こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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書き終わりました。
弐の続きですが弐を読まなくても何となくわかります。
弐の続きですが弐を読まなくても何となくわかります。
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石田三成は、現在療養という名目で毛利家預かりの身となっている。
半兵衞曰く『毛利家とちょっとした取引をした』そうなのだが、その内容を教えてもらうことはできなかった。いつもと同じ心の内を見透かすことができない笑みを三成に向け、毛利家で色々と学ばせてもらいなさいという言葉を残し。半兵衞は竹千代の能力で秀吉と共に大阪城へと戻っていった。
あまりにもあっさりとした別れ。
まさか自分はもう豊臣に必要がない存在になったので捨てられたのでは。そんな疑惑に囚われそうになった三成を助けてくれたのは、佐吉の泣き顔だった。秀吉や半兵衞を送るためにいなくなった竹千代がすぐに戻ってこなかったのが、佐吉の不安を煽ったらしい。
大阪城に竹千代だけが住むことになり、自分は置き去りにされたのでは。
ぐすぐすと鼻を鳴らし涙をこぼし始めた佐吉を、大坂城でおやつを食べていたらしい竹千代が戻ってくるまであやし続け。ようやく泣き止ませた頃には、三成の方がすっかり疲れ切ってしまっていた。
疲れは人間から正確な思考力と前向きな心を奪ってしまう。
傷の痛みと疲れからそのまま布団に横たわり、佐吉たちと共に夕方までぐっすりと眠った後には自分が豊臣に捨てられたのではという思いはすっかり消え失せていた。一瞬でも秀吉と半兵衞を信じられなくなった自分を大いに責めはしたが、まずは体を治すのが先だ。
大切な人たちの元へ帰るためにも、自分に今できることを行わなければ。
そんな決意の元で始まった三成の毛利家での生活だったが、決意を新たに迎えた割にはいつもとやることはほとんど変わらなかった。
朝起きてすぐに竹千代と佐吉の尻尾の毛を整えてやらなければならないし、着替えも手伝ってやらなければならない。朝食は毛利と一緒に食べるが、その後政務に入る毛利とは違い三成に待っているのはちびたちの世話。とはいえナリもチカもこちらの言葉を素直に聞いてくれるし、食べ過ぎて寝込むことも風呂に入りすぎてのぼせて倒れることもない。
おまけにチカには尻尾が生えていないのだ。
竹千代たちに聞いたからか、櫛を持ってナリも三成に尻尾の毛を梳いて欲しいとせがむようになった。膝の上で眼を細めながら気持ちよさそうにしているナリを見ていると、いくらでも梳かしてやりたいと思ってしまう。チカもそれを見て角を磨いて欲しいと布を持ってくるようになったのは、自分も三成と遊びたいと思っているからか。
そんなことを続けているうちに、毛利家のちびたちと三成はすっかり仲良くなった。
竹千代や佐吉がもっと自分たちを構えと主張し時折『三成寵愛奪還運動』を起こすが、まあこれは菓子の一つでも与えればすぐに治まるので問題ない。時折毛利の仕事を手伝い、傷は癒えたがまだ完全に癒着していない骨の痛みに悩まされることが徐々に少なくなってきた頃。
家康と長宗我部が連れ立って三成と見舞いという名目で遊びにやってきた。
もう見舞いは必要ないし、布団に入っていたのは最初の数日だけ。だが長宗我部も家康も毛利家に入り浸る口実として三成を上手に使うのだ。
家康は三成に会うために。
長宗我部は毛利と子供のように愛しいちびたちに会うために。
ばらばらに訪問するとそれぞれ怒られるが、一緒に訪問すると毛利に怒られる時間が半分になる。毛利家の当主として忙しい毛利は、自分の館を訪問する者たちを叱りつける時間ですら無限ではないのだ。あまり毛利に怒られなくなった、そして親友である家康と会う機会も増えた。
だから長宗我部としてはずっと三成に毛利家にいて欲しいらしいのだが。
「…………また蜜柑か」
「夏の蜜柑もなかなかに美味いぞ、三成も食べてみるといい」
「昨日も今日も、ずっと蜜柑だ……さすがに飽きる」
ご機嫌取りの品物が毎回蜜柑というのは如何なものか。
久方ぶりに家康が会いに来てくれたのは嬉しいのだが、巨大な籠にぎっしりと詰め込まれている蜜柑を見てげんなりしたのも事実。ついでに言えば夏蜜柑の皮は固くて剥きにくいので、佐吉は夏蜜柑が嫌いなのだ。
部屋の隅で竹千代が皮ごとかぶりついて食べているが、あの食べ方では顔が蜜柑の汁だらけになってしまう。困った顔で夏蜜柑と向き合っている佐吉のために表の皮を剥いてやっていると、先に剥き終わったらしい家康が佐吉に綺麗に剥き終わった上に房ごとに分けた夏蜜柑を手の上に置いてやった。
