こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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続きをぼちぼちと。
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伊達家の朝食は、小十郎のありがたい説教という名の今日使用した野菜の説明から始まる。そのほとんどが小十郎が手間暇かけて育てた物であり、ついでに言えば三成もここに来てからかなりの頻度で手伝わされるようになっていた。政宗としては自分の代わりができて喜ばしいことなのだが、泥だらけになって帰ってくる三成の姿を見るのは少しだけ心苦しい気もする。人質をこき使うなと苦情が来たら困るなと正直思いはする、だがこれ以上小十郎の機嫌を損ねたくはない。
政宗としては微妙な気持ちであった。
そろそろ茄子がおいしくなる季節ということで、膳の上は茄子づくし。
食欲の秋も近いが、やはり食事の量が普通の男性より遙かに少ない三成は、伊達家の家人の心尽くしとはいえお膳にのせられた食事の量に悪戦苦闘しているようだった。
すっかり当たり前になった光景に、自然と頬が緩む。
「何がおかしい」
「あの凶王様が可愛くなったもんだと思ってな」
「黙れ!」
箸を振り回して怒りはするが、小十郎の目線に気がついて慌てて魚の骨を取る作業を再開した。亡く子も黙る凶王をよくここまで調教……ではなく教育したものだ。黙々と食事を口に運ぶ小十郎を見ながら、政宗は丸々と太っている上にしっかりと中身の詰まった茄子の浅漬けを口に入れた。
野菜の甘みと塩気のちょうどいい塩梅に舌鼓を打っていると、部屋の中にいてもわかるほどに空気が震え始める。
今日はもう来たか。
「……家康……性懲りもなくまた食事時を狙ってきたか………っ!」
「徳川殿の分も朝食を用意してまいります、政宗様はこのままお食事を。それから石田殿は食事を残されませんように」
「わかっている!」
屋敷の上空に本田忠勝が来る時の音を、この場にいる全員がもうちゃんと理解できるようになっていた。またすぐに会いに来ると家康は言っていたが、自分より遙かに忙しいはずだというのにこまめに時間を作って会いに来る。
三河から来るのはさすがに面倒なので、近い場所に領地を移そうかと言い始めているのは、三成にとっては吉報か凶報か。数日おきに会いに来てはちゃんと三成の相手をして夜には帰って行く。そんな生活をしていては体をこわしてしまいそうだが、必要以上に家康は丈夫だった。
伊達に愛妾でも隠しているのでは、と噂されていなければいいが。
持って生まれた性格なのか、家康が来ているとわかっても三成は食事をかき込むことはしない。百姓たちが感謝したくなるほどするほどよく噛みよく味わい、そして飲み込むのは周囲の教育が良かったからだろうか。
そんな三成の食事姿を見ていると、間髪空けずにさわやかそのものの笑い声と共に襖が開いた。今日は天気が良く、秋のすがすがしい風も一緒に部屋に中へと吹き込んでくる。
「今日は茄子尽くしか、うまそうだな」
「貴様にやる飯はないっ! これは私が昨日採ったものだ、貴様は泥団子でも作って喰うがいい!」
「三成が採った茄子か、さぞうまいのだろうな。これは朝餉が楽しみになってきた」
「私の側に来るな、離れろ!」
相も変わらずこの二人は全く噛み合っていない。
当たり前のように三成の隣に腰を下ろし、目を細めて三成の食事風景を愛でている家康に、三成は箸をつきだして攻撃しようとするが。小十郎に怒られると思ったのかそれとも過去の教えを思い出したのか、膳ごと移動して家康から離れることを選択した。
それでも追いかけるのが家康なのだが。
「そんなに隅に寄ったら部屋から出てしまうぞ、もっと日の当たるところに来ればいいだろう?」
「だったら貴様が出て行け」
「片倉殿のことだ、儂の飯も用意してくれてるんだろう。せっかくだ、一緒に食べようではないか」
「それが嫌だと言っているのだ!」
部屋の隅に追い詰められた三成は、早く食べ終えようと必死に箸と口を動かしている。さすがに可哀想になったのでせめて食事中は二人を引き離すために家康に何か言おうと思ったのだが、珍しいほどに派手な足音を立てながら部屋に戻ってきた小十郎の顔を見てそれを中断する。
さりげなく政宗の横に座り、ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てている二人に気づかれぬように耳元に報告される事態は政宗の予想を遙かに超えていた。
「政宗様、一大事です」
「一大事? 石田のヤツを隠していることがばれたか?」
「はい、それも最悪の……気づかれてはいけない方たちに」
「方たち?」
「つい先ほど早馬で書簡が届きました……それも三つ」
「what?」
敗軍の総大将を連れて帰ったのだ、遅かれ早かれどこかには気づかれると思っていた。だが気づくとしても最高クラスの忍びを擁している上杉か武田、または常に諸国を調べ己を有利にする情報を求め続けている毛利か。
だがその全てが西軍に所属していた。
毛利がどう動くかはわからないが、上杉や武田は三成を悪いようにはしないはず。それ以外に一体誰が三成を害そうとする?
