こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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作家の毛利さんと大学生で通い家政夫(最近は住み込み)な長曾我部くんのぐだぐだな日常、夏休み編。書いてる人は毛長だと思っているがCP要素は薄い。ものすごく薄い。
今回は後輩コンビこと関ヶ原コンビが登場。
いつも以上にばたばたしています。それでもよろしければどうぞ。三親と家親だったらいいな。
書いた人:みっしー
今回は後輩コンビこと関ヶ原コンビが登場。
いつも以上にばたばたしています。それでもよろしければどうぞ。三親と家親だったらいいな。
書いた人:みっしー
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作家さんと大学生~夏休み編 その1~
都内某所、とある駅前に1人の青年が佇んでいた。
ツンと立った黒髪が印象的なその青年は、大きく深呼吸すると高らかにこう言った。
「とうとう来たぞおおおおおおお!!元親ああああああああああ!!」
そのあまりの声の大きさに通行人を始めとした周囲の人間は呆気に取られる。
だが、そんな最中、驚く周囲をよそにスタスタと歩き始める一人の青年がいた。
銀髪で細身の長身である青年は非常に人目を引く容貌ではあったが、全く興味が無いかのように全ての視線を断ち切っていく。
すると先の黒髪の青年が慌てたように追いかける。
「三成!!待ってくれ!!」
「近寄るな恥知らず。」
どうやら一応は知り合いらしいこの二人は言い争いながら足早に立ち去ってしまった。
残された人々は、一瞬の出来事にただただ呆然とするばかりだった。
「よし!!この棚の整理は終わり!!…って言って、もまた増えるんだろうなぁ…」
毛利家の隠し部屋、もとい隣の家と繋がっていたという事実が明らかになって数日。
元親は毛利宅に居候しつつ、基本の仕事の隙をぬっては離れのほうの書庫掃除に勤しんでいた。締め切りが無いから母屋の方を使っていても良いぞ、との毛利の言葉に甘え、母屋の客間をそのまま使わせてもらっている。持ってきた荷物など着替えとパソコン、ケータイ、レポートに使うテキストなど微々たる物だ。
日頃の荷物とさほど変わらぬ量で訪れた元親を見て毛利は一瞬呆気に取られていた。そうして呆れたように、少なすぎる、とそう言っていた。男子学生の荷物などそんなに大量にはならないと思うのだが毛利は違うらしい。
まぁ、それはそれ、ということで毛利を納得させた元親は、暇を見ては書庫の掃除を行っていた。
今日はやっと棚の一つの整理が終わっただけである。全ての整理が終わるまでまだまだかかるとはおもうが、全ての本が乱雑に入れられていた頃を知っている身としては大きな進歩だ。最も、毛利にとっては棚に収めているだけで掃除した範疇に入ると思われるので本人には言わないでおく。
まぁ仕事部屋に積んである資料本も運べ、とも言っていたので、正直言って書庫の掃除がどれだけかかるのかは考えたくない元親であった。
しかし、非常にやりがいある仕事である。
正直言って片付けたところで、あの毛利のことだから再び見るに堪えない惨状を作り出すことは容易に想像出来た。
だが、だからこそ、終わりが見えないものとは中々やりがいがあるものだと最近の元親は考えていた。
長曽我部元親、20才。
多忙な両親に代わり、長年妹の世話と家の家事全般をこなしてきた男。
基本の職業は工学部の大学生なのだが、最近の彼はどう見ても主夫である。
少なくとも通学用の鞄にエコバッグを複数入れていたり、スーパーの底値を暗記していたり、安売りコーナーの魚のアラで狂喜する男子大学生は、あまりいないのではなかろうか。
銀髪、眼帯と派手な容姿に似合わないその地に足ついた所帯臭さから、毛利宅のご近所さんからは最近では「毛利さんとこのチカちゃん」として慕われている事を知らない。
一家に一人いれば便利、など某通販番組の商品のようにも呼ばれていることにも、当然の如く気がついていない。