『超絶感謝』
「あまり食べ過ぎると腹を壊すぞ、気をつけて食べてくれ」
『了承』
両手いっぱいの夏蜜柑の房を持って竹千代の隣に佐吉が移動する。
にぱっと笑って食べ始めた佐吉の姿に目で笑みながら、家康は三成の膝の上にそっと手を置いてきた。
「もう怪我は大丈夫なのか?」
「骨がうずくが……毛利家の侍医が薬湯を調合してくれている。腕のいい医者だ……毛利家の家臣には有能な者が多いな」
「秀吉の下にも有能な人間が多いではないか、三成のように」
「毛利家に滞在してわかったことがある。能力が高ければ有能というわけではないのだな」
「三成…………」
「強ければいいというものではない、頭脳が秀でていればいいというわけでもない。どれだけ上に立つ者の命に正確に従うことができるのか……それを行うことのできる毛利家の家臣は皆有能だ」
毛利は侍医に三成の痛みを取り去るための薬を調合しろとは言わなかった。
そして侍医もそのような薬湯は調合しなかった。未熟さ上に受けた傷なのだから、痛みをその身で覚えておけ。
二度と同じ痛みを受けないように。
三成にそれを伝えるために、侍医は三成が熟睡することができるような薬を時間を考えて与えてくれた。日中は傷口がうずくが耐えられぬ程ではなく、夜になれば薬湯のおかげで痛みに怯えずに眠ることができる。
昼の緊張と夜の安堵。
二つの時間を行き来する毎に、三成の中で強まっていくのは二度と同じ失態は繰り返さないという誓いだった。
主人の望む物を理解し薬湯を作り上げた侍医の能力、それは毛利が人の上に立つ者として秀でている証の一つ。強き当主にその命を正確に実行できる臣下たちを抱える安芸と戦って、豊臣家はよく勝てたものだ。
毛利家との戦に参加せず別な戦線にいた三成は、改めて考えるようになった。
豊臣軍は何故勝てたのか、そして毛利家は何故負けてしまったのか。
半兵衞が三成を毛利に預けた理由を、まだ本人だけが知らないのだが。
上に立つ者に必要な資質、そして臣下を『有能にしていく』ために何をしていけばいいのか。三成はおぼろげながらではあったが、君主に必要な能力について考え始めていた。
「そうか、三成は毛利のところで色々と学んでいるのだな……」
「厳しいが、毛利は悪い男ではない……とは思う。長宗我部に対しては冷たすぎるが」
「だが元親はあれがいいというのだ。儂が三成にあの様な態度を取られたら、泣いてしまいそうだがな」
「そういうものなのか」
「そういうものなのだ」
二人で顔を合わせて頷き合っていると、家康が膝を進めて距離を詰めてきた。
そういえばちびたちが来てからはなかなか二人きりになれる機会が無い上に、三河と安芸では距離が離れすぎてしまっている。おまけにちびたちに見られていると思うと、素直に家康に甘えることもできないのだ。
無邪気に笑いかけてくる家康に周囲には冷笑に見えると言われる精一杯の笑顔を向け、夏蜜柑に夢中になりすぎて目から感情が抜けきっているちびたちに気付かれぬよう家康に目配せする。
たまには二人きりでゆっくりと。
同じ思いだった家康も無言で首を縦に振り、三成の膝に置かれていない方の手を無理矢理伸ばして襖を音を立てぬように開ける。ある程度開いた襖からこのまま一気に逃げ出すために膝を浮かせて立ち上がろうとした時。
「ロボロボ! ロボッ!」
細く開いた襖から聞こえたのは、可愛らしい声音のはずなのにどこか凶悪に聞こえる響きだった。
「…………家康……今日は忠子で来たのか」
「忠勝が用事で出かけていてな……」
「そうか……」
「元親が忠子と遊びたいと言ったので元親に預けてきたのだが……どうやら逃げ出してきたようだな」
「当たり前だ……遊びたいのではなく調べたいの間違いだろう……忠子だって命の危機くらいはわかる……」
「それもそうだな……」
空々しい会話を重ねながら、形のいい頬を膨らませながら部屋に入ってきた忠子を呆然とした目で見つめる。
どうしてこう、自分と家康が二人きりになろうとすると邪魔が入るのか。
ため息をつきたかったが、家康は自分以上に落胆し肩をがっくりと落としている。もしかしたら自分よりも家康の方が二人きりの時間を欲していたのかも知れない。
人恋しくって寂しくなっても、三成の側には竹千代と佐吉がいる。
彼らと共に眠り、甘えてくる二人と遊んでやっていれば家康がいないことから生まれる寂しさは薄れていく。しかし家康の側には忠子しかいないのだ、さすがの家康もちびとはいえ女の子と一緒に寝たりするわけにはいかないだろう。