答えがわからず小十郎に続きをせかすと、空気に溶けてしまいそうな声が三つの家の名前を告げた。
「武田はわかる、だが残りの二つは………」
「両家とも近いうちに石田殿にお目通りしたいとのことです。それに関しては問題ないと思うのですが」
「武田が問題ということか? あの熱血バカならあしらうのも楽だろう」
「いえそれが……今回の文は武田の忍びからでして……少々困った問題が……」
政宗としては小十郎が口にした残り二つの家の方が大問題なのだが、どうやら小十郎の心配は武田の文の内容にあったらしい。彼らしくないほど動揺し、そして慌てているのは額に髪の毛がこぼれ落ちていることからも明白。
「そろそろオレにもわかるように説明しろ」
「いえ……その……文を持ってきた使いが………」
真田殿ご本人でした。
言いづらそうに、心底困り果てた様子で顔を伏せる小十郎に政宗は事態の重大さをようやく理解した。大将本人が来たというのは、今すぐに会わせろという最大級の意思表示。
そして。
武田はなんて物(と書いてバカと読む)を送り込んできたんだ。
と小十郎と政宗が二人揃って頭を抱えて悶絶する事になるのは、このすぐ後のことだった。
_______________________________________
真田さんのターン開始。
政宗としては微妙な気持ちであった。
そろそろ茄子がおいしくなる季節ということで、膳の上は茄子づくし。
食欲の秋も近いが、やはり食事の量が普通の男性より遙かに少ない三成は、伊達家の家人の心尽くしとはいえお膳にのせられた食事の量に悪戦苦闘しているようだった。
すっかり当たり前になった光景に、自然と頬が緩む。
「何がおかしい」
「あの凶王様が可愛くなったもんだと思ってな」
「黙れ!」
箸を振り回して怒りはするが、小十郎の目線に気がついて慌てて魚の骨を取る作業を再開した。亡く子も黙る凶王をよくここまで調教……ではなく教育したものだ。黙々と食事を口に運ぶ小十郎を見ながら、政宗は丸々と太っている上にしっかりと中身の詰まった茄子の浅漬けを口に入れた。
野菜の甘みと塩気のちょうどいい塩梅に舌鼓を打っていると、部屋の中にいてもわかるほどに空気が震え始める。
今日はもう来たか。
「……家康……性懲りもなくまた食事時を狙ってきたか………っ!」
「徳川殿の分も朝食を用意してまいります、政宗様はこのままお食事を。それから石田殿は食事を残されませんように」
「わかっている!」
屋敷の上空に本田忠勝が来る時の音を、この場にいる全員がもうちゃんと理解できるようになっていた。またすぐに会いに来ると家康は言っていたが、自分より遙かに忙しいはずだというのにこまめに時間を作って会いに来る。
三河から来るのはさすがに面倒なので、近い場所に領地を移そうかと言い始めているのは、三成にとっては吉報か凶報か。数日おきに会いに来てはちゃんと三成の相手をして夜には帰って行く。そんな生活をしていては体をこわしてしまいそうだが、必要以上に家康は丈夫だった。
伊達に愛妾でも隠しているのでは、と噂されていなければいいが。
持って生まれた性格なのか、家康が来ているとわかっても三成は食事をかき込むことはしない。百姓たちが感謝したくなるほどするほどよく噛みよく味わい、そして飲み込むのは周囲の教育が良かったからだろうか。
そんな三成の食事姿を見ていると、間髪空けずにさわやかそのものの笑い声と共に襖が開いた。今日は天気が良く、秋のすがすがしい風も一緒に部屋に中へと吹き込んでくる。
「今日は茄子尽くしか、うまそうだな」
「貴様にやる飯はないっ! これは私が昨日採ったものだ、貴様は泥団子でも作って喰うがいい!」
