がんかたうるふ 月孤譚 1章その1 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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石田さんの幸せを追求する企画w
ぼちぼちはじめますです。



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1章「伊達家、山猫を拾うの段」 その1







 戦の趨勢を決めた一撃は、竜が再び天へ昇っていくことを周囲に存分に見せつけた。


 音もなく倒れ伏した西軍総大将の姿は敵軍の兵の戦意を奪い、配送させるには十分であったし、将と志を失った兵を追い立て殺すような真似は政宗にはできなかった。自分の手の者たちに周辺の哨戒と畑を焼かれ生まれた土地を追い出された難民たちの保護を手短に命じ、己の半身を背後に従え。
 命ではなく生きる意志を立たれ、うつろな目で立ち尽くす先ほどまで刃を交えていた相手の処遇を考える事にした。
「……………秀吉様…………私は……申し訳……ありません………」
 仇に刃が届かず、守ってきた主君の兵すら失い。
 ばらばらに砕けた心は、亡き主への謝罪しか口にすることを許さないのだろう。唯一残った刀だけは手から放さず、だがその手にはそれをふるう力はもう残されていなかった。政宗の方もあれだけの力を持つ将と全身全霊を書けて戦ったのだ、後ろに立っている小十郎がいなければ崩れ落ちてしまっていたかもしれない。
 背を守る者がいる、だからまだ立っていることができる。
 それは政宗にとっては当たり前の事実だったが、目の前の存在は背を誰も支えてはくれない。
「哀れ……だな」
「ですがこれが敗軍の将が迎えなければならない最後です、ゆめゆめお忘れなきよう」
「ああ」
 短くそう答え、胸にわだかまる重苦しさをはき出すかのように大きく息を吐き出し。
 さてこの男の処遇はどうすればいいのかと、改めて考える。

 西軍総大将、石田三成。

 敵ながら見事としか言いようがない戦いぶりだった。
 家康への呪いにも近い復讐心に突き動かされていたとはいえ、彼は豊臣の残党をまとめ上げ維持し続けたのだ。先に打ち倒した大谷の力もあったのだろうが、豊臣を信じ守ろうとする三成の信義に集まった人間も少なくなかったはず。
 この場で彼を殺すのは簡単、東軍としては戦の締めとしてそれが必要なのだろう。
「……それでいいのか………?」
「政宗様?」
「竜はまた天へ昇った、だがあいつは俺に地べたに落とされて……それからどうする?」
「あの方は徳川が力を持った今、この国で生きていくことは許されないでしょう」
「家康のヤツは、最後まで守りたかったみたいだがな」
「徳川殿ご本人の意志がそうであれ、時代の流れはそれを許しません」
 天下分け目の大戦が始まる前、家康は個人的に政宗に頼み込んできた。

 三成を頼む、死なせないでくれ、と。

 自分にとって小十郎を失うことがある意味死であるのなら、家康にとっては三成を失うことがそれなのだろう。
 殺さないでくれではなく、死なせないでくれ。
 三成の気性を知り尽くしているからこそ、家康はそう頼んできたのだ。精緻で繊細な刀であるからこそ、強い衝撃であっけなく折れてしまう。秀吉を失うという事実には何とか耐えてきたが、もう仇を取ることすらできなくなったという事実は三成の命を簡単に奪うだろう。
 幸福を失い、愛おしんでくれる人の手を振り払って死を選ぶ、それこそ哀れだ。
 だからこそ政宗は考える。
 秀吉への謝罪を口返しながら、呆然と立ち尽くす彼の心を繋ぎ、そして家康ともう一度会わせる方法を。
「Happyになってもらわなきゃ困る……」
 独眼竜は人の不幸を踏み台にしてまた天へ戻った。
 そんな事実を自分の心に刻みつけたまま生きていく、許せるものかそんな事実。
 とりあえずは彼をまず保護すべきか、そう考え背後でいつ政宗が倒れてもいいように待機している小十郎に声をかけようとすると、
「小十郎めが取り押さえてきます、政宗様はどうかそこで休まれていてください」
「オイ、小十郎……」
「政宗様の思いをわからない小十郎だと思いましたか? 石田殿の処遇は、奥州に戻ってからゆっくり考えましょう」
 ぽんと肩に置かれた手は、まだわずかな迷いを引きずっていた政宗を一気に引き戻した。それと同時に、領地を持つ君主としての計算が頭をもたげ始める。
 石田三成を手に入れたことで徳川家康に対して優位に材料を手にいれることになる。
 それを生かして奥州の平和をできるだけ長く維持し、力を蓄えた後にこの国全体を手に入れる。もしかして自分は今後のために最高級の人質を手に入れたのでは……と思い、ふと石田三成の捕獲状況を確認するために小十郎の声のする方に目をやると。
「政宗様、これでよろしいでしょうか?」
「………………………」


 あの髪型でもわかるほどの大きなこぶを頭に作った石田三成が、ずるずると荷物のように小十郎に引きずられていた。


「あのよ……小十郎………」
「なんでしょうか?」
 お前色々たまってたんだな……というか、どれだけ石田に恨みを。
 と言いたかったが、小十郎のあまりにもさわやかな笑顔の前に、引きつった笑顔しか返すことができなかった政宗だった。










 かくして。
 伊達家は人質を一人連れて、関ヶ原から奥州へと戻ることになった。









BGM「キミシニタモウコトナカレ」  by May,n

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1章は後4話くらいで終わる予定。

だらだらゆるゆると書きますのです。
あと「石田さんが引き取られて一番苦労するのは伊達!」と言い切ってくれたみっしさんに感謝(笑) あなたがいなければこの話はできませんでした……小十郎増量しますので許してください。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
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ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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