だからこれは寂しかった家康を慰めるため、決して自分がしたかったからではない。
「ロボロボロボ! ロボ~!」
『忠子解剖危機脱出』
「きゅきゅ~」
「ロボ! ロボロボ~」
『長宗我部斬滅』
「ロボ!」
「きゅきゅきゅっ!」
忠子の体を調べようとした長宗我部をどう処罰するかで盛り上がっている三人は、こちらの様子に気がつくことがない。
だから家康の顎を片手で掴み無理矢理自分の顔の方へと引き寄せ。
むしゃぶりつくかのように彼の唇に己の唇を乗せる。
驚きのあまり目を見開いている家康の顔を見続けていると恥ずかしさが増していくだけだったので、力を込めて目をつぶりそのまま家康の口を吸い続けた。舌で舐めるとわずかに乾いた舌触り、そして引き締まった肉の感触。
あまり長時間こうしているとちびたちにばれてしまうので、横目でちびたちの様子を観察して体を離そうとしたのだが。
「…………!」
その時にはもう、家康の腕が三成の体を拘束するために絡みついていた。
唇を割って入り込んでくる家康の舌の熱さと柔らかさに陶然としながら、最後にもう一度だけちびたちを見る。
『長宗我部処刑』
「ロボ~」
「きゅ!」
「ロボロボ!」
『急所切断』
「きゅきゅ~!」
なんだか話がまずい方向に行っているが、これだけ盛り上がっていれば三成たちの今の様子に気がつくのは相当遅れるだろう。
いつもより強引な家康の腕に更に強く引き寄せられ、唇を離すことなく彼の胸の中に閉じ込められてしまった三成は。
今日の家康は何故こんなの強引なのだろう。
自分が先に仕掛けたというのにそんな疑問を抱きながら、内側から湧き上がってくる熱と家康から与えられる熱のどちらをも心地よい物として受け入れ。
自分が抱いた見当違いの疑問が、実は正しかったことなど気付くことなく久しぶりの家康と触れあう機会を喜びを持って受け入れたのだった。
三成の部屋にちびが五人揃ったのは、家康との心安らぐ時間を過ごした次の日のことだった。一緒にやってきた長宗我部と共に朝からどこかに行ってしまった家康を待ちながら佐吉の尻尾の毛を梳かしている間に、ちびたちは今日はここを拠点に遊ぶと決めてしまったらしい。
『尻尾手入極楽』
「きゅ~きゅ~」
「ぴぴぃ~ ぴぃぴぃ」
「ろぼ」
「きゅきゅきゅ!」
「ぎゃぎゃ~」
今日は何をして遊ぼう。
そんなことを話し合っているのだろう、身振り手振りを交えつつ時にはおかしな格好のまま硬直し。自分がしたいことを相手に伝えようと佐吉以外のちびは必死になっていた。
尻尾の毛をふっかふかにして貰うことを最優先としている佐吉は、まだ遊ぶことにまで頭が回らないらしい。三成の膝の上で至福の表情のまま、だらんと手足を投げ出していた。
ここまで喜んでもらえるのはとても嬉しいのだが、何も意見を言わずに今日の遊びが決まってしまった事を知ったとき佐吉はどう思うだろうか。
「佐吉……貴様は相談に加わらないのか?」
『問題無』
「だが貴様もやりたいことがあるのではないのか」
『竹千代希望遊技賛同』
「竹千代がしたいことでいい……そういうことか」
三成の言葉で正解。
そう言いたげに負うように頷いてみせると、佐吉はもっと梳かせと言わんばかりにぴんと尻尾を立ててみせた。ナリや竹千代は尻尾が一本なのでいいが、佐吉は二本あるのだ。おまけに注文が多い佐吉の手入れに掛ける時間は、当然の如く他のちびたちよりも遙かに長いのだ。
佐吉本人も三成を独り占めできるこの時間を誰よりも楽しんでいるらしいが、それで他のちびたちと遊ぶ時間が短くなるのも可哀想。と思ってしまうのは三成だけ、それはわかっているのだが側でわいわいと楽しそうにされても佐吉は何も感じないのだろうか。
見つめる目から佐吉はそれを感じ取ったのだろう。
『三成独占佐吉歓喜』
「そういうものなの……か?」
『竹千代犬耳羨望中』
佐吉の書いた字を見てちびたちの方へと目線を向けてみれば、論議中のナリと竹千代が時折こちらにちらちらと目線を向けている。本当に三成に尻尾を手入れしてもらっている佐吉が羨ましいのかはわからないが、尻尾がピコピコと動いているので気にはなっているのだろう。
自分の言った(書いた)とおりだろうと言いたげに俯せになりながら胸を張る佐吉の背を撫でてやっている間に、他のちびたちの話し合いは終了したらしい。やけにがっくりとした様子の忠子と、必死に拒否の意味を込めて首を振り続けるチカの姿を見て思わず三成は佐吉に聞いてしまった。
「きゅ!」
「ろぼろぼ~」
「ぴぃぴぃ」
「ぎゃぎゃぎゃ! ぎゃぎゃ!」
「な、何に決まったのだ……あれは」
『隠鬼』
「チカが嫌がるわけだな……それは」
