がんかたうるふ 三成君が甥っ子の元親くんを好きすぎる話(現パロ・毛長・関ヶ原) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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前に書いた「神様なんて、いやしない」、「だからさよなら、魔法使い」の続きのようなもの。
高校生の三成くんと甥っ子元親くんと、三成君の幼なじみの家康君と、ちょっと曰くありげな毛利さんの話。CP要素はあまりないと思われますが一応記入。書いてる人は三親でも家親でももちろん毛長でも大好きです。三成君が非常にうるさい。今まで書いた話の中では一番キャラ崩壊を起こしている気がしなくもない。家康さんがまとも、そして苦労人。子アニキは天使。多分天使。毛利さんは割と通常運転。アニキが小学生なので嫌いな方はご注意を。


書いた人:みっしー





 *****
初めて出会った日から、ずっと見守ってきた。

『みちゅなりおいたん?』

 舌っ足らずにそう呼んでくれた日も、覚えている。体が弱くて、病院に行くことも多かった。だけれども気性はやんちゃで、いつも明るくて、お前の存在にどれだけ救われたか分からない。

 だから、お前は私の特別なんだ。
 これからも、ずっと。


「だというのに最近になって何故、毛利元就と仲が良くなったんだ元親…!!」
「…えー…それ、ワシに言われてもどうにもできんのだが。」
 
突然、隣に住む幼なじみの訪問を受けた徳川家康は困惑した。
 今は土曜日の朝、学校は休み。クラブ活動も無い、バイトも無い。さぁ何をしよう!と意気込んだところでチャイムが鳴り出て行ってみればお隣さんで幼なじみの石田三成がどんよりした様子で立っていた。そうして放った一言がこれだ。
「元親が…私の手の届かない所に行ってしまう…!」
 まさか玄関先でそのまま崩れ落ちるとは思わなかっただけに家康も唖然とした。まぁさすがに玄関先でそのまま叫ばれるのもこまるなーと思い自室に連れてきて話を聞いたのが先ほどの話し。
 この幼なじみ、石田三成は見た目は大層整っており、成績優秀、運動神経も良い、文武両道の優等生だ。表向きは。
 実際の彼は、極度の甥っ子馬鹿だった。
 
 件の甥っ子は石田元親という名の少年で、今年の4月で小学5年生になった。三成にとっては年の離れた兄の子であり、同居していることもあって生まれたときからずっとその成長を見守ってきた。年齢差から兄弟かと思われることも多々あったが「わたしはおじだからもとちかをまもらねばならんのだ!」と子供離れした並ならぬ責任感を発揮していたのは幼なじみである家康がよく知るところだ。
 というのもこの元親少年、気性はやんちゃで利発なのだが生まれたときから体がとても弱かった。季節の変わり目には必ず熱を出して倒れ、疲れては熱を出し、病院の世話になることが日常茶飯事だった。それでも長期入院するほどのことにはならずここまで大きくなれたのは幸運だったと家康は思う。最も今年の3月に高熱を出して入院したときはさすがに生死が危ぶまれたが、それからはいままでの病弱ぶりが無くなったかのようにけろりと元気にしている。まるで憑きものが落ちたようだね、と主治医は言ったとか言わないとか三成から聞いた。家康としては可愛い弟分が元気に過ごせるならそれにこしたことはないと思っていた。
 
