がんかたうるふ アニキが半裸なのを気にする三成の話(腐向け・三親) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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○ある日のうずみさんとの電話「逆のお題で話を書こう!!」こうしてなし崩し的に決まる。私→三親で三成がアニキに服を着せようとする話。うずみさん→親三でアニキが三成を脱がそうとする話。親三親のようなそうで無いような、逆CPが地雷の方は色々すみません。



○書いた人:みっしー



 *****



 西軍総大将石田三成は、ここ数日とても悩んでいるように見えた。少なくとも昔からのつきあいがある大谷吉継や黒田官兵衛からすると明らかに普段と違う。
 まるで恋煩いであるかのごとく、溜息をついたり、部屋の隅で小さく座る三成を見てこれはただ事では無いと判断した大谷が、思い切って三成に尋ねようと思い居室を訪れたのだった。
「三成や、失礼するぞ」
「……うむ」
 大谷の声に答えたものの三成は自室で背筋を正して座っていた。紙と筆が用意されているが何も書かれてはいない。そしてその表情は、見慣れた者にしかわからない程度だが、ややぼんやりとしている。
 少し前までは暇さえあれば鍛錬を積み重ね「おのれ家康うううううう!!」と打倒徳川家康を掲げながら、欲しい物:家康の首と書いていた男と同一人物とは思えない。それだけ、普段の三成とはギャップがあった。

「三成よ…主は一体何に悩んでおるのだ?」
 回りくどい問いかけは三成には通じぬと判断した大谷は、実に率直に問いかけた。
 すると三成は、しばし口にするのをためらうのか視線をあちらこちらにずらすなど落ち着かないそぶりだったが、やがて意を決したのか大谷を改めて見やり、言った。
「…どうも二、三日前から、あるものが気になって気になって仕方が無いのだ…寝ても覚めてもそればかり考えてしまい…何をやっても身が入らん…!!」
 何という体たらく!と嘆く三成を励ますようにその肩をぽんぽんと叩いてやりながら、はてなと考えていた。
 二、三日前に何かがあっただろうか。戦はこのところは無い。正しく言うと三成や大谷が直接出向くような規模の戦は無い。それ以外で三成の心をかき乱すようななにかがあったのだろうか…?
 だが、それを中断するかのように三成から声がかけられた。
「刑部…聞いてくれるか…?」
 案ずるような子供のような顔をして問われてしまえば嫌とは言えぬ。もっというと他でも無い三成の言うことである。
「元よりそのつもりよ。早う話すが良い」
 聞かないという選択肢は、最初から大谷の中には存在していなかった。その返答に安堵したのか、三成はようやく口を開く。

「…長曾我部が半裸なのが気になって気になって仕方が無いのだが…こんな事ばかり考える私は病気なのだろうか…!!」

 言ってしまった気恥ずかしさからなのから奇声を発し頭を抱えてのたうち回る三成を見て、大谷は思った。

 教育方針、間違ったかもしれんのう
 
 今は亡き主君の姿を思い浮かべながら大谷は、三成に対してそうとは気づかれない程度に溜息を吐いた。



 三成が言う二、三日前。それは四国の長曾我部元親が大阪城に来た日でもあった。
 長曾我部元親、四国の国主。西海の鬼の異名を持つ存在。天衣無縫と評されるような自由人で、徳川家康の親友。豊臣にとってはまさに目の上のこぶのようだった男。
 ある策を弄すことでその勢いはそぎ、家康との関係も壊した。それを指示したのは大谷と、四国とは海を挟んで向かい合う地、安芸を治める毛利だ。二人の間には長年に渡る因縁があった。それを利用させてもらったのだ。

 まぁ三成には話せぬことよのう

 凶王と呼ばれる、この目の前でバタバタしている青年に裏のことは知らせるつもりは無い。汚れは全て自分が引き受ける。
 だから、彼は知らない。長曾我部が西軍に与した理由も、その事件の真相も全て。

 その一方で何も知らない三成が、何故長曾我部の半裸を気にするようになったのかはわからない。
 その場でのたうつ三成をまぁまぁと諫めながら大谷は三成に問いかける。
「三成や…何故それを気にしたのだ?」

