がんかたうるふ 「星の嵐」 前編 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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イヴァン誕生日こばなし。
明日に続きます。





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「星の嵐」





幹部会が始まる前というのは、奇妙な空気に空間が支配される。
日頃は忙しく顔を合わせることが難しい他の幹部に会うことができるのは、仕事の面ではありがたい。が、こういう時に限って幹部の連帯というものを理由にくだらない行事に付き合わされるのは、逃げ出したいほど嫌であった。
おまけに今日は他の幹部連中がやけに絡んでくる。
「イヴァン、明日は白雪姫を借り切って豪勢にいくとするか?」
「自分の店にムダ金落としてっと、あのケチ眼鏡にクビ締められっぞ……テメーは俺の誕生日をダシに騒ぎたいだけだろうが」
「当たり前だ。幹部の誕生日なんて名目がなければ、倹約家の筆頭幹部殿は財布の紐を緩めないだろうからな」
「俺は倹約家になった覚えはないがな、お前が金を使いすぎるだけだ。それよりイヴァン、お前の誕生日の祝いだ、皆の前に出るときはちゃんとした服を着てくれ」
「勝手に言ってろ! オレはオレでもう予定が決まってるんだ」
隣に座っていたルキーノの笑顔を無視し顔を背けると、今度はやんちゃな孫を見るような目線のボスと目が合う。GDとの抗争が落ち着いてようやくできた盛大な祝いをする機会である、お祭り好きのこの男がそのチャンスを逃すわけがない。
一見穏やかな年長者のように見える表情で、諭すかのようにイヴァンの目を見据えながら語り始めた。
「…………まだ若いお前にはわからんかもしれんがな、こういう祝いの席だからこそ結ばれる絆ってやつもある。たまには他の奴らに世話を焼かせてやれ、一番年下のお前だからこそ、ちゃんと祝ってやりたいんだろうよ」
「それが嫌だから断ってんだろうがよっ! こいつらに仕切らせてみろ、明日の朝日を拝ませてくれると思うか?」
堅苦しい服を着せられ、笑顔で挨拶をさせられ。潰れるまで酒を飲まされるのがわかっている集まりに、誰が参加するか。そう吐き捨ててこの場から出て行きたかったが、そうすれば誰かがオメルタを楯にこの場にいることを強要するだけだ。ついでに言えば、明日の誕生会を欠席することも、同じ手で阻まれることはわかっている。
たかが1歳年を取るだけ。
急に背が伸びるわけでも、顔が変わるわけでもない。いつもと変わらぬ日常の中で、ささやかに祝うだけでいいというのに。唇をとがらせ、上手く誕生日から逃げることができる言い訳を考えていると、視線を向けていない方から小さな声。
「それが幹部ってもんなんだろ、俺にはまだわかんないけどな」
一番端の、目立たぬ場所をちゃっかりと取ったジャンが、ぽそっと呟いていた。
力を得た者はその力を誇示し続ける必要がある。最年少の幹部だからこそ、けして組織内で彼が軽視されていないという証を、周囲に見せつける必要があるのだ。微妙すぎる立場にあるイヴァンならば、尚更のこと。
この部屋にいる全ての人間の目線が自分に集まっている。
期待と、わずかの不安と、小さな希望のこもった仲間の信頼に、今のイヴァンが応えないわけがなかった。GDとの抗争の中、この男達はどんな時でも自分を信じ共に歩んでくれるという確証を得てしまっているのだから。
「…………挨拶は適当にやるからな」
「それで構わないさ、できる限り身内を集める予定だ。夕方にルキーノが懇意にしている仕立屋が来るから、寸法あわせだけは付き合ってやってくれ。俺からのプレゼントは明日のお楽しみだ」
「ま、これが俺からのプレゼントだ。もう生地は選んである、お前にぴったりの最高のスーツをあつらえてやるさ」
「普段着れるようなやつにしろよ」
どんな美女でもよろめきそうなウインクを返答のかわりにくれたルキーノに舌を出してやると、今度はジャン。
「じゃあ俺からは監獄『白雪姫』からの脱獄お手伝い券をプレゼントさせてもらうかな。逃げ出したくなったらいつでも言ってくれ」
「あ~、それが一番ありがてえな」
  若い幹部達のやりとりをニヤニヤしながら静観しているボスであったが、彼ならきっとろくでもないプレゼントを用意しているだろう。さてあとは……と周囲を見渡すと、ジャンの隣にいる先程から一度も発言していない人物の様々な感情の色が混ざり合いすぎた瞳と目が合った。
自分でも内を流れる心の波を把握しきっていないのだろう。様々な色が表に現れては消え、また別な色と混ざり合い溶け合っていく様は、見ている人間の心すらざわめかせていた。
というか、おもいっきり心臓に悪い。
「おいジュリオ……どうした?」
イヴァンが声をかける前に、ジャンがジュリオの肩に手を置いて軽く揺さぶる。疲れでぼーっとしていると思っているようだが、イヴァンはジュリオがどういう状況なのか、何となく理解できていた。
毎日ではないが顔をつきあわせ、必要以上に仲良くしているのだ、わからないわけがない。
「……ぁ……ジャンさん……なんでもないです」
「なんでもないわけないだろ、疲れてんのならさっさと休めよ」
「そうじゃなくて……」
どう言えばいいのかわからないのか、しばらく膝の上に置いた手をもじもじと動かしていたが、やがて意を決したように顔を上げ、イヴァン以外を驚愕させる発言を口にした。


「あの…………誕生日は………どう祝えば、いいんですか?」




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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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