 その元親が、一体何故どうしたというのだろうか。 家康は、ゆっくりと三成に問う。
「なぁ三成。お前が何を言いたいのか主旨が全く汲めないのだが…。」
「それぐらいはくみ取れ家康!元親の一大事だぞ!?」
  いや無理だろう。
 興奮しているらしい幼なじみは全くもって家康の言葉を聞いても理解してはくれないらしい。確かに元親は可愛い弟分で、昨日会った時も「なぁなぁ!どうやったら家康にーちゃんみたいにすぽーんとでっかくなれるの?」と無邪気に聞いてきてくれて大層答えに困った挙げ句「…絆の力だ。」と答えをひねり出したところ「絆の力すっげー!俺も絆見つけてくる!」と返されてしまったのだが、最終的には成長期を迎えたら伸びる、という当たり障りのない答えにしておいた。本人は「絆の方が面白いのにー」と不服そうではあったが。。
 年の割には無邪気に叔父とその友人である自分を慕う元親は確かに可愛い。兄弟のいない家康にとっては弟のような存在で事実弟分ではある。しかし昨日会った時は特に変わった様子は何も無かった。一晩の間に何があったというのだろうか。
 えぐえぐと泣きながら鼻をすする三成の姿からは普段の凜とした振る舞いを探すことは難しい。どっちが素かと言われれば、どっちも三成にとっては素の姿だ。そういえば、小学校の運動会も『おいたんがんばれ』と舌っ足らずな元親の応援が聞こえた途端、雰囲気が様変わりして周囲を驚かせたこともあった。あの頃はまだ『おいたん』と呼んでいたが、成長するにつれて、『みつなりにーちゃんはおじさんって年じゃないし』とのことで『みつなりにーちゃん』に変わっていったのだ。最も叔父である事を誇りとしている三成にとってはややショックな出来事だったようだが。
 未だに鼻をすする三成を見かねて箱ティッシュを渡す。それで一通り拭うと僅かばかりだが落ち着いてきたらしい三成が改めて息を整えて言った。
「元親が…毛利とメル友になってた…。」
 
それは確かに予想外の出来事だった。

 毛利元就は三成と家康の通う高校の先輩である。三成にとっては生徒会の先輩でもある。男にする形容ではないかも知れないが、線の細い、綺麗な人である。最も日頃は不機嫌そうに眉間の皺を寄せているし、口を開けば罵詈雑言毒舌の嵐ということもあり、後輩としては敬遠したい先輩でもある。黙っていれば綺麗だから、ということでファンもいるらしい、それとは別にあの冷たい瞳で見つめられて罵られたいと願う一部特殊なファンもいるらしいが、詳細は知らない。怖くて。
 そんな先輩と元親が一体どこで知り合ったのかが分からず、家康は首を傾げたところ、相変わらず項垂れたままの三成から、先月入院した病院で出会ったのだと聞かされる。前日の夜から入院した元親のため、三成は一日学校を休んで義姉と一緒に付き添いをしていた。それは学校を休む事情を聞かされていた家康も知っている。
 だが問題はその後だったらしい。元親の様態が安定し、帰宅しようとしていた元親はたまたまロビーで知人の見舞いに来ていたという毛利と出会ったのだという。元より生徒会の先輩後輩であり知らぬ顔でもない毛利と二、三言交わした所で、三成の見送りにと元親がやってきた。そこで2人は確かに出会ったらしいのだが、それがどうして、メル友になったのかが家康にはわからない。

