がんかたうるふ 「輪舞~真~」参章 立春の刻 ~家康~ その4 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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書き終わり、そしてこの章も終わりです。

後半も短いから今日中にアップしたい。
体調がよくなってきたので、気合い入れるよ!

多分20:30くらいから一人チャットしながら続き書いてる……乱入見学歓迎はいつものことです。

追記~チャット終わりました。楽しかったです、参加してくれた方ありがとうございました!



 *****
 目を覚まして最初に感じたのは、背中の痛みだった。
 何かに強く打ち付けた時のような鈍く重い激痛に耐えながら身体を起こすと、次に違和感を感じたのは左の頬だった。
 すごく火照っているというか、触ってみると異常に腫れている。
 さて自分は何をしてこんなことになったのか、そう思いながら今の状況を確認するために暗い室内を手でまさぐっていると。
「…………なんだ?」
 自分のすぐ隣、いや自分の戦装束の裾を掴んで誰かが眠っていた。
 眠っていたとはいえ他人の接近を許すとは、自分は相当疲れていたのだろう。どこの誰だかは知らないが、心地よさげな寝息をたてて眠っているのを起こすのは悪い。まずは裾を掴んでいる手を離してもらい、自分はどこか別な場所へ行こう。
 そう思いながらその人物の方へと手を動かすと、指の周囲を滑っていったのは触り慣れている触り心地の良い糸のようなもの。纏まりやすくあまり癖のつかない触り慣れた感触を、家康はどれだけ時間が経とうとも忘れることはない。

