がんかたうるふ あなたに愛を、贈ります(腐向け・パラレル・毛長) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


毛長で結婚式披露宴、とか思ってたのに突然思いついた話の方がスラスラ書けたという謎。相変わらず毛長と言って良いのか疑問なぐらい、毛長?な話。書いてる人は毛長だと思っている。しかもまたパラレルである。うぬ。最後に簡単な人物紹介有り。CP未満かもしれませぬが、それでもよろしければどうぞ。

書いた人:みっしー



 *****
 
 亡き父の机を片づけていて、一体なぜこのような事が起こると思おうか。
 毛利元就は、目の前に立つ男を呆然と見つめていた。

「…うお…すっげ、ちゃんと来られた。」
 銀色の髪と青い目を持つ一人の青年がそこにいる。その男が、机の引き出しから飛び出してきたなど誰が思おうか。呆気にとられつつ元就はなぜこうなったのかを思いだそうとしていた。


 毛利元就はこの4月に進級したばかりの高校2年生である。
 諸々の事情により祖母と暮らす彼には祖母以外の近しい身内はいない。そうしてその祖母も入院することになった今となっては広い一軒家で暮らすのは元就ただ一人だ。そうして元就は一人で、祖母と約束した土蔵の大掃除の下準備をしていたのだ。
 広い庭の片隅にある土蔵は何代か前からの先祖が使っていたとかでいるものもいらないものも混在となって置かれている空間であった。元就も、あまり足を踏み入れた記憶がない。折角だからこの連休に片づけてしまおうか、そう話していた矢先にうっかり転んで骨折してしまった祖母が入院する羽目になったのだ。
 
 そのような経緯があり、元就は一人で作業服を着て顔にはマスク、頭にはタオルを巻くという出で立ちで一人、土蔵に入ったのだ。そこまでは覚えている、問題はその後だ。
 土蔵の中にあるものは膨大で、祖母の確認を得てから処分した方が良いと思われたので今日はあくまで確認のつもりだった。
 そこで、元就は亡き父の愛用していた机を見つけた。父のものだとわかったのは、その机に貼られたシールに見覚えがあったからだ。貼ったのは、子供の頃の兄と元就だ。イタズラ半分で貼ったそれを父は咎めることなく、許してくれた。むしろ烈火の如く怒ったのは母の方だった。優しい父と口やかましい母と、イタズラ好きだった兄。
誰も彼もが、優しい人たちだった。
 少し感傷的になっている自分に自嘲していた元就は、ふと一番大きい引き出しに鍵がついたままになっていることに気がついた。それを開けてみようと思ったのに、大した理由なんてない。元就にしては珍しいなんとなく、という気持ちからだった。
そうしてその引き出しに手をかけようとした瞬間、引き出しが、勝手に開いたのだ。
「なに…!?」
呆然としたのもつかの間、机の中から白い手が飛び出して来たかと思うと白い大男が姿を現したのだった。



 そうして話は冒頭に戻る。
 机から飛び出してきた得体の知れない大男を元就は疑惑のまなざしで見つめる。しかし今の自分の姿も十分疑惑の目を向けられる格好であるという自覚は今の元就にはあまりなかった。というよりもホコリ対策をし過ぎたせいで元就自身視界が遮られている事に気がつき思わず視界の邪魔になっていた頭のタオルを取った。

 白い大男はよくよく見ると右は青い目、左目は赤い目だった。「お手伝いモード」と書かれたTシャツを着用し、細身のジーンズを身につけている。きょろきょろと周囲を見渡しているが不安がる様子は見られない。
―怪しい。
 そんな感情を込めた元就の視線に気がついたのか大男はじっと元就に目線を合わせる。…逆に見られると落ち着かないものだ、と思いながら元就は居心地の悪い思いを感じていた。
そうして男がゆっくりと口を開く。

