がんかたうるふ 毛長新婚生活~嵐を呼ぶ幼稚園児はマジで嵐だった編~ (腐向け・現パロ・毛長) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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うずみさんが書かれた毛長新婚生活のおまけ的なその後の話し。設定使っても良いよと許可を得たので書いてみた。




書いた人:みっしー


 



 *****
 
 
 
 ここは、とある商店街にある寄り合い所である。日頃は老人会の集まりやら子供会の集まりやらで使われるこの場所に、商店街のご一行様が集っていた。今日が日曜日ということもあり大体の店は休み、開けている店にしても臨時休業の札を掲げて、商店街の皆が集まっていた。さて、これだけの人数を集めるとは一体何をやるというのか。答えは案外すぐに明らかになった。
 
「えーこれからちきちきちょべべのよびなをきめるかいぎをはじめる!しかいしんこうはわたし、いしだみつなりだ!」
「アシスタントは私、松永久秀だよ。」
 上座にて優雅にあぐらをかいだままの松永の膝の上でちょこんと座ったままの三成がそう言って開催を宣言する。
 参加した主な人間には既に開催の意図は伝わっていたらしく大きな混乱はなく、むしろ盛大な拍手を持ってそれは始まった。さすが生きる割引クーポン、石田三成。実に大人気である。だが、それに異論を唱える人間が、一人だけいた。
「…ちょっとまてええええええええ!何!何で人の呼び名を勝手に決めようとしてんの?え?なんで?」
 三成曰く、ちょべべこと長曾我部元親、本人である。
 長曾我部元親。職業はフィギュア全般の原型師。しかし商店街においては毛利古書店にやってきた「嫁」という認識である。もう一度いう。間違いではなく、「嫁」である。
 元々は古書店の主である毛利元就の幼なじみであった彼は、諸々の事情により男同士でありながら結婚式を挙げ、毛利家に嫁ぎ、元就の亡き姉の子である家康を引き取り共に暮らし、紆余曲折の末に本当の嫁になったという経緯がある。
 
「む!?ちょべはふふくか!このまえいっていたではないか!よほんとうのなまえでおぼえてもらえないと!」
 松永の膝の上で和菓子屋さん特製の紅白饅頭を頬張り、口の周りをあんこだらけにさせながら三成は言う。そして松永は「仕方がないねぇ」と言いながらそれを拭ってやっている。良い笑顔である。どうみても、どう控えめに見ても、犯罪者である。
 
「それは…確かに言ったけどよぉ…」
 真っ直ぐすぎる三成の言動を聞き、元親は思わず頭を垂れる。
 三成や松永をはじめとする多くの商店街の住人は様々な形で元就と元親が本当の夫婦となり、それに家康を加えて家族となった一件に関わったのだ。そもそも男同士であるとか問題は色々あると思うのