こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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2章終了で、こちらでの更新はいったん中止にします。
調子に乗って書いてましたが、今後のことを考えると私ばかりBASARAで更新するのも色々と考えますので。
調子に乗って書いてましたが、今後のことを考えると私ばかりBASARAで更新するのも色々と考えますので。
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ほとんど眠らず食べず、おまけに炎天下の中農作業をした後に本気で決闘なんてしたら倒れるのは当たり前。
目が覚めた三成が最初に聞いたのは、いたわりの言葉ではなく説教だった。
家康との殺し合いの最中に気が遠くなったのは何となく覚えているが、次に意識がはっきりした時には布団に横たわっていた。横で目覚めるのを待っていたらしい政宗と家康の二人にほぼ同じことを言われ、本気で腹が立ったのだが。
目を開くことはできたが、体が重く起き上がることすらできなかった。
外を見るまでもなく周囲はすっかり暗くなっており、ほのかな明かりに照らされる二人の顔は、口調こそ怒っているがこちらを心配しているのは明白で。どうせあの戦で死にぞこなった命、家康に一太刀浴びせて死んでしまっても良かったというのに、生憎憎き仇はわずかな血を流した様子もなく自分の顔をじっと見つめ続けている。
自分から全てを、敬愛すべき主君を奪ったくせに何故微笑みかける。
床から起き上がることすら出来ずまともに声すら出せない三成を尻目に、二人の男たちは好き勝手に話を続けている。
「それにしてもいきなり倒れた時は驚いたが、少しは眠れたようだし、もうこれで大丈夫だな」
「明日もメシを食ってくれりゃあな」
「大丈夫だ、ここの握り飯は本当にうまかった! 特にあの野沢菜がな」
「少し持って帰るか?」
「いや、儂の分まで三成に喰わせてやってくれ。ここでいっぱい喰う物を喰って過ごせば、三成も元気になるだろう」
元気になる意味など無い、貴様の首さえ落とせればいい。
布団の中で家康を睨み付けてやりながらそう思いはするが、正直昨夜の政宗の言葉は何よりも効いた。
生きているのなら、今自分に向けられている思いを無駄にするな。
秀吉は死んだ、もう帰ってこない。
そして自分は今生きている。だからこそ気遣ってくれる人間の思いを無視するな。せめて向き合えと諭してきた政宗の言葉は何も間違っていない。
まだこの体に命は宿っている。
家康を殺し、その首を秀吉に捧げるという誓いを破るつもりはないが、それ以外にもできることはあるのではないだろうか。自分を心配し、遠くから様子を見守ってくれている伊達家の家人たちに心配をかけないくらいに食べるくらいは。
じっと見つめてくる家康と目を合わしたくないために目をそらすと、枕元に置かれている湯飲みに気がついた。
「薬を甘茶に混ぜた物だそうだ。これを飲んでゆっくり休めと片倉殿が」
「貴様と話す気はない」
「だが儂は三成とたくさん話をしたい。さっき倒れた時は、本当に驚いた。三成がここまで弱ってるとはな」
「元々貴様が秀吉様を殺したのが悪い。死んであの世で詫びてくるのだな」
「それは断る。儂にはもう一つやることができた」
「やることだと?」
この国も手に入れ、この男にこれ以上の何の望みがあると。
動かぬ体、だがせめてこの男に一矢くらいは報いてやろうと布団から手を出し首を絞めるために伸ばそうとすると、弱々しく伸ばしたその手がそっと家康につかみ取られた。
そのまま家康は両の手で三成の手を握り込む。
久々に感じた家康の手は、昔より遙かに硬く、そして手を握られているだけでもわかるほど傷跡だらけになっていた。何度も傷を負い、その上から肉が盛り上がり。傷を洗う暇もなく膿みながら癒えていく傷は、肌に幾重もの跡をこしらえていく。それほどの戦いの中で生き抜き、その上で天下を手に入れたのだ。
多数の犠牲と、そして彼が絆と呼ぶものの力で。
「そうだな、まずは三成と遠乗りにでも行きたいな」
「遠乗りだと?」
「海でもいいな、元親に頼めば船くらいは出してくれるだろう。前に元親の船で見に行った朝焼け、まずはそれをお前に見せたい。この世には綺麗な物がたくさんある、儂はそれをお前と全て見たい」