 半裸を。
 
 すると三成は動きを止めてそろそろと起き上がった。板の間で転がって痛くなかろうかと思うが三成には大した影響では無いらしい。

 そしてぽつりぽつりと語り始めた。



「よう、石田」
 それは数日前のこと。大坂城内の庭にいた三成に声をかける存在が居た。紫色を纏ったその人物は、何回か見た覚えがあったが、名前がわからない。そして名前よりも、何故胸部を中心とした上半身を露出させているんだろう、こいつは。という思考にとらわれた。
 黒田ほどでかくは無いが、体の肉付きは良い。髪は三成のものとは異なるものの銀色。そして纏うのは明るい紫色の羽織。そして多分甲冑を身につけているのだが、守るべき腹部が全く守られていない。豊臣ではあまりみない装束である。

 こいつは本当になんなんだ。

 元来他者への興味は持たない三成ではあるが、あまりに見慣れない男の服装に目が離せない。そして表情を曇らせながら三成は問う。
「お前は誰だ…?」
 首を傾げ、眉根を寄せながらそう言った三成に男は一瞬だけ目を剥くが、すぐに破顔して笑い始めた。
「誰だときたか…あんた、面白いな!!」
 そう言って腹を抱えながらけらけらと笑う男は、恐らく三成よりはいくらか年上なのだろうが、やや幼く見える。その顔つきも男らしいと言って差し支えないものなのに笑うと子供っぽいのがいささか不思議だな、と三成はぼんやり思っていた。
 そして何よりも特徴的なのは左目を覆う眼帯だった。濃い紫色のそれは目だけでは無く目の周囲全体を覆い隠している。じっと見ていた三成の視線に気がついたのか、男は左目の眼帯を指さした。
「あ?これが気になるか?」
 とんとん、と軽く叩きつけるように男は言う。問えば答えてくれるのかもしれない。それだけの気安さが男にはあったが、会って間もない人間の傷の理由まで聞くつもりには三成には無かったのでそのまま首を横に振る。
「…気にならないと言ったら嘘にはなるがな。詮索するつもりは無い」
 左目だけでは無く目の周辺までをも覆う眼帯。目を引くという意味では間違いなく誰もが目を向けてしまうだろう。それだけの要素が男の左目、正しくは眼帯にはあった。
 いや眼帯だけでは無い。この男には、何か人を引きつけるなにかがある。気迫というか気力というか、生きようとする思いがあるような気がした。
 相変わらず名前はわからないのだが。そしてむしろ半裸である事の方が気になっているのだが。
 
 男は三成の答えを聞いているのか居ないのかわからないが、改めて三成を見つめる。
「………」
「………」
 男は目を逸らさない。
 三成も目を逸らさない。
 訪れる人もいない庭の一角で、静かすぎる沈黙だけがその場を支配していく。

 だがやがて、無言で値踏みされているかのような不躾な視線に対して三成の苛立ちも募っていく。元より短気な性格なのだ。もう我慢も限界かと思われたその時、男が突然わしゃわしゃと三成の頭を撫で始めた。
「な……!?」
 なんだこいつは。
 頭を撫でる。こんなことはそれこそ、今は亡き半兵衛様や秀吉様、果ては刑部や黒田など、それこそ身近な人間にしかやってもらったことがない。男の表情はやがて楽しさを隠せないといった感情を含めた笑顔に転じていく。
「いいねアンタ!威勢の良さも気に入ったぜ!!」
 思いきり遠慮せずに頭を撫でると言うよりもわしゃわしゃといじるような男はとても楽しそうだった。手甲を付けたがっしりとしたその手は、不思議と思い出の中にある誰かの手とよく似ていた。
「…だから貴様は何なんだ!?」
 恥ずかしいのと腹立たしいとのない交ぜになった三成は半ば怒鳴る勢いで問いかける。すると男は「あ、言ってなかったか」と呟いたかと思うと、動きを止め改めて三成と向かい会う。

「俺は長曾我部元親。よろしくな、西軍総大将さんよ」

 そう言って手をさしのべた長曾我部を見て、改めて思ったのだ。

 何でこの男は半裸なのだと。

 それは、長曾我部がその場から去ったあともずっと続き、今に至るのだった。



「そのような理由でここ数日は長曾我部の顔が頭の中から消えず、その上何で半裸なのかと考え始めたらそれしか考えられず…これはなんだ刑部!!私は病気か!?」
 三成は必死の形相だが、大谷はどこか冷めた視線を三成に送っていた。
「…病気、といえば病気かのう…されど医者にかかるほどではあるまいよ」
 ここからは大谷の推測だが、三成は長曾我部が気に入ったのだろう。割合お人好しの部類に入るあの男は、面倒見が良い。恐らく三成は無意識的にそれをかぎ取った。そこまでは良い。三成が喜ぶのであればそのつきあいを咎める理由も無い。
 だが、そこで長曾我部の格好が半裸であることに三成は激しい違和感と衝撃を感じた訳だ。