鬼の角が生えているチカが隠れ鬼で遊ぶというのは、かなり抵抗がある事態なのだろう。
いやいやと首を振り続けるチカと、きっと女の子らしい遊びをしたかったのであろう忠子の落ち込みぶりを尻目に竹千代とナリは嬉しそうだった。しかしナリはどの遊びに決まっても喜んでいたはずなので、今回は竹千代の意見が通ったと見るべきなのだろうが。
どれだけ押しが強いのだろうか、あのちび狸は。
と一瞬考えたのだが。
佐吉は最初から竹千代に自分の決定権を委ねているので、竹千代は最初から二票持っているのだ。何で遊んでも楽しいので自分の意見を言わないであろうナリを除外すると、必然的に竹千代の意見が通ることになってしまうわけだ。
「佐吉……あまり竹千代を甘やかすとろくなことにならない」
『竹千代希望佐吉希望一緒』
竹千代のしたいようにさせてあげたいという佐吉の思い故の結果というわけか。
他のちびたちに見えぬように、にやっと笑った佐吉の頭を軽く小突いてやっているといつの間にか三成の周辺に他のちびたちが集まり始めていた。
先程までは少し離れた場所にいたというのに。
「どうしたのだ?」
いぶかしげに思いながらそう聞いてみようとしたとき、あることに気がついた。
こいつら、自分に何かを頼むつもりだ。
無駄にきらきらとした目で何かを頼み込むかのように手を合わせているちびたちから逃げようとしてみたが、膝の上には佐吉がいた。重くはないが佐吉を膝から振り落とすわけにもいかず、とりえあず後ずさろうとした時に佐吉が差し出してきた紙を見て三成の体は一気に凍り付いた。
『隠鬼三成鬼希望』
「私が……鬼だと!?」
『大角鬼拒否忠子女子』
「それはわかるが竹千代とナリは…………いや、鬼はできないな」
『鬼不在隠鬼不可能』
「そうなるな、確かに」
ナリは基本的にのんきなので、鬼に向いていない。
きっと皆が隠れているというのにのんびりと邸内を散歩したり、途中で出会った人に誘われておやつを食べ始めたりして鬼の役割を果たさないはず。そして竹千代はその能力故に鬼をさせるとあっという間に皆が見つかってしまう。
竹千代にとって隠れ鬼というのは、どこにでも移動できる能力を使えばすぐに終わってしまうものなのだ。それでも隠れ鬼をしたいのはきっと、誰かに見つかるどきどき感を楽しみたいからなのだろう。
そう考えると佐吉が鬼をするのが一番いいのだが、話し合いに参加していない佐吉に鬼をやらせるわけにもいかないはず。
結局この場にいて隠れ鬼の決まりを破らずに鬼ができて、ついでに誰からも不平が出ないのは三成だけということになる。
「…………貴様ら……」
「きゅ~きゅっ♪」
「こんな時だけ可愛く見せかけようとするな!」
「ロボ~ロボ♪」
「忠子も真似をするな!」
「……ぎ……」
「ナリ、チカ! 私は貴様らにも竹千代の真似を許可していない!」
順番に三成を懐柔しようとそれぞれが可愛いと思っているらしいおかしな格好をしだすちびたちを一喝してから、三成はさてどうしようと考え始めた。
あまり傷も痛まなくなってきているので、鬼をしてやっても構わないのだ。
だがまだよくわかっていない毛利邸の全域にこのちびたちが隠れると、見つけきれないかもしれない。そうすると見つかったちびと見つからなかったちびの間で諍いの元になる可能性もあるのだ、彼らの間では。
少しだけ考え、そして三成はいくつか条件を付けてみることにした。
「…………私のやり方でいいのだな?」
「ぎゃぎゃ」
「私がどのような方法で貴様たちを探し出しても、一切文句を言わない。そして夕方の寺の鐘が鳴ったら隠れ鬼は終わりだ……隠れていても出てくること。それでよければ鬼になってやろう」
「ぴぃ!」
「ロボ!」
三成の出した条件は、思ったより好意的に彼らに受け入れられたらしい。
途端に飛び跳ねる勢いで喜びだしたちびたちに軽く微笑みかけてやると、三成は急いで手を動かし始めた。
まずは佐吉の尻尾の手入れを終わらせてしまわなければ。
『尻尾手入早急斬滅』
「だが早く終わらさなければ、隠れ鬼が始められないだろう」
『不満有』
ぷうっと膨らんだ佐吉の頬を指でつついて空気を抜いてやる。
そんなことをしながら三成は、他のちびたちの早く終われと言う懇願に満ちた瞳に見つめられ続けながら尻尾の手入れを急ぐことになったのであった。
____________________________________
ということで2.5開幕。
今回は石田さんとちびたちの愉快なかくれんぼのお話になる予定です。
何で石田さん毛利さんの所にいるの? とか 何で石田さん怪我人になってるの? とかはまあそういうものだと思っていただければ。
弐を読んでいなくてもわかる話にはなっている……はず?
