がんかたうるふ 毛長新婚生活~あらしをよぶままごと編~ 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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みっしさんがウエディング企画をやっているらしいので、支援の意味を込めて。

毛長新婚生活なのに、ちょっと家親です……ええ。



あ、それと通販ですがこちらからの追跡番号確認では全て発送完了となっております。まだ未到着の方はご連絡をお願いします。
個人情報削除は、それを確認後に来週頭に行う予定です。

(書いた人 うずみ)






 *****
 
 
 
 
 その日の元親は、いつもより遙かに遅く起きた。
 仕事の調子が良すぎて手が止まらなくなったので、眠ったのは家康が学校に行った後。家族揃ってご飯を食べることができたのは良かったが、彼らにとっては朝食でも元親にとっては入眠前の夜食なのだ。
 家康の笑顔を見ることができるのは嬉しいが、ひきかえに胃がもたれるのはこの年になると正直厳しい。
 そろそろ三十台の入り口が見えてきた元親は、徹夜が厳しくなり始めている。睡眠時間を削ると数日間体調が悪くなるし、休みに日に家康や三成ををどこかに連れて行けば次の日は疲れが抜けないのだ。
 それが数日後に出るようになると老化の始まりと毛利は笑うが、元親と彼は同じ年なのだ。
 彼だって近づきつつある老化という現実と向き合っているはずなのに、あの古書店の主人は毎日元気いっぱいだった。今日も知り合いの所に本を届けてくるので帰りは夕方になるかもしれないと言いながら出かけた彼は、元親の昼食をちゃんと作っていってくれた。
 挽肉とレタスの入ったチャーハンと、春雨と大豆のサラダ。
 おまけにデザートとしてバナナまで置いていってくれたのだ、自分の『夫』はどれだけ気が利く男なのか。しっかりと火の通った米粒がぱらぱらしたチャーハンを、まだ眠気の抜けぬままもそもそと食べ続けていると。
「今帰った! 元就……いないのか……?」
 下の階から、大きな声が響いてきた。
 自分はどうやら家康が帰ってくる時間に目覚めてしまったようだ。いつもならばしっかりと目が覚めてシャワーを浴びてから家康を出迎えるのだが、今日はパジャマ代わりのジャージ上下姿のまま大事な息子と対面することになるらしい。
 話すことができるようになった家康は、毎日大きな声で自分の帰宅を家族に教えようとする。話す時は大きな声で、動く時はいつでも大きな音を立てて。今まで出せなかった音で自分を伝えようとする家康の姿はいじらしくもあり、うるさくもあり。
 苦笑いしながらも彼を受け入れている毛利と元親ではあったが、そんな家康が二人の潤滑油として機能しているのも事実。
 昔の人間は、子は鎹なんて愉快な言葉をよく考えたものだ。
「ただいま、元就はどうしたのだ?」
「本届けに行ったぜ……あいつになんか用か?」
「元就に聞いてみたいことがあったのだが……いないのならあとで聞くことにしよう」
「俺じゃ駄目なことなのか?」
 軽快な音を立てて階段を上ってきた家康は、ランドセルを置いてから元親の隣に座る。そして元親のデザートであるバナナを普通に食べ始めた。
 育ち盛りの食欲を押し止めることはできない、それが家康との生活で元親が最初に学んだこと。
 ちょっとだけ楽しみにしていたバナナを諦め、元親は家康の話をチャーハンを咀嚼しながら聞いていた。自分ではなくて毛利に相談したいこととはなんなのだろう、そんなことを考えながらバナナにかぶりつく家康を見ていると。
 つんつん頭を揺らしながら、とんでもないことを言い出した。
「儂では三成と結婚してもいい夫になれぬと言われたのだ」
「……あぁ!?」
「いい夫にならねば、三成のような……たかしの花にはすぐ逃げられてしまうらしいのだ! だから儂は元就に良い夫になるには何をすればいいのかを聞こうと思って……」
「ちょっと待て、たかしの花ってなんだ?」
「松永が三成のことをそう言っていたのだ」
「……あのおっさん……ろくでもないことばかり教えやがる……」
 この商店街の人間関係について詳しくなるにつれ、元親の松永に対する好感度は日々下がり続けていた。
 最初は毛利が毛嫌いするほど悪い人間でもないだろうと思っていた。好色なのも、愛人がたくさんいるのも男の甲斐性だと、その時はそう考えていたのだが。
 あの男の毛利に対する態度は何かおかしい。
 それに気がついたのと、三成から聞いた昔の松永と毛利の親密ぶりを総合して、元親はある結論に至ることとなった。
 