 なんだこれは。

 思えば太閤も、竹中も、黒田も、そして自分も薄着とはほど遠い服装であった。甲冑もまたしかりである。まぁ世の中には長曾我部以上に肌を露出させている前田家当主とか、大酒飲みの武人とかがいることを大谷は知っている。だが、三成がそのどちらも覚えているかと言われれば恐らく覚えていないだろう。長曾我部とて二度目の対面であったはずなのに全く覚えていないのだから、間違いない。
 着物も甲冑もきっちりかっちり着込むもの、との教育を受けた三成が一人で対峙した半裸の男。それはまぁ衝撃的だっただろう。

「…どうしたらこの考えを終わらせられるのだ…刑部……」
 もはやのたうつ気力すらも無くなったらしい三成が重々しく大谷に語りかける。
「そうだの…一番良いのは、悩みの元凶を無くす事よ」
 まぁ座れと促しながら大谷は告げる。

 三成は長曾我部という人間自体の興味を、自身があまり目にしない半裸への違和感とごちゃごちゃにして捉えている節がある。人間として未熟だからと言われればそれまでだが大谷からするとそんな所も愛らしかった。
「悩みを…無くす…」
「それは主が自分自身で答えを出さねばならぬことよ」
 大谷を初めとして、誰かの案に従っていては意味が無い。これは三成が自分自身に問うて結論をださなくてはならないのだ。
 そうして、大谷の正面でしばし正座のまま腕を抱えて考えていた三成は、突如として何かを思いついたのか、目を見開いてこう言った。
「刑部!!私は今、良い案を思いついたぞ!」
「ほう、話してみよ」
 そう大谷が伝えると、三成はこれぞ名案と言わんばかりの満足げな表情で言った。

「長曾我部が半裸なのが気になるのであれば、長曾我部に服を着せてしまえば気にならないでは無いか!!」

 そうと決まれば後は行動あるのみだ!そう言いながら立ち上がった三成は実に軽やかな足取りだった。

 どうしてそうなった。

 やはり、自分たちの教育方針は間違っていたかもしれぬぞ、と今はこの世にいないかつての仲間を思いながら大谷は本日数回目の溜息を吐いた。
 そして思った。なるようになれ、と。

 暴走しがちな三成は、きっと今の自分の言葉を聞きはしないだろう。それかまた曲解しかねない。どうせ長曾我部が気になるのは事実なのだから、死なない程度に好きにしたら良い。
 三成は素直だ。素直すぎて暴走するだけなのだ。それはずっとそばにいた自分が身をもって知っている。
「長曾我部よ、主は厄介なのに魅入られる性質なのかのう…」
 ふとこの場にはいない西海の鬼を、本当に少しだけ案じた。



 そうして、三成は待っていた。
 本日大阪城を訪れるという長曾我部(と書いて獲物と読む)がやってくるのを。最も三成の着物ではサイズが会わないので、黒田のものを借りた。これを着せてしまえば良いだけだ。
「…よく考えてみればあのように上半身を露出させていれば常に腹部が冷えてしまうではないか…なんたること!!」
 これはもう急いで着せるしか無い。長曾我部の健康の為にも。
 堅い決意の元に三成は一人待ち続けた。

 そうしてどれだけの時間が経っただろう。
 どたどたと騒がしい音が聞こえたので部屋の入り口からのぞき込むと、そこには長曾我部の姿が見えた。側に人は居ない。長曾我部が一人で居るだけだ。
 これを好機とみた三成は、すっと部屋の戸口の正面にて待ち構える。長曾我部は一人ではあったが迷わず三成がいる部屋に入ろうとしていた所だった。まぁ三成がいるのでここに呼ぶようにと事前に頼んでおいたので当然のことなのだが。

「あ?石田一人か?どうし……」
 部屋の入り口に入りかけた長曾我部は正面で正座する三成を見て怪訝な顔をする。だが三成はそこまで長曾我部が言いかけた所で、彼の腹に拳で一撃を食らわせる。いくら三成が細い部類に入ると言っても油断しきっていたこともあって、かなりの重さだっただろう。

