こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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サイトの拍手こばなしより、ルキベル3種。
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骨張った背が、自分の体を頼るのが心地よい。
腿にのっている重みもこの身長の男のものとは思えないほど軽いし、なによりこの体勢だと体が密着するのが個人的にはお気に入りだった。
「GDの奴らが入り込んで来たときのための件だと何度も説明してるだろう…………自分の面子や体裁がどれだけ大事なんだ、あの老人どもは。ボスが粛正した気持ちがわかるな……」
「おいおい、お前が言うと洒落にならないぞ」
「ジャンが2代目を襲名する前に、何人か影でどうにかしておくべきか……」
自分の胸に背を預けぶつぶつと文句を言い続けるベルナルドの顔は、ふわりとした髪が邪魔してよく見えないのだが。時折力の入る肩や、頻繁に口元へと運ばれる手から考えると、苛立ちがおさまっているということはまずないと思われる。
せっかくのプライベートの時間だというのに仕事の愚痴ばかり、おまけに自分の方を一度も見ないという状況。ベルナルドの苛立ちがこちらにも伝染してきそうな状況を打破するためにも、ちょっと軽く悪戯を仕掛けてみることにした。
まずは首元に手を滑らせ、やわらかく波打つ髪を掬うようにして持ち上げてみる。
「…………………………っ! ルキーノ、急におかしな事をするな!」
「愚痴を言うより、俺をかまえよ……なあベルナルド」
「お前の膝に座ってやってる時点で、十分に構ってやってると思うんだがな」
「常にそれ以上を欲しがるのが男ってものだろう?」
「じゃあ俺は男じゃないって事か…………」
あきれたようなため息に、笑いが混ざっていく。
髪を持ち上げたことによって露出した首筋に唇を押し当て、舌を耳の付け根まで滑らせ。今度は熱を増した息を漏らし始めた唇を、前へ伸ばした指でなぞってやると。
「……………囓られたいのか?」
言葉とは裏腹な舌が、ゆっくりと指を口内に迎え入れ始めた。
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「で、俺の体を心配した結果がこれ……か」
「ありがたく思えよ? わざわざ持ってきてやったんだからな」
「お前の気持ちは受け取らせてもらう、確かに暖かいことは暖かい……けどな」
白く染まる息と空から落ちてくる雪を眺めながら、首にルキーノが巻いてくれているマフラーをありがたく受け取る。鈍い銀鼠色がほのかな街灯の光を受けて首元で光るが、この微妙な気分を変える役には立ちそうになかった。
急に冷え込み始めたので、出先までコートとマフラーを持ってきてくれたのは有り難かった。コートが映えるようにマフラーの巻き方まで考え、丁寧に巻いてくれた事にも感謝するし、ついでに唇まで己の唇で温めてくれたことについては……屋外なので一発殴って返しておいた。
それくらいなら日常茶飯事なので、別に気にするようなことでもないのだが。
「このコートは……どうにかならなかったのか?」
「一番暖かいのを持ってきたんだがな。気に入らないか?」
「気に入るとか気に入らないの問題じゃないだろう。これは明らかにおかしい、持ってくる前にそう思わなかったのか?」
「似合ってるぞ?」
「誉められている気がしない……」
厚手の漆黒のウールコートは体を優しく温めてくれるし、負担になるほど重いというわけではない。むしろ持ち主の体型に合わせて、縫製技術の粋を集めて作られた見事なラインは、賛美を贈るべきだとは思う。
持ち主の体型に合わせた、というところが最大の問題点なのだが。
「お前はいいかもしれないが、俺が着ると…………色々と余ってないか!?」
ルキーノのしっかりしすぎた体型の合わせたコートが、ベルナルドに似合うわけがない。
子供が大人の服を着た時のように、というのとはまた違うのだが、身長はあまり変わらなくても横幅が違いすぎる。ルキーノは、同性から見ても惚れ惚れしたくなるようなしっかりとした肩幅の持ち主である。そんな彼が着ていたコートをベルナルドが着れば、どうなるかは推して知るべし。