 
 あの二人は昔つきあってた。
 
 
 別に毛利を責めるつもりはないし、昔の火遊びを許せぬほど元親は狭量な男ではない。
 むしろ器量よしで経済観念がしっかりしていて男前な毛利が、自分との思い出だけ追いかけて恋人がいない方がおかしいと思っていたのだ。相手が松永という肉食系の極みな男だから腹が立ち、松永に苛立ちを感じてしまう。
 自分がもっと早く思い出していれば、そんなことをさせなかったのに。
  それを考えるだけで苛立ってしまうくらいに毛利に惚れてしまっている元親は、また松永への好感度が下がっていくのを感じながら手の甲で口を拭いながら家康に話しかけた。
 毛利がいたら行儀が悪いと怒られる行為だが、今は彼がいない。
「あのな、たかしの花じゃなくて、高嶺の花だ。高いところに生えていて、欲しくても手が届かない綺麗な花みたいな奴のことをそう言うんだよ」
「そうか、覚えておくぞ……しかし三成にぴったりな言葉だな!」
「高嶺の花の幼稚園児なんて聞いたことねえよ……」
「だが三成はふにふにして可愛いのだ! 幼稚園でも、もてもてなのだぞ」
「それはわかるけどな……まあ確かにあいつは放置しといたら、変な奴にかっさらわれそうではあるな。飴でも貰ったら、普通について行きそうだからな……」
「そうだろう、だから儂は焦っているのだ」
 つまり、まだ法律上結婚できない小学生が、法律上結婚できない幼稚園児を手に入れたくて焦っているというわけだ。
 確かに三成を狙っているライバルは多い。
 一番の敵は三成を自分好みに育てようとしている松永だし、生まれた時からの付き合いであるらしい幸村は三成と恋人同士のように常にぺたぺたとくっつきあっている。幼稚園内にも三成君のことが好きと公言する女の子はいるらしいので、新参者である家康が日々頑張っているのはわかる。
 だが、話が飛躍しすぎだ。
  結婚できる年齢になるまでにはまだまだ時間があるし、何より二人は男同士。まあ自分たちのように性別を超えて夫婦になってしまったのもいるし、松永の愛人の多彩ぶりを聞く度に家康をそれを理由に止める事ができなくなるわけだが。
 恋人になるまでの過程をすっ飛ばして、いきなり良い夫を目指す。
 なんか血縁上は彼の叔父に当たる自分の夫もそんな感じだったよなあと思いだし、腕を組んで家康をどう説得すべきか考える。毛利家の血縁は一度決めたことを絶対に曲げないし、自分ルールを押し通そうとするのだ。
 家康がその血を強く受け継いでいないことを祈りながら、小さくため息をついていると。
「よし、わかった! 一度練習してみればいいのだ!」
 バナナを食べ終わったらしい家康が両拳を握り、いきなりそんなことを宣言した。
「……れ……練習……だ……?」
「そうだ、良い夫になる練習をすればいいのだ。元就がゲームでポリゴンの嫁相手に旦那様と言わせているように」
「あいつ……今そんなゲームやってんのかよ……」
 しばらく彼がゲームをやっている姿を見ていないなと思ってはいたが、今度はそっちの方向にシフトしたのか。家康にきわどい場面を見せないよう配慮はしているだろうが、子供の情操教育には良くないので今度じっくり話をすべきだろう。
 ゲームとして楽しんでいるのはわかるが、子供の前でそんなゲームをするな。
 知りたくもなかった夫の一面を教えられ、もうこの場から脱走してしまいたくなっていた元親を尻目に、家康の話は続いていた。
「儂は三成のためにいい夫になるのだ、だから練習したい。元親……だから協力してくれ」
「協力って、なにすればいいんだよ」
「ままごとだ! 儂がお父さんで、元親がお母さん……そしてヒムホテップ7世は赤ちゃんだ」
「ヒムホテップ7世はそっとしておいてやってくれよ……」
 先日製品として発売された元親の最新作である、裸に包帯を巻いた偽エジプト王朝のマジカルプリンセスのフィギュア。テレビに置かれたそれを指さされると、原型制作者である元親は顔を赤らめで身悶えすることしかできないのだ。
