こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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続き、その4で終わるはずです。
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裏口からキッチンに入ると、ごくごく普通の朝食の匂いがイヴァン達を迎えてくれた。キッチンと向かい合う形になっているカウンター式のテーブルには、新聞を広げたこの家の家長がなにやらブツブツと呟きながら口に食事を運んでいた。
新聞を読みながら朝食を食べるのは行儀が悪いと何度も言っているのだが、朝は忙しいの一点張りで聞く気がない。通常時のカーキ色ではなく、黒の勤務服を着ているということは、今日は何か重要な会議なのだろうか。
「よう、今日は会議か?」
「査問委員会だ………勿論、俺が対象ではない。帰りは遅くなるから、適当に何か食べておいてくれ。俺の分はいらないからな」
「ベルナルド……おはよう」
「おはよう、じゃないな、お前に返す挨拶は。仕事が好きなのはいいが、あまりやりすぎるなよ」
「わかった」
トーストの乗った皿の横には、いつもぴかぴかの状態を維持している制帽。
軍の駐屯地と、軍艦が寄港する港があるデイバンの街。ある意味駐屯地の兵達によって支えられている町の経済は、この男の手によってコントロールされていると言ってもいいだろう。
新しく作られた駐屯地に是非にと請われ着任した兵站と補給のプロ。
それがこの家の家長であり、一家の大黒柱であり『お父さん』でもあるベルナルドだった。
ちなみに『お母さん』はと言えば。
「ルキーノ、コーヒーがぬるい……入れ直してくれ」
「さっき入れたばかりだろうが……俺はお前等のメシを作ったらさっさと寝るからな」
「そうか、じゃあイヴァン目覚めのコーヒーはどうだ?」
「テメーがいらないものを、よこすんじゃねえ」
ベルナルドの隣に座ると、目の前に白いコーヒーカップが素早く差し出される。
文句を言いながらも口をつけるが、確かに少し温度が低いように感じられた。イヴァンはあまりそういうことを気にしないので飲んでしまうが、常に最高の物を少しだけ、というポリシーのベルナルドにとってはコーヒーの温度も気になるのだろう。
カウンターの向こうで多少きつね色になりかけているオムレツを焼いている赤毛は、仕事帰りで寝ていないのだろう。右頬に走る一条の傷も、目の下も、いつもより色が悪いように感じられる。
「今日はテメーの当番じゃなかったのか?」
「先週のルキーノの当番の日に変わってやったからな、その分を今日やってもらってる」
「テメーのびっくり料理じゃなくて良かったよ………朝から毒なんて喰いたくないからよ」
「俺は……嫌いじゃない」
イヴァンのもう片方の隣を確保し、手を伸ばしてベルナルドの皿からトーストを盗んだジュリオはカウンターの上に常に置いてある瓶の中身をトーストに塗り始めていた。かなりの甘党のジュリオは、自分専用のピーナツバターやらヌテラやらを家の各所に常備している。
ナッツとチョコの独特のハーモニーはイヴァンも嫌いではないのだが、スプーンで山盛りにして乗せるジュリオの味覚にはたまについていけなくなる。
おまけに、
「イヴァン………」
と、そのパンと塗っている物の比率が逆転した物体を毎朝イヴァンに食べさせようとするのだから始末が悪い。最初は拒んでいたのだが、嫌がると目に涙を浮かべて落ち込むので、ここ数年は素直に口を開くようになっていた。ジュリオだけならまだしも、ジャンもそれを真似して同じ事をするようになったので、朝食時はイヴァンの目の前には皿を用意しない。
それが無言のルールになっていた。
だからルキーノが次々と焼き上げるオムレツはイヴァンの前にはやってこないし、ジュリオはそれをフォークで何度もイヴァンの口元に運んでくる。こんな姿を誰かに見られたら人生の破滅だ、そう常に思ってはいるが、泣く子とジュリオには勝てないのだ、何故か。
だからジュリオが泣いたりしたら、当然の如く勝負する前から白旗を揚げるしかない。
何故かチーズとアンチョビが入っているこの家独特のオムレツを食べながら、いつもと違う服装のベルナルドを観察する。黒の一揃えに純白のシャツ、袖の金線と兵科章は彼がどこの部隊に所属しているのかを教えてくれる。
仕事中は肩まで伸びる波打つ髪を適当にまとめているが、家では適当に遊ばせたままの髪が、イヴァンに向かってふわりと揺れた。
「そういえば、来週から少しの間留守にする」
「また研修か?」
「来月には少佐になるんでな、その研修だ」
「はぁ!? テメー確か3年前に大尉になったばかりだよな?」
「正確には2年半前だ。俺の能力が認められたということにしておいてくれ、今のところはな」
「また何かやったのか?」
「軍の物資を横流しするのはいいが、証拠を残しまくっていた無能な上官を告発しただけだ。ちょうど上がつかえていたからな、助かったよ」
「助かったよ、じゃねえだろうが……」
有能極まりない上に出世欲も人並み以上。
こんな扱いづらい部下を持った上官は、さぞかしやりづらかっただろうに。まあもうそんなことを言えない立場になるようだし、イヴァンが迷惑を被るわけでもないから別にどうでもいいのだが。
「ということで、少し留守にするが………ジュリオ」
小食極まりない一家の主は、半分以上残したオムレツとトーストを放置し、新聞もカウンターに置いて立ち上がった。名前を呼ばれたジュリオは口にトーストを咥えたまま、異常な程の長身を見上げ、言葉の続きを待っている。
「イヴァンを押し倒そうが、ジャンと奪い合いになっても構わないが、近所迷惑になるような大声は上げないようにな」
「頑張って……みる」
「それから、今日の昼からFOXで1stシーズンの再放送と、4thシーズンの開始に合わせた特番が入るから、最高画質で録画しておいてくれ。俺のパソコンでも録画予約は入れてあるが、念のためということがあるからな。この間の停電でパソコンがやられた時の二の舞にはしたくない…………UPSを導入したから大丈夫だと思いたい、思いたいが……っ!」
「さっさと行けよ、びっくり眼鏡。時間がねえんじゃないのか?」
「あ、ああ……そうだったな。つい、な」
制帽を頭に乗せ、ジュリオとイヴァンに向けては軽くウインクを。
わざわざ手招きして呼び寄せたルキーノへは頬へ熱烈なキスを贈ってから、一家の大黒柱であり稼ぎ頭であり安定収入の源であるベルナルドは、普通に裏口から元気に出勤していった。
立派な玄関があるのに、何故か裏口から出勤するのがこの家の人間の特徴であった。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
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