「…毛利はどういう訳か、元親を見るなり泣き出してな…慌てた元親がたまたまもっていたタオルハンカチを差し出したのだ…まさかあそこでフラグが立っていたとは…!」
「三成、普通の人の前でフラグとか言っちゃ駄目だぞ。多分わからんから。」
 ようやく泣き止んだと思えば興奮しだす幼なじみをまぁまぁと宥める。それにしても、あの鉄の毛利ですら泣き出す事があるのか、という事に驚いた。彼の人も確かに人間なのだから泣くこともあるのだろうが、学校での鉄面皮を知っているだけにどうにもイメージが沸かない。何か悲しい事でもあったのか、それとも、元親に何かを見いだしたのか。それは毛利にしか分からないことだろう。
「というかワシその話聞いていないぞ。」
 確かその日、三成りはは家にまで来て多話していたはずなのに何故聞いていないのだろう。
「それは私が元親の無事が嬉しいあまり、誕生から今に至るまでのアルバムをお前に見せて解説していたからだ。話すのは忘れた。」
「ああそうか…。」
 残念なイケメンというのを体現したら三成のようになるのではないかと家康は最近思い始めていた。シスコンブラコンならぬ、甥コンである。そして極めつけに愛が、やや重い。
 そして三成は続ける。
 三成が知っている2人の関わりはそこまでだった。だが、4月になった元親が通い始めた塾の行き帰りでたまたま毛利に出会ったらしい。そうして、2人はメル友になった、らしいというのが三成の話だった。一通りの話を聞いた家康はこめかみに指を当てて唸った末に呟く。
「むしろワシとしてはあの毛利殿がごく普通に幼子に接している姿が想像できん…。」
 同級生ですら罵詈雑言とブリザードの嵐で対応している人だ。年齢層の違う小学生との関わりなど面倒くさいと一蹴してもおかしくないような期がするのだが、人は見た目によらないというやつだろうか。 「あの毛利と交流した挙げ句、元親がおかしなことを教え込まれるのではないかと気が気でない…しかし、元親の気持ちを汲んでやりたいのもまた事実…!」
 その場でのたうちまわる三成は、純粋に甥っ子の事を案じているのだろう。愛が深いだけで。石田さんちの反抗期は、対両親より対叔父の方が大変そうだな…と三成をみながら家康は思った。
「でも、とりあえずは様子を見た方がいいんじゃないのか?いきなり理由もなくやめろ、と言ったらさすがの元親も反発するぞ。」
「それは困る……しかし……何故相手が毛利……」
 元親にメル友ということもさることながら、相手があの毛利であるということに並ならぬ衝撃を受けているらしい。確かに、小学生とメールをするような人間には見えない。
「おにーちゃん、ウザい。とは言われたくないだろう?少しは様子を見よう。どうしても気になったら元親と毛利に直接聞いてみたらいい。」
「元親はウザいなど言わぬー!言っても可愛いのは変わらぬが!昔の反抗期に散々言われたわ!」
「大事なの…そっちか?」
 相も変わらぬ三成の甥っ子馬鹿ぶりに家康は苦笑するしかなかった。


 その頃、石田家では、先の話題の中心人物である元親がぴこぴことメールを打っていた。
『きょうはみつなりにーちゃんはおとなりにおでかけです。おじいちゃんとおばあちゃんはいっしょにおでかけ。おれもさんすうのしゅくだいがおわったらとうさんかあさんとでかけます。もうりさんはお休みでどこかにでかけますか?』
 そこまで打ったところで文章を送信する。そうして残り半分になった宿題に手を付ける。とはいえ得意な算数なのでさほど時間はかからないだろう。これが終わったら両親と買い物だ、近場ではあるが元親にとっては十分楽しみだった。
 そうしてちょうど最後の一問を解いたのを見計らったかのように、携帯がメールを受信した。送信者の名前は毛利元就。最近出来た、元親のメル友である。
『勉強しているようでなにより。理数系はやっておくと後々役に立つので今後も怠らぬように。我は出かける予定はない。ただ母に買い物に付き合うよういわれたので出かけなくてはならないかもしれぬ。荷物持ちはしんどい。面倒だ。』
 最後の一言で思わず笑みが零れる。そうして元親はまたメールを送った。
『うちもとうさんとおれはにもつもちです。でもごほうびにおやつかってもらえるのでがんばります。もうりさんもおやつかってもらえるかもしれないのでがんばってください。』
 