「私は貴様を殺す……それが今の私の生きる意味だ」
「今はそれでいい。だがいずれは儂と共に生きてくれ」
三成の手を握る力がわずかに増し、そして名残惜しげに離れていく。
大切な物を扱うかのように布団にそっと手を置き、最後に一度だけ三成の髪に手を伸ばし一度だけ優しく触れた。
「何をする!」
「儂はもう行かねばならん。伊達からの文を読んですぐ飛び出してきたからな、きっと戻れば皆に怒られるだろうな。だが時間を作ってまたすぐに会いに来る」
「当たり前だ、早く私に殺されに来い」
「それだけは約束できんな。儂は三成とやりたいことがたくさんある」
「貴様はいつもそうだ………勝手に決めてそして………」
今の自分は相当複雑な顔をしているのだろう、そう三成は思う。
目の前に仇敵がいるというのに体が動かないことに対する苛立ち、自分勝手なことを言いながら勝手に帰って行こうとする旧友への文句。そして自分の手を温めてくれていた傷だらけの手が離れていったことに対する、ほんの少しの寂しさ。
子供のようなむくれた顔をしているであろう自分をなだめるように髪に触れた手が頬へと滑り、ゆっくりと離れていく。
名残を惜しむかのように、手放したくないと訴えているかのように。
「それでは、な」
さっさと消えろ、その言葉を背に受け悠々と部屋から出て行った家康を見ながら、三成は大きなため息をついた。
それに被さるように、状況を見守っていた政宗の笑い声。
「まるでProposalだな」
「なんだそれは?」
「求婚って事だ。アンタ、随分あの権現様に愛されてるんだな。どうだ? このままアイツをたぶらかしてこの国を手に入れてみるってのは」
「気色の悪いことを言うな」
笑いがこらえきれず、体を折り曲げ笑い続ける政宗を一度睨み付け、三成は目を閉じた。まずは疲れ切ったこの体を癒さなければ、今後なにもできないだろう。
仇を討つことも、そして目の前にある小さな真心に向き合うことも。
視界が暗くなると、すぐに眠気が意識を覆い始める。政宗の笑い声すら遠くに聞こえてくる中、三成はまだ秀吉も半兵衛も側にいた、そして家康と笑い会うことができたあの頃に。
戻れればいいのに、そう初めて思った。
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続きは某所で3章その2までアップしておりますが……自分の馬鹿さが怖いのでひっそりこっそりと。
目が覚めた三成が最初に聞いたのは、いたわりの言葉ではなく説教だった。
家康との殺し合いの最中に気が遠くなったのは何となく覚えているが、次に意識がはっきりした時には布団に横たわっていた。横で目覚めるのを待っていたらしい政宗と家康の二人にほぼ同じことを言われ、本気で腹が立ったのだが。
目を開くことはできたが、体が重く起き上がることすらできなかった。
外を見るまでもなく周囲はすっかり暗くなっており、ほのかな明かりに照らされる二人の顔は、口調こそ怒っているがこちらを心配しているのは明白で。どうせあの戦で死にぞこなった命、家康に一太刀浴びせて死んでしまっても良かったというのに、生憎憎き仇はわずかな血を流した様子もなく自分の顔をじっと見つめ続けている。
自分から全てを、敬愛すべき主君を奪ったくせに何故微笑みかける。
床から起き上がることすら出来ずまともに声すら出せない三成を尻目に、二人の男たちは好き勝手に話を続けている。
「それにしてもいきなり倒れた時は驚いたが、少しは眠れたようだし、もうこれで大丈夫だな」
「明日もメシを食ってくれりゃあな」
「大丈夫だ、ここの握り飯は本当にうまかった! 特にあの野沢菜がな」
「少し持って帰るか?」
「いや、儂の分まで三成に喰わせてやってくれ。ここでいっぱい喰う物を喰って過ごせば、三成も元気になるだろう」
元気になる意味など無い、貴様の首さえ落とせればいい。
布団の中で家康を睨み付けてやりながらそう思いはするが、正直昨夜の政宗の言葉は何よりも効いた。
生きているのなら、今自分に向けられている思いを無駄にするな。
秀吉は死んだ、もう帰ってこない。
そして自分は今生きている。だからこそ気遣ってくれる人間の思いを無視するな。せめて向き合えと諭してきた政宗の言葉は何も間違っていない。
まだこの体に命は宿っている。