「が……?」

 痛みでのたうつ長曾我部が思わず崩れそうになった瞬間、着物を掲げると言った。

「お腹が冷えるだろう、着物を着ろ」
「え…いや…着物…?」

 未だに腹を抱える長曾我部は苦痛に耐えながらも怪訝な顔で三成を見る。

「そうだ、この間会ったときからずっと気になっていたんだ。お前の事が。こんなにも気になるのお前が半裸だからに違いない…だから、着物を着て胸元と腹を隠せ!!」
 
どやぁと言い放たれても元親には困惑気味の表情を見せる。元親からすると自分だって一応ちゃんとした着物を着ることだってあると宣言したい所だろう。回数こそ少ないが。着ることは確かにある。そして一つ言いたい。半裸半裸と言われているが、下はちゃんとはいている事を。主張したいものの、とりあえずは目の前の三成を諫めるしか無いであろうことは明白だった。

「…お前の理屈無茶苦茶だぞ!?っていうか俺が駄目なら真田はどうなるんだよ真田は!!あいつだって腹が出てるぞ!?」
 いつからからどっしりとあぐらをかいて座り込んだ長曾我部を見て三成も、その正面に座する。
 紫色の上着も、眼帯も以前見たときと変わらない。
 綺麗だった。
「…真田は…腹を出していても常に暑そうでは無いか。赤いし」
 『天!覇!絶!槍!』と常に叫ぶかの男の姿を三成を思い浮かべる。彼もまた数回顔を会わせた後、ようやく名前を覚えることが出来た存在だった。
 でも確かに、何故真田は気にならなくて長曾我部は気にならなかったのだろう。
「…確かにあいつは近寄るだけで暑そうだけどよ…つか島津のおっさんも上は着ていないだろうが!!あっちはいいのかよ!!」
 真田が問われない理由をなんとなくながら自分でも理解してしまった元親は今度は西軍の中でもう一人目立つ半裸である島津の名を上げる。
「しまづ…?島津は黒で熱吸収してるから暑いと前に言っていたぞ。だから島津は問わない」
 数回会っただけなので未だに顔と名前が一致しない老人を何とか必死に思い浮かべながら三成は呟く。何かと自分を案じてくれる老人は確かに半裸だ。だが、こちらも真田と同じく気にならない。…何故だろう?

「他の者は気にならないのに、何でお前が服を着ていないことがこうも気になるのだ?」
 何故だろうと呟きながら三成は呟く。困惑がない交ぜになったような何とも言えない表情をしたままだ。
「いや俺だってわかんねぇよ…あのよぉ…俺だって暑がりだから脱いでるんだけどよ…」
 それでも脱いでいるのは駄目なのかと三成に困惑した様子で問いかける。
「暑がりであるならば、多少は仕方ないかもしれぬ。だが貴様、冬はどうなのだ?」
「え?冬でも着ねぇけど」

 冬でも半裸。

 その返答を聞いた三成は瞬く間に表情を凍らせた。
「…想像するだけで寒すぎる……!!」
 
 ふくぬいで さむさそうぞう たえられぬ

 思わず心の中で何かを詠ってしまうぐらいには衝撃的だった。『三成くん、冬の寒さを侮っちゃ駄目だよ!!』と教えられた過去を持つ三成にとってはこの男の発言は衝撃的すぎた。
 そのうち三成が動きを止まらせた事に気がついたのか長曾我部は必死になって言い訳を始める。
「いや…だってて着慣れちまってるし…あ、言っておくけど船の上でだぞ!?さすがに雪国でまでは無理無理無理!!からくりの工場では脱ぐけど外はやっぱ無理!!」
 一応自分の城ではちゃんと着ているのだと説明しようとするがどうにも墓穴を掘っているようにしかならない元親の発言。そして再度脱ぐという発言を耳にした三成は表情を曇らせる。
「…やっぱり脱ぐのでは無いか…!!貴様、露出狂か…?」
 世の中にはそうやって喜ぶ変態もいると聞くのだが…と真剣な表情で悩む三成に対して、長曾我部は半ば呆れつつ必死で叫ぶ。
「違う!!暑がりなだけだ!!あと下ははいてる!!…人の話をきけえええええええ!!」

