がんかたうるふ ちゃっとこねた(みっし) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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お題:アニキでウェディングドレス

書いた人:みっしー


2.28 修正して再投稿



 *****




毛長ウェディング~それはとっても嬉しいなって編~











―今の自分はどんな顔をしているのだろう。
 きっと見るに耐えない表情をしているに違いない。



「…おい、じぃさん。これ何の冗談だ。」

 何故自分は真っ白い衣類に身を包み、あまつさえヴェールなぞを頭に被り、おまけに色とりどりの花で作られたブーケまで持っているのだろう。
 長曾我部元親、職業少女漫画家、性別は男。
幼少期は女の子が欲しかった家人の手により女の子の格好をして育てられていた、現在では黒歴史とも言える過去があるが、それはそれ。第二次性徴期を迎えたことで身長180センチはゆうに越え、体格も良い部類に入る元親は、とてもではないがウェディングドレスを着て喜ぶ人間ではない。というかまず、性別:男である。
 日頃は医療用の眼帯で覆われている左目は何故か綺麗にレースで飾られた真っ白い眼帯に差し替えられていた。
 誰が、何で、こんな事を。
呆然とする元親に、目の前に立つ男はガハハハと笑ってその背を勢いよく叩く。
「…いってぇな!?何すんだよ!!じぃさん!!」
「ガハハハ!!こんにめでたき日の主役がそんな顔ばするもんじゃなかとね!!」
 男、島津は亡き祖父の友人であり現在の親代わりでもある。豪快な大酒飲みという印象の彼が何故ここにいるのか。

―いや、そもそも一体何がそんなにめでたい日だと言うのだ。

 元親は今日の朝から今に至るまでの事を必死で思い返していた。
 
 休日の今日、締め切り明けの元親は自宅で寝ていたところを雑賀のさやかに襲撃され、シーツで簀巻きにされた末に連れてこられたと思ったらこの有様だ。
事情を聞こうにもさやかは元親を係の人間に預けるとそのままいなくなってしまった。風呂に突っ込まれたかと思うと、有無を言わさぬお姉様方に囲まれ長々着替えさせられたと思ったら今度は島津のじぃさんが来たというもんだ。
 そもそも大男に分類される自分にサイズを合わせて作った人間はどこの馬鹿だ、変態だ。まさか自分の人生の中でウェディングドレスを着る機会があるとは思っていなかったため怒り半分、呆れ半分といった様子だ。仕事の資料ならともかく、自分が着るってめちゃくちゃ微妙だよな、と売れっ子少女漫画家でもある元親は思った。

 出来ることなら脱走してやろうかと昔の思ったが、動き辛いことこの上ないドレス姿である。着せられた直後は怒りが先走ったものの、冷静になって見ると180越えの大男がウェディングドレスを着ているってどんなコントだ、としか思えず急速に怒りが萎んでいった。
 おまけに目の前にいる島津は武道の達人であり、生半可な状態では太刀打ち出来るはずもない。島津は島津で元親を外に出してくれる気は見えなさそうなので、仕方が無くこの格好に甘んじているという訳だ。
 まぁ元親は、それでも計画した人間は一度ぶん殴りたいと思ってはいる。
というか見つけたらぶん殴ると固く心に決めていた。





 ドレスを着せられて早一時間程度、最初の部屋から出されたものの、今は何故か島津の腕を組んで立たされている状態だ。

「じぃさんよぉ…こりゃなんの冗談だ?」
「また長曾我部どんは冗談ばっかいいおって!!」
 
 そう言って笑う島津は一切答えてくれる気が無いようだ。
そういえば何故島津までやや気合いの入った格好をしているのだろうか。
よくよく見ると黒いスーツではなく、所謂モーニングを着用している。まるで花嫁の父のように。それではまるで、本当に誰かの結婚式のようではないだろうか。
―そこまで考えた所で元親の脳裏にあまり想像したくない図が浮かび上がる。