BGM「Utauyo!!MIRACLE」
半兵衞曰く『毛利家とちょっとした取引をした』そうなのだが、その内容を教えてもらうことはできなかった。いつもと同じ心の内を見透かすことができない笑みを三成に向け、毛利家で色々と学ばせてもらいなさいという言葉を残し。半兵衞は竹千代の能力で秀吉と共に大阪城へと戻っていった。
あまりにもあっさりとした別れ。
まさか自分はもう豊臣に必要がない存在になったので捨てられたのでは。そんな疑惑に囚われそうになった三成を助けてくれたのは、佐吉の泣き顔だった。秀吉や半兵衞を送るためにいなくなった竹千代がすぐに戻ってこなかったのが、佐吉の不安を煽ったらしい。
大阪城に竹千代だけが住むことになり、自分は置き去りにされたのでは。
ぐすぐすと鼻を鳴らし涙をこぼし始めた佐吉を、大坂城でおやつを食べていたらしい竹千代が戻ってくるまであやし続け。ようやく泣き止ませた頃には、三成の方がすっかり疲れ切ってしまっていた。
疲れは人間から正確な思考力と前向きな心を奪ってしまう。
傷の痛みと疲れからそのまま布団に横たわり、佐吉たちと共に夕方までぐっすりと眠った後には自分が豊臣に捨てられたのではという思いはすっかり消え失せていた。一瞬でも秀吉と半兵衞を信じられなくなった自分を大いに責めはしたが、まずは体を治すのが先だ。
大切な人たちの元へ帰るためにも、自分に今できることを行わなければ。
そんな決意の元で始まった三成の毛利家での生活だったが、決意を新たに迎えた割にはいつもとやることはほとんど変わらなかった。
朝起きてすぐに竹千代と佐吉の尻尾の毛を整えてやらなければならないし、着替えも手伝ってやらなければならない。朝食は毛利と一緒に食べるが、その後政務に入る毛利とは違い三成に待っているのはちびたちの世話。とはいえナリもチカもこちらの言葉を素直に聞いてくれるし、食べ過ぎて寝込むことも風呂に入りすぎてのぼせて倒れることもない。
おまけにチカには尻尾が生えていないのだ。
竹千代たちに聞いたからか、櫛を持ってナリも三成に尻尾の毛を梳いて欲しいとせがむようになった。膝の上で眼を細めながら気持ちよさそうにしているナリを見ていると、いくらでも梳かしてやりたいと思ってしまう。チカもそれを見て角を磨いて欲しいと布を持ってくるようになったのは、自分も三成と遊びたいと思っているからか。
そんなことを続けているうちに、毛利家のちびたちと三成はすっかり仲良くなった。
竹千代や佐吉がもっと自分たちを構えと主張し時折『三成寵愛奪還運動』を起こすが、まあこれは菓子の一つでも与えればすぐに治まるので問題ない。時折毛利の仕事を手伝い、傷は癒えたがまだ完全に癒着していない骨の痛みに悩まされることが徐々に少なくなってきた頃。
家康と長宗我部が連れ立って三成と見舞いという名目で遊びにやってきた。
もう見舞いは必要ないし、布団に入っていたのは最初の数日だけ。だが長宗我部も家康も毛利家に入り浸る口実として三成を上手に使うのだ。
家康は三成に会うために。
長宗我部は毛利と子供のように愛しいちびたちに会うために。
ばらばらに訪問するとそれぞれ怒られるが、一緒に訪問すると毛利に怒られる時間が半分になる。毛利家の当主として忙しい毛利は、自分の館を訪問する者たちを叱りつける時間ですら無限ではないのだ。あまり毛利に怒られなくなった、そして親友である家康と会う機会も増えた。
だから長宗我部としてはずっと三成に毛利家にいて欲しいらしいのだが。
「…………また蜜柑か」
「夏の蜜柑もなかなかに美味いぞ、三成も食べてみるといい」
「昨日も今日も、ずっと蜜柑だ……さすがに飽きる」
ご機嫌取りの品物が毎回蜜柑というのは如何なものか。
久方ぶりに家康が会いに来てくれたのは嬉しいのだが、巨大な籠にぎっしりと詰め込まれている蜜柑を見てげんなりしたのも事実。ついでに言えば夏蜜柑の皮は固くて剥きにくいので、佐吉は夏蜜柑が嫌いなのだ。
部屋の隅で竹千代が皮ごとかぶりついて食べているが、あの食べ方では顔が蜜柑の汁だらけになってしまう。困った顔で夏蜜柑と向き合っている佐吉のために表の皮を剥いてやっていると、先に剥き終わったらしい家康が佐吉に綺麗に剥き終わった上に房ごとに分けた夏蜜柑を手の上に置いてやった。
『超絶感謝』
「あまり食べ過ぎると腹を壊すぞ、気をつけて食べてくれ」
『了承』
両手いっぱいの夏蜜柑の房を持って竹千代の隣に佐吉が移動する。
にぱっと笑って食べ始めた佐吉の姿に目で笑みながら、家康は三成の膝の上にそっと手を置いてきた。
「もう怪我は大丈夫なのか?」
「骨がうずくが……毛利家の侍医が薬湯を調合してくれている。腕のいい医者だ……毛利家の家臣には有能な者が多いな」