 元親はすぐに隠したかったのだが、毛利はこれを大層気に入っている。
 それ故茶の間にほぼ裸のエロフィギュアが置かれるという羞恥プレイが実行されているわけだが、家康が寝た後で毛利が『貴様の作ったエロフィギュアが見ているぞ』と言いながら元親を押し倒してくるプレイの道具にもなっていたりもする。
 自分の子供のような、作ったフィギュアに見られながらおかしな事をするのは背徳感と同時に奇妙な興奮をもたらすので嫌いではない。しかしヒムホテップ7世が赤ちゃんだと、家康が自分たちの夫婦の時間を知っているような感覚に囚われてしまうというか。
 なので元親は折衷案を出すことにした。
「ままごとにはつきあってやってもいいけどよ……赤ちゃんは無しだ」
「ではこちらの役だけでなく役者も死んでしまったというキャロルちゃんを……」
「お前のチョイス、おかしすぎんだよ!」
 毛利が気に入ってるホラー映画のヒロインのフィギュアを抱っこし、赤ちゃん役にしようとする家康に突っ込みを入れつつ。元親は結構本気で将来の結婚生活をシュミレートしたいらしい家康を本気で危ぶみながら、可愛い子供の遊びに一応つきあってやることにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「違う、そうではない!」
「あ? 普通の『お父さん』は仕事に行って、家に帰ってくるんだろ?」
「うちは元親が会社に行って、毛利が家で留守を守っている。だからそうするのだ!」
「いや……うちは結構イレギュラーだからな……」
「だが儂は元就や元親のような仲良しでラブラブな夫婦になりたいのだ」
 家康の指導らしきものは、ずれているがある意味的確であった。
  自分が目指す理想の結婚生活が毛利と元親の生活にあると信じて疑わないが故に、家康は元親の生活を真似てままごとをすることに拘り続けている。正直言えば自分たちの生活を真似て欲しくはないのだが、家康が自分たちを肯定してくれているのが嬉しくもあるわけで。
 少なくとも家康は、自分の家族を真似すべき誇らしいものだと感じてくれている。
  それを喜びながらも大人としてのプライドがあるので、自分はあくまでも家康の遊びにつきあってやっているという態度を崩さず。元親は家康の指示通りに、一度下へと下りる階段の方へと行き、家に帰った風に見せながら家康へと近づいていった。
「た、ただいま……でいいのか」
「うむ、それだ。そして儂……ではなかった、お父さんは赤ちゃんを抱きながらよく戻ったな、夕飯ができているぞ……と言うのだ」
「今日の飯は何だ?」
「魚屋が特売だったので、鰯づくしだ」
「……そこまでモデルに忠実なのかよ……」
 せめてままごとの中では鰯ではなくて血の滴るようなステーキが食べたいものだが、毛利を忠実に再現したいらしい家康はあくまでもケチなお父さんを演じたいらしい。どっこいしょとちゃぶ台の前に腰を下ろし、いつもの自分らしくそこら辺に置いてあるフィギュアを弄りながら夕食を待っているっぽくしてみる。
 その間にも家康は『立派な夫』として、食事を用意する真似をしている。
 毛利のしつけが行き届いているので、ままごととはいえ家康の食事の支度は堂に入ったもの。後数年も経てば小さな主夫になりそうだなあと思っていながら、キャロルちゃんを抱いてあやしている家康を観察する。
「可愛さあまって憎さ百倍とはいうが……どうして儂……じゃなくて我の妻はこうも甲斐性がないのであろうな……」
「…………おい、家康」
「ねやでは可愛らしく啼くというのに、普段は飯を食べたら部屋にこもるばかり。ひきこもりの妻を持つ我の身にもなってみればいいのだ……」
「ちょっと待て、家康! あいつ、そんなこと言ってるのか?」
「儂は今お父さんなのだ! 家康ではない!」
「そ、そうか……」
 
