がんかたうるふ ぷちばさ! 弐 序章1 (大阪編) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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ということでぷちばさ! 弐 始動。
真田ちびの話の後は丸々書き下ろし……私、死ぬんじゃないかなあ……
(多分みっしさんはもっと死ぬ)



 *****
 大阪は夏の盛り。
 地面に打った水もすぐに乾く程の暑さは人の体力を奪うが、もふもふの耳と尻尾が生えている彼ら『ちび』の暑がり方は異常であった。
『熱気斬滅』
「………………きゅ……」
『竹千代斬滅』
「…………………………きゅきゅ~」
 とにかくこの日は暑かった。
 あまりの暑さに三成も非常手段として文机の脇に水を張った桶を置き、耐えられなくなったらその水で顔を洗ったりしていたのだが。その横で何故だかちび二人はぺったりくっついて遊んでいたのだった。
 いや、互いの合意で遊んでいるのではなく竹千代が一方的に佐吉にくっついている。
 二人ともふかふかとした尻尾を持っているので、側にいるだけで暑いというのに。一方的にくっつかれている佐吉の暑苦しさは相当な物なのだろう。
 恒例となってしまった『斬滅』と書かれた半紙を部屋中にまき散らしながら、必死に竹千代から逃げようとしていた。そんな佐吉の体を離すまいと後ろから抱きついている竹千代だって暑いだろうに。
 なにがこの狸をここまで駆り立てているのだ。
「竹千代……見ている方が暑い。佐吉から離れろ」
「きゅきゅ! きゅきゅっきゅきゅ!!」
「私には貴様の言葉の意味がわからん」
「きゅ~きゅきゅ~っ!」
『竹千代抗議中』
「律儀に解説している暇があったら、離れる努力をしろ。私まで暑くなってくる」
『努力実行中』
「きゅきゅ~きゅ~」
 額に浮く汗を手の甲で拭うが、その横では団子のようになって転がり続けるちび二匹。
 このちび団子を外に出した方がいい、いやそうしなければ仕事は進まないし、自分も暑さで倒れる可能性がある。
「…………刑部の部屋に行ってこい」
「きゅ! きゅきゅ! きゅ~きゅ!」
『竹千代再度抗議中』
「貴様らがいると私が暑い。刑部の部屋なら日陰なので涼しいはずだ、さっさと行け」
「きゅきゅ!」
 刑部に会う度にいじめられる竹千代にとっては、地獄のような提案かもしれないが。
 もしかしたら刑部が部屋を空けていて、涼しい部屋で思う存分(一方的に)じゃれあっていられる可能性もあるのだ。このまま暑さで共倒れになるくらいなら、この場にいる全員が幸せになれる道を探したい。
 そう考えてしまう程の暑さだったのだ。
『竹千代移動希望』
「佐吉……貴様だけが刑部の部屋に行くことは今の状況では不可能だ。つまり私のやるべき事は一つしかない、わかるか?」
『理解不能』
「きゅ~?」
「貴様達をこのままこの部屋から追い出すことだ」
 三成の野郎としていることを察したのか、まず佐吉が逃げるために動き出した。
 基本的に二人とも三成のことを兄のように慕っているので、三成の側からは離れたがらない。だからこそ三成は仕事中に暑苦しい毛玉のような二人がくっつき合って動く姿を見ることになっているわけだが、二人ごとここから追い出せばいいだけなのだ。
 周囲の感情や行動に敏感な佐吉は、三成の手の届かない所まで逃げようとしているが、佐吉という重りがついている状態では、思うように動けないらしい。
 そんな好条件もあり、あっさりと佐吉と竹千代で構成された団子を捕獲することができた三成は、さっと立ち上がるとそのまま襖の方へ向かい。
 一気に襖を開いた。
 目の前に広がるのはいつも通りの板張りの廊下と、半兵衛が三成の部屋がわかりにくいので目印代わりに壁に付けた赤子の頭よりも大きいの金の鈴。どこかの神社からもらってきた物だと言っていたが、普段は日の光を浴びてきらりと輝く鈴が光の代わりにゆらりと湯気を放出していた。
 それと同時に三成が感じたのは、異常な熱気。
 皮膚が一気に赤く染まりそうな程の暑さが廊下に充満していることに気がついた瞬間、三成が選んだのは慌てて襖を閉じることだった。
「暑い!」
『異常気温』
「今日は暑いと思っていたが……この暑さでは人が死ぬぞ!」
「きゅきゅ」
 三成の服の端をつままれても佐吉を離さず、ぎゅっと抱きついている竹千代がうんうんと頷いている。
 いくらなんでもこの暑さはおかしい。
 三成の部屋の温度も上がらなければおかしいはずなのに、生きていられない程の暑さがなのは廊下だけ。襖一枚挟んだ隣がここまで暑いというのに、三成達は今までずっと普通の暑さを味わっていたのだ。
 こんな状況を作り出せる存在、それを三成は一つしか知らない。
「…………まさか、またおかしなちびがやってきたのか」
『可能性大』
「貴様らだけで十分だというのに……」
「きゅ?」
「竹千代、貴様が一番おかしなちびだ……それだけは忘れるな」
「きゅ~きゅ~?」
 宙づり状態にされながら首をかしげている竹千代はとりあえず放置することにする。
「佐吉……わかるか?」
『状況不明』
「そうか、ならばもう一度出てみるしかないな……下手をすれば私たちは蒸し焼きになるかもしれん」
 この部屋にとどまっていれば今のところは安心だが、いつ襖の向こうの熱気がこちらに向かってくるかわからないのだ。目の前にある危機から目をそらせば、死ぬのは自分。それを身をもって教え込まれてきた三成は、腰を屈めてちび団子を下に下ろすとわずかのためらいもなく再度襖を開けたのだった。
「…………くっ!」
 途端肌の汗すら瞬時に乾燥させるようなざらついた熱気が三成の肌に触れ始める。
 後ろで竹千代達が騒いでいる声も聞こえるのだが、ちびたちをこの熱気に触れさせると体調を崩すかもしれないし、なにより一人の方が動きやすい。
 喉が焼けるような暑さの中、部屋から一歩踏み出す。
 一気に口の中が乾き、目を開けているといちりとした痛みが襲いかかってきた。思わず眼を細めると、目の前にある金の鈴が更に目を焼き尽くそうと金色の光をこちらへと向けてくる。
 目からも水分を奪い取られている中、鈴の光は目を潰すかのよう。
 それから目をそらして更に一歩進もうとすると、鈴の中に何か見えた。
「………………………………?」
 いや、鈴の中から何かが生えている。
 黄色と黒で構成された毛の生えた三角形が二つ。鈴に開けられた穴から並んで生えているのだが、半兵衛は鈴の中に毛の生えた三角を入れたのだろうか。
 いや、そんなわけがない。
 なんとなくこの暑さの原因をつかんだような気がした三成は。
「いい加減にしろ! 貴様ぁぁぁぁぁ!」
 暑さに耐え、眼を細めながら。
 目の前にあるぴるぴると震える毛の生えた三角が生えた鈴を、力一杯ぶん殴ったのであった。