「…ええと、あんたが毛利 元就 さん?」
低く、掠れたような独特の声音が耳に響く。
その顔は柔らかい、人なつこい笑みを浮かべていた。
「…だったらどうした。」
元就が腕を組んで言い放った言葉を聞いた目の前の男は、花が咲いたような満面の笑みで、こう言った。
「俺は、あんたを守りに来たんだ。」
それは、元就には到底信じられない言葉だった。



「うーん…いきなり蹴り入れるとはさすがあいつの言ってた通りだな。」
「…貴様、なぜそこまで冷静なんだ。」
 わかってるならさっさと失せろ、と言いながら元就は次の獲物を手に捉える。昔使っていた野球ボールだが当たればそこそこ高威力だろう。だが、身構える元就をまぁまぁと男は諫める。
 男の発言を聞いた元就が始めにやったことは、まず相手を渾身の一撃で蹴りとばすことだった。だが、常人であれば踏みとどまることすら困難であろう一撃を耐えた男に対して元就は疑惑を深くする。
「毛利元就は、疑い深くて人間嫌いで自分の計算外のことが嫌い。だから計算外のことには対応するのが苦手。俺は、そう聞いた。今の俺は計算外?」
元就の手を止めたままどこか楽しげな様子で話す男に対して元就は違和感を強くする。聞いた、と男は言った。だが、一体誰に聞いたというのだ??
疑念を深める元就に対して、男はまた、言った。
「あんたは俺の言う事を簡単には信じない。それは知ってる。だけれども、俺は言わなきゃいけない。だから、言う。俺は」
真剣さを増した男の様子に引き込まれ、元就は思わず男の言うことに耳を傾けてしまった。それは、元就からすると、全く持って想像出来ない事だった。



 今から遠い遠い未来。人間はタイムマシン理論を公安、実用機化させていた。その開発者は同時に人型アンドロイドの権威でもある、まさに天才であった。だが、そんな彼の華々しい活躍を良く思わない人間も確かにいた。過去の改竄を良しとしない過激派である。彼らは時間遡航を疎むあまり、タイムマシン開発における重要分岐点に関わる人物の暗殺をもくろむ。己等の行為が、最も疎む過去改竄であるその矛盾にも気づかずに。遡航認可局の監視の目をすり抜けて行われる暗殺を危惧した開発者は特別認可を受け、ある存在を護衛として過去に送り出す承諾を得たのだった。そうして、重要人物の暗殺阻止の為に送り込まれた存在が―

「俺ってわけだ。」
 いつまでも土蔵で話し込むわけにも行かず、元就は、元親と名乗った男をとりあえず居間に案内していた。出された茶を興味深げに見つつも手を出さず、行儀良く正座で座る元親から話された言葉を聞き終えると元就は、美麗と称されるとの顔の眉間にしわを刻ませその表情を曇らせる。
「…かような話を、全て信じろと?」
「いや。たぶん信じないだろうけど、説明しておくことと説明しておかないことで責任問題の発生有無が異なるから説明しろ、と開発者に指示を出された。」
「…その開発者とやらはとことん歪んでおるな…!!」
 苛つくあまり目の前の羊羹を一気に貪ってしまいそうになりつつ元就は必死に抑える。―いかん、これは緑茶とともにしみじみをいただくものだった。ふと我に返り茶を啜る。
「歪んでるって言っても…毛利の子孫なんだけどな…。」
そう言って元親は元就の返答を聞いて少し困ったような表情を見せる。
 