 俺、毛利に影でひきこもりって呼ばれてるんだ……
 
  知りたくない事実を家康経由で知ってしまい、元親はおもいっきり顔を引きつらせる。
 毛利の言動を完璧に再現している家康の言動が突き刺さってくる中、何とか自分を取り戻そうと元親は食事を食べるふりをしながら必死に話題を探し始めた。
「なあ家康……じゃなくてお父さん」
「なんだ? 米はよく噛んで食べねばならぬぞ、わかっているのか」
「それくらいわかってるって。そうじゃなくてな、きょ、今日はいい天気だな……」
「外は曇っているぞ、おかしな男だ」
「……な、なら、そうだな……」
 この毛利が乗り移ったかのような家康相手では、どんな話題でも面白みが失われてしまう。
 自分は日頃こんな男相手に夫婦として暮らしているのだと改めて実感していると、食事の時間では話を膨らませられないと判断したらしい家康が手を合わせて食事の時間の終了を宣言した。
「ごちそうさまでした」
「お、おう」
「食事を終えたらちゃんと感謝しろ、キャロルちゃんが見ているではないか」
「……ごちそうさまでした」
 元親の言葉に満足したのか、家康は食後のキャロルちゃんの入浴らしきことをしたり始めている。
 本来ならお母さんが子供の面倒を見たりするものなのだが、この家では家事も子育てもしつけもお父さんである毛利の仕事。もちろん元親も手伝ってはいるが、個人で受けている仕事は信用と納期が第一である。
 なので数日間三階にある仕事場兼私室にこもりきりになってしまうことがあるし、その間は当然寝食も忘れて仕事に励む。だから家康の基本的な教育は毛利が行っているし、元親がやることは時間が空いた時に遊んでやったり外出をすることくらい。
 確かにそんな生活をしていたら、毛利に引きこもりと言われるわけだ。
 この奇妙なままごとは、自分の家族の中での立ち位置を如実に教えてくれる。適当に流して家康が満足したら終わらせてしまおうと思っていたが、もう少しつきあっていたらもっと有益な情報を得ることができるかもしれない。
 キャロルちゃんを寝かしつけているらしい家康を微笑みながら見つめ、たまにはこういう時間の過ごし方もいいなと思う。しばらく締め切りに追われ続けていたので、時間が空いた時には家康を構ってやらなければ。
 母(?)として決意を新たにし、拳を小さく握っていると、何故か家康が側に近づいてきた。もうキャロルちゃんは寝かしつけたのか、そう聞こうとした時。
 家康は急に元親の肩に手を触れさせ、唐突に自分よりも遙かに大きな身体を押し倒したのだ。
「家康!?」
「子供が寝たら、あとは大人の時間なのだろう? いつも元就は元親とこうしているではないか」
「お前、見てたのかよ!」
「あれだけ大きな声だと、普通に聞こえるぞ?」
「そうだったのかぁぁぁぁぁっ!」
 あまりにも突然だったので素直に家康に主導権を奪われ。