なんとなく、嫌われてはいないのかなー、ぐらいには思っているがそれだけである。
最もこれは、雇い主の毛利があれこれ火消しに回っているので本人の耳に入りづらいという前提条件はある。
彼は、第三者が元親に関わることを嫌がっている。
最も毛利本人は決して認めはしないだろう。
そして、これもまた元親の知らない事実の一つであった。
「…おやつ何にすっかなー。寒天は固めておいたから…フルーツ白玉でいいか」
そう一人で呟きながら元親は隣の家、離れから戻り、食品庫を通って母屋のリビングに足を踏み入れたとき、チャイムが鳴った。
「…?客か?」
そしてそのまま入ってくる気配もないという事は本当に客なのだろうか。珍しい、と元親は思った。毛利宅に出入りする人間は元親と、毛利の担当の黒田を除くとその上司である大谷ぐらいしか出入りしていない。
家主である毛利は昼食後から仕事部屋にこもっているし、対応は元親がするしかないだろう。
そう考えていると、もう一度、チャイムが鳴った。
「はいはいはーい。今行きますよ、っと…」
そうひとりごちながら玄関に向かい、一応ドアスコープ越しに覗くが、ちょうど死角に立っているのか、訪問者の姿は見えなかった。
「…うーん…しゃあないか。」
そこに毛利がいたならば全力で止めたかもしれない。
しかし元親は、比較的のどかな地方都市で生まれ育ったため防犯知識が人より薄かった。
妹には色々教え込んでいたにも関わらず、彼自身の警戒心は薄かった。
(喧嘩の際などの野生の勘は除く、その辺元親は優れた勘を持っている。)
だから、彼は呑気に扉を開けた。
「はい?」
「もとちかあああああああああ!!」
「は?」
それ故に、真正面から抱きついてきた巨体を避けることができなかった。
「…ぎゃああああああああああ!!おおおおお前まさか家康か!?家康なのか!?」
自分の置かれた状況がうまく飲み込めず、混乱する元親だが、ようやく思い至る、
出会い頭にこんな事をする男は、自分の知り合いでは一人しかいない。
「ワシだぞ元親!!久しぶりだなあ!!」
そう言って自分をハグしながら笑う男こそ、高校時代の後輩、徳川家康だった。
そして未だに元親を話さぬ家康の背後から、すっと前に躍り出た影があった。
「久しいな、長曽我部。」
ふんと言いながら腕を組み、不機嫌そうな顔でこちらを挑むようににらみつけている顔にも見覚えがあった。
「石田…!?なんでお前らがここに…」
何故、高校時代の後輩二人がここにいるのだろうか。
そもそもここは元親の自宅ではない。あくまで雇い主である毛利の家だ。
何で二人が毛利の家を訪れる必要があるんだ?そもそも何で知っているんだ?
頭の中をぐるぐるさせながら必死に考えていた元親だが、突然背後からの強い力で引きずられ、家康と引き離されたあげく、我に返る。
「…貴様ら、人の家の玄関先で何をしておるか…」
不機嫌を絵に描いたような表情で仁王立ちになる、毛利元就がそこにいた。
家康から引きはがされた後、3人揃って毛利に促される形でリビングに入る。
ソファに座っても尚、物珍しげに辺りをきょろきょろと見渡す家康と対照的にじっと座ったままの三成。そして相対しながら偉そうにふんぞり返っているのが家主の毛利。
元親はお茶を入れるために席を立っているわけだが、戻ったら毛利の隣に座らせられるのだろうが。
戻りたくない、とても。
なぜだか毛利は異常に不機嫌だし、そもそも何故家康と石田が揃ってここに来たのかもよくわからない。わからない尽くしの元親だが、今自分が入れてるお茶と茶菓子がなくてはもっと不機嫌になることは簡単に予想出来たので軽く溜息を吐きつつ戻ることにする。
そんな人間の思惑など介さぬように、サンデー(自動掃除機)は今日も立派に仕事をしていた。
冷えた麦茶と茶菓子として昨日作った水羊羹を出すと、元親は促されるままに毛利の隣に座った。
そうして4人相対したところで、まずは家康が口を開いた。
「突然の訪問で申し訳ない。ワシは徳川家康。元親の後輩だ!!」
次いで石田が、家康ほどではないがはっきりとした口調で毛利を見ながら話す。
「私は石田三成。そこにいる長曾我部の後輩で、貴様の友人である半兵衛様の従兄弟だ。」