そう、タイムマシンの開発者とやらは、なんと毛利家の子孫だと言うのだ。名前は元就と全く一緒の、毛利元就というらしい。ただし元親によると「あっちの方が確実に変人だから安心しろ」とのことらしい。どんな存在だ。元就は見たこともない毛利家の子孫に思いを馳せた。
 だが同時に子孫という言葉を聞いて表情を曇らせる。
「…我には近しい親族もおらん上に、結婚とやらも全くする気はないのだが。」
 もぎゅもぎゅと羊羹を口にしながら毛利は疑問を口にする。今のところ子孫を全く残すつもりのない自分に子孫がいるという事が全く持って想像できないのだ。
それに対して元親は「えーと、ちょっと待てよ…」と言いながらこめかみをトンと軽く叩く。それは一瞬で終わり、彼はすぐに返答した。
「…近しい親族はいなくても遠縁の親族とかならいるだろ?たぶんそっちの子孫。だけど、なぜかあっちの元就はあんたと同じ顔。」
「…ならばそっちの親戚を狙えば良かろう。なぜ我が狙われねばならん…」
不服そうな元就に相変わらず困ったような表情の元親は言葉を続ける。
「俺も、情報保護とかで詳しい事は聞かされてないんだけど…この時代であんた自身を守ることこそが大事なんだと思う。あんたはタイムマシン開発における重要分岐点に関わる、これは確定された未来だ。…そのときにあんた自身とあんたをがなすべきことを守ること、それが俺に与えられた役割だよ。」
それに、と言葉を続ける。
「この1年を乗り切れば、未来からこの時間軸への移動は完全にできなくなる。政治家巻き込んで法律が変わればどうにかなるって…詳しくどうやるのかは俺も聞かされていない。だけれども、この時間軸において1年を乗り切れば、過去改竄のリスクは極めて低くなるんだってさ。」
「…なんとも荒唐無稽だな。」
 茶を啜りながら元就は言う。信じろと言う方が無理な話だ。だが、元親の話からは嘘は感じられなかった。なれば、にわかには信じがたいこの話は事実なのだろうか。
元親はぐるりと周囲を見渡していたりあまり落ち着きはないが、何故だろう。危険な存在だとは到底思えなかった。
そうして元就は、ずっと気になっていた事を口にする。
「お前…その首元にある銀色は何だ??」
 元親の髪で隠れるよう首もとには直径5センチ程度のシルバープレートがあった。アクセサリーの類ではない。まるで埋め込まれているかのようにそこにあった。そうして元親は己の手を首の後ろの髪の生え際にやり触って確かめる。
「…?ああこれか。製造番号のプレート。表皮部分に直接埋め込まれてるんだよ。」
「……は?……」
 製造番号だと元親は言うが、一体何の製造番号だと言うのだ!?だが動揺を表面に出さない元就に気づかぬように元親は続けて言う。
「俺はあいつが作ったやつの中で最古参だからなー…現役で稼働してるのおれぐらいじゃないか?昔は首もとだったんだよ。今の新型は…確か肩に製造番号があるんじゃなかったかな。」
「ちょ、ちょっと待て!!」
淡々と続ける元親を思わず遮り元就は言葉を発する。きょとんとした元親は「どうかしたのか?」と言葉を返す。何かおかしいことを言ったのか、と言わんばかりの振る舞いの元親に一瞬判断が揺らぐも、意を決して元就は口にした。
「…ということは貴様は…まるで…ロボットのようではないか。」
そうして、元就の言葉を耳にした元親は改めて元就を見つめてこう言った。
「…そうだよ。俺は未来の毛利元就が作り出した人型ロボット。正式名称はM―CK0001。通称元親、だ。」
目の前のロボットはそれが事実だと言わんばかりにゆっくりと頷いた。



人型ロボットは基本的に人間と全く変わらない姿形を持つ。だが人間と外見上差異を持たせるために一部分のみ特徴持たせることが多い。元親の場合は、その目、だった。右目が青で左目が赤。左目のみの赤い瞳がロボットである事を証明する証でもあった。