 背に当たる床の感触を感じながら、腹の上に乗っかっている家康に見下ろされるのは中々に屈辱的であった。どちらかといえば無邪気に、だが毛利家の血統を継ぐ者特有の捕食者としての色香をその目に宿し。
 小学生としての無垢さで、そのまま元親のジャージのジッパーに手をかける。
「元就は確か……こうしていたな」
「脱がす気か?」
「儂は元就のような立派な夫になりたいのだ。だから元就のようにすればきっと……三成も儂を夫として認めてくれる」
「お前たちに必要なのは練習じゃなくて、まずは相互理解だ~!」
 こういうことは惚れている相手である三成と行うのであって、練習のために義理の母のような者と行うものではない。
 それを必死に伝えようとしたのだが、家康の耳にその言葉は入らなかったらしい。元親のジャージの前を開いただけではなく、その中に着ていたTシャツを胸の辺りまでまくりあげて上半身のほとんどの部分をさらけ出してしまう。
 この段階で自分が色々な意味でピンチだということに気がついたが、腹の上の家康はやる気満々。というか、毛利がどのようにしているかを思い出すのに必死なのか、目が完全に泳いでしまっている。
 それでも目が輝いているのは、潜在的にSっ気が強いからか。
「元就はこうやって……それから……」
「男のそこは吸うとこじゃねえ! それと……ちょ、ちょっと待て!」
「元親はここがくすぐったいのか……」
「…………ひ……っ……」
 胸の突起のすぐ下を濡れた感触が掠めたと思った次の瞬間に、力の加減を知らない指がもう片方の硬くなりつつある部分をこねくりまわす。そうしながらも空いた手は脇腹を撫で回し、指を蠢かせているのだ。
 大人であれば相手の様子を見て加減するのだが、幼い家康はそんなことを考えるわけがない。
 なので元親が急激な刺激で息を詰めているというのに、更なる強い刺激を一気に与え続ける。子供に触れられて反応するだけでも恥ずかしいのに、刺激と受け止めきることができずに腰を跳ね上げているのはなんというか。
 穴があったら隠れたい、というかさっさとこの場から脱走したい。
 家康を突き飛ばすわけにもいかず、かといって必死に『お父さん』の練習をしているらしい彼を傷つけるのも躊躇われる。そんな状況でぐりぐりと乳首をこね回され、体中を柔らかくぷにぷにとした指で撫で回され。
 感じているというより、正直指の感触が気持ちいい。
 この手で肩もみをしてもらったら気持ちいいんだろうなあと考えながら、緩急が激しすぎる家康の愛撫とはいえない手の動きを受け入れる。
「……なあ家康」
「儂は今元就を真似するのに忙しいのだ。用があるなら後にしてくれ」
「お前のそういうところ、あいつにそっくりだよな……」
「そうか、儂は元就のような大人になりたいのでな、そう言われると嬉しい。で、次は下を脱がせればいいのか?」
「……それはなしにしてくれ」
 どうやら自分と毛利の愛の営みをじっくりしっかり知っているらしい家康は、そのまま行為を続行しようとしているらしいのだが。
 
