がんかたうるふ ぷちばさ! 豊臣家遠征編 おわり 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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これで一段落なはずです。



 *****
「みいいいいいいいい!!」
竹千代の襲撃により頭の葉っぱを食べられ、そのまま倒れてしまったちびこじゅを前にちび政宗の叫びが周囲に木霊する。
そして竹千代を認識するや否や、日頃の気弱な様子はどこへやら、勢いよく睨み付ける。
「竹千代!!…この、大馬鹿者があああああ!!」
ちびこじゅを抱えたまま三成も吠える。
そして佐吉も「竹千代 残滅」と瞬く間に書き上げる。

頭の葉っぱを食べられてしまったちびこじゅはあれからぴくりとも動かない。
黒目がちな瞳は閉じられてしまい、その表情は伺えない。
まさか死んでしまったのではないかという不吉な思いが三成の胸をよぎる。



「きゅっきゅきゅ~♪」
そして、全ての元凶でありながら何も気づかないのか、もしゃもしゃと葉っぱを咀嚼する音だけが響く。

誰にも収拾が付けられない空気が漂い始めていた。




最初に動いたのは意外にも佐吉だった。
彼は素早く、的確に動くと竹千代の背後より一閃を試みるかのように刀を振りかぶる。
「きゅきゅ!?」
しかしそれは竹千代に気づかれ、不発に終わる。
竹千代にしてみれば大好きな佐吉から何故こんな目に!?と思ったのか、ようやく慌てふためいた様子を見せる。
そして、ようやく自分の周囲を取り囲むものに気がついたらしい。
「みぃぃぃぃ…」
黒雲からではなく、何故か自身の体に雷を纏わせ、竹千代にとってはいつか会ったちび竜。
「佐吉、落ち着け!!竹千代!!貴様もだ!!よそ様のちびを殺す気か!?」
何かを抱きかかえながら、竹千代の知ってる怒り方とは異なる怒りを見せる三成。
(でも一番怖いのは半兵衛だ)
「竹千代 再残滅」
刀を構え直し竹千代に対して冷たい視線を浴びせかける、竹千代が大大好きな佐吉。
「きゅきゅ~!?!?」
お腹が減っていたから目の前の野菜を食べただけ、という認識しか無かった竹千代にとっては、何故ここまで怒られるかわからない、というのが本音だろう。
その認識も正しいとは言えないものなのだが…。



「みぃぃぃぃ!!」
「きゅ~!?」
ちび政宗から放たれ、襲い来る雷とその合間を縫っての剣さばきを見せる佐吉。
さすがの竹千代も二匹からの攻撃に逃げるしか術がない。
逃げる狸と追うは竜と狐のちびという不思議な図が三成の目の前で繰り返されていた。
「落ち着けと言ってるだろう!!佐吉!!ちび政宗も!!」
そうして、そこまで言ったところで三成は腕の中のちびこじゅがもぞもぞと動き始めた事に気がついた。
「…………」
「…無事か!!」
もぞもぞとしていたちびこじゅはゆっくりと目を開ける。
だが、その様子は何かが違った。
「………」

いつも以上に、目がどんよりとしていた。
心なしか目が赤黒くなっている、はっきり言って怖い。


「…おい、貴様…どうした」
「………」
三成の問いかけにも答えず、ちびこじゅは三成の腕から抜け出るとゆらり、ゆらりとおぼつかないまま歩き始める。
(葉っぱを無くしたことでバランスが悪くなったように見えるのは三成だけではないだろう)
そして、視界の端に竹千代を捉えると、ニヤリと普段のちびこじゅには似つかわしくない笑顔を見せる。
言葉はなく、竹千代に対して指をさした。
すると、周囲にあった木々がまるで持っいたかのように動き出す。
そして、それらは迷い無く竹千代を狙って追い始めた。
「なんだ…これは…!?」

これは、何だ。

竹千代のものとも、佐吉のものとも違う、いや異なる能力。
よく見ると動き出す木々は増えており、それぞれが個々の意思を持ったかのように動き始めている。
対してちびこじゅはゆらりとした動きと不敵な笑みを浮かべたまま動かない。
いつものちびこじゅではない、これではまるで別人のようではないか!!
困惑する三成を前にちびこじゅは、屈託無く、また笑って見せた。
「めぇ?」