「えーと、俺は基本は護衛用だけど場合によってはお手伝い用にもなれる。あ、この場合ベビーシッターも含む、な。細かい作業は割と得意で家事もできる。この時代向けの家事データもダウンロードしたから多分難なくこなせると思う。一応基本情報は全部ダウンロードしてきたから常識的な知識も多分間違ってないはずだ。」
 とんとんとこめかみを指で叩きながら元親はつぶやく。どうやらこめかみを叩くことで目的の情報を引きずり出しているらしい。
「……正直、貴様の言ってることがよくわからん……」
 正直言って、元就の脳内許容量を大幅に越える発言ばかりだ。元就は行儀が悪いと思いつつ、バタンと後ろにそのまま倒れ込む。
―もう訳がわからん。
未来の毛利家の子孫とやらがタイムマシンと人型ロボットを作り出した。
でも過去改変をよく思わない団体とやらが、タイムマシン開発において重要な事件に関わる存在(自分)を殺そうとしている、らしい。
そうして未来の毛利家の子孫とやらが作り出した人型ロボット、即ち元親は自分を守るために未来からやってきた。
期限は一年。この一年を乗り切れば自分が殺されるリスクは極めて低くなるらしい。
…ということで間違っていないのだろうか。
 
 漫画や映画のような展開でさすがの元就も度肝を抜かれる。明日が休みで良かった。さすがに精神力が激減した状態で学校には行きたくない。これを冗談だろうと言うのは簡単だ。だが元親の存在と、出現方法がそれを否定する。使われていない机の中からあり得ない方法ででてきた男。首元に製造番号が刻まれたプレートを埋め込まれている男が、普通の人間であるはずがない。
 いずれにしろ、祖母と暮らす平穏な日常は、あの瞬間に壊れてなくなってしまったのだろう。そう思うと知らず知らずのうちにため息が漏れた。

「なぁ、あんた大丈夫か?」
 ふと気がつくと自分の真上に元親の顔があった。だらしなく床に寝そべる元就を反対側からのぞき込んでいるようだ。そして元就を案ずる、というよりもどうしたら良いのかわからず困っているような顔をしている。見た目は大人と変わらないのにその表情はひどく幼い。
「元就から言われたことは大体言ったはずだけど…なんか悪いこといったか?」
「…気に入らん」
「え!?なにが!?俺なんか言っちゃいけないこといったか??」
 そういって元親は目に見えてわかるぐらい慌てふためく。元親は自身をロボットだというがその様子はまるで人間そのものだ。慌てふためく元親の顔に、元就は両手を添える。触れた皮膚はまるで人間のように暖かかった。
「え?え?…なに?」
 元就が何をするのか全くもって想像がつかないらしい。そんな元親に元就は一言一句ゆっくりと伝えた。
「我も元就だ。…アンタ、ではない。」
 元就の不満の理由が、どうやら自身の呼びかけた名称にあったことを理解したらしい元親はしゅんとその体を小さくする。
「あ…そうか。…すまねぇ。…でもじゃあどうやって呼んだら良いんだ?」
「…貴様が上書き出来るのかは知らぬが、我も元就よ。…同じように元就とでも呼ぶが良い。」
 元就の発言に元親は首を傾げている。その様子が思いの外おもしろく元就はついでに元親の頬を摘んでのばしてみる。ロボットだとはいうが触った感触は人間の皮膚とほとんど変わらない。未来の科学技術おそるべし…!!と思いながら触れていると抗議の声が上がる。
「…いひゃいいひゃい」
「…ロボットなのに痛覚があるのか?…不思議なものだな」
 そのままふにっと掴んでのばすと手をばたばたさせ始めたのでさすがにやめてみた。すると元親は涙目になりながら言った。
「…限りなく人間に近いロボットを作る、っていうのがあっちの元就の目標だったらしいからな。俺はそのいっちばん最初に作られたんだ。だから人間と同じような痛覚もあるし触覚もある。もちろん味覚もな。まぁ、あるっていうよりは設定されてる、っていうのが近いんだけども。…耐熱温度はかなりの高温まで耐えれるけど、今の俺はあくまで人間に近く設定されているから一定の温度に触れると「痛い」と反応するようになっている…最も必要であれば痛覚は遮断するけどどうする?」
「…そのままで構わん。」
と言いながら再び元就はその頬をもにもにとさわり続ける。人間の皮膚とは似て非なる存在ではあるが、なんともさわり心地がよい、癖になる。
「ひゃは、はだひゃはふほひゃ?」
 寝転がった元就をのぞき込んだまま、困ったような顔をしつつ、まだ触るのかと元親は問いかける。ロボットだというのに困り顔に違和感が無い。なんとも不思議な存在だ、この自称ロボットは。
「うーむ…」
 元就は、思った以上にこのロボットを気に入っている自分に気がつき、戸惑っていた。やってきた経緯も登場の仕方も明らかに不審だというのにこの男からは嘘は感じられなかった…まぁ人間と言うよりもロボットだったから当然なのかもしれないが。おまけに、この頬のさわり心地の良さときたら……!!
 元就が自分の内心と葛藤していたその時だった。