男としてのプライドをある意味ずたずたにされたベルナルドのショックも、ルキーノが推察してくれれば有り難いのだが。
「別に暖かければいいだろうに。それにこれはこれで男としては嬉しいんだがな」
「俺が自分の体の貧弱さに落ち込む姿が楽しいのか、お前は……」
「楽しいというか……お前が俺の服を着てこう……色々余ってるのは…………」
男の浪漫だよなとニヤニヤする姿を見て、ルキーノの浪漫の意味について考え始めたベルナルドだった。
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惚れた相手がどこぞのお姫様であれば楽だったのかもしれない。
異国の王子に憧れているのなら王子にだってなってみせるし、性悪に見えるが実は優しいマフィアの幹部なんていうのは得意科目である。
望むのならどんなことでも、どんなものにでもなってやるというのに、今日の愛しい恋人は何を怒っているのやら。
「だから、何を怒ってるんだよ」
「別に…………怒ってはいない」
「怒ってはいなくても、不満に思ってることはあるんだろう?」
「…………………まあ……な」
頬を膨らませて怒る三十路は見たくないが、空気すら切り裂きそうな鋭い目線でこちらを睨み続ける姿は、こちらの心臓にダイレクトにダメージを与えてくる。普段怒らない人間が怒ると怖いとはよく言うが、衣類のかわりに肌掛けを肩からかけ、片膝を抱いたポーズで煙をくゆらせ続ける長身の男は凄まじく怖い。
自分よりは背が低いはずなのに、この全身から発せられる威圧感は一体なんなのだろうか。
「……ベルナルド…………」
「なんだ?」
「俺も吸っていいか?」
「断る」
ぴしゃりとそう言い放つと、今度はわざとらしいほど大げさに煙を吐き出す。
ほんの数十分前までは、ごく普通の恋人同士の逢瀬だったのだ。汗で濡れた体を寄せ合い、余韻を味わいながら睦言とも仕事の話ともつかない微妙な会話の合間に唇を触れあわせる甘さすらあったというのに。
突然ベルナルドがへそをまげはじめた。
急にこちらを睨みつけたかと思うと、背を向けて煙草を吸い出し。そのくせ理由は一切語ろうとしないのだから質が悪い。
理由さえ、不満に思っていることさえ口に出してくれれば、どんなことだって叶えるというのに。
「そろそろ言えよ、何が不満なんだ?」
「………………………………………………」
「俺の存在が気に入らないっていうなら、今日はもう帰らせてもらうが、それでいいか?」
「……………………………………………………煙草」
「あ?」
「煙草、変えただろう」
苛立たしげにそう呟いた彼の周囲に、紫煙の紗幕が張られていく。
部屋に広がっていく煙の、わずかに甘さが混ざる香りをかぎつつ、ベルナルドの言葉について考えてみる。確かベルナルドが急に機嫌を損ねたのは、ルキーノが煙草に火をつけた瞬間…………
「もしかして、嫌いだったか?」
「それが嫌いな訳じゃない……お前にはあっちの臭いの方があっていた」
「そんなことで怒るなよ」
「俺の楽しみが無くなった訳だからな、機嫌も悪くなるさ」
「楽しみにしていてくれたわけだ」
「……旨そうな香りだったから……な」
「俺のことが喰いたかった訳か」
背を向けたまま、紫煙の幕も張れない。
だが不満を言ったことで少しはすっきりしたのか、声からは少しずつ棘が消え失せ始めていた。余計な肉がなさ過ぎる背、そこに手を軽く置くと髪が大きく揺れるほど、ベルナルドの体が大きく震えた。
「………………煙草………今度はいつものを買ってこい」
「了解」
「適当に買ってきた物をもって俺の家に来るな」
「わかってる」
「それから…………」
まだ色々不満はありそうだったが、肩を掴んだ手を引いて無理矢理自分の側に引き寄せ。不満を言いたげな口を自分の口で塞ぐことで、今日は全てをうやむやにすることにした。
恋人の欲しいものを欲しいときにいつも提供する。
それが、いい男の条件である。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
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