「秀吉の下にも有能な人間が多いではないか、三成のように」
「毛利家に滞在してわかったことがある。能力が高ければ有能というわけではないのだな」
「三成…………」
「強ければいいというものではない、頭脳が秀でていればいいというわけでもない。どれだけ上に立つ者の命に正確に従うことができるのか……それを行うことのできる毛利家の家臣は皆有能だ」
毛利は侍医に三成の痛みを取り去るための薬を調合しろとは言わなかった。
そして侍医もそのような薬湯は調合しなかった。未熟さ上に受けた傷なのだから、痛みをその身で覚えておけ。
二度と同じ痛みを受けないように。
三成にそれを伝えるために、侍医は三成が熟睡することができるような薬を時間を考えて与えてくれた。日中は傷口がうずくが耐えられぬ程ではなく、夜になれば薬湯のおかげで痛みに怯えずに眠ることができる。
昼の緊張と夜の安堵。
二つの時間を行き来する毎に、三成の中で強まっていくのは二度と同じ失態は繰り返さないという誓いだった。
主人の望む物を理解し薬湯を作り上げた侍医の能力、それは毛利が人の上に立つ者として秀でている証の一つ。強き当主にその命を正確に実行できる臣下たちを抱える安芸と戦って、豊臣家はよく勝てたものだ。
毛利家との戦に参加せず別な戦線にいた三成は、改めて考えるようになった。
豊臣軍は何故勝てたのか、そして毛利家は何故負けてしまったのか。
半兵衞が三成を毛利に預けた理由を、まだ本人だけが知らないのだが。
上に立つ者に必要な資質、そして臣下を『有能にしていく』ために何をしていけばいいのか。三成はおぼろげながらではあったが、君主に必要な能力について考え始めていた。
「そうか、三成は毛利のところで色々と学んでいるのだな……」
「厳しいが、毛利は悪い男ではない……とは思う。長宗我部に対しては冷たすぎるが」
「だが元親はあれがいいというのだ。儂が三成にあの様な態度を取られたら、泣いてしまいそうだがな」
「そういうものなのか」
「そういうものなのだ」
二人で顔を合わせて頷き合っていると、家康が膝を進めて距離を詰めてきた。
そういえばちびたちが来てからはなかなか二人きりになれる機会が無い上に、三河と安芸では距離が離れすぎてしまっている。おまけにちびたちに見られていると思うと、素直に家康に甘えることもできないのだ。
無邪気に笑いかけてくる家康に周囲には冷笑に見えると言われる精一杯の笑顔を向け、夏蜜柑に夢中になりすぎて目から感情が抜けきっているちびたちに気付かれぬよう家康に目配せする。
たまには二人きりでゆっくりと。
同じ思いだった家康も無言で首を縦に振り、三成の膝に置かれていない方の手を無理矢理伸ばして襖を音を立てぬように開ける。ある程度開いた襖からこのまま一気に逃げ出すために膝を浮かせて立ち上がろうとした時。
「ロボロボ! ロボッ!」
細く開いた襖から聞こえたのは、可愛らしい声音のはずなのにどこか凶悪に聞こえる響きだった。
「…………家康……今日は忠子で来たのか」
「忠勝が用事で出かけていてな……」
「そうか……」
「元親が忠子と遊びたいと言ったので元親に預けてきたのだが……どうやら逃げ出してきたようだな」
「当たり前だ……遊びたいのではなく調べたいの間違いだろう……忠子だって命の危機くらいはわかる……」
「それもそうだな……」
空々しい会話を重ねながら、形のいい頬を膨らませながら部屋に入ってきた忠子を呆然とした目で見つめる。
どうしてこう、自分と家康が二人きりになろうとすると邪魔が入るのか。
ため息をつきたかったが、家康は自分以上に落胆し肩をがっくりと落としている。もしかしたら自分よりも家康の方が二人きりの時間を欲していたのかも知れない。
人恋しくって寂しくなっても、三成の側には竹千代と佐吉がいる。
彼らと共に眠り、甘えてくる二人と遊んでやっていれば家康がいないことから生まれる寂しさは薄れていく。しかし家康の側には忠子しかいないのだ、さすがの家康もちびとはいえ女の子と一緒に寝たりするわけにはいかないだろう。
だからこれは寂しかった家康を慰めるため、決して自分がしたかったからではない。
「ロボロボロボ! ロボ~!」
『忠子解剖危機脱出』
「きゅきゅ~」
「ロボ! ロボロボ~」
『長宗我部斬滅』
「ロボ!」
「きゅきゅきゅっ!」
忠子の体を調べようとした長宗我部をどう処罰するかで盛り上がっている三人は、こちらの様子に気がつくことがない。
だから家康の顎を片手で掴み無理矢理自分の顔の方へと引き寄せ。
むしゃぶりつくかのように彼の唇に己の唇を乗せる。
