がんかたうるふ Diablos Party プロローグ (みっしパート) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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本編より 遅く上がる プロローグ



 *****
恋はするものではない、落ちるものなのだ。
そう言ったのは誰だっただろうか。









朝、目を覚ました時、顔見知りではあってもそう親しくも無い人間の顔が間近にあったら人はどう対処するべきなのだろうか?





イヴァン・フィオーレは、ただ唖然とするしかなかった。








人前で眠れない、熟睡することが出来ないとは言いつつも度を越えた深酒をすれば人間だれしも意識は失う。今回もそのパターンだったはずだ。…イヴァンの中のうろ覚えの記憶があっていれば、だが。

はじまりは、ベルナルドがここ最近でも飛び切りのとんでもないヤマをあてた、それだった。傍から見てると過労死するんじゃないかと思われるような忙しさだったが、あの筆頭幹部は見事それに耐え抜いていた。そして過労死寸前のベルナルドを労わるサプライズという名目でジャンが、正確にはジャンと何故かいるラグトリフがちょっとした祝いを企画した。それを知ったときのあのジャン馬鹿筆頭幹部殿は目から涙を流さんばかりの喜びようだった。…どんだけジャン好きなんだよ、あんた…それがイヴァンの抱いた正直な感想であった。仕事の出来具合と人間性は比例しない、自分を含めた幹部連中を見ているといつもそう思うイヴァンであったが今回はそれが桁違いであった。
ベルナルドの慰労が目的であったとはいえ最終的にはいつもの飲み会となり、意識を失ったのが何人か転がっていたはずだ。そう、イヴァンも転がっていたはずなのだ。飲みながら意識が保てなくなったところで彼の記憶は途切れている。





確か、酔いつぶれてその辺で寝ていたはずの自分が何故ベッドに寝ているのだろうか、どうして隣に寝ている人物がいるのだろうか、そしてこの全身のダルさと痛みは何なのだろうか、そもそも自分は何故裸なのだろうか、というか何故自分に誰か抱きついているのだろうか、とかイヴァンの頭を様々な疑問が駆け巡る。だがそれ以上に彼の頭を占める大きな問題があった。





(…何で…ヤローがこんなに近くにいんだぁぁぁぁ!?)
ろくに働かない寝起きの頭で、イヴァンは必死に考える。
彼の眼前で目を閉じ眠るのは間違いなく、ジュリオ・ディ・ボンドーネだったのだ。





 イヴァン・フィオーレとジュリオ・ディ・ボンドーネは共にイタリア系マフィアであるCR:5の幹部であり第三位幹部がジュリオで第四位幹部がジュリオ、5人いる幹部の中でも年下の二人は2人まとめて年少組とも称される。だがしかし、そのように一まとめにされる2人はとりたてて仲が良い訳ではない。むしろ、世間一般で言うと中が悪い方に分類されるであろう。
殴り合いの喧嘩をした訳ではない、陰湿なやりとりを重ねた訳ではない、それら全てのやりとりが彼らの間には存在しなかったのだ。彼らの間には、良い意味でも悪い意味でも一切の執着という感情が無かったのだから。
いわば「無」という言葉がイヴァンとジュリオの関係を示すのに最も相応しい言葉だっただろう。(最もイヴァン自身は自身の部下や一部の人間以外を一切信用していなかったので、ジュリオ以外の幹部にも取り立てて執着は無く、それはまた別な話だ。)
そんないつまでも続くかと思われた平行線の関係はジャンという闖入者のお陰で少しずつ変化しつつあった。しかしそれでもまだ、イヴァンとジュリオは世間一般で言う和気藹々とした状態からは程遠い状態であったはずだ。
少なくともイヴァンの記憶にある限りでは。

だから、尚の事今現在の状況がイヴァンには理解できなかったのだ。




何故、自分は裸でジュリオに抱きすくめられているのだろうか。




寝起きにも関わらずイヴァンは顔面(恐らく)蒼白で、心なしか冷や汗まで流れてきた気を感じていた。何故、何故、何故、こんなことに?絶賛混乱中のイヴァンのその問いに答えてくれる人間は恐らく目の前にいるジュリオしかいない。しかし彼は未だに固く目を瞑っており目を覚ます気配が無い。そうこうしている内にこの状況を誰かに見られたらとてもまずい事になるのではないか、とようやく思い至ったイヴァンは未だに自分をきつく抱きすくめるジュリオの腕からの脱出を試みる。
だが、「出られねぇ…」
ジュリオが見た目に反して、見た目以上の力の持ち主である事は周知の事実であり、イヴァンも当然知っていた。だが、何もよりにもよってそれを今この状況で体感したくはなかったとも思った。どれだけの馬鹿力なのか、イヴァンが必死に逃れようと思っても叶わない。それでも何とか腕から逃れようと必死になっていると、不意に腕の力が緩み、驚くほど簡単にジュリオの腕から逃れることが出来た。いきなり、何故、そう思いながらイヴァンが目線を前に向けると、何時の間に目が覚めただろうか。ジュリオがただただ驚くばかりのイヴァンをその無表情な瞳に映し出していた。





