こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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おまけというか、本編の未来の話。
*****
枷を嵌められたのは、三成が自分を恨んでいるから。
中途半端な優しさを与え、見守るという名目で放置し続けた。
無理矢理にでも押さえ込み、心を縛り付けていてくれたらこんな事にはならなかったのに。
そんな三成の嘆く声が、ずっと心に響き続けている。
「何故この男を生かす必要がある! さっさと首をねじ切ってしまえばいいのだ」
「そう急くな……上手く使えばこれほど役に立つ男はおらぬ。それはぬしも知っているだろう?」
「この男の悪運に巻き込まれろというのか? 道ばたの小石に躓いていては、家康の首には届かん」
「心配するでない。我が必ず……ぬしに徳川の首を取らせてやろう」
地べたに這いつくばることを強要された背に、三成の足が乗っている。
容赦なく蹴りつけ、全身の重みを全て背に乗せてくるので痛みは感じるが、官兵衛は五感の全てを使い状況を冷静に観察していた。
天高く座する日の輝き。
頬に当たる砂利の感触。
三成を毒を含んだ甘言で追い込もうとする大谷善継の声に含まれた、わずかな焦り。
そして、かつては心を寄せ合った愛しい存在の名を呼ぶ時に、三成の声にほんのわずかだけ悲しみが含まれることも。
陣幕すら吹き飛ばす勢いの風に髪をなびかせ、三成は憎しみを口から吐き出しながら嘆き続けていた。
「協力すりゃ……小生のこれを取ってくれるんだろうな?」
「心配はいらぬ。三成が徳川を打ち倒し、天下を取った暁には……それを取るだけでなく、ぬしにもそれ相応のものをくれてやろう」
「私は天下などに興味はない、それは秀吉様のものだ」
「豊臣の子であるぬしが太閤殿の後を継ぎ天下を治める、それこそが太閤殿の御遺志よ。何度もそう言ったであろう?」
「だが………」
官兵衛の背に食い込ませている足のつま先に力を込めながら、三成はわずかに昔の顔を覗かせる。豊臣家に純粋かつ無垢な忠誠を誓い、素直に感情を吐露していた過去の彼はもういない。
今ここにいるのは復讐のためだけに生きる、心の壊れた若者だけ。
大勢の兵に囲まれ、逃げ場はない。それに枷と鉄球を付けられた身では、三成の俊足から逃げることなどできるわけがない。
体を大地に押しつけられ、豊臣の紋が染め抜かれた陣幕に目線をちらりとやろうとする。この強い風は、自分がここを逃げるために役に立つだろうか。陣幕の揺れで風の強さをはかり、それを考えるためだったのだが。
強い風は陣幕だけではなく、三成の陣羽織も大きくはためかせていた。
「………………………三成……」
「貴様に名を呼ばれたくはない! 黙れ!」
「いや…………しょうがない、小生の力でよければ貸してやるよ。ただし、全部カタがついたらこれは外してくれよ?」
三成の陣羽織の内側にあった物。
それはあの時半兵衛が渡した帯であった。
丈夫な和紙で作られているとはいえ、結局は紙だ。片時も離さずに持ち歩けば痛んでくるはずだというのに、それは渡された時と変わらぬ鮮やかさを保ち続けていた。
絆の証として渡された物をまだ三成は大事に持ち続けている。
深い憎しみも、絶望も。
いつかは癒さる、それは未来への希望へと変わる。その時三成を支えてくれるのは、常に横に添うている大谷ではなく。
あの帯の先にいる人物。
彼らが再会し、憎悪だけではない何かで語り合う時がくるまで、三成を見守るのはきっと自分の役目なのだろう。
竹中半兵衛。
秀吉への強い思いに殉じ、官兵衛へは何も残していかなかったあの男のためにも。彼が守ろうとしたものの一つを守り通す、線香一つあげてやるよりもその方がよっぽど供養になる。
彼は、そういう男だった。
「貴様……正気か?」
「協力してくれるというならば、ぬしをそれなりに扱わせてもらおう。ただし、裏切ろうとするのならば……わかっているな?」
「わからんわけなかろう。せいぜい豊臣のためとやらのために働かせてもらうさ。なあ、三成?」
頬を砂利に塗れさせながら、官兵衛は笑う。
まだ希望は残っていること、そして絆という名の思いの糸は繋がっていること。二人の思いは途切れてしまったように見えるが
あの帯の中で、静かにその時を待っているのだ。
いつかもう一度繋がることができる、その瞬間を。
憎しみに心が曇っていても、無意識では家康への思いを捨て去ることができない三成。そんな彼を大谷から守りながら家康と平和な場で再会させるにはどうすればいいのか。
稀代の軍師黒田半兵衛は、ゆっくりと考えを巡らせ始めていた。
______________________________________________________________________________
家康サイドの話も合ったのですが、家康が可哀想すぎて途中で書くのやめました。
よく考えたら旧豊臣ファミリーが味方してくれる三成と違い、家康は一人で総大将背負ってるんだ……大谷&黒田って実はかなり強力なのでは……オクラもいるし。
少しでも二人に希望を持たせてあげたかっただけです……今までの全部忘れて殺し合いって、悲しいじゃないですか。そんなことばかり考えているから、自分はろくでもない文章しか書けないんだなあ……とちょっと切なくなった。
次はみっしさんが書き終わったのでぷちばさ! 1.5のエピローグを書く予定です。
BGM「Magia」 by kalafina
中途半端な優しさを与え、見守るという名目で放置し続けた。
無理矢理にでも押さえ込み、心を縛り付けていてくれたらこんな事にはならなかったのに。
そんな三成の嘆く声が、ずっと心に響き続けている。
「何故この男を生かす必要がある! さっさと首をねじ切ってしまえばいいのだ」
「そう急くな……上手く使えばこれほど役に立つ男はおらぬ。それはぬしも知っているだろう?」