「なぁ、じぃさん。なんで…」
「おお、もう時間ぞね!!」
 島津に聞こうとした問いかけは、なにやら周りの騒々しさでかき消えてしまい聞こえなかったようだ。そうして元親は島津に引きずられるままに、重々しく見える、その扉の向こうに足を踏み入れた。





「…なんだこれ」
 入って真っ直ぐに長い通路がありそこから左右に分かれて人がいる。それもごっそりと。
ざっとみただけで見知った顔がわんさかいる。
 向かって左側にいるのは漫画家仲間の伊達と右目とバイトの前田と編集のさやかと幼なじみの鶴の字と、ご近所さんの北条のじいさんと使用人、そしてどどんと構えるのが後輩の家康と付き人の忠勝。
 対する左側にいるのが新人編集の石田と編集長の大谷、漫画家仲間の真田とマネージャー、編集の黒田に小早川、新人の大友と付き人の立花などなど。
顔を覚えていない人間も結構いるのでよくわからないが恐らくは顔見知りだと思われる。
 全員口々に何か言っているような気がするのだが元親の耳にはよく入ってこない。
だけれども皆が何をしているのかだけはやたらとはっきりと目に入る。



政宗、お前爆笑してんじゃねーよ。あ、右目にチョップされた。
さやか、なんでお前が泣く。なんで?ねぇなんで?
前田はまずさやかから目線を外せ、谷間みてんだろ。
あ、どつかれた。右ストレートすげぇ。
鶴の字と北条の使用人は追いかけっこやめろ、明らかに室内だぞここ。
家康は絆の力だ!!って叫んでるのはわかるけどお前の部下がおろおろしてるからやめたほうがいいぞ。

石田、なんで刀持って呟いてるの、それ模造刀なの?
なんで長物もってんの?怖いからしまえ。
大谷編集長、なんで石田に加勢しようとしてるの。
お前らここは現代日本だから物騒なもんしまえよ。
真田、よだれたらしてんじゃねーよ、っていうかねてるんじゃねーか。
あ、マネージャーにはたかれた。
黒田、なんであんた鎖でぐるぐるまきなの?ねぇなんで?
小早川はなんで巨大な鍋かぶってんの?
さやか以外何があったんだよ編集部ぅぅぅぅぅ!?
大友は思い出号だかで飛ぼうとしてんぞ、おい止めろよ立花。ここ室内だし。




 ざっと顔を見た左右の人物の奇異な行動が目に着く余り、正面を見ていなかった元親は、と有ることに気がつく。

―え?前にいる奴って…誰だ?

思えば先ほどいた人物は大体が顔を見知っている者たちばかりだった。
だとすれば、当然目の前にいる人物もそれに準ずる者―即ち、元親の知り合いではないだろうか。
逆光のため後ろ姿しか見えないそれが、元親と島津が近づくにつれその姿を露わにさせていく。


「…遅かったな。長曾我部よ。」

「…なんでテメェなんだよおおおおおお!?」

 悔しいぐらいに涼しげな顔をし、純白のモーニング一式に身を包んだ毛利元就がそこにいた。

「ってえ事は…今回の主犯は全部てめぇかぁ!!毛利ぃ!!」
島津の手を離し、自身がウェディングドレスを纏っていることも忘れて勢いのまま大股で元親は毛利に近づく。
ヒールの高い靴を履かされたせいか足取りはややおぼつかない。そして靴のヒールのせいもあって二人の身長差はいつもよりも開いている。

「主犯とは人聞きの悪い。我は責任を取ろうとしただけぞ。」
元親が怒りを見せれば見せるほど、毛利は落ち着き払い、そしてその笑みを深くする。
「はぁ…?」
一方の元親はけろっとした様子で告げる毛利に思わず目が点になる。

「男女の仲であれば、婚姻こそが責任を取ることであろう。…長曾我部、そろそろ我らも年貢の納め時だと思わぬか?」
そう告げる毛利の顔はとても、とても楽しそうだ。
にやりとチェシャ猫のように歪んだ口からは嫌な気配しか感じられない。


