がんかたうるふ 真夏のすごしかた 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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サイトより移動、ジュリジャンこばなしです。







 *****
「真夏のすごしかた」







とにかく暑かった。
肌にまとわりつく湿気が自分の汗なのか、それとも湿度の高い空気なのか、それすらもわからなくなるほど暑い空気が街全体を覆っている。日光にあぶられた道路が靴底を溶かしそうになるほどの熱を帯びている状況の中、ぺたぺたと靴の底が音を立てながらCR:5の誇る犬二匹は誰もいない通りを仲良く並んで歩いていた。
この暑さの中外に出るようなお馬鹿が二人しかいなかったのと、車すらオーバーヒートを起こして動けなくなっている、ただそれだけの話なのだが。
「……なんなんだよ、この暑さ」
「確かに、暑いですね」
「お前を見てると、暑いって言葉が全部嘘に思えてくる……」
ジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め、拭っても流れ落ちてくる汗と格闘しているジャンを尻目に、ジュリオは涼しい顔でのんびりと足を進めていた。ちなみにジュリオはいつもの格好のままだというのに、汗一つかいていない。
わずかでも風が吹いてくれれば涼しいのだが、地面の塵が動く気配すら感じられなかった。
「その服の中に氷を入れてるって事はないよな?」
「着せてくれたのはジャンです」
「…………だよな…………俺の方が水をがぶ飲みしたってわけでもないし」
「俺、暑いのには強いです。寒いのは……苦手ですけど」
「なんかそんな感じだな。冬の間、俺にくっついて寝てたしな」
「暖かかったです……ジャンは」
物心ついてから誰かに触れて眠ったことがなかったのだろう。
ジュリオと『再会』したのが冬の前、それから一緒に過ごせる夜はずっと肌を寄せ合って眠っていた。が、さすがにこの頃は横で寝るだけで互いに暑苦しい、そんな理由でほんの少しだけ離れて眠っている。
ぴったりくっついていたのが数センチ離れた、その程度の差だが何となく寂しいというか、物足りないというか。
最初はなんとなく不満げだったジュリオだったが、実際くっついて寝てみると彼でも寝苦しかったのだろう。この頃は素直に体を離すようになっているが、きっと彼も微妙な物足りなさを感じているはず。
かといってこの暑さの中でスキンシップは……と考えていると、手に持っていたジャケットが汗で手にへばりつきそうになってきたので、慌てて持ち手を変えることにした。今まではジュリオの歩みの邪魔にならないようにジュリオに触れない方に持っていたのだが、小さく言葉をかけて、持つ手を変えようとして。
ジュリオの手に止められた。
「あ、悪い」
「違うんです……あの……俺が持ちます」
「いいってこれくらい」
「俺はそんなに暑くないんで……持たせてください」
ベルナルドにもらった麻のサマースーツがジュリオに引っ張られる。ジュリオに悪気がないのは十分承知しているし、こういう所も可愛いなあと思うのだが、いかんせん麻は皺になりやすい上にすぐに傷む生地である。
ジュリオの力で引っ張られると、使い物にならなくなる可能性が高い。
普段ならこういう場合の解決方法をすぐ思い出すのだが、この暑さではラッキーも頭の働きも錆び付いてしまっているらしい。何も思いつかぬままジュリオにそのままジャケットを引き渡すことを解決法にした。
「ジャンの……」
うっとりとした表情で胸の中にジャンの着ていたジャケットをかき抱く姿は、ある意味かなりおかしかったりするのだが、幸運なことに今日は誰も見ている人間がいない。こんなラッキーもあるんだなと思い、ラッキーついでにもう一つの懸案事項を解決しておこうと、今度はジャンの方からジュリオの服の袖を引っ張った。
「あ、これ……着ますか?」
「違うよ。ジュリオ……手出せ」
「はい…………」
おずおずとジャンの胸の前に差し出された手を、ためらうことなくジャンは自分の手で握りしめた。きょとんとした表情のままされるがままになっているジュリオに笑いかけてやりながら、その手を互いにとって一番楽なポジションへと持っていく。
「これって……」
「誰も見てないんだ、たまにはおてて繋いで散歩と行こうぜ」
「………………………………………………は、はいっ!」
ジュリオの手に、軽く力がこもる。
ちょっとの力では離れない程度に強く、だが痛みを感じるほど力は込められておらず。互いのぬくもりで燃え上がるように手が熱いが、そんなことは全く気にならなかった。
外気の暑さは憎たらしいが、ジュリオはいくら暖かくてもいい。
「……風……吹いてきましたね」
「ラッキードッグは風だって吹かせることができるんだぜ、知ってたか?」
「はい」

ジャンにできないことはないです。

繋がれた手を冷やす程度に吹きはじめた優しい風。
それよりも優しく自分を包み込むジュリオの笑顔を見ながら、たまにはこんな暑い日もいいなと思った。






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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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