「きゅ~きゅ~きゅ~!!!…きゅ…?きゅー!!!!」
雷と剣から逃げ続けていた竹千代はふと自分に忍び寄る何かに気がついた。
普通であれば動くはずのない何かが大群となって追ってきている。
「…み?」
「植物妖怪参戦?」
一方追い続けていたちび政宗と佐吉も木々の存在に気がついたようで双方顔を見合わせる。
どういう訳か二匹を多いかけるつもりは一切ないようで、木の大群は竹千代のみを狙っていた。
「きゅっきゅっ~!!!」
まるで手足が生えたかのように自由自在に動きまわる、本来ならばあり得ない、木。
よく見るとどこから来たのか野生の動物までも加わり始めてしまった。
なんだかんだ言って箱入りで育った竹千代もこれにはたまげているようで目を白黒させている。
「みぃ!?」
「竹千代大惨事」
これには二匹も驚いたのか再び顔を見合わせる。
そしてちび政宗と佐吉は慌てふためく三成と彼の前でフラフラとたたずむちびこじゅを発見した。
ちびこじゅを認識するや否やちび政宗と佐吉は駆け出す。
「みぃぃぃぃぃ!!」
そしてちび政宗は喜びのままに抱きついた。
『野菜妖怪 祝再生』
佐吉は佐吉で喜んでおり三成の目の前でくるくる踊っている。
そして肝心のちびこじゅはというと

「……めぇ?」
と一言呟くと目を閉じ、そのまま倒れ込んでしまった。
「みぃぃぃぃ!?」
「…眠っただけのようだな」
傍から見てもわかるような勢いで眠り始めてしまったちびこじゅは、再び三成に抱えられる形で抱き上げられる。
眠っただけとわかったとたんに、ちび政宗は安堵の吐息を漏らす。
それは佐吉もどうようだったようでちび政宗の頭を撫でてやっている。
「…あとはお前だな、竹千代」
「…きゅっ!?」
こっそりとその場から逃げだそうとしていた竹千代は、そんなに上手いこと行くわけもなく、あっさりと三成に捕まってしまう。
「お前がなにを、どうやったのか、半兵衛様も交えてじっくり話してもらうからな」
「…きゅっきゅ~」
首根っこを捕まれて力なく項垂れる竹千代に対して佐吉は一筆を掲げて見せる。
『竹千代 自業自得』と。
不思議な事に畑は先ほどの光景が嘘のように静まりかえっていた。
まるで最初からそんな事など無かったかのように。






「…竹千代くんは、そんなに僕を、みんなを怒らせたいのかな?」
「きゅっきゅ~」
「そこ!言い訳しない!!大体なんだい?君は今回謝罪しにきたんだよ!
なのに君と来たら金柑は盗み食いするし、こじゅくんに怪我させるし…おまけに僕の特製の籠から抜け出すし…
もう知りません!!竹千代くんみたいな子はうちの子じゃありません!!」
「きゅ!?!?きゅ~!!」
「それは困るって?…ならどんなお仕置きでも受けてくれるのかな?」
「……きゅ~!!」
「ふふふ…物分りのいい子は好きだよ。じゃあとりあえず帰りの籠で色々試してもらおうかなぁ…」
「きゅ~!!」
伊達家の一室でぐるぐるに簀巻きにされた竹千代を相手に半兵衛は淡々と説教していた。
(簀巻きはさすがに…3人は止めたが、「じゃないとまた逃げちゃうよ?」の声で黙ったのは言うまでもない。)



「めぇめぇ」
「みぃ~」
『野菜妖怪祝葉再生』
竹千代と半兵衛のやりとりを見守る三成の傍らではちび3人が仲良く団子になって遊んでいた。
あの後、三成に抱えられるまま爆睡してしまったちびこじゅの頭からは瞬く間に葉が生えてきており、あっというまに再生してしまったのだ。
これには三成も驚いた。
騒ぎを聞きつけてやってきた政宗、小十郎そして半兵衛はその状態を見てなんとなくだが全てを察したらしい。
「そうか…やっぱりこじゅくんの葉っぱは食べちゃだめなのかぁ…良かった味噌汁に入れなくて」
「ひとんちのちびを一部とはいえ食うな!!…で今回の被害はどれだけだ?」
「……金柑のみと言う事は…前回ほどの被害ではござりませぬな」
最後の一言で三成は本当に心の底から申し訳ないと、初めて思った。