 元親と毛利元就の出会いは、ほとんど偶然のようなものだった。3月のあの日、死ぬような高熱を出して入院したと家族から聞かされたが何も覚えていないあの日。だけれどもどういう理由か馬鹿みたいに熱が下がったあの日、元親は彼と出会った。
 叔父である三成を見送るために追いかけたロビーで三成と話し込んでいた男。それが毛利元就との出会いだった。
 どういうわけは話し始めてすぐに泣き始めてしまった元就を元親は不思議な気持ちで見つめていた。変な人、とは思えなかった。なんというか、泣きたいのに、ずっと泣けない顔をしていた人だったと記憶に残っている。
 その日はそのまま分かれ、それから数週間後の事。進級に従い、友達と共に週に数回の塾に通い始めた元親はたまたまその日、本屋に寄ったのだ。特に何か欲しい本があった訳では無い。友達はその日発売の漫画雑誌が目当てだったようだが、元親は特にこれというものもなくふらふらと店内を見て回っていた。塾の時間まではまだある。そうしてたどり着いたのは児童書のコーナーだった。
 元親にとっては本は幼い頃から慣れ親しんだものだった。熱が出て寝込んだときは家人の誰かが読み聞かせしてくれたり、大きくなってからは自分で呼んだりした。外に行けないことが多かった元親にとって本はとても身近な存在だったのだ。読み聞かせをねだるあまり、叔父である三成が夜通し恐竜図鑑を読み聞かせようとして自分の両親に止められたこともあった。とにかく、元親にとって本は大事なものだった。
 そうして児童書のコーナーに足を踏み入れた元親は、ふとその場には不似合いな存在が居ることに気がつく。三成と同じ制服に身を包んだその姿を、前にも見た事があった。
「もうり、さん?」
 一度だけ会ったことがある、叔父の先輩だという高校生。自信が無かったので恐る恐るの問いかけだったが、どうやらあっていたようで毛利はくるっと元親の方に顔を向ける。
「お前は…石田の?」
「あ、あってました?そう、みつなりにーちゃんのおいっこです。」
 元親の言葉に毛利は頷き、そして手にしていた本を閉じる。
「何故ここに?…小学校は、大分離れていると思うのだが。」
「きょうはじゅくです。ともだちといっしょ。」
 なるほど、と言わんばかりに毛利は頷く。
「もうりさんは?」
「我は用事があったのでな、今から帰るところだ。」
へー、と相づちを打ちながらも元親はじーっと毛利を見つめる。この間、眼前でボロ泣きしていた人と同じとは思えないが、同じ人なのだ。その表情は元親を前に少しだけ困惑した様子を浮かべている。だから、思わず問いかけた。

「かなしいの、なおった?」
 瞬間、毛利は目を見開く。そして呆然と目の前の元親を見たかと思うと、ゆっくりと首を横に振った。
「治ったというべきか…一生ものというべきか…こればっかりはどうしようもない。ただ、以前よりは、よくなった。とは言える」
 どこか寂しげな顔で毛利は言う。ああまただ、と元親は思った。この人は、ずっと泣きたいのに、泣けない人なんだ、と子供ながらそう思った。
 どうしてこんなにも一度だけ会ったこの人の事が気になるのかがわからない。だけれども、この人が泣きたいのに泣かないのも、誰にも知られないように泣くのも嫌だった。理由はわからないけど、そう思った。自分は何も出来ない子供だけれども、子供らからこそ、大人が気付けないことにも気付けるのだ。それは常々友達の政宗が言っている事でもあった。ならば、自分は何が出来るのだろうか。