 さすがに下はまずいだろう。
 
 上半身くらいならじゃれあっていると毛利に判断してもらえるかもしれないが、下半身まで脱がされていたら完全にアウトだ。
 小学生に押し倒される変態の烙印を押された上に、一生言われ続けるに決まってる。
 家康は続行を希望しているようだが、それだけは阻止しなければ。何か周辺に家康の気を引くことができるものがあれば、それでなんとか誤魔化すことができるはず。
 この段階でようやくそれに気がつき、家康に上に乗っかられたまま首を大きく振りながら周囲を見回していた元親だったが。
「…………………………?」
「気がつかれたようだな……石田、貴様がそのような物を食べているからだぞ」
「だがきなこぼうはおいしいのだ。やめられないとまらないと、ははうえもいっている」
「貴様の母の言うことの三割はどうでもいいことだ、覚える必要は無い」
「そうなのか、しかしははうえはいいこともいうのだぞ」
 階段に繋がるドアの隙間から顔を出し、こちらをじいっと見つめている人間と目があったのはこの時だった。
 綺麗に切りそろえられた黒髪の持ち主と、月の光のような澄んだ淡い色合いの髪の幼児。肩を寄せ合って物珍しそうに見ている幼児の鼻の間で、独特の形状の前髪が揺れている。
 大きな瞳を動かしながら、家康と元親の様子をじいっと見つめている彼の名を思わず呼ぶと、家康の身体が大きく強ばった。
「…………石田、何やってんだ?」
「み、三成!?」
「なんだ、きがつかれてしまったのか。わたしはもうりといっしょに、のぞきみごっこをしていたのだ」
「おかしな遊びばかり覚えんなよ……」
「……三成、これはだな……」
「いえやすは、もとちかとなにをしていたのだ?」
 
 ドアの隙間から顔を覗かせる幼児の、わからないが故の素直な質問。
 
 口にきなこ棒をくわえながら素直に聞いてくる三成に、まず元親の身体が凍り付いた。小学生に押し倒されてぷにぷにの指っていいなあと思いながらされるがままになっていたなんて、この場で口に出せば間違いなく殺される。
 そう、三成の横で冷笑を浮かべている男に。
 さすがの毛利でも小学生に嫉妬することはないだろうと思いはするが、押し倒されて上半身を触られまくっている姿をリアルタイムで見られてしまっているのはまずい。
 なので、正直に彼がどこからどこまで見ていたかを聞いてみることにした。
「……なあ……毛利」
「なんだ?」
「どこから……見てたんだ?」
「キャロルちゃんが赤子役として抜擢されたところからだが」
「最初から見てたのかよ!」
「……安心しろ、貴様が家康に陵辱されようが我は気にしない。あれの気持ちがこのちんちくりんの珍妙前髪に向いているのはわかっているのでな」
「そのちんみょうまえがみというのはわたしのことなのか?」
 口では気にしていないと言っているが、毛利の手は三成の前髪をひっつかんで思いっきり変形させている。これはあとでフォローついでに機嫌を取っておかないとなあ、そうまだ家康が上に乗ったまま考えていた元親だったが。
 家康はそれどころではなかったらしい。
「三成、儂が好きなのは三成だけだ! 元親は好きといえば好きだが……いや、儂は元親を母上の次の母上のような男として敬愛しているのだ」
「わたしはふつうにもべかがすきだぞ。いえやすはふつうにすきではないのか……」
「そういうことではないのだ、わかってくれ!」
 三成からは、元親と家康がじゃれ合って遊んでいただけにしか見えないはず。
 だが家康は自分が三成以外の相手と夫婦の真似事をしたこと事態が、裏切りだと思ってしまっているのだ。しばらく家康はこれを引きずって、無駄に色々なことを考え込むのだろう。
 押し倒された自分は毛利に土下座して事情を説明すればきっと大丈夫。
 こんなことくらいで二人の間の絆が壊れてしまうわけがないということを、元親は十分にわかっている。しかし家康は三成との未来が不安で、こんなシミュレーションに頼ってしまったのだ。
 そういうところがまだ未熟だと、彼が気がつくのはいつのことか。
 完全に硬直してしまっている家康の腰に手を添えて自分の身体の上から移動させ、ついでに頭を軽く撫でてやる。
 この事態を楽しんでいるかのように、三成の前髪を掴みながらほくそ笑む毛利とそっと目配せし。
 
 
 お前の甥っ子がお前の域まで到達するのはまだまだ先の話だ。
 
 
 そう言葉もなく伝えてやると。
 自分の本当の夫である男は、当然だと言わんばかりに一度だけ大きく頷き。
 優しく、自分にだけ向ける艶やかで力強い笑顔で応えてくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
・家親でままごとが書きたかった……そしてウエディングでもなんでもない結果について……みっしさん、すまん
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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