 そして二人の、傍から見るとしょうも無いやりとりはしばし続き、無くなった着物を探しに来た黒田が見たときには、三成が見事なまで元親を押し倒していたから気まずかったとかなんだとか。

「主は一度ならずとも三度ぐらいは馬に蹴られた方が良いのう」
「何で小生が!?ただ着物を探しに行っただけだぞ!?」
 黒田の叫び声で部屋にやってきた大谷によってなんとか場をおさめたのがつい先程の話。大谷と黒田は差し向かいになって話をしている最中だった。
「…むしろ既成事実を作ってしまった方が色々楽だったかのう…」
「…お前さんが何を考えているのか小生にはわからんよ…」
 押し倒してそのまま最後までいってしまえばよかったもののと言い放つ大谷はひとえに三成の今年か考えていない。彼が幸せであれば構わない。そこには黒田の意思も、大谷の意思も、長曾我部の意思も関係ない。
 全ての罪は己が持って行こう。だから、凶王たるあの男にひとときでも安らぎを与えてくれるなら、それに託そう。
 すべては三成のために。

「しかも長曾我部って…小生は出来ることなら顔を合わせたくないんだが…」
 先程から落ち着き無いそぶりの黒田はすぐにでも部屋に戻りたいのだろう。何故ならば四国を壊滅させた事に少なからず黒田は関係している。
 基本的に頭も良くキレ者であるこの男は、変なところで甘い。そこにつけ込んだのが自分とは言え、それはいささか心配になるほどだと大谷は思っていた。
 罪悪感。
 大谷や毛利のような人間がとうに捨て去ってしまったそれを黒田はまだ抱えている。それがあるが故に、彼は非情になりきれない。なってしまえば、この男は名実ともに軍師として名を上げていくだろう。

「…本当に、甘いのう」
 わかっていながらそうはしない黒田も、他者の不幸を願いながらも、三成だけは幸せにと願う自分も。そして、自分の中に生まれた感情を持て余している三成も、それを決して拒絶しない長曾我部も、みんな甘い。
 だがその甘さは、妙に心地よい。

 そう思いながら、一人、大谷は笑んだ。



「改めて考えたんだが」
「…何をだよ?」
 黒田に叫ばれ、大谷に止められ、三成と長曾我部の二人は庭に居た。数日前に出会ったときと同じ場所である。
「うむ…冷静になって考えてみると、半裸であることを気にするのは、長曾我部だけだ」
「…うん?」
 三成の面持ちは非常に真面目で真剣なのは長曾我部にもわかるが、いかんせん内容が半裸に関してである。ちょっとどうなんだろうと思いつつ耳を傾ける。
「だから、私は知りたい。お前の人となりも、全部」
「…何で半裸が気になることから俺自身のことになるんだ?」
 その飛躍具合はどこからきたんだ、と思いつつ長曾我部は頬をかく
「半裸だから気になったのは事実だ。むしろ今でも腹が冷えるから温かくしろ、とは言いたい。だがそれ以上に、私はお前という存在が気になるのだと言うことに気がついた。だから知りたい」
 長曾我部元親という存在を知りたいのだと、そう言った三成を元親は静かに見ていた。そしてフッと笑い出す。
「あんた、変わってんな」
「?そうか?」
 目の前の半裸を愛する男の方がよっぽど変わっているのでは無いかと思いながら三成は呟いた。

「いいぜ、教えてやる。その代わりといっちゃあなんだが…あんたのことも教えてくれよ」
「私の事など知ってもおもしろみが無いぞ」
「いいんだよ。俺が知りたいだけだから」
 そう言って長曾我部はまた笑う。子供のような屈託の無い笑み。

 そこで思い出した。初めて会ったときのこの男は、憎悪に塗れた顔をしていたことを。

 知りたい。全部、知りたい。

 その明るい面も、その裏に隠した思いも全部、知りたい。

 私は、長曾我部元親という存在を、知りたい。

 

 生まれて初めて感じる好奇心の正体を、三成が知るのはずっとあとのこと。



「長曾我部えええええ!!着物を着ろ!!なんだそれは…最早半裸を通り越して全裸では無いか!!」
「…いやだって暑いんだよ」
「いいから服をきろおおおおお!!無駄に晒すな!!」



 長曾我部が自分を暑がりと評した事は嘘では無く、むしろ真夏は全裸に近い格好で過ごす事を知って絶叫するのは、割とすぐ後の事だった。


 















○オチはない
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
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