「ピーピーこんにちは~」
なんとも可愛らしい声が聞こえてきたのは。
ふと見ると5歳ぐらいの幼児がちょこんと座り込んでいた。
―いったいどこから入った。
元就がそう思った瞬間、元親が驚いたように顔を上げる。
「ひゅる!?ほひゃえほひたほは!?」
「…何言ってるかわからんからもう一回話せ。」
聞き取るため改めて元親の頬をひっぱることを止めて促す。
「鶴だよ鶴!!俺の妹!!…なんで鶴まで来たんだ…?」
元親は当然のように言うが元就はそこで疑問を口にする。
「…ロボットにきょうだい関係は成立するのか……?」
アレか、有名な青い猫型ロボットのように同じオイルでも使っているというのか…!?
だがその考えは即座に否定されることにある。
「えーと…人型ロボットって俺たちのいる時代じゃわんさか作られてるんだけど、オリジナルの開発者のあっちの元就が自ら作ったロボットって案外少ないんだ。それこそ初期型の俺と最新の鶴の型ぐらい。」
「ピーピー だからあちらの毛利さんが直接作った私とおにぃさんはきょうだいのようなものなのです。」
「なるほどな…それできょうだい、か」
「ピーピー はい。正式名称Hime―0001。通称、鶴姫です。ババーンとよろしくお願いします。」
そう言って幼女ロボット、鶴姫はきちんと三つ指をついてお辞儀をする。
ちなみに元就は起きあがってあぐらをかいており、元親はその隣で正座をして座っている。見た目はどこぞのヤンキーかと目を剥いたが元親はロボットだけあって存外に行儀がいいようだ。
一方の、見た目は元親とは似ても似つかぬ彼女?は、茶色の髪をおかっぱにしておりセーラー服に身を包んでいる。この幼女のどこに人間と違う部位にあるのかと思い、見るとそれは案外簡単に見つかった。
「…耳が……」
 鶴姫の耳とおぼしき部位には白くて長い部品が装着されていた。おそらくそれが、彼女の特長なのだろう。つぶやきから察したのか鶴姫は頷いた。
「ピーピー ババーンと当たりです!!私の見た目はほとんど人間の方と変わりありません。これは集音センサーの補強として役割もある、外装です。これを装着することで人間の方との見分け方を容易にするのだ、とあちらの毛利さんは言っていました。」
にこにこと笑顔で話してくれる鶴姫だが、元就はそこに一つのひっかかりを感じる。
「…法律外ではない、のか…?」
 元親の説明から元親の左目のような明確な差異こそがロボットとしての証明だと思っていただけにどうにも違和感を感じる。だがその違和感は元親の言葉で解消された。正座を崩さないまま、目の前に座る鶴姫の頭を撫でながら元親は言う。
「あっちの元就はよく『我こそがルールよ』としょっちゅう口走っていたしな…あと業績が業績だからお偉いさんにも顔が利いてたし。まぁ鶴はこの型のプロトタイプだから、量産型よりも自由が利いたんだろうな。量産型は多分外装固定だ。…というか俺の型も量産型は外装追加されてたと思う。バイザーみたいなやつ。」
「…どういう人間なのだ…そやつ……。」
 自分はそこまでとんでもない行動や言動を多くしていただろうか。人間嫌いなのは事実だが、と元就は思わず頭を抱える羽目になった。毛利家とは奇人変人オンパレードな家だったのだろうか、と。
「ピーピー それで私はおにぃさんのサポートをするためにこの時代にやってきたんです。バーンとお手伝いしますよ~」
元親に頭を撫でられ、嬉しそうに微笑む鶴姫はそういった。
「…おう!!おめぇがいてくれたら100人力だ!!頼むぜ鶴!!」
こちらはこちらで満面の笑みを浮かべる元親がいる。
そんな二人を見て、毛利もまた、口から笑みが漏れる。そんな感覚は、久しぶりのことだった。
「……なんとも騒がしいな、お主らは。」
祖母と二人で静かに暮らしていた日々は、恐らくは帰ってこないだろう。
刺客とやらがどれだけ、どうやってくるのかも全くわからないし、元親の言っていた時間軸移動云々もよくわからない部分が多い。しかし、わからないものは、元就自身が知っていけば良いだけだ。少なくとも、穏やかではあったが、心のどこかでつまらないと思っていた日常からはかけ離れたものが体験出来るだろう。
「…退屈させて、くれるなよ?」
そうやって浮かべた笑みがどんなものだったのか毛利は自覚していない。だけれども、それはとても優しい笑みだった。