 






 鈴の中から出てきた、いや三成が鈴をぶった切ったら中からころりと出てきたのは、赤い戦装束のような物を身に纏った虎耳のちびだった。ちびを見ることにはもう慣れているし、奇抜な登場しかできないのも知っているのでそこには驚かなかったのだが。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
「きゅっきゅ」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
『大声斬滅』
「…………うるさい」
 口を開くと叫ぶばかりで、何を伝えたいのかがよくわからない。
 通訳をしてくれそうな佐吉は頭の上に手をやって耳を塞いでいるし、竹千代は全く気にすることなく佐吉の尻尾にしがみついている。
 鈴の中から虎耳ちびを出したら暑さが治まったのは、このちびが熱を発していたことの証拠。しかしまたおかしな能力を持つちびがやってきたものだ。
 この大阪城にはちびを引き寄せる何かがあるのだろう、次から次へとちびがやってきては騒動を起こして帰って行く。さて、このちびは何をしに来たのやら。
 事と次第によっては三河から家康を呼んで力を貸してもらわなければならないと思い、佐吉の尻尾で遊んでいる竹千代に頼んでみることにした。
「竹千代、家康を呼んできてくれるか?」
「きゅ?」
「貴様と同じ顔で、貴様と同じく大食らいで、貴様と同じ顔だが尻尾が嫌いな男だ」
「きゅ! きゅ~!」
 どうやら三成のこの説明でわかったらしい。
 両手を挙げてぴょんと跳ねると、そのまま腕をぐるぐる回して気合いを入れたのだが。すぐに何かに思い当たったのか、首をかしげながら佐吉の耳元に何かを囁き始めた。
「きゅ~きゅきゅ~」
『家康居場所不明』
「そうか……三河に行ったことがなかったか」
 知っている場所なら自由に行けるようなのだが、行ったことのない場所に無理に行かせようとすれば以前の奥州行きのようなことになってしまう。あの時の竹千代はあの場所から美げる事だけ考えて飛んだら欧州に着いたらしいのだが、さすがに今回それをやらせるわけにはいかないだろう。 
またどこかの城の兵糧を食い尽くしてしまう可能性が高いのだ。
「家康は早馬で文を出せば明後日には来るだろう。その前に……貴様の名前を聞く必要があるな。佐吉、こいつの名前を聞いてくれ」
「うぉぉぉっ!」
『不必要』
 じいっと叫び声は大きい割に大人しく正座している新入りの顔を見ていた佐吉は何かを悟ったらしく、耳から手を離してどこから出しているかわからない筆と半紙を現出させると。
 それをそのまま目の前の赤いちびに渡したのだった。
「字が書けるのか……」
 と一瞬驚きはしたが、よく考えれば竹千代以外のちびは皆字が書けていたはずだ。
 ならばこのちびが字を書くことができるのは当たり前、なのだが。