すると毛利は怪訝な顔で石田を見た。
「竹中の…従兄弟だと?…聞いたことがないが。」
速攻で水羊羹に手を付けた毛利がもぎゅもぎゅと食べながら尋ねる。
「貴様は引きこもりで滅多に家から出てこないから知るはずもない、と言っていたぞ。刑部が。」
涼しい顔をしてサラっと言ってのける石田に、思わず元親は飲んでいた麦茶を吹きかける。
それに対して毛利は思いっきり不機嫌さを隠しもせずに顔を顰めている。
「…もしや、大谷が長年猫可愛がりしている竹中の親戚とは貴様の事か。」
「猫のように可愛がってくれているかはわからんが、刑部は昔から私に良くしてくれているぞ。」
そう言い終わると、石田はずっと視線で追いかけていた水羊羹に手を付け始める。
家康に至っては自己紹介した直後に食べたらしく、既に器が空っぽだ。
「…長曾我部、そなたはこやつらとはどんな関係なのだ?徳川に石田とは…厄介なのを揃えたな、貴様。」
「いや…本当に、高校の時の後輩ってだけなんだけどよぉ…。」
不機嫌そうな毛利から問いかけられてもそうとしか答えられず元親は困惑する。
周囲からは餌付けした、と言われるレベルでくっつかれていた石田と、彼の中学時代の友人で元親自身の小学生時代の後輩でもある帰国子女、真の意味で雑食の家康。
どちらもおやつを作ってやったら懐かれ、最終的には食事まで作って面倒をみていた気がする。
最もそれは苦ではなく、元親が好んでやっていただけなのだが。
高校を卒業してからは元親が帰省していなかったこともあって、メールでの連絡は取りつつも、直接会う機会は無かった。
石田の親戚の竹中さん、とはバイト先を紹介してもらった関係で会ったことはあるが、まさか、あの大谷さんまでもが石田と顔見知りだとは知らなかっただけに元親は驚いていた。
一度会っただけだが、一筋縄ではいかない人物という印象の強い彼の人が、どのように石田と関わっていたのか、非常に疑問ではあった。
「私がここにきたのは、半兵衛様と刑部に頼まれ物をしたからだ。」
もぐもぐと、心なしか笑顔で水羊羹を食べていた三成が口を開く。
「半兵衛様から鍵を預かる際に言われたのだ。長曾我部がそこにいるかもしれない、と。ここに来て直接会えるのなら、手間も省けるかと思い、一石二鳥だと思ったのでな。」
「いや、俺にも連絡くれよ。」
「…一応、長曾我部にも連絡したつもりだったのだが…していなかったのだな、私は。それはすまなかった。謝罪する。」
元親に向き直り、素直に礼をして謝る辺り、石田は非常に律儀だ。すごく律儀だ。
基本的に石田は年上からの受けが良い、それは一度認めた人間は敬う、という彼の姿勢も関係しているのかも知れない。元親は敬うというか、お菓子を作ったら慕われたという枠なので厳密に言うと異なる物かもしれない。
元親が数回会っただけの竹中も、恐らくは大谷も、それぞれ大層可愛がっているのだろう。
それだけの素直さが石田にはあった。
最もそれは自分が認めた人間にだけ発揮される物であり、認めない人間は歯牙にもかけなかったのだが。
良くも悪くも、石田三成という人間は極端な人間であった。
「ワシは三成が元親に会いに行くというので着いてきたぞ!!」
無駄に爽やかに言い放ったのは家康である。
「…着いてこいなど、私は言っていない…勝手に着いてきたのだろう。」
そう言いながら三成は麦茶を口に付ける。
心なしか眉根が寄っており、若干不機嫌な様子が伺える。
「相変わらず手厳しいな!!三成は!!」
最も、言われた家康は気にもしていないのだろうが。
徳川家康は元親が2年生の2学期になったと同時にやってきた一学年下の転校生だった。通常であれば「ふーん、転校生か」ですんだそれが、何故深く家康と関わる事になったのか。そのきっかけ石田と同じクラスに転入したことだった。
色々あって、元親の餌付け対象に家康も加わり、そこから元親の卒業まではなにかと3人でつるむことが多かった。
元々は元親の小学生時代の後輩で、石田の中学時代の友人だという家康は常に明るく、そして空気が読めなかった。
正確に言うと、他人との距離感を詰めすぎるのだ。