 そして、彼の前髪に触れる瞬間を楽しみにしていたことも。

 自分の隣で何故彼が眠っているのか、彼と自分の間で行われた戦いの決着はどうなったのか。
 記憶を順にたどり思い出そうとするが、それは肝心な所で途絶えてしまっていた。
自分より手足の長い三成の拳を左頬に受け、しかし腕力で勝る家康はそれでも踏み込み三成を吹き飛ばし勝利を得た。咄嗟に身体を反らし家康の打撃の威力を減じさせた三成は、地面に叩きつけられたというのに平気な顔で立ち上がり。
 何かあっては困るから自分が背負って送っていくと主張した所までは覚えている。
 だがそこからの記憶が全く存在しなかったし、ここがどこだかすらわからない。板張りの床や戸板の隙間から吹き込む風が焦げた匂いを運んでくることから考えると、ここはまだ雑賀の郷なのだろう。
 戸板が風に煽られかたかたと鳴る中、三成の寝息は家康の耳に心地よい音として響く。三成が生きて自分の側にいる、それだけでも十分幸せだというのに彼はこうも言ってくれたのだ。
 何も考えず、ただ自分を信じろ。
 誤って三成を殺してしまうのでは、その思いに囚われて思うがままに動けなくなっていた家康をその言葉は解放してくれた。今の三成は死を望んでいない、自分を愛し共に生きてくれようとしてくれる。
 だから何があろうとも、三成は死なない。
 それがわかれば家康にもう怖いものは何もなかった。ただ前を向いて進んでいこうとしている彼に、家康も負けるわけにはいかない。
「…………三成……」
 愛おしさを込めて彼の名をそっと呼ぶと、間髪入れずにその名の持ち主が声を返してきた。
「なんだ?」
「ね、眠ってなかったのか?」
「貴様が起き上がったのでな、それで目が覚めた」
「そうか……」
 暗い闇の中で三成の身体がもぞもぞと動き、だるそうに身体を起こし始める。
 そのまま家康の側にいてくれるのかと思ったのだが、彼には何か思う所があったらしい。すたすたと目的の場所まで歩いて行くと、大きな音を立てて何かを動かし始め。
 部屋の中に鮮やかな月の光を招き入れたのだった。
 横になる時に服を少し緩めたのか、いつもよりも胸元が大きく開かれ天の光を吸い込んだような色合いの肌を惜しげもなく晒している。
「こう暗くては貴様の顔が見えん」
「寒くないのか?」
「開けたのは上だけだ、孫市が暗ければそうしろと言っていた」
「一つ聞くが……儂は何故ここにいるのだ? 三成が起き上がってからのことを、儂は何も覚えていないのだ」
 この部屋の戸板には、上に小さな明かり取り口があったらしい。
 そこを開いて光を室内に差し込ませた三成は家康の側へと戻ってくると、すぐ触れることができる位置に子どものように膝を投げ出して腰を下ろし。
 家康の顔を、いや腫れている左頬と額をじっくりと観察する。
「……思ったよりも腫れていないな」
「三成がうまく手加減してくれたからだろう」
「私が手加減すると思うか? 貴様の面の皮が無駄に厚いだけだ」
 こともなげにそう言い放った三成の伸ばした手が、家康の傷口にそっと触れてくる。
 共に出陣した戦で手の傷を手当てしてくれた時も、三成は細く長い指で優しく軟膏をすり込んでくれた。自分の敗戦に納得がいっていないのか、口では文句を言っているが彼の指はあの時のまま。
 傷を負った自分を案じ、そうすれば傷が癒えると思っているかのように何度も乾き引き攣れた傷口を撫で続ける。
「…………貴様は、私を背負って帰ると言い出したのはいいが、いきなりその場で倒れた」
「そうか……そういえば少し血が足りなかったかもしれないな」
「あの場で寝かせておいてもよかったのだが凍ってしまっても面倒だったのでな……だから私が貴様を引きずってここまで連れてきてやったのだ、ありがたく思え」
 背中の痛みの理由がなんとなく判明した。
 きっと三成のことだ、倒れた家康の首根っこをひっつかんで石の上だろうが大きく隆起していようが気にせずに運んだのだろう。気持ちはありがたいのだが、しばらくの間家康は背中の痛みに悩まされることになるだろう。
 だがそれも三成が生きて自分の側にいてくれる、その喜びに比べれば些細なこと。
 今後どれだけの苦しみを味わうのかはわからないが、家康は三成にもう一度出会うための代価をもう払ってしまっている。未だなんなのかわからぬそれに怯えていないと言えば嘘になるが、後悔だけはなにがあってもすることはないだろう。
 三成と生きるためにもう一度やり直すことができる、それ以上の僥倖があるわけがないのだから。
「三成は怪我をしていないか?」
「貴様に打たれた所は痣になるだろうが……もう色が変わり始めているな」
「か、確認は後でもいいのではないか!?」
「これは貴様が私に刻みつけた傷だ、貴様にも見る義務がある」
「だがな……三成の肌を見ていると儂はどうも……気恥ずかしいというか」
「昔は何度も共に水浴びをしただろう」
「あの頃はまだ、三成のことをそういう意味で好いてると思ってはいなかった」
 自分が彼を性的な欲望混じりの目で見ていることを知ってから、彼の肌を見るような行為は慎むことにしていた。ただ身体を寄せ合い眠ることができるだけで満足だったし、内にある欲望を解き放てば三成をどうしてしまうかわからなかった。
 だから誰に何を言われても、どれだけ煽られても。
 聞こえないふり、もしくはわからないふりをして通してきたのだが。目の前で肌に浮き上がり始めている青黒い痣、それを見せつけるかのように袷を開いて肌を晒す三成の姿に。
 忍耐力には定評がある家康も、限界を迎え始めていた。
「……三成」
「どうした?」
「まさか儂以外の男にもこのように気安く肌を見せているわけではないだろうな」
「刑部や秀頼様とは共に風呂に入るが」
「儂も刑部や赤子には嫉妬せぬ……たとえば官兵衛とか……」
「真田とならば先日共に風呂に入ったが」
「さ、真田か……それならまあ……許してもよいが」
「何故私が貴様に許しを請わねばならぬ」
 額の傷を細かく検分しようと顔を近づけてきた三成の顔が、一気に強ばった。
 自分の思いは素直に吐き出す三成は、他者が思惑を隠してあれこれ行ってくることを何よりも嫌っていた。相手が家康であろうともそれが変わることはないし、家康だからこそ三成はそれを隠すことがない。
 彼にとって特別だからこそ、三成は憤りを全てぶつけてくる。
「私が誰と風呂に入ろうが、貴様には関係ない! 昔から貴様はそうだ、私が何かする度に余計な口を挟んでくる」
「儂以外の人間が三成の肌もあらわな姿を見るのは嫌だ……」
「貴様は子どもか!」
「だが儂だってこの頃見ていないのだぞ? 三成が誰かに儂が触れたくてたまらぬ身体を見せているかと思うと儂は……」
 本音が漏れまくっているのはわかっているが、もう押さえ込むことはできなかった。
 しかし色恋沙汰では豊臣軍という大所帯で色々なことを見聞きしていた三成の方が、詳しかったらしい。
「私が欲しければ手に入れればいい。貴様は私に勝った、勝者は敗者を好きにしてもいいのだ。抱きたいのならさっさと抱け」
「先走りすぎにも程があるぞ!」
「だが貴様は私が誰かに肌を晒すことを許せないのだろう?」
「ま……まあ、それは……」
「ならば今貴様の物にすればいい。安心しろ、心の準備はこれからする」

