がんかたうるふ Hermony Loop 日曜日 午後 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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これで最後です。
ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。






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「Hermony Loop」日曜日 夕方







これだけ落ち着かないのは久しぶりだった。
帰ってきたボスに事情を説明して、ルキーノとベルナルドがボスと一緒に部屋に入ったのが1時間程前の事。最初はジャン一人で待っていたのだが、心配でたまらなくなったイヴァンが合流し、ジャンに会いたいという理由でジュリオがやってきて。
結局いつもの部屋に幹部が勢揃いということになってしまった。
ベルナルドたちは奥の電話の間で話をしているので、ここにいれば何かあってもすぐに駆けつけることが出来るのだが。現状ではジャンが出動する必要はなさそうだった。
なのでソファーでだらだらしながら、話が終わるのを待ち続ける。
「おっせーんだよ、話くらいさっさと終わらせやがれ」
「イヴァン……お前それ何度目だよ。眼鏡マンマが心配なら心配って言ってもいいんだぞ、マンマには内緒にしておいてやっから」
「だ、誰があんなハゲメガネの事なんて心配するかよ!」
「ジュリオ、あとでベルナルドに報告な。イヴァンがベルナルドのことハゲメガネって呼んでたって」
「はい、ジャン」
「そこのソドムヤロウども! オレの前でベタベタすんじゃねえっ!」
話を何とかすり替えようとしているイヴァンを無視して、膝の上でごろごろしているジュリオの髪の毛を整えてやる。こうやってジュリオに膝枕してやるのも久しぶりなので、彼の髪を特に念入りに整える。
うろうろと歩き回り続けているイヴァンを観察することも忘れない。
「お、枝毛。しばらく見てやってなかったからな」
「すいません、俺が……」
「枝毛はジュリオの責任じゃないだろ? それに俺、これ割くの楽しみなんだよな~」
「枝毛を割くと余計ボロボロになるんだよ。テメーしらねえのか!?」
「ちゃんと教えてくれるところが親切だよな……イヴァンは。ところでお前、髪の手入れはどうしてんだ?」
「風呂にろくに入らねえヤツに教えるかよ」
最近はジュリオに洗ってもらうために結構マメに入っているのだが、それを彼に説明するとまた発狂しそうなので言わないことにしておく。
それにしても、話が長すぎた。
ルキーノがベルナルドが同席するなら話をしてもいいと言い出したのは昨日の夜中のことだったらしい。唐突にカヴァッリ顧問に面会を求めたルキーノがベルナルドとの会話で何を思ったのかはわからないが、相当の出来事があったのだろう。
それこそルキーノの硬い意思を突き崩すような。
  何があったにせよ、この話が円満に終わればルキーノは晴れて無罪放免になるし、ベルナルドの心労も一気に減る。この事件が始まる前にこれなら少し休めそうだと言っていたから、イヴァンと協力して休みでもプレゼントすべきだろうか。
ジュリオの髪を探り枝毛をこまめに潰しながらそんなことを考えていると、扉の向こうから何かが聞こえてきた。
「あの声は……オヤジか?」
「怒っている……みたいです」
「ちょっと待て、何でオヤジが怒るんだよっ!」
「………お前はどこのクサレチンポだ……一度死んでキンタマを引き抜かれてこい……そう言ってます」
「教えてくれるのはありがたいんだけどな、ジュリオ……お前の口からその言葉は聞きたくなかったな……俺」
この綺麗な顔でチンポだのキンタマだの言われると、聞いた側のダメージが凄まじいというか。歩き回っていたイヴァンが立ち止まって硬直している程なのだから、その威力は推して知るべし。
そんなくだらない会話をしている間に、扉の向こうの音は更に激しさを増していく。怒鳴り声だけならまだ許せたし、今回の件でルキーノが説教されているんだと思い込むことが出来たが、明らかに人の声ではない物音がここまで響き始めた段階で。
事態が予想外の方向へと進んでいることに気がついた。
「ジュリオ」
と短く声をかけると、ジャンの膝の上に頭を預けていたジュリオが瞬時に立ち上がった。
彼もこれは止めなければいけない事態だと理解しているのだろう、ジャンより前を歩き、ドアの方へと向かっていく。
が、ジュリオが到達する前にドアが大きく開け放たれた。
「ジャンはいるか!」
「お、俺ならここだけど……オヤジ……なんか用か?」
我ながら気の抜けた返事だなとは思ったが、完全に怒りに染まった相手の顔を見たら、どう言うべきかなんて考えはどこかへすっ飛んでしまった。一つの組織の長である男の真の怒り、それをぶつけられて普通の対応が出来る程、まだジャンは成長しきってはいなかった。
「ベルナルドを頼む、そこで目を回してぶっ倒れたんでな」
「は? ベルナルドが倒れた!?」
「俺はもう帰るぞ、後始末はお前たちだけでしておけ!」
一切後ろを振り返ることなく、派手な音を立てて出て行ったカポに、その場にいた人間の目が思わず点になる。
怒ってはいた。
でもルキーノの処分については何も言っていかなかった。
じゃあ何故怒っている?
疑問符だらけの状態で首を傾げていると、あの部屋の中にいたもう一人の人間の声が聞こえてきた。
「おい、いるなら誰か手伝え」
「ルキーノ! 何があったんだよ?」
「別にたいしたことはなかったぜ………話もちゃんとした。これで俺は無罪放免ってことになるな」
「じゃあ何でメガネのヤツがぶっ倒れたんだよ?」
当たり前すぎるイヴァンの疑問に答えたのは、部屋の中から這い出してきた鮮やかすぎる赤毛の持ち主だった。
「……ルキーノ…………俺が殴ったのは……逆だった………」
「ボスのありがたいご高説ってやつだ、気にすんな」
「なら、気にしない」
「ジュリオ、そこは気にしような?」
ようやくのことで部屋から這い出てきたルキーノの顔は、ジュリオが刻みつけた左頬の痣以外の傷が逆側に新しく刻み込まれていた。
口の端から流れる血のおまけ付きで。
「ルキーノ……なあ……お前、何やったんだ?」
「何と言われてもな………普通に話をして、最後にベルナルドに惚れたから幸せにしてやりたいと言っただけだぞ」
「原因それだろ!」
それはベルナルドも目を回すわけだ。
そちらのお嬢さんと交際させてください、と初対面の父親にいきなり切り出すよりも最悪な流れ。ベルナルドもボスも、そんな話が最後に来るとは想像もしてなかっただろうに。
さすがにそれはないだろうとルキーノを責めると、
「俺は最初からオヤジに言うつもりだったんだがな。そのためにオヤジと二人きりで話したいって条件をつけたわけだ」
「お前、本物の馬鹿だろ? ジュリオ、こいつから離れないと馬鹿がうつるぞ!」
気がつけば、イヴァンはとっくにルキーノから離れている。
こういうところは本当に賢いんだがなあと思いながら、ジャンは言葉を続ける。
「あのなルキーノ、お前にどういう決意があったのかはわかんないけどな。いきなり言われたらベルナルドも目を回すに決まってるだろ?」
「俺はいつでも、誰にでも言ってやるぞ。惚れた相手のことは自慢したくなるものだろ、普通は」
「いや、それはそうだけどな……まあオヤジも許してなきゃこの場でルキーノを殺してたよな……きっと」
あの一撃はきっと、ボスなりの祝福と激励なのだろう。
名付け子と部下が同性同士でくっついたことはショックだったし、色々と考えるところはあるのだろうが。殴っただけで去っていったということは、これ以上は追求する気はないのだろう。
彼には今後気苦労をかけることになるが。
そこら辺を先に精算する意味で殴ったのだろう、そう思い込むことにしてジャンは改めてルキーノを見た。

まだ起き上がれないでいるが、それでもその顔は晴れやかだった。

きっと彼は今幸せなのだろう。
自らの苦悩に決着をつけ、大切な人への愛を叫ぶことを許される。それがどれだけの幸せを産むかは、ジャンが一番よく理解していた。
そして隣にいるジュリオも。
目線を移しジュリオの顔へと愛おしげな眼差しを注いでいると、腑に落ちないことがあるのかジュリオが盛んに首をひねり続けていた。
「どうした?」
と声をかけると、彼の唇が一度引き結ばれ、困ったように口が小さく動いた。
「ベルナルドのにおいが……違います」
「ちょ、ちょっと待てジュリオ。それって……」
「大人になった……って言うんでしたか?」
「………あ、はははははは………ルキーノ、お前……俺たちにこれだけ心配かけて何やってんだよ!」
「何って、ヤッたに気まってんだろ」
「「ヤるんじゃねぇぇぇぇ!」」
思わずイヴァンと叫び声が重なってしまった。
散々心配をかけた上に仕事も一部代行させて、結果が大事なマンマを傷物にしましたというのは、あまりにもひどすぎる結果だ。開いた口がふさがらず、そこからルキーノへの悪態しか出てこない状態がしばらく続いたが。
満足しきった様子のルキーノを見ている内に、言うのが馬鹿らしくなってきた。
「今回の借りはデケーからな、あとで利子つけて返せよ! それからこいつらみてえにベタベタくっつくんじゃねえぞ!」
というイヴァンの言葉を最後に、悪口大会は終了してしまった。
その後誰が言い出したわけではないが、まだろくに動けないルキーノを放置して、椅子の上で座ったまま気を失っているベルナルドの側に全員が集まる。
「……ぶっ倒れた後で昼寝に入ってねえか?」
「疲れたんだろ、あのお騒がせ男のせいで」
「やっぱり……潰しておくべきだった……」
約一名が物騒なことを言っているが、特にそれを注意する人間はいない。
今までの疲れが出たのだろう、心地よさそうな寝息を立てているベルナルドを起こすのも可哀想なので、体だけ倒してとりあえず横にしてやった。
「幸せそうな顔……してんのな」
全ての問題から解放されたベルナルドの顔は、本当に安らいでいた。
これをルキーノが引き出したと思うと腹が立ってくるが、そこはもう許すしかないのだろう。
だからジャンは声をかける、大切な親友へ贈ることの出来る最高の祝福の言葉を。

「お疲れさんベルナルド……これからあいつに目一杯幸せにしてもらえよ」

眠るベルナルドからは何の返答も返ってこなかったが、その寝顔はジャンの言葉を肯定するかのように、幸福に満ちあふれていた。






_________________________________________

これで、「Ambivalent Loop」と「Perfect Loop」から続く話は終了です。
5/2のスパコミのペーパーはこの後日談の話になると思います。

これでなんとか今までの複線は全部回収できたかな……と思っていると、後からとんでもない間違いが見つかるんですが、今日はとりあえず終わったことを喜んでおきます。
長丁場になりましたが、読んでくださった方、本当にありがとうございました。



『Alright! ハートキャッチプリキュア!』 by池田彩

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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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