「…よ、よぉ…」
「…………」
イヴァンの挨拶など意に介さないかのように、ジュリオはその硬質な視線を向け続ける。
気まずい、実に気まずい。どのような事情があるにしろ何が悲しくて大の大人、もとい男2人で朝を迎えねばならない状況に至ったのか。しかも全裸で。心なしかだるくて体の節々が痛むのは変な寝方をしただけだ、そうに違いない。いやそうに決まっている。聞きたくない、だが聞かねばならない。
ジュリオの無機質な瞳に晒される事でより混乱を極めるイヴァンの脳内。彼はとにかく必死だった。ちなみに彼の名誉の為に言っておくが想定外の事態に遭遇した事で混乱しているが、普段はそれなりに落ち着いてものを考えられる男である。あしからず。しかし、混乱しながらも必死に考えるイヴァンに対してジュリオは無慈悲に言い放つ。
「………俺、出るから」
「……は?」
そう言ってすぐにジュリオはいつの間に用意したのだろう衣類を手に取る。自分で服が着られないという噂まであったジュリオだが、実際はそんな事はないようでごくごく普通に衣服を身に付けていった。だが、ある一点で滑らかに動いていた手が止まる。
「……………」
「…なぁ…もしかしてお前…ネク…」
「…言うな」
ジュリオの手は襟元のネクタイを手にして止まっていた。他の衣類は身に付けられてもネクタイだけはうまく結べないようで、何とか必死に結んでいるものの締めすぎたり緩すぎたりと見ているこっちがハラハラする出来だった。
「…あーもう…貸せ…見てらんねー…」
「…何を」
する気だ、と言うつもりだったジュリオの言葉はそのまま飲み込まれた。イヴァンはネクタイを軸にベッドの端に座っていたジュリオを自分の方に向かせる。いささか強引ではあるが向かい合わせになることは出来た。
「…危なっかしいから俺にやらせろ…締めすぎて自分で首を絞めてるのかと思ったぜ」
「…そんな趣味は…無い」
「わーったよ」
見た目以上に器用だ、と称される事の多いイヴァンの指はジュリオのネクタイを掴むと瞬く間に結び終える。そんなイヴァンをジュリオは相変わらず何も読めない瞳で見つめていた。
「出来たぞ」
「…すまない」
そう言うが早いかジュリオはベッドから立ち、扉へと足を進める。それにつられて周りと見渡すと意外なことにここが本部の自室である事がわかった。ひょっとしたら酔いつぶれた自分をジュリオが拾って居室に送ってくれたのだろうか。普段の彼を見ていると失礼ながらそんな気遣いが出来るとは思えないに等しいのだが、ひょっとしたら何かのちょっとしたごくわずかな気まぐれで本当に送ってくれたのかもしれない。だが同時に益々わからなくなった。
仮にそうだとしても何故、自分は自室でジュリオと2人きりになったのだろうか?あまつさえ共に朝を迎えたその経緯すら分からず、イヴァンの脳内は相変わらず迷走していた。
そしてそんなイヴァンに声が掛けられる。
「…昨日の事なら」
ふと見やると扉に手を掛けたジュリオがイヴァンを見ていた。相変わらず多くの他者に対して見せる何も感じさせないその表情はジュリオの繊細な美しさも合わせて人形のようにも見える。そしてジュリオは続きを口にする。
「……俺は……謝らないからな……」
そう一言だけ口にすると、ジュリオはその身を翻し、部屋の外へと足を進める。
イヴァンにちらりと目線を向けても、その姿も表情も、普段も何ら変わらないように見え、その背中からは何も感じられなかった。
正でも負でもイヴァンに対する感情が全て欠落している。
いつもと何も変わらない、そもそも二人の間には何の感情も、ない。
ただ出て行く前に一度だけジュリオは視線をイヴァンに寄せたが、本当に一瞬のことだったので頭を抱えていたイヴァンは気が付かなかった。





静かに扉が閉められたのを確認するとイヴァンは改めて頭を抱えなおすと同時に盛大な溜息をついた。
(…思い出せ…思い出せ…一体何を仕出かした、昨日の俺ぇぇぇぇぇ!!)





そうしてイヴァンは、あまりに起きてくるのが遅い事を案じたジャンがからかい半分で部屋の扉を開けるその瞬間まで、頭を抱えて悩み続けていた。「イヴァンちゃ~ん?ご機嫌いかが~」と言いながら入ってきたジャンに対して「うわああああああ!!寄るんじゃねえええええ!!」と言いながら手元の物を手当たり次第投げる程度には混乱していた。そうしてそれに対してベルナルドとルキーノから仕事でのミスに対してよりも説教という名の陰湿な嫌がらせを受けることになるのだが…イヴァンの頭はそれ以上に自分の昨夜の行動とジュリオの意味深な行動で頭が一杯だった。





最も、そうしてまで考えても答えは出なかったのだが。





それが、そう。





少し肌寒さを覚え始めた頃。





季節が冬を迎える、少しだけ前の話だった。












○本編より後にアップするプロローグ。
何か色々本当に申し訳ない。
そのうち本編もアップします。
いつものジュリオと違う所その1
→服が自分で着られます
…私は一体今までジュリオの何を書いてきたのだろう…
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拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
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ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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