 元親には、元就に告げていない、事実が一つある。
 それは未来の毛利元就が彼の直系の子孫であること。
 そうして過去に来た目的が、もう一つあった。
 それは、愛を信じない男に、愛を教えることだった。

 愛を教えてこい、と言われた瞬間、元親はこう言った。
『元就。俺は恋愛感情までは学習したことない。正確に言えば体験したことはない。結論、俺に愛は教えられない。』
『それはおまえの今までの業務に必要が無かったから学習させなかっただけだ。…過去の毛利元就という男は、相当に変わり者だったらしくてな…親兄弟と早くに死に別れてからは人間への興味が極限までなくなったらしい。一応結婚したんだが子供を設けてすぐに離婚。挙げ句の果てにおかしな研究にのめり込んでいったらしい。』
『元就。元就も親兄弟への興味がないと判断する』
『我は別だ我は。今は過去の毛利元就の話をしている。…ともかく、毛利元就はそれらの経緯から愛を知らない。恋愛という意味での愛を知らぬのだ。』
『愛。でも過去の毛利元就への介入と愛がどう結びつくんだ?』
『…いやつながりはない。』
『ない?』
『単にやったらおもしろそうだと思っただけだ!!』
『元就知ってんぞ。それ外道っていうんだ。あと俺は男性型だぞ。それとそれこそが過去改竄になるんじゃないのか?』
『我こそがルールよ。女性型とただごとではない仲になっても後が困るだろう。ロボ萌えに走らせるよりは同性愛の方がまだ増しな気が…しないか。…まぁとにかく邪魔はさせぬ。…元親、おまえの目的は毛利元就の護衛と奴に愛を教えることだ。期限はあちらの時間軸での1年間。…まぁあれこれ持たせるが故、なんとかしろ。』
『元就、相変わらず計算してるようで計算してないところはすごい大ざっぱだな…あんた。』
『フン…計算通りに言って何が楽しいものか。たまには計算外のものでもあった方がおもしろいだろうが。…まぁ過去の毛利元就は嫌がるだろうがな。計算外のことをなによりも嫌ったらしい。』
『そうなのか。』
『…毛利元就が誰と結ばれたとしても結ばれなかったとしても、我はいずれにしろこの世に生まれ出る。途中の過程に関わる人間が変わったとしても、我という人間が生まれ出づる未来は既に確定しているのだから。…大事なのは、毛利元就という男が心底好きな相手を見つける事。あるいは、愛を知ることだ。とにかく、無事に戻れ。我が一番最初に作った貴様が、軟弱でないことを証明してこい。』
『了解した。元就。』