「どーしたら、もうりさんわらえるの?」
「どうしたら…良いのだろうな。お前は、どうしたらいいと思う?」
 その場でしゃがみ込み、自分と目線を会わせながらも困ったように眉根を寄せる毛利は、きっと本当に困っている。だから元親は、なんとか出来ないか考えた。一生懸命考えた。どこぞのお坊さんのように人差し指を両方のこめかみにあてて考えた。これは、兄貴分である家康の、真似でもある。そうして考え抜いた末に元親は結論を出した。
「えーと…もうりさんが、なきたくなったら、おれにおしえてくれる、とか…?」
 何で自分でこんな事を言ってしまったのか分からないが、言った後でしまった、とつくづく思う。毛利は呆気に取られたようにきょとんと瞳を瞬かせる。そしてふふと口元から聞こえたと思うとその場で笑い出した。
「ははは…お前は…単純だな。まぁそれはそれで好ましいが。」
「むー…それっていいのか?わるいのかな?」
「むくれるな。馬鹿にしてはいない。お前らしい、言葉だなと思ってな。」
未だにころころと笑い続ける毛利を見ているとなんだか自分もおかしくなってくる。この人はこんな風に笑うんだ、と意外だった。とはいえ意外性の塊のような叔父を常に目にしている元親にあまり衝撃は無かったが。
「変なの。」
 そう言いながら自分も笑った。
 そうして友達が呼びに来るまで元親は毛利と話していた。年も離れているし、全然性格だって違うのに、どういう訳かとても楽しかった。そして、その際に元親が携帯電話を持っていることを知った毛利がアドレスの交換を申し出て、元親はそれを受け入れた。
 こうして2人はメル友になったのである。
 とはいえ特に変わったことをしているわけではない。元親は小学生、毛利も高校生で話題の種はやっぱり学校の事だった。
『きょうはがっこうのちかくでねことあそびました。でっかいねこです。ゆきむらはぼすでござるといっています。なのであいつはきょうからぼすねこです。』
『確かに猫と遊ぶのは楽しかろうが、遊んだ後は必ず手を洗うように。ボス猫というからにはさぞかし風格があるのだろうな。見てみたいものだ。』
 といったごく普通の事だけだ。それでも一日数回のやりとりであるこのメールは元親にとって楽しみだった。
 それを叔父である三成に知られたのは些細なことだった。というよりは元から隠すつもりもなかった元親自身が伝えたのだが何故か三成は深いショックを受けていた。

「そういやさー、みつなりにーちゃん。おれ、メル友できたよ。」
 土曜日の朝、家族揃っての朝食を食べ終え、リビングで一緒に並んで新聞を見ている時に元親は言った。本人としては、そういや言ってなかったなー、ぐらいの軽い気持ちだったのだが三成はそうではなかったらしい。
「…なに!メル友だと?いかがわしい女共といかがわしいメールをやりとりしているのではないだろうな!無事か!」
「…みつなりにーちゃん落ち着いて。なんでメル友って言っただけでそんだけひやく出来るの。」
 叔父である三成は生まれたときから元親の成長を側で見守ってきたためかやや過保護なきらいのある叔父だった。6歳しか年が離れていないため叔父と言うよりは兄弟かと間違われやすい。だけれども、叔父という立場に責任を感じているらしい三成は兄弟と間違われる度に激昂する。元親としてはどっちにしろ血はつながってんだから後で訂正すればいいんじゃなかろうか、と思うがそうではないようだ。
「メル友になったのはあの人。この前病院で会ったもうりさん。」
 そう元親が発した一言で、三成がフリーズするのを元親は見た。ピキーンとまるで氷の彫像であるかのように静止してしまったのが。
「みつなりにーちゃん?もしもし?」
 眼前で手を振るとようやく目に動きが宿り、体全体が再び動き始めた。
「ももも…毛利だと…?」
 どもっている理由は何故か元親にはわからない。ただこんなにーちゃんみるのは珍しいな、と思った。叫ぶのは良く目にするが。
「そうだよ。にーちゃんのともだちじゃないの?」
 おなじ生徒会の先輩だと聞いていたので友達かと思っていたがそうではないらしい。
「…友達、ではない。見知ってはいるが…。大体、なんで毛利とメル友なんぞになったのだ?」
 ようやく頭の回転が動き始めたらしい三成は改めて元親に問いかける。そうして特に隠さねばならない要素もないので素直に答えた。
「4月からおれじゅくいってるでしょ?そこのちかくのほんやであったの。そんで、あどれす交換したんだ。」
「どうしてアドレス交換したのかという重大な経緯が抜けて居るぞ元親ぁぁぁぁぁぁ…」
 どうして三成が両手で顔を覆いさめざめとした雰囲気を見せているのかがわからない。そんなに悪いことしたのだろうか。
「…んーおもしろかったから?…でもあの人、いい人じゃないかもしれないけど、悪い人でもなさそうだったよ!」
 どこか冷たい雰囲気を持つ彼の男は、善人ではないのかもしれない。だけれども根っからの悪人でもないと思うのだ。そんな人間は、あんな風に笑えない。
「そこは基準としてどうなんだ…元親。」
 どんよりとした雰囲気を纏わせつつ、三成は1人呟く。甥っ子が知らぬ間に苦手とする先輩と仲良くなっていたことに衝撃を受けてのことなのだが、そんな三成の事情など元親が知るよしもない。
 そうしてショックを受けるがままの三成が隣家である徳川家に赴き、人目を憚らず泣き叫んだり転がったりしていたりするのだが、それは元親の知らない話である。