 この男、毛利元就は元親が現在看板作家となっている漫画雑誌に持ち込みをした時からの付き合いだ。
学生時代に最初に持ち込んだ原稿を罵詈雑言で罵られたものの最後の最後で「…まぁ見込みはあるか」と言いだし、己が磨き上げると宣言した事を昨日のように思い出せる。
そこからは本当に大変だった。学業と漫画の両立、漫画は漫画で夜寝る間を惜しんで毛利と喧嘩腰での作成が続いた。毛利は学生といえども一切の甘えを許さず、そして元親も相手が誰であろうと相当な負けず嫌いであった。双方譲らず喧嘩腰ではあったものの、撃たれ強い元親に毛利は感心し、元親は人間性はともかく、アドバイスは的確な毛利を尊敬した。
 そして、無事にデビューが決まり、連載が決まり、元親が雑誌の看板作家となり、毛利が担当編集から外れてもそれは変わらなかった。
ひょっとしたら作家である元親当人よりも作品を愛し、理解し、客観的なアドバイスをくれる。悔しいけど、元親が誰よりも尊敬できる人間。それが毛利元就だった。


…なんでその毛利と編集部公認の恋人同士になっているのかは元親自身よくわかってはいないのだが。


「…え…いや、その、それはちょっと、遠慮しようかな…っとぉ!?」
 よくわからないが、これは駄目だ。むしろ頭が着いていかない。そう判断し、思わず後ずさった元親だが思わぬ段差があり思わず後ろに倒れかける。
だがそれを防いだのは咄嗟に元親を抱き留めた毛利だった。
細身の体に似合わず力強い腕に抱き留められ、思わずざわりと元親の胸が躍った。
―いやいやいや何でときめいてんの俺!!無いから!!絶対無いからああああああ!!
内心混乱しまくっている元親に気がつかず、毛利が抱き留めたまま言う。


「…いい加減、覚悟を決めろ。長曾我部。」
「…いーやーだー!!それだけは絶対嫌だああああああああ!!」
 いくら自分が少女漫画家だからと言って、いくら心の底で運命的な出会いだと思っていたからと言って、いくらなんでもこれはない。
自分達の関係を知っている人間全部の前で結婚式(偽)ってどんな漫画よりもタチが悪い。
でも一番たちが悪いのは、どこかで嬉しいかもと思っている自分で、でもそんな自分が嫌で、とにかく混乱の渦中にある元親は叫んでいた。


「…うるさい奴よ」
「…ぐあ!?…」
 そう言って抱き起こされたかと思うと毛利の右手から発されたチョップ(必殺の昏倒チョップ)をもろに喰らい、元親の視界は暗転した。










「…なんつー夢だよ…」
 折角の締め切り明けの休日だと言うのに、夢のろくでもなさから元親はげんなりする。どうやらリビングのソファでそのまま寝てしまったようで日光が目に眩しい。
時刻は8時を少し回った所だ。久々の休日、何をするか考えるかと元親が考えた所で、自宅のチャイムが鳴る。
すると、そこにいきなり雑賀のさやかが現れた。
現在の担当編集でもあり、鍵も渡しているので不思議ではないが、何故ここに彼女がいるのだろうか。
 そして彼女は怪訝な様子で元親に問うた。
「なんだ元親。まだ用意が出来ていないのか?お前の晴れの日だろうに。」
「はぁ?何いってんだよさやか。誰の何の日だって?」
「?毛利と神社で式を挙げるのだろう?あやつの知り合いの神主のため無茶が効くと言って白無垢も用意したはずだが。」
 そういってさやかが指をさした先には、正確には寝室のクロゼットの正面には、規格外の大きさの白無垢が掛けられていた。
十中八九女性用のサイズではない。
誰だあんなもの作ったの。
いやそれよりも、冗談を言わないさやかの言葉が事実であるのなら、もしかしてそれは…

「…ぜってえいやだああああああああああ!!!」

哀れな元親の絶叫がこだまするも、目前に迫った式相手にはどうにもならなかったりするのだった。







 
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拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


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ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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