「この男の悪運に巻き込まれろというのか? 道ばたの小石に躓いていては、家康の首には届かん」
「心配するでない。我が必ず……ぬしに徳川の首を取らせてやろう」
地べたに這いつくばることを強要された背に、三成の足が乗っている。
容赦なく蹴りつけ、全身の重みを全て背に乗せてくるので痛みは感じるが、官兵衛は五感の全てを使い状況を冷静に観察していた。
天高く座する日の輝き。
頬に当たる砂利の感触。
三成を毒を含んだ甘言で追い込もうとする大谷善継の声に含まれた、わずかな焦り。
そして、かつては心を寄せ合った愛しい存在の名を呼ぶ時に、三成の声にほんのわずかだけ悲しみが含まれることも。
陣幕すら吹き飛ばす勢いの風に髪をなびかせ、三成は憎しみを口から吐き出しながら嘆き続けていた。
「協力すりゃ……小生のこれを取ってくれるんだろうな?」
「心配はいらぬ。三成が徳川を打ち倒し、天下を取った暁には……それを取るだけでなく、ぬしにもそれ相応のものをくれてやろう」
「私は天下などに興味はない、それは秀吉様のものだ」
「豊臣の子であるぬしが太閤殿の後を継ぎ天下を治める、それこそが太閤殿の御遺志よ。何度もそう言ったであろう?」
「だが………」
官兵衛の背に食い込ませている足のつま先に力を込めながら、三成はわずかに昔の顔を覗かせる。豊臣家に純粋かつ無垢な忠誠を誓い、素直に感情を吐露していた過去の彼はもういない。
今ここにいるのは復讐のためだけに生きる、心の壊れた若者だけ。
大勢の兵に囲まれ、逃げ場はない。それに枷と鉄球を付けられた身では、三成の俊足から逃げることなどできるわけがない。
体を大地に押しつけられ、豊臣の紋が染め抜かれた陣幕に目線をちらりとやろうとする。この強い風は、自分がここを逃げるために役に立つだろうか。陣幕の揺れで風の強さをはかり、それを考えるためだったのだが。
強い風は陣幕だけではなく、三成の陣羽織も大きくはためかせていた。
「………………………三成……」
「貴様に名を呼ばれたくはない! 黙れ!」
「いや…………しょうがない、小生の力でよければ貸してやるよ。ただし、全部カタがついたらこれは外してくれよ?」
三成の陣羽織の内側にあった物。
それはあの時半兵衛が渡した帯であった。
丈夫な和紙で作られているとはいえ、結局は紙だ。片時も離さずに持ち歩けば痛んでくるはずだというのに、それは渡された時と変わらぬ鮮やかさを保ち続けていた。
絆の証として渡された物をまだ三成は大事に持ち続けている。
深い憎しみも、絶望も。
いつかは癒さる、それは未来への希望へと変わる。その時三成を支えてくれるのは、常に横に添うている大谷ではなく。
あの帯の先にいる人物。
彼らが再会し、憎悪だけではない何かで語り合う時がくるまで、三成を見守るのはきっと自分の役目なのだろう。
竹中半兵衛。
秀吉への強い思いに殉じ、官兵衛へは何も残していかなかったあの男のためにも。彼が守ろうとしたものの一つを守り通す、線香一つあげてやるよりもその方がよっぽど供養になる。
彼は、そういう男だった。
「貴様……正気か?」
「協力してくれるというならば、ぬしをそれなりに扱わせてもらおう。ただし、裏切ろうとするのならば……わかっているな?」
「わからんわけなかろう。せいぜい豊臣のためとやらのために働かせてもらうさ。なあ、三成?」
頬を砂利に塗れさせながら、官兵衛は笑う。
まだ希望は残っていること、そして絆という名の思いの糸は繋がっていること。二人の思いは途切れてしまったように見えるが
あの帯の中で、静かにその時を待っているのだ。
いつかもう一度繋がることができる、その瞬間を。
憎しみに心が曇っていても、無意識では家康への思いを捨て去ることができない三成。そんな彼を大谷から守りながら家康と平和な場で再会させるにはどうすればいいのか。
稀代の軍師黒田半兵衛は、ゆっくりと考えを巡らせ始めていた。
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家康サイドの話も合ったのですが、家康が可哀想すぎて途中で書くのやめました。
よく考えたら旧豊臣ファミリーが味方してくれる三成と違い、家康は一人で総大将背負ってるんだ……大谷&黒田って実はかなり強力なのでは……オクラもいるし。
少しでも二人に希望を持たせてあげたかっただけです……今までの全部忘れて殺し合いって、悲しいじゃないですか。そんなことばかり考えているから、自分はろくでもない文章しか書けないんだなあ……とちょっと切なくなった。
次はみっしさんが書き終わったのでぷちばさ! 1.5のエピローグを書く予定です。
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色々説明
拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)
注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨
ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。
書いている人
みっし
・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。
@3missiy3をフォロー
うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。ついったのフォローは下 のアイコンから。
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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。
ツイッターは基本鍵をかけていますが、フォロー申請してくださったらフォローさせていただきます。
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