がんかたうるふ 月孤譚 3章 その4 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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今4章その3を書いております……某さんを書くのは楽しいけれど、前半山場その1なので直しても直しきれないです……
3章は次で終わりです。



 *****
「もう入ってきても大丈夫でござるよ、徳川殿」
「そうか」
 できるだけ足音を殺しながら、布団一式を運び込む。
 枕元よりわずかに離れた場所に置かれた灯りよりも、そとから入り込んでくる真円の月の光の方は部屋を優しく彩るそんな夜。床の間に無造作に置かれた刀と、布団以外は何もない三成の部屋は寒々しさを通り越して、彼の心を現しているようだった。
 空っぽで何もない、静かすぎる場所。
 だが今ここには当然の如く三成の布団に潜り込み、腕の中に熟睡した三成を抱きしめている幸村がおり。最初見た時は尋常じゃないほど苛立ったが、静かな寝息を立てて眠る三成の顔があまりにも安らいでいたので。
 逆に安心させられてしまった。
 三成には、多少表現が過剰ではあるが、ちゃんと彼のことを心配してくれる友がいる。あまり人付き合いが得意ではない三成のことを理解し、こうやって包み込んでくれる。それは三成にとっての救いなのではないかと思いながら、家康は彼らの横になっている布団の隣に自分のそれを敷いた。
 日中はまだ暖かいが、夜になるとめっきり冷え込むようになった。
 布団に潜り込みながら、幸村の腕枕で眠っている三成をゆっくり観察する。一度眠ると体の疲れがとれるまで熟睡するが、そのかわり滅多に眠ろうとしない。そんな三成も今日は色々あって疲れたのか、額を幸村の胸板にこすりつけながら深い眠りに落ちているようだった。
 こうなってしまうとちょっとやそっとでは起きないのを幸村も理解しているのか、枕として使用していない腕で強く三成の体を引き寄せ、思う存分その体を堪能している。
 最初は腹も立ったし、今でも見ていて気分のいい物ではない。だが三成が誰かにここまで気を許す姿を見たのは、久しぶりのことだった。家康が豊臣軍を離脱する前には、半兵衛に不器用ながらも甘える姿をよく見ていたし、家康自身にも時折であるが気を許してはくれていた。
 真田のように自ら懐く相手を、三成はきっと邪険にできないのだろう。昔の自分たちも周囲にはこう見えていたのか、そう思いながら家康は風呂での幸村の発言について真意を問いただすことにした。
「真田、先程閨を共にしたと言っていたが」
「ああ、それでござるか。以前三成殿の天幕がまあ色々……そう色々とございまして使えなくなったことがありましてな………」
 長曾我部殿……という苦々しげな呟きが間に挿入されたが、家康はそれを聞かなかったことにして続きをせかす。
「それで、お前の天幕を貸したということか」
「はい、三成殿の抱き心地があまりにも良かったので、それからも何度かお願いしてお邪魔させていただきましたが」
「三成はあまりそういうことを気にしない男だからな」
「根は優しいお方なのですよ。佐助がいなくて寂しいと拙者が訴えた折には、自ら寝に来いと言ってくださいました。その後、佐助や大谷殿に散々怒られましたがな」
 苦笑混じりにそう話す幸村の顔は、布団という幕に隠されて家康には見えはしない。
 だがきっと幸村の顔は己を誇るかのように光り輝いているだろう。敗軍の将であっても、彼の心はこの戦で多大な物を得たのだ。
 真の勝者は、もしかしたら彼なのかもしれない。
 わずかに頭を持ち上げると、幸村の指が三成をなだめるように、髪を梳き首元を撫でているのが見える。
「拙者…………実は逃げてきたのですよ、逃げてはいけないことから」
「そうなのか? 儂にはそうは見えないが」
「逃げてきたつもりだったのですが、石田殿にお会いしたら全てを忘れてしまいました」
「忘れたとは、何を」
「逃げようとした、その原因をです。石田殿は全く変わっていなかったというのに、拙者は道を違えようとしておりました。同じ戦場に立っていたというのに、拙者だけ戦を挑む前に負けてしまっては石田殿に合わせる顔がございませぬ」
 言葉の終わりと共に、ぎゅっと三成を抱きしめる。
 甘えに来たと最初に言っていたが、本当に言葉の通りだったわけだ。生まれた悩みを、それに付随する苦しみを、三成に甘えることで忘れようとして。
 逆に逃げられなくなってしまった。
 三成というのは昔からそうだった、本人が周囲に何かを働きかけるわけでもないのに、人を変えていくのだ。三成に関わることで地獄に落ちた人間もいるが、今の幸村のように救われた人間もちゃんと存在している。それが今後の三成の救いになってくれるだろう、きっと。
「徳川殿は良きお方と巡り会われましたな」
「ああ、三成は儂の最高の友だ」
「………恋人ではござらぬのか?」
「そんなわけないだろう、三成は男だぞ?」
「戦に疲れた心を癒し共に歩むことができる者、それが恋人でございましょう。男であろうとたとえ敵であろうと惚れてしまえばもう逃げられない……というのは、とある方の受け売りですが」

 愛というのは実に難儀で、そして面白いものだと拙者は思いまする。

 そう言い切ると、幸村は家康の場所からでも見えるほど強く、だが眠っている三成を起こさぬように抱きしめた。
「石田殿………拙者を導いてくださって、ありがとうございました………」
「真田」
「明日、武田に戻りまする」
「長く滞在するのではなかったのか?」
「拙者のやるべき事は終わりました。いえ、まだ終わってはおりませぬが」
「どういうことだ?」
「内緒でござる」
 まん丸の月が、わずかに体を持ち上げた幸村の顔を照らす。
 子供のような無邪気さと、逞しい男の顔を併せ持つ。だがそれ故に揺れる青年は、まるで己の道しるべがそこにあるかのように。
 三成の頬に己のそれをすり寄せた。
「おい、真田!」
「静かに、石田殿が起きてしまわれます」
「だがな、それはさすがに」
「徳川殿が石田殿に懸想していないのならば、別に気になることでもござらぬでしょう」
「まあ、それはそうだが」
 何故自分の言葉はこんなに歯切れが悪いのだろう。
寝ているのをいいことに必要以上に肌を寄せる幸村に一々注意しながら、家康は自分の中に一つの疑問が生まれたことをはっきりと自覚していた。


 三成は、本当にただの『友』なのだろうか?







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アニメとゲームの3で幸村さんの可愛さに目覚めたので、もう一回くらい登場させたいです。

数日前から「BASARAでストライクウイッチーズやったら、幸村主役! めんこいにゃ!」とかやってるので、いつかこのネタで遊びそうです……で、石田さんが孤独なナイトウイッチとして(以下略)



BGM「わたしのありか」  byみとせのりこ
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
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ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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