驚きのあまり目を見開いている家康の顔を見続けていると恥ずかしさが増していくだけだったので、力を込めて目をつぶりそのまま家康の口を吸い続けた。舌で舐めるとわずかに乾いた舌触り、そして引き締まった肉の感触。
あまり長時間こうしているとちびたちにばれてしまうので、横目でちびたちの様子を観察して体を離そうとしたのだが。
「…………!」
その時にはもう、家康の腕が三成の体を拘束するために絡みついていた。
唇を割って入り込んでくる家康の舌の熱さと柔らかさに陶然としながら、最後にもう一度だけちびたちを見る。
『長宗我部処刑』
「ロボ~」
「きゅ!」
「ロボロボ!」
『急所切断』
「きゅきゅ~!」
なんだか話がまずい方向に行っているが、これだけ盛り上がっていれば三成たちの今の様子に気がつくのは相当遅れるだろう。
いつもより強引な家康の腕に更に強く引き寄せられ、唇を離すことなく彼の胸の中に閉じ込められてしまった三成は。
今日の家康は何故こんなの強引なのだろう。
自分が先に仕掛けたというのにそんな疑問を抱きながら、内側から湧き上がってくる熱と家康から与えられる熱のどちらをも心地よい物として受け入れ。
自分が抱いた見当違いの疑問が、実は正しかったことなど気付くことなく久しぶりの家康と触れあう機会を喜びを持って受け入れたのだった。
三成の部屋にちびが五人揃ったのは、家康との心安らぐ時間を過ごした次の日のことだった。一緒にやってきた長宗我部と共に朝からどこかに行ってしまった家康を待ちながら佐吉の尻尾の毛を梳かしている間に、ちびたちは今日はここを拠点に遊ぶと決めてしまったらしい。
『尻尾手入極楽』
「きゅ~きゅ~」
「ぴぴぃ~ ぴぃぴぃ」
「ろぼ」
「きゅきゅきゅ!」
「ぎゃぎゃ~」
今日は何をして遊ぼう。
そんなことを話し合っているのだろう、身振り手振りを交えつつ時にはおかしな格好のまま硬直し。自分がしたいことを相手に伝えようと佐吉以外のちびは必死になっていた。
尻尾の毛をふっかふかにして貰うことを最優先としている佐吉は、まだ遊ぶことにまで頭が回らないらしい。三成の膝の上で至福の表情のまま、だらんと手足を投げ出していた。
ここまで喜んでもらえるのはとても嬉しいのだが、何も意見を言わずに今日の遊びが決まってしまった事を知ったとき佐吉はどう思うだろうか。
「佐吉……貴様は相談に加わらないのか?」
『問題無』
「だが貴様もやりたいことがあるのではないのか」
『竹千代希望遊技賛同』
「竹千代がしたいことでいい……そういうことか」
三成の言葉で正解。
そう言いたげに負うように頷いてみせると、佐吉はもっと梳かせと言わんばかりにぴんと尻尾を立ててみせた。ナリや竹千代は尻尾が一本なのでいいが、佐吉は二本あるのだ。おまけに注文が多い佐吉の手入れに掛ける時間は、当然の如く他のちびたちよりも遙かに長いのだ。
佐吉本人も三成を独り占めできるこの時間を誰よりも楽しんでいるらしいが、それで他のちびたちと遊ぶ時間が短くなるのも可哀想。と思ってしまうのは三成だけ、それはわかっているのだが側でわいわいと楽しそうにされても佐吉は何も感じないのだろうか。
見つめる目から佐吉はそれを感じ取ったのだろう。
『三成独占佐吉歓喜』
「そういうものなの……か?」
『竹千代犬耳羨望中』
佐吉の書いた字を見てちびたちの方へと目線を向けてみれば、論議中のナリと竹千代が時折こちらにちらちらと目線を向けている。本当に三成に尻尾を手入れしてもらっている佐吉が羨ましいのかはわからないが、尻尾がピコピコと動いているので気にはなっているのだろう。
自分の言った(書いた)とおりだろうと言いたげに俯せになりながら胸を張る佐吉の背を撫でてやっている間に、他のちびたちの話し合いは終了したらしい。やけにがっくりとした様子の忠子と、必死に拒否の意味を込めて首を振り続けるチカの姿を見て思わず三成は佐吉に聞いてしまった。
「きゅ!」
「ろぼろぼ~」
「ぴぃぴぃ」
「ぎゃぎゃぎゃ! ぎゃぎゃ!」
「な、何に決まったのだ……あれは」
『隠鬼』
「チカが嫌がるわけだな……それは」
鬼の角が生えているチカが隠れ鬼で遊ぶというのは、かなり抵抗がある事態なのだろう。
いやいやと首を振り続けるチカと、きっと女の子らしい遊びをしたかったのであろう忠子の落ち込みぶりを尻目に竹千代とナリは嬉しそうだった。しかしナリはどの遊びに決まっても喜んでいたはずなので、今回は竹千代の意見が通ったと見るべきなのだろうが。
どれだけ押しが強いのだろうか、あのちび狸は。
と一瞬考えたのだが。
佐吉は最初から竹千代に自分の決定権を委ねているので、竹千代は最初から二票持っているのだ。何で遊んでも楽しいので自分の意見を言わないであろうナリを除外すると、必然的に竹千代の意見が通ることになってしまうわけだ。
