変嫌そうな顔をしたが承諾した。
「今度森林公園でデートしてくれたら許す」
 とのことなので日曜日にはデートすることにした。これで収まってくれたら良いのだが。当日になってからで無いとわからない。

 彼は、私の保護者を嫌っている。私の保護者も彼を嫌っている。表向きには出さないが、わかるのだろう、やはり。
 叔母にしたら元親は、甥っ子即ち私をろくでもない方向に引きずり込もうとしている存在にしか見えないらしい。あと単純に高校生で同棲はけしからんという考えも関係があるのかもしれない。叔父はそんな叔母を諫めつつ、私の意思を通すことを認めてくれている。
 厄介ごとの塊のような私に対してありがたいと思いつつ、申し訳ないと思うのだ。
 顔には出ないのだけれども。

 そして迎えた土曜日。
 元親に断って、私は家を出た。最初は目的通り、叔母の家に向かう。電車で一駅行ったところに、叔母の家はあった。
 とは言え、不在なのはわかっていた。叔父も叔母も土日関係なく仕事しているような人たちなのでいないことの方が多いのだ。
 高校入学時まで暮らしていた家なので、勝手知ったるなんとやらで合い鍵を使って上がり込む。元の自室には行かず、向かったのは仏間だった。

 ここには私の母と義母と兄と妹がいる。
 一番最初に亡くなったのが母なのだが、もう顔すら思い出せない。ただ、あり得ない方向に曲がっていた白い手足だけがうっすらと記憶に残っている。
 次に亡くなったのは兄だった。山に一人で遊びに行った兄は、そのまま帰ってこなかった。
 その次は妹。雨で増水した川に遊びに行って、変わり果てた姿で見つかった
 そして義母は、私の目の前で死んだ。

  仏壇の前で手を合わせて祈る。
 亡くなった彼らに祈ることで何かになるのだろうか、生き延びた私に何か出来るというのだろうか。だけれども、死んだらそれすらも出来ない。
 こんな私に何か出来ることがあれば、喜んでやろう。生きていることへの償いをしよう。
 ひょっとしたら私は、その思いの為だけに彼の隣にいるのかもしれない。

 嘘だけど。

 叔母の家から出た私はちょうど刑部からの電話を受けた。
「ちょっとした用事があったので出かけておってのう、主は今どこにおる?」
 互いに出先で会ったことから、駅のホームで落ち合う事になった。そして駅から元の駅に戻るために電車に乗る。
 その時に、強い視線を感じた。
 慌てて振り向くが誰もいない。気のせいかと思いながら私は次の駅に早く着けば良いとだけ思っていた。

「久しいな、三成」
「刑部」
 ホームに降りると、見慣れた人物を見つけ、私はそのまま駆け寄る。
 刑部は、数年前に会ったときのままだった。変わらぬその姿に心の底から安堵を感じる。
 まぁ表情には出ないのだが。そして、歩きながら話し始める。
「…また伸びたか主は。もうちょっと横にも伸びた方がちょうど良いと思うがな…」
「貴様は私の母親か、刑部」
 この男は、どうにも私に対して過剰な心配を寄せる。それは昔から変わらない。
 そして、並びながら階段を降りようとしていたときのことだった。

 ドンッと

 まるで体当たりでもされたかのような衝撃が私を襲った。手すりにも掴まれず、私の体は長い階段を転がり落ちた。

 ああ、これは、危ない。

 そうは思っても体は動かない、さぁどうしようかと思ったその時、柔らかい何かに体全体がぶつかり、ようやく私は動きを止めた。
 刑部をはじめ、人の声が聞こえる。
 そしてズッ、ズッ…と何かを引きずるような音が私の真横で止まる。一体何なのかを確認しようとしたその時、上から声が聞こえてくる。

「うそつき」

 それは無表情に、私を見下ろす元親だった。能面のようなそれに、見覚えがあった。

 そうだな、私は嘘つきだ。

 だけどお前も、嘘つきなんだ。

 

 そこまで考えたところで、私の意識は闇に呑まれた。












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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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