こうして、元親は元就に愛を教えることになったのである。
とはいえ愛ってなに?うまいのか?という元親と愛などいらぬわ、金ならよこせと平然と口にする元就である。
この二人が今後どうなるかは、まだ誰にもわからない。


「…こやつはまた微妙にさわり心地が違う…!?一体どうなっておるのだ…未来の科学技術…」
「…ひゃひゃらっへほれほほほはっはひひゃはるはよ」
(だからって俺の頬ばっか引っ張るなよ)
「ピーピー おにぃさん、鶴はバビューンと知ってます。こういうのフェチっていうんです。」

一人と二体の暮らしは、まだはじまったばかりだ。



























  毛利元就
ひねくれ者の高校生。傲岸不遜で冷徹な振る舞いが目立つ。両親を早くに亡くし、現在は祖母とともに一軒家で一人暮らし。好きなもの、金。
ある日庭の土蔵を片づけていたところ、亡き父の机を見つけ、それに触れたところ、机から飛び出してきた元親との出会いを機に非日常に巻き込まれていく。
元親によると元就ではない遠縁の毛利家の子孫の元就曰く、歴史の重要分岐点に関わる存在であり、それ故に存在をよく思わない存在から命を狙われる危険性が高いとのこと。護衛とそのサポート役として送られた元親と鶴姫に振り回されるが、徐々に変わっていく。
元親の皮膚素材が気に入っており、ほっぺを引っ張ることがお気に入り。


元親
正式名称はM―CK0001
遙か未来より元就を護衛するためにに送られたアンドロイド。アンドロイドとはいえ姿形は人間とほとんど変わらない。人間との見ための差異という名目で左目のみ赤に設定されており左目はセンサーの役割も果たしている。
開発者は毛利元就(子孫)。元就が開発したアンドロイドの中では最古参に当たる。型こそ旧式だが学習能力の積み重ねで得た経験値は誰よりも高く、最も応用の利いた行動が出来る。最も旧式故にメンテナンスは欠かせず、妹型に当たる鶴姫が送られたのもこれに起因する。
人当たりの良い性格で、お手伝いロボットとしても活動していた時期があるため家事全般が非常に得意。一方で護衛用として活動していた時期も長いため、戦闘能力は非常に高い。
人間と違和感無くコミュニケーションが取れるよう、完全自律学習型のAIが実装されている。作りものではあるが人間よりも人間らしいロボットだと開発者には称された。実は元親にはモデルになった存在がいるようであるが、誰かはわからない。

鶴姫
正式名称はHime―0001
元親のサポート役として送られた最新式幼児型アンドロイドの初期型。実働されてまもないため見たもの聞いたものをすべて吸収してしまう。見た目は幼いがサポート役としての実力はあり元親のメンテナンスを一手に引き受ける。ピーピーは元就の研究施設にいる間に覚えてしまい、口癖となった。


毛利元就(子孫)
元親、鶴姫をはじめとしたアンドロイド、即ち人型ロボットの開発者。人型ロボットの権威であるが自分がすべて手がけた型は最古型の元親と最新型の鶴姫以外ないらしい。(他は原案や監修のみ)。一方でタイムマシンの開発も行った超天才。容姿は元就(祖先)とうり二つだが、より変人とは元親の談。趣味で変なお助け道具を作っており、それを多く二人に持たせた。
○元就(祖先)には伏せているが、実は彼の直系子孫に当たる。伏せた理由としては結婚相手を知ると面白く無いから、とのことで元親にも本人には伝えないよう指示を与えている。
祖先とは異なり自分の意のままにことが運ぶことが何よりも嫌いでハプニングを期待している。


PR
[503] [502] [501] [500] [499] [498] [497] [495] [494] [493] [491]
色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

ついったのフォローは下 のアイコンから。




ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

ツイッターは基本鍵をかけていますが、フォロー申請してくださったらフォローさせていただきます。
カウンター
忍者ブログ / [PR]
/ Template by Z.Zone