ただし、知識と経験がおもいっきり乖離しているのが三成。

 口では威勢のいいことを言いながらも、これからどうしていいのかわからずに首を傾げながら自分の胸元に手をやっているのだから始末が悪い。言葉と態度で誘ってくるくせに、本人は心の準備はこれからと顔に困惑を滲ませながら言うのだ。
 互いに思いは通じ合ったし、心の内にわだかまりも一気に溶け始めている。
 ここで一気に事に及んでしまっても家康としては望む所なのだが、三成の身体だけを一気にもらってしまっても意味がない。二人で生きていくと決めたのだ、ならば時間はたくさんあるのだから焦ることはない。
 それに孫一と三成の戦いを経た家康の身体は、思いっきり疲れ果てていた。
 この状態では三成の身体を堪能し尽くすことができないし、なによりも途中で倒れてしまう可能性が高い。三成は家康が望めば大人しく組み敷かれてくれるし、家康の全てをその身体で飲み込もうとしてくれるはず。
 だがそれはもう少し後の楽しみとして、今は別なものを与え、そしてもらっておこう。
「ならば三成……儂の言葉を聞いてくれるか?」
「貴様の話だと?」
「今まで一度も三成に正式な求愛をしたことがなかったと思ってな」
「…………………………」
「儂はこの世に生きる何者よりも……三成、お前のことを愛している。今後儂らには様々な苦境が訪れることだろう。だが儂を信じてくれ……今はお前と敵対する立場になるが、必ず……儂はお前を迎えに行く」
「…………貴様を……信じてもいいのか……?」
「ああ、儂は天下もお前も手に入れると決めた。だから誓おう、儂の御霊が果つるまでお前を愛し続けると」


 与えたかったのは彼への愛を誓う言葉。


「貴様がそう言うのなら、私も貴様に返さねばならないな」
「三成……」
「貴様が御霊が果てるまで私を愛し続けるというのなら、私は輪廻の果てまでも愛し続けることを誓おう。たとえ死しても私は貴様を求め続け、出会うために生まれ変わり続けよう」
「随分と……壮大な約束をしてくれるのだな」
「大言壮語かもしれない、だが私は一度誓ったことを破ることはない」
「…………知っている」


 欲しかったのは彼の誓い。


 外から差し込む光は、いつの間にか強さを増し始めていた。
 月の光のような暖かみと冷たさを同時に内包した淡い光ではなく、全ての闇を吹き飛ばす強さを持った昼の光。登り始めた太陽が闇を押し上げ、月の光を消し去ろうとしている東雲の時に。
 日の光のような明るさと強さを持つと言われる男と、月の光のような鋭さと儚さを体現していると評される男は。
「少し……気恥ずかしいことを言ってしまったな」
「私は少しだが安堵した。貴様の今の言葉を思い出せば、私は戦い抜くことができる」
 手を重ね合い、身体をどちらからともなく近づけ。


 そっと、触れるだけの口づけをかわした。


 互いに微笑みあい、目には互いへの愛情と信頼を滲ませ。
 唇を離した瞬間に同時に大きく息を吐いた二人は、同じ瞬間に先程の戦いでの疲れも感じたのだろう。
 目だけで語り合うとそのまま身体を横に倒し、身体を寄せ合いながら眠りにつくことにした。