家康を殺し、その首を秀吉に捧げるという誓いを破るつもりはないが、それ以外にもできることはあるのではないだろうか。自分を心配し、遠くから様子を見守ってくれている伊達家の家人たちに心配をかけないくらいに食べるくらいは。
じっと見つめてくる家康と目を合わしたくないために目をそらすと、枕元に置かれている湯飲みに気がついた。
「薬を甘茶に混ぜた物だそうだ。これを飲んでゆっくり休めと片倉殿が」
「貴様と話す気はない」
「だが儂は三成とたくさん話をしたい。さっき倒れた時は、本当に驚いた。三成がここまで弱ってるとはな」
「元々貴様が秀吉様を殺したのが悪い。死んであの世で詫びてくるのだな」
「それは断る。儂にはもう一つやることができた」
「やることだと?」
この国も手に入れ、この男にこれ以上の何の望みがあると。
動かぬ体、だがせめてこの男に一矢くらいは報いてやろうと布団から手を出し首を絞めるために伸ばそうとすると、弱々しく伸ばしたその手がそっと家康につかみ取られた。
そのまま家康は両の手で三成の手を握り込む。
久々に感じた家康の手は、昔より遙かに硬く、そして手を握られているだけでもわかるほど傷跡だらけになっていた。何度も傷を負い、その上から肉が盛り上がり。傷を洗う暇もなく膿みながら癒えていく傷は、肌に幾重もの跡をこしらえていく。それほどの戦いの中で生き抜き、その上で天下を手に入れたのだ。
多数の犠牲と、そして彼が絆と呼ぶものの力で。
「そうだな、まずは三成と遠乗りにでも行きたいな」
「遠乗りだと?」
「海でもいいな、元親に頼めば船くらいは出してくれるだろう。前に元親の船で見に行った朝焼け、まずはそれをお前に見せたい。この世には綺麗な物がたくさんある、儂はそれをお前と全て見たい」
「私は貴様を殺す……それが今の私の生きる意味だ」
「今はそれでいい。だがいずれは儂と共に生きてくれ」
三成の手を握る力がわずかに増し、そして名残惜しげに離れていく。
大切な物を扱うかのように布団にそっと手を置き、最後に一度だけ三成の髪に手を伸ばし一度だけ優しく触れた。
「何をする!」
「儂はもう行かねばならん。伊達からの文を読んですぐ飛び出してきたからな、きっと戻れば皆に怒られるだろうな。だが時間を作ってまたすぐに会いに来る」
「当たり前だ、早く私に殺されに来い」
「それだけは約束できんな。儂は三成とやりたいことがたくさんある」
「貴様はいつもそうだ………勝手に決めてそして………」
今の自分は相当複雑な顔をしているのだろう、そう三成は思う。
目の前に仇敵がいるというのに体が動かないことに対する苛立ち、自分勝手なことを言いながら勝手に帰って行こうとする旧友への文句。そして自分の手を温めてくれていた傷だらけの手が離れていったことに対する、ほんの少しの寂しさ。
子供のようなむくれた顔をしているであろう自分をなだめるように髪に触れた手が頬へと滑り、ゆっくりと離れていく。
名残を惜しむかのように、手放したくないと訴えているかのように。
「それでは、な」
さっさと消えろ、その言葉を背に受け悠々と部屋から出て行った家康を見ながら、三成は大きなため息をついた。
それに被さるように、状況を見守っていた政宗の笑い声。
「まるでProposalだな」
「なんだそれは?」
「求婚って事だ。アンタ、随分あの権現様に愛されてるんだな。どうだ? このままアイツをたぶらかしてこの国を手に入れてみるってのは」
「気色の悪いことを言うな」
笑いがこらえきれず、体を折り曲げ笑い続ける政宗を一度睨み付け、三成は目を閉じた。まずは疲れ切ったこの体を癒さなければ、今後なにもできないだろう。
仇を討つことも、そして目の前にある小さな真心に向き合うことも。
視界が暗くなると、すぐに眠気が意識を覆い始める。政宗の笑い声すら遠くに聞こえてくる中、三成はまだ秀吉も半兵衛も側にいた、そして家康と笑い会うことができたあの頃に。
戻れればいいのに、そう初めて思った。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
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うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
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