 字が書けない竹千代は馬鹿なのか?

 そんな考えが頭を巡ったのは竹千代には内緒にしておく。
 佐吉も同じ考えに行き当たったのだろう、再び尻尾にじゃれつき始めた竹千代を放置してこちらに、にやりと笑いかけてくる。顔が似ていると考え方も似てくるのだろうか。
 佐吉の笑い顔、そして自分と顔が似ているという事実。
 家康と竹千代の顔が似ていることも、奥州で出会ったちびたちにそれぞれ似た顔を持つ武将達がいたように。この赤い虎耳にも、似た顔を持つ武将がいるはずなのでは。
 くりっとした目つきの割に整った凛々しい顔立ち。
 そして無駄な叫び声。
 三成はこれによく似た人間を、一人だけ知っていた。


『な ま え  ち び む ら』

『ゆ き む ら お と も だ ち』

『み つ か ら な い』

 
「やはり真田の所のちびか!」
『真田三成友人』
「…………友人といえば友人なのだが…………あれと会うと家康が不機嫌になる…………」
『家康嫉妬』
「大きい子供のようなものだからな、家康は」
 このちびの保護者であると思われる青年真田幸村と三成は、友人と言ってもいい関係であった。豊臣と幸村の主家である武田が同盟を結んでいるので、年頃が近い二人は大人達に無理矢理友にされたわけなのだが。さっぱりとして細かい事を気にしない幸村と、細かいように見えて大雑把な三成は妙に気があった。
 互いといると気楽なのだ。
 かくして幸村は三成の数少ない大阪城外の友人となった訳なのだが。先日訪問した奥州の若き筆頭と幸村が親しいと聞いたことがある。奥州で散々あの眼帯をした筆頭に色々言われた気がする。
 幸村にその話が伝わっていなければいいが。
「貴様の名はちび村か」
『ち び む ら』
「ここへ何をしに来た?」
『と ば さ れ た』
「そ、そうか……大変だったな」
 武田領には何度か訪問したことがあるが、あそこならば小さなちび村を吹っ飛ばす輩がいてもおかしくない。何故鈴に入っていたかはわからないが、そこはもう気にしないことにした。
 ちびたちには、自分の常識は通用しないのだ。
「真田に連絡を入れてやる。迎えに来たらさっさと武田に帰ることだな」
『か た じ け な い』
「秀吉様と半兵衛様に報告しなければ……」
 自分の足元で仲良くじゃれ合い始めたちびたちを見ながら、三成はそうぽつりと呟く。
 この段階でもう三成は家康を呼ぶ必要がないと判断していたし、佐吉も当然そう考えていた。
 ただ一人、竹千代だけは。
 三成の言葉を素直に受け取り、何とか三河までたどり着いてしまい。
 真田幸村の来訪とほぼ同時に家康を大阪城に到着させてしまうという、史上最大の悪事(?)を働くことになってしまうのだが。
 それが何を引き起こすことになるのか、それを知る人間は当然まだ誰もいない。





 そんな感じで、三成のちびによって苦労させられる日々がまた新しく始まったのだった。







________________________________________
ということでぷちばさ! 1.5の対談でぽろっとでた真田ちび登場。
あと2回でこれは終わりで、後半丸々書き下ろしに……死ねる。

100ページ越えないことを祈る。
ということでまだ続きます~
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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