がんかたうるふ かみ合わない二人~平行線上の観測者~・下(現パロ・毛長) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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石田サイド説明の続き。毛長要素は限りなく薄いです。


書いた人:みっし






 *****






 しかし、それにしてもこれはないだろう。
 
 自分が記憶を持って何度も転生していることに家康が深く関わっているように、あの二人の転生にも間違いなく奴が関わっている。前世においてそのような話をした記憶があるのだから。
 ただ間違っても挙動不審な二人がみたいとかそういう話では無かった記憶があるのだ。

 ある意味家康によって投げっぱなしにされた現状を嘆きつつ、三成は状況を理解するために、情報収集を行うことを決めたのだった。



「元親…何してるんだ、貴様…」
 六時間目の授業が終わった後の教室。掃除当番を終えた三成は本屋にでも行って帰ろうかとしたそのとき、窓際にへばりつくように外を伺う元親を見つけた。
「…いや、毛利が出るのを見届けてから帰ろうかと…」
 しかもその伺い方にしてもでかい図体を縮めて、頭のみ窓からのぞき込むようにしゃがみ込んでいる。クラスメートは奇異の視線で見ながらも、特に声はかけない。元親が思いつきで突拍子も無いことをするのは前にもあったことなので、あまり気にもとめられない。喜んでいいのか、悲しんでいいのか、三成にはわからない。
 気がつけば教室には三成と元親しかいなくなったいた。幸村と政宗は剣道部の部活に行ってしまったのだろう。
 どこか遠くから、生徒達の声が聞こえてくる。
 部活動に勤しむ音、放課後のおしゃべりをたのしむ音。
 平和だ。
 比較対象にするのも失礼かもしれないが、最も色濃く記憶している戦国の世と比べて、なんと平穏なことだろう。平穏では無いのは、今目の前で窓の外をのぞき込む元親ぐらいだろう。
「…不審だぞ…」
 あきれ半分の気持ちで元親の背に声をかける。
「…うん、わかってる」
 そう言いながら元親は物憂げな表情を見せた。
 そんなにも、毛利と顔を会わせたくないのか。
「…そうしていても埒があかんだろう。私も一緒に行くから、いざというときは私を盾にしてでもさっさと帰れ」
「いいのか…?」
「そこまで会いたくない人間ならば、今は仕方が無いだろう」
 今は、まだ、会ってはいけないのかもしれない。
 少なくとも、記憶の整理と、自分の感情が落ち着くまでは因縁の相手と会うのは辛い。三成の場合は毎回自分が気がつく前に向こうが気づいていたので物心ついたときには追いかけっこしていたが、これは特殊な例だろう。

「お前は一体、何にそこまで悩んでいるのだ?」
 教室を出る準備をする中、元親に問いかける。三成へのお礼として非常食のクッキーをもらい、すぐにそれをもしゃもしゃと口にしつつ問いかける。
「怖い、のかもな」
「…何故疑問系なのだ」
 眉根を寄せた三成に元親は困ったような顔をして言う。
「…ずーっと昔に、自分が今となっては取り返しの付かないことをしたとして…まぁ××××とか物騒なはなしで…、その元凶みたいなのが、元凶といってもいいような人間がそばにいるって気づいたら、お前ならどうする?」
 それは十中八九毛利とのことではないだろうか。そうは思ったが、それ以上問いつめはしなかった。だから、三成は、今の三成が思うことを元親に伝える。
「…随分細かい問いかけだな…そうだな、私なら…気持ちの整理が付いてからだが…追いかけて、問い詰めるかもしれん」
「?問い詰める…?」
 三成の答えがぴんとこないのか、元親は首をひねる。
「そうだ。何故、そのようなことをするに至ったのか。相手の口から直接聞きたいと、今ならそう思う」
 推測は推測でしか無い。相手の視点からの物事も含めて、多角的に考えなければ、決して真実は見えてこないのだ。それはかつて仕えた竹中半兵衛から学んだ事でもあった。
「…最も、自分の中で区切りをつけてから、という注釈が付く。区切りをつける前では冷静に考えることも出来ないだろうからな」
 至極落ち着いてそう伝える三成に対して元親は感嘆の声を上げる。
「おお…参考にさせてもらうわ。いつも思うけど三成はなんでそんなに落ち着いて考えられるんだ?俺には無理だ…」
「生まれつき、ではないか?」
 まさか、ぶっちゃけ精神的な意味では四百年ぐらい生きているから老成している、とも言えず、三成はそれだけ伝えた。
 そして二人は並んで生徒玄関までの道を歩き始めた。



 三成の記憶に残る、かつての長曾我部元親という男は、剛胆で、面倒見が良くて、戦国の世には似つかわしくない男だったという記憶がある。最も最初に会ったときは家康への憎悪を滾らせていた真っ最中だったので、少し印象は変わるのだが。
 その男と毛利との因縁。
 残念ながら三成が最初に体験した記憶の中では明確なものが見えてこない。最初の記憶は本当に家康への憎悪に彩られていて、他の事を顧みる余裕が無かったからかもしれない。
 そう、最初の記憶では。
 
 四国と安芸。
 近くて遠い二つの国、その国主。
 殺したか、殺されたか、いずれだろう。
 他人事のような言い方なのは、いずれにしても自分が体験した記憶では無いからだ。


 
 そうして元親と並んで一階にやってきた三成は、視線の端に件の、毛利の姿があることに気がつく。職員室の中で教師となにやら話しているようだ。
 元親はまだ、気づいていない。
 ならば、今のうちに帰らせた方が良いだろう。
「元親。ここからはお前が一人で帰れ。くれぐれも、寄り道はするなよ」
「…?おお」
 訳がわからないという風な様子ながらも、元親は素直に言うことを聞く。このあたりは本当に変わらない。
「…時間稼ぎはしてやる。だから今日はさっさと帰れ」
 三成のその発言で、ようやく彼が何を言っているのかが理解できたらしい元親は即座に頷いた。
「悪い…恩に着るぜ!」
「悪いと思うなら今度あいすまんじゅうでもおごってくれ。あれが今の時期なら一番良い」
 三成の答えに対して元親は全力で首を振ると、すぐに駆け出し、いなくなってしまう。
 今の元親にとってはそれが賢明な判断だろう。
 
 そして、元親の姿がちょうど見えなくなったあたりで三成は職員室から出てきたばかりの毛利と相対した。日頃はなんの感情も浮かばないと称されるその顔に、少々ながら驚きの表情が見え隠れする。
「…お前は、石田か」
「毛利元就…」
 今生においては、言葉を交わしたのは初めてに近い。ただ元親とは異なり、三成は入学式の挨拶をしていた毛利を覚えている。そうして、気がついた。
 毛利だけでは無い。同じクラスの元親、幸村、政宗にもこの時会った。戦国の世においては名前すら覚えられなかったような存在と仲良く接することが出来るのは不思議な体験だっただ、まぁ不仲よりは良いだろうと思っていた。
 三成の推測が間違っていなければ、毛利元就は過去生の記憶を持っている。それを、聞かねばならない。
 だから、おかしな人間と思われても、問わねばならない。

 だが、三成が口を開こうとしたその刹那、毛利の方が先に口を開く。
「…お前は、過去を、覚えているか?」
「…ああ」
 自分は確かに、戦国の世での記憶を持っている。だから、そう答えた。だが、その瞬間、毛利の顔が苦渋に滲む。
「…ならば、さぞかし恨んでいるのであろうな」
「?…誰をだ?」
 家康の事だろうか。家康に関しては恨むとか恨まないとかを超越したような感情なのであいつは例外だ。だがそれを毛利に説明するのもおかしな話だろう。
 怪訝な顔をする三成に向かって、毛利は自嘲の笑みを浮かべると、こういった。

「お前を×した我を、恨むのが道理だろう…あの男もな」

 そうして言うが早いが、きびすを返して歩き出す。声をかけることは、できなかった。

 ×した

 毛利は確かにそういった。
 だが、そうだとおかしい。
 元親の話した事と噛み合わない。
 何故、噛み合わない?

 毛利は、元親を×したと言った。
 元親は、毛利を×したと言った。

 それは、同じ時間軸において、同時に成り立たないはずの事象である。

 あの二人は、同じ過去から転生したのでは無いのか?だとすれば何故、今この瞬間は同じ世界にいる?別々な時間軸からの転生など成り立たない。それは、今までの転生で嫌と言うほどに三成が知っている。あるいはどちらか一方が、時間軸すらも超越してやってきたとでもいうのか?

 わからない。
 だが、こうして考えていて思い出したこともある。



『今度は誰もが、笑って暮らせる世界にしたいんだ』
 
かつての三成が、前世を終える段になって家康はそういった。
『それは、神としての貴様の意見か?…まぁ皆に迷惑をかけない範囲で好きにしろ』
 その時の家康は返答を訊いて、笑っていた。



 だから、高校に入学して、過去に出会った彼らと再会した事は、家康の気まぐれなのだと思っていた。記憶を確実に持っているのは毛利、曖昧ながら持っている、正確には思い出しつつあるのは元親。他の二人に問い詰めたことは無いが、ひょっとするとあるのかもしれない。あの二人の場合は記憶があっても無くても、毛利と元親のように大騒ぎすることが無いのでそのまま放置しておいても大丈夫だろう。

「…ひょっとすると…別な記憶でも見れば何か手がかりがあるのかもしれないな…」

 三成は一人、ぽつりと呟く。
 だが、三成一人ではそれは出来ない。面倒くさいことこの上ないが、やはりあの男の力を借りなくてはならない。
 そもそも何故、三成一人がここまで悩まなくてはならないのか。考えていると腹が立ってきた。
 一人通学路を進みながら、三成は本屋へ行こうとしていた足をその真逆の方向へと向かわせる。

 あそこであれば、間違いなく奴がいる。

「…何故に私が観測しているからといえどもここまで考え込まねばならん…!!それもこれも貴様のツメが甘いせいだぞ家康ううううううううう!!」

 密かに叫びながら三成は目的の神社に向かって駆けだしていた。













次回
かみ合わない二人~平行線上の創造者~ に続く




○石田さんの性格が戦国時代とかなり異なる理由説明回とも言える。
基本的には甘い物食べてお茶飲んでれば満足です。ひなたぼっこも好きです。そんな精神的じいさまな石田。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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