「三成が採った茄子か、さぞうまいのだろうな。これは朝餉が楽しみになってきた」
「私の側に来るな、離れろ!」
相も変わらずこの二人は全く噛み合っていない。
当たり前のように三成の隣に腰を下ろし、目を細めて三成の食事風景を愛でている家康に、三成は箸をつきだして攻撃しようとするが。小十郎に怒られると思ったのかそれとも過去の教えを思い出したのか、膳ごと移動して家康から離れることを選択した。
それでも追いかけるのが家康なのだが。
「そんなに隅に寄ったら部屋から出てしまうぞ、もっと日の当たるところに来ればいいだろう?」
「だったら貴様が出て行け」
「片倉殿のことだ、儂の飯も用意してくれてるんだろう。せっかくだ、一緒に食べようではないか」
「それが嫌だと言っているのだ!」
部屋の隅に追い詰められた三成は、早く食べ終えようと必死に箸と口を動かしている。さすがに可哀想になったのでせめて食事中は二人を引き離すために家康に何か言おうと思ったのだが、珍しいほどに派手な足音を立てながら部屋に戻ってきた小十郎の顔を見てそれを中断する。
さりげなく政宗の横に座り、ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てている二人に気づかれぬように耳元に報告される事態は政宗の予想を遙かに超えていた。
「政宗様、一大事です」
「一大事? 石田のヤツを隠していることがばれたか?」
「はい、それも最悪の……気づかれてはいけない方たちに」
「方たち?」
「つい先ほど早馬で書簡が届きました……それも三つ」
「what?」
敗軍の総大将を連れて帰ったのだ、遅かれ早かれどこかには気づかれると思っていた。だが気づくとしても最高クラスの忍びを擁している上杉か武田、または常に諸国を調べ己を有利にする情報を求め続けている毛利か。
だがその全てが西軍に所属していた。
毛利がどう動くかはわからないが、上杉や武田は三成を悪いようにはしないはず。それ以外に一体誰が三成を害そうとする?
答えがわからず小十郎に続きをせかすと、空気に溶けてしまいそうな声が三つの家の名前を告げた。
「武田はわかる、だが残りの二つは………」
「両家とも近いうちに石田殿にお目通りしたいとのことです。それに関しては問題ないと思うのですが」
「武田が問題ということか? あの熱血バカならあしらうのも楽だろう」
「いえそれが……今回の文は武田の忍びからでして……少々困った問題が……」
政宗としては小十郎が口にした残り二つの家の方が大問題なのだが、どうやら小十郎の心配は武田の文の内容にあったらしい。彼らしくないほど動揺し、そして慌てているのは額に髪の毛がこぼれ落ちていることからも明白。
「そろそろオレにもわかるように説明しろ」
「いえ……その……文を持ってきた使いが………」
真田殿ご本人でした。
言いづらそうに、心底困り果てた様子で顔を伏せる小十郎に政宗は事態の重大さをようやく理解した。大将本人が来たというのは、今すぐに会わせろという最大級の意思表示。
そして。
武田はなんて物(と書いてバカと読む)を送り込んできたんだ。
と小十郎と政宗が二人揃って頭を抱えて悶絶する事になるのは、このすぐ後のことだった。
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真田さんのターン開始。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
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