 もう一度会えるなど思っては居なかっただけに驚いた。それも児童書のコーナーで。あの日手に取っていた本は、幼い頃にかつての元親と共に読んだものだった。難しい字が読めない元親に変わって読み聞かせたりもした。懐かしい、思い出だった。
 どうして他の人間には気付かれないのに彼には気付かれてしまったのだろうか。両親も、鶴姫でさえもだませたのに。
「どうしたら、わらえるの、か。」
 元親を忘れて、思い出して、あの日一日だけでどれだけ泣いたかわからない。そうしてあの元親との出会いが自分にとってどれだけの希望と成ったのかも計り知れない。かつての元親がやれなかったことを、経験し、成長して欲しい。そこに自分は居なくても良い。そう思っていたのに、何故か彼の方から近寄ってきた。これも運命の悪戯であるのなら、いやしないだろうけれども神様も随分と酷な事をするものだ。自分の周囲から元親が居なくなってしまったら今度こそ自分は立ち直れなくなってしまうかも知れない。そもそも生まれ変わりなどという話はだれにもできる話ではないのだが、ただ1人だけそれを伝えた人間がいる。かつてカウンセリングを受けていたドクターだ。久しぶりに訪れた元就を、彼は特に驚きもせずに受け入れ、そして淡々と話を聞いていた。
『それを自分の妄想と捉えるか、信じるかは君の自由だ。…だが私はこうも思うのだよ。いないかもしれない神様が、神様を信じない君に送ってくれたサプライズかもしれない、と』
『…故に1人で苦しみ、あがけというのか?』
『そうじゃない。生まれ変わった彼の人格は、君の知っている彼じゃない。似て非なる別人だよ。だけらどそれならば尚のこと、関わってみてもいいんじゃないのかね。それで君の精神が安らぐのであればそれをオススメするよ』
『医者が随分と適当な事を…』
『私は患者に心安らぎつつ楽しく賑やかに過ごして貰うことをねがっているだけだというのに、酷いことをいうねぇ…』
『とりあえず盛りだくさんすぎる願い事だな、とだけは言っておこう』
 アドバイスにならぬアドバイスを聞いたその数日後にあの元親と再会したのだ。

 運命も、神様も、信じない。あの日に誓った。

 だけれどもこれが運命の悪戯であるのなら、どうかどうか、今度こそ元親が健やかに生きて、そして成長出来ますように。願わくば、たとえ隣にいることができなくてもそれを見守れますように。
 ただそれだけを思った。

 
 そして数日後、狂犬のようになった後輩に詰め寄られたり叫ばれたりするのは、また別な話である。

「毛利きさまあああああああ!私の甥に変な事を教えてはおらぬだろうなああああああ!」
「…全くもって変な事を教え込んだ心当たりがないのだが…。」
「…だから少し様子を見ろと言ったのに…言うことを聞かぬ奴だなぁ…」

 詰め寄る三成と、困惑する毛利を見守る家康の手により元親に連絡が行き、元親からの電話で諫められることになるのはこの後の事であった。












○燃えさかる甥っ子愛をどうにかしようと思ったらこうなった。
数時間で書いたからアラが目立つなこれ。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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