「そうして貴様はそう聞き分けがないのだ!」
「儂がいれば元親相手に話が円滑に進むぞ! お得だと思わんか? いや、思ってくれ!」
「何故敵対している私と貴様が共に長宗我部を訪問しなければならないのだ!」
「せっかく会えたのだぞ、儂はもう少し一緒にいたい!」
「昨夜の貴様はどこへ行ったのだ、私は駄々っ子を愛した覚えはない!」
「駄々っ子ではない、儂の希望を口にしているだけだ!」
「貴様の希望を聞く気はない、さっさと離せ!」
 周囲の人間に笑われているにもかかわらず、必死に三成の足にしがみつく。
 眠っている時は自分の身体に腕を絡ませ自ら身体をすり寄せてきたというのに、目が覚めた三成が最初に口にしたのは。

 長宗我部の所に向かうために郷を発つ。

 という、非常にあっさりとした別れの宣言であった。
 あの朝と夜の境目で唇を触れあわせた時のしおらしさはどこへいったとか、眠っている時の甘えっぷりななんだったとか。もう言いたいことは色々あるのだが、まずはやらなければならないのは出立している三成を引きとどめること。
逃げた女房に復縁を迫る亭主のようだ。
 そう言って笑い続ける孫一にどう思われようとも気にしている余裕はない。さっさと旅支度をすませ、同行してきた官兵衛の部下たちと共に里を出ようとしている三成の足に体当たりする勢いでしがみつけたのは運が良かったのだ。
 今別れれば、次にいつ会えるかわからない。
 官兵衛は以前すぐに会わせてやると言っていたが、彼の話してくれた今後の流れと今の状況を照らし合わせると次に会えるのはどう考えてもまだまだ先。三成が長宗我部元親の元から大阪城へと戻り、いくつかの交渉をすませた後になってしまう。
 気持ちが通じ合ったのに、そんなに待てるわけがないだろうに。
 同行できぬのならばせめて、あと一日でも三成が出立を延ばしてくれれば。体格のいい男に足にしがみつかれれば、普通ならば恥ずかしさのあまり考えを変えるはず。
 たとえ三成は普通の考え方をしないとしても、周囲の人間が自分を哀れんでくれるかもしれない。
 そんな後ろ暗い計算をしながら、力尽くで引きはがそうとする三成に抗していた家康だったが。この寒さだというのに肌をあらわにした服装で、三成に近づいてきた人間がいた。
 一晩だけの客人を見送りに来た、雑賀孫一である。
「石田、耳を貸せ。いいことを教えてやる」
「いいことだと?」
「そうだ……お前は素直でいい」
 孫一の唇が自分の耳に近づいていくのを三成は止めようとしなかった。
 口では厳しいことを言う割には、三成は年長者や力がある者の言葉は素直に受け入れる。そういうところを気に入る人間は三成のことを身内のように慈しんでくれるのだが、家康はそれが面白くなかった。
 三成が愛されているのは嬉しいが、彼の目線が自分以外に向くのは寂しい。
 我ながら心の狭い人間だとは思うが、家康にこんな思いを抱かせるのは三成だけ。張りのある綺麗な筋肉に覆われた足に頬ずりし、その感触を堪能しながら孫一が三成に囁いている言葉を聞こうとするが。
 そこは孫一も考えたのだろう、三成の耳の上の髪に唇を埋めて目だけを家康に向けてきた。
 悔しいか?
 そう言いたげにこちらに目線を向ける孫一だったが、言いたいことは全て伝えたのだろう。身体を離す前に意味ありげに三成の肩をぽんと叩くと、素直に身体を離していった。
 家康に何か含む所があるのか、去り際に家康の腿を踏んでいくことは忘れなかったが。
「…………孫一……」
「ああ、気がつかなかった」
「絶対に気がついてただろう……」
 恨みがましげな目線を向けてはみるが、離れゆく孫一はこちらを見ようともしない。かわりに家康に降ってきたのは、かなり棒読み口調の三成の声であった。
 肩越しに手を振りながら遠ざかっていく孫一は、一体三成に何を教えたのだろうか。
「……き、貴様が私から離れないというのなら、私にも考えがある」
「孫一にそう言えと言われたのか?」
「そ、そうだ!」
「どのような考えがあるんだ?」
 孫一に何を言われたのかが気になったので素直に聞いてみると、ほんのわずかだけ躊躇した様子を見せた三成だったが。
 何かを決意したかのように、家康の頭を唐突に掴んだ。
「なにをするのだ!?」
「大人しくしていろ!」
「わ、わかった……」
 指先が震えるほどの力を込めて掴まれると、正直ものすごく痛い。
 だが三成は家康に足を掴まれたまま不自然に腰を落としているし、頭を持ち上げられて無理矢理顔を上げさせられた状態で見た三成の顔は。