「佐吉……あまり竹千代を甘やかすとろくなことにならない」
『竹千代希望佐吉希望一緒』
竹千代のしたいようにさせてあげたいという佐吉の思い故の結果というわけか。
他のちびたちに見えぬように、にやっと笑った佐吉の頭を軽く小突いてやっているといつの間にか三成の周辺に他のちびたちが集まり始めていた。
先程までは少し離れた場所にいたというのに。
「どうしたのだ?」
いぶかしげに思いながらそう聞いてみようとしたとき、あることに気がついた。
こいつら、自分に何かを頼むつもりだ。
無駄にきらきらとした目で何かを頼み込むかのように手を合わせているちびたちから逃げようとしてみたが、膝の上には佐吉がいた。重くはないが佐吉を膝から振り落とすわけにもいかず、とりえあず後ずさろうとした時に佐吉が差し出してきた紙を見て三成の体は一気に凍り付いた。
『隠鬼三成鬼希望』
「私が……鬼だと!?」
『大角鬼拒否忠子女子』
「それはわかるが竹千代とナリは…………いや、鬼はできないな」
『鬼不在隠鬼不可能』
「そうなるな、確かに」
ナリは基本的にのんきなので、鬼に向いていない。
きっと皆が隠れているというのにのんびりと邸内を散歩したり、途中で出会った人に誘われておやつを食べ始めたりして鬼の役割を果たさないはず。そして竹千代はその能力故に鬼をさせるとあっという間に皆が見つかってしまう。
竹千代にとって隠れ鬼というのは、どこにでも移動できる能力を使えばすぐに終わってしまうものなのだ。それでも隠れ鬼をしたいのはきっと、誰かに見つかるどきどき感を楽しみたいからなのだろう。
そう考えると佐吉が鬼をするのが一番いいのだが、話し合いに参加していない佐吉に鬼をやらせるわけにもいかないはず。
結局この場にいて隠れ鬼の決まりを破らずに鬼ができて、ついでに誰からも不平が出ないのは三成だけということになる。
「…………貴様ら……」
「きゅ~きゅっ♪」
「こんな時だけ可愛く見せかけようとするな!」
「ロボ~ロボ♪」
「忠子も真似をするな!」
「……ぎ……」
「ナリ、チカ! 私は貴様らにも竹千代の真似を許可していない!」
順番に三成を懐柔しようとそれぞれが可愛いと思っているらしいおかしな格好をしだすちびたちを一喝してから、三成はさてどうしようと考え始めた。
あまり傷も痛まなくなってきているので、鬼をしてやっても構わないのだ。
だがまだよくわかっていない毛利邸の全域にこのちびたちが隠れると、見つけきれないかもしれない。そうすると見つかったちびと見つからなかったちびの間で諍いの元になる可能性もあるのだ、彼らの間では。
少しだけ考え、そして三成はいくつか条件を付けてみることにした。
「…………私のやり方でいいのだな?」
「ぎゃぎゃ」
「私がどのような方法で貴様たちを探し出しても、一切文句を言わない。そして夕方の寺の鐘が鳴ったら隠れ鬼は終わりだ……隠れていても出てくること。それでよければ鬼になってやろう」
「ぴぃ!」
「ロボ!」
三成の出した条件は、思ったより好意的に彼らに受け入れられたらしい。
途端に飛び跳ねる勢いで喜びだしたちびたちに軽く微笑みかけてやると、三成は急いで手を動かし始めた。
まずは佐吉の尻尾の手入れを終わらせてしまわなければ。
『尻尾手入早急斬滅』
「だが早く終わらさなければ、隠れ鬼が始められないだろう」
『不満有』
ぷうっと膨らんだ佐吉の頬を指でつついて空気を抜いてやる。
そんなことをしながら三成は、他のちびたちの早く終われと言う懇願に満ちた瞳に見つめられ続けながら尻尾の手入れを急ぐことになったのであった。
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ということで2.5開幕。
今回は石田さんとちびたちの愉快なかくれんぼのお話になる予定です。
何で石田さん毛利さんの所にいるの? とか 何で石田さん怪我人になってるの? とかはまあそういうものだと思っていただければ。
弐を読んでいなくてもわかる話にはなっている……はず?
BGM「Utauyo!!MIRACLE」
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(現在2本 家三 チカナリです)
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みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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