元親が知る昔の彼は、小生意気な所はあるもののごく普通の子供だったのだから海外で暮らした期間がそうさせたのかもしれない。
だが、この性質が、石田とはとことん相性が悪かった。
基本的に親しい人間を除く他者と一定距離を置くことを望む石田と、そんなもんには構わず「絆」を訴える家康。
…結果、石田の逆鱗に家康が触れ、怒った理由がわからず更に距離を詰め更に怒らせる、という事が非常に多かった。
2人とも、非常に素直で、良い奴なのだ。
それは高校時代に側で見ていた元親がよく知っている。
元親が間にいるときはそれ程喧嘩もせずに済んでいたが、この様子では間に入って緩和する人間もいないので、一方通行のやりとりなのだろう、多分。
羨ましそうな目で元親の水羊羹を見つめる毛利に水羊羹を渡し、自身は麦茶を飲みながら元親は考えていた。
(家康が、ガキの頃のまんまだったらまだ違ったのかもなぁ)
少なくとも、石田の話を聞く限り中学時代の彼は小学生の頃とさほど変わりなかったらしい。だがその後の海外生活が彼に与えた影響は大きかったようだ。
アメリカから南米のジャングル、ヨ―ロッパ、中近東、ロシア、アジア、果てはアフリカまで転々としたという家康の話を聞いたときに元親も、石田でさえ絶句した。
石田は特に海外生活を嫌がって家族と離れてまで日本に残っていたのだから尚更だろう。
そもそも海外といえどそこまで行く家康の親はどういう仕事をしているのか疑問に思ったものだ。
そして海外生活において家康曰く特に苦労したのが言語の壁と、後は食べ物だったらしい。
味覚に合わない食べ物に大層苦労し、日本においてはゲテモノ料理とも思えるものを食べる生活が数年に及んだ末、家康は変わった。
美味いマズイに関わらず、食べ物なんて食べられれば大丈夫だろう、という究極の雑食嗜好に。
そして長年の海外生活で鍛えられた胃は、どんなものを食べても消化するという成長を遂げいてた。
これには元親も頭を抱え、石田ですら呆気に取られた。
石田の甘味食いを見ては「それでは駄目なんだ!!三成!!」と言う家康だが、お前の食生活の方が駄目だろう…と元親が突っ込んだのは一度や二度ではない。
ビッグマック5個を夕食にするのはどうなんだ、と常々言ってはいたが家康はあまり聞いた試しがない。
見かねた元親が家康と石田の2人を家に招いて食事させていたうちはまだマシだったはずだ。
だが、元親の上京でそれも無くなってしまった。
現在の家康が、どういう食生活を送っているのかは分からないが、相変わらずコンビニ弁当複数買いという生活でも送っているのだろうか。
せめて野菜喰ってくんねーかな、と思いながら元親は溜息を吐いた。
「…して、竹中と大谷からの預かり物とやらは何だ。石田。」
一通り食べ終えた毛利がようやく口を開く。
そして三成は「ふむ」と良いながら持参していた鞄の中から一冊の分厚い、黒いファイルを取り出し、そしてそれを毛利に差し出した。
「資料、だそうだ。…中身は知らん。数日前に刑部がうちに来た折に半兵衛様に預けていった。」
私はそれを渡すように頼まれただけだ、と三成は付け加える。
「資料…ああ、あれか。さすがに早いな。」
中身がなにか納得したらしい毛利は頷き、そして受け取る。
「…っていうか大谷さん、そんなに頻繁にお前の家に行くのか?」
元親の問いかけに石田は頷く。
「うむ。半兵衛様と刑部は昔からの友人でな、私のことも幼い頃から気にかけてくれているのだ。…頻繁と言えば頻繁か?そういえば今でも数週間に一回は来ている気がするな…そしてその度にお菓子をくれる。刑部は良い奴だ。」
「それ遠方に住んでる社会人としては十分頻繁に会いに行ってるから!!」
―どんだけ石田を可愛がってるんですか大谷さん。
今はここにいない某出版社社長を思い、元親は遠くを見た。
―そして確実に餌付けされてるから、石田。
やっぱりこいつの中で、お菓子をくれる=良い人、の価値観なんだなぁ、ということを痛感する。よく今まで無傷で生きてきたのが不思議なぐらいだ。
…一方でもし石田に何かあったら確実に報復行動に走りそうな人が数人、元親の脳裏に浮かんだ。
―まぁ、あの人達がいるなら安心、か…?