 これ以上ないほどに赤く染まっていた。

 何を言われたらこんなに照れるのだろうか。
 前髪をいじりながら周囲で見つめている人間を気にするかのように、辺りを何度も見回し。小さく息をのみ意を決したかのように一度頷くと、そのまま。
 家康の額の傷に唇を触れさせ、痛みを吸い取るかのようにほのかに濡れた唇で傷口を軽く食んだ。
 柔らかい暖かさが傷口を包み、舌がちろりと舐めあげてくる。
「な……なぁぁぁぁぁっ!?」
「離れないというのなら、衆人環視の前でこれ以上のことをするぞ!」
「いや、儂……これは結構嬉しいのだが」
「なんだと!? 孫一め……私を騙したのか?」
 ぱっと唇を離した三成に向けて微笑みかけると、顔をそらして拒否している風を装う三成の目だけが自分を見ようとしていた。
 彼も別れを惜しんでいる。
 そうでなければ人に言われたからといって、あの三成がこんなことをしてくれるわけがないのだ。起こっているように見せても、彼も自分と別れたくないと思っている。
 それがわかっただけでも、今日は十分ということにしよう
 三成を困らせたくないし、それに家康は官兵衛の言葉を信じている。彼は必ず三成と会わせてくれるし、三成を幸せにするためにどのような手でも使うはず。
 自分の幸せを考えずに。
 官兵衛の三成への思いを知っているからこそ、常に三成の側にいる彼に嫉妬と引け目を感じずにはいられない。できることなら官兵衛にとっても幸せな道を探したい所だが、家康はなんとなくだが感じていることがあった。

 もしかしたら官兵衛は、自分のわからぬ『幸せ』を見つけてしまっているのでは。

 自分が欲する三成の愛情とは違う形で、官兵衛は満たされ始めている。
 家康としてはこうやって三成の形のいい細い足にしがみついたり、感触を楽しんだりする方が幸せなのだが。彼にどんな心境の変化があり、どのように変わっていこうとしているのか。
 今度官兵衛に会う機会があったら聞いてみよう。
そう思いながら三成の足を抱きしめていた手を緩め、彼を解放してやる。
「どんな心境の変化だ?」
「今のでしばらく生きていけそうなのでな、ついていくのはまた今度にすることにした!」
「貴様の言葉は相変わらず訳がわからない……」
「儂が三成を愛しすぎているだけだ、気にするな」
「私としては離してくれればそれでいい。どうせ貴様とは今後一生つきあっていくことになるのだ……」

 わずかの間会わぬからといって、何かが変わるわけではない。

 ごく当たり前のことを言うかのように。
 そう言いながら自分を待つ男たちの元へと、三成は歩いて行く。こちらを振り返ることなく、立ち上がった家康の視線を背で受けながら。
 悠然と、男たちの必要以上に輝く笑顔を困り顔で受け止め。
「……家康、また会おう」
 そう最後に言い残すと彼は、山間に伸びていく街道へと向けてゆっくりと。




 しかし確実な足取りで、長宗我部領へと向かっていった。









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次はアニキとオクラ……そして話が一気に動き始めます。
ここからが~真~の本番になる……はず、頑張る頑張る~!

偽のラストの書き下ろしと、ようやく話が繋がった……

BGM「Love song」
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[441] [440] [439] [438] [437] [436] [435] [434] [433] [432] [431]
色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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