「おい、貴様」
「め?」
佐吉とちび政宗がお互いの尻尾と角に夢中になって遊んでいる最中、三成はちびこじゅに問いかけた。
「倒れた後の事を覚えているか?」
「…めぇ」
ぶんぶんと勢いよく横にふる。
どうやら恐ろしい勢いで木々を操っていた記憶は今のちびこじゅには全く無いらしい。
『疲労困憊』
ゆっくりとそうしたためた書を三成に掲げる。
「疲れたので、もうやらない、と。…そういう事か?」
「めぇ」
今度は縦に頷いた。
無意識下での行動ではあったものの肉体への疲労は確かに蓄積されていたらしい。
そうして頭の葉っぱはちびこじゅにとって精神の安定作用に関係する、とても大事なことなのかもしれないと、ふと三成は思い至った。
葉が無い時のちびこじゅを思い出す。
いつも以上に虚ろな目、ふらふらした足取り、どこからどう見ても怖かった。
最も葉っぱがなくなることなどまずないのだろうが。
今回は竹千代が大根のはっぱと間違えて食べてしまっただけなので日頃はまずありえない事態だろう。
そして、ちび政宗の存在がいなかったらちびこじゅはどうなっていたのだろう。
あのまま葉っぱが元に戻ることが無いままちびではないような別な生き物になっていのかもしれない。
ちび政宗だったからちびこじゅが元に戻ることが出来たのかどうかは分からない。
だけれども、この二匹はお互いがお互いを確かに必要としているからここにいるのであろう。
佐吉と竹千代のように。
必要とされたから、確かにここにいるのだ。

「そうだな…貴様はそのままでいい。…いやそのままでいろ」
「めぇ」
いつもと変わらぬ、黒目がちな瞳のままにちびこじゅは笑った。







数日後、大阪に戻ろうとする一行の前で奇怪な行動が繰り広げられていた。

「めぇぇぇぇぇ~」
「みぃぃぃぃぃ~」
ズンドコズンドコと謎のリズムに合わせて二匹のちびが踊る。
そしてそれを呆れた様子で見守る二人の人間、政宗と小十郎。
「…で、政宗くんとこじゅくんは何をしてくれてるのかな?」
「…あんたらが無事に大阪まで着けるよう、お祈りだとさ」
踊る必然性が毎度わかんねーんだけど。
と政宗は呟く。
そんな様子など意に介した様子もなく、二匹のちびはなにかをやりとげたかのような満足げな表情を見せる。
そしてトトトトと半兵衛や三成の前に行くと小さな籠を手渡す。
「?なんだい、これは?」
「めぇ」
「お土産?僕らにかい?」
「みぃ」
「ははっ、かえって気を使わせちゃったね、ありがとう」
半兵衛に頭を撫でられてちび二匹は楽しそうに笑う。
一方の佐吉は三成の背中にへばりついたまま降りようとしない。
その表情は不服そうにぷっくりと頬を膨らましている。
『不服 長期滞在希望』
「…お前一人ではどうにも出来ないだろう。半兵衛様にも私にも、大阪には帰らなければならない事情がある」
今回の数日の滞在の予定を捻出するだけでも大変だったのだ。これ以上の滞在など許されない。
「めぇめぇ」
「みー」
そんな三成の足元から二匹のちびが顔を見せる。
すると佐吉に向けて半兵衛や三成に渡したものよりやや大きい籠を差し出した。
「めー」「みー」
『文通希望野菜妖怪角妖怪再会希望』
そして佐吉はしたためた書を渡すと反対に籠を受け取った。
「…きゅ~きゅ~」
「はははははは、もう竹千代くんったら何を言ってるんだい?
あんなことやらかしたんだからこれ以上顔を出せるわけないじゃないか~
さて帰ったらまた、彼の手伝いでも頼もうかな~」
「きゅ~!!!!」
何故か油のにおいがする箱の中から悲痛な竹千代の声が聞こえてくる。
だが、これまでにやらかしたことがやらかしたことだったので、あまり同情する人間はいなかった。

「さて、そろそろ失礼しようかな。いや~田舎とか言って馬鹿にして悪かったね奥州、とても楽しかったよ!!また来ようかな!!」
「来るな、いえ、あの狸はもう連れてこないでいいです。いや本当にあいつはもう来ないでいいから!!」
半兵衛と政宗の間で微妙な空気が流れながらも別れの挨拶は恙無く終わった。





「そういえば、ちびこじゅ達は一体何を渡したんだ?」
「めぇめぇ」
「みー」
「…お前達、本当にあれ好きだよな…」




渡されたお土産の中身が季節はずれの金柑であり、その理由を知った半兵衛が「やっぱこっそり持って帰ってくれば良かった…」と呟いたり、
「あそんでくれてありがとう」と書かれた手紙を目にした佐吉が大泣きしたり、
ちゃっかり自分のお土産としてもらった金柑を竹千代があっという間に食べつくしたり、
そういえば、ちびこじゅが暴れた詳細を言い忘れたな、と三成が思うのは、もう少しだけ、後の話である。









○一応これでぷちばさ2に収録分は終了予定です。
余力があったらもう少し書きますけども。
竹千代は嫌いじゃないんですが、扱いづらいことこの上ないので不憫な扱いになります。
ごめんよ…。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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