蝶よ花よと昔の姫様のように育てられた訳では無いにしろ、大事に大事に囲われて育った結果、奇跡的なまでに純粋培養な石田三成が出来上がったのだろう。
しかし大事に大事に育てられたという意味では家康も相当だったはずなのだが、どこで二人の道は違えたのだろうか。
やっぱり海外か、原因は海外なのか。
―人間変えるような海外怖い、やっぱり怖い。
自分のルーツを知るためにも、一度は行ってみたいなぁ、と思っていた元親の海外への淡い期待が儚くも消え失せた瞬間だった。
「…2人とも、それ届けて、俺に会いに来るためだけに、わざわざここに来たのか?」
元親からの問いに、あまりに物欲しそうな顔をしていたものだから毛利秘蔵の黒砂糖を渡されかじっていた石田が答える。
「それもあるが…刑部から夏休みは時間があるのなら遊びにくるのがよかろう、と言われていたのでな。」
こりこりと黒砂糖を頬張る様はまるでげっ歯類だ。
しかもよく見ると毛利も、いつのまにか家康までもが食べ始めている。
―なにこの疎外感。
3人が3人とも黒砂糖をかじる様子は、どこかシュールだ。
「それから毛利の所は三成が好きそうな本が山のようにあるから、時間を見ては行ってみるが良い、とも言われた。」
「ワシも珍しい本があると聞いたので見てみたいぞ!!」
「書庫か…別に構わぬぞ…。長曾我部に整理させている途中だが。」
そのあいだもこりこり、がりがり、ばきぼきとそれぞれが黒砂糖を咀嚼する音が響く。
だから食べるかしゃべるかどっちかにしろと言いたい言葉を元親は抑えた。
人間離れした毛利と、浮世離れした石田と、ある意味最強の家康はあまり敵に回したくない。
なんというか、こいつらの甘味食いを邪魔したら、祟られそうで嫌だ、というのが正直な理由だった。
「ならばすぐに見せてもらっても良いか?」
「構わん。破損しなければそれでよい。」
「楽しみだなぁ!!どんな本があるんだろうな!!」
どうやら元親がぐるぐると考えている間に三者の間で話はすんなりまとまってしまったらしい。
「…貴様はどうする?書庫掃除の続きでもするのか?」
どうやらひとかけら食べ終わったらしい毛利が元親に対して問いかける。
時計を見ると時間は2時を少し過ぎた所だった。
「いや…俺は、おやつ作るから今はパス。後でまたやるわ。」
「そうか。」
それに対し、納得したように毛利は頷いた。
その一方で、おやつというフレーズを耳にしただけで口元が僅かに上がっている。
やはり3時のおやつは毛利の中で大きな楽しみらしい。
「…おやつ…だと!?」
「元親の作ったおやつか!?」
おやつというフレーズで興奮する人間が、ここにもいた。
男子高校生としては興奮しすぎではないかというぐらい『おやつ』の三文字に反応している。全くもって元親が高校生の頃と大差なかった。
「おう。…ってもさっき、水羊羹喰ってるだろうから、そんなに重いのは作らないつもりだけどな」
缶詰の果物もあったしフルーツ白玉あたりで手を打とうかと考えていたところだ。
そうして、ふと気付くと『たべたい』という感情がこもった2対の瞳がじぃっと元親を見つめていた。
「…お前らの分も作ってやるから、安心しろ。」
そう言うと家康も石田も、笑顔で頷いた。
―図体はでかいのに、本当に子供みたいだなぁ。
そんな事を考えているうちに元親の口からも笑みが零れた。
最も目の前の2人に気を取られていた元親は知らない。
隣にいる毛利が、じーっと探るような目で彼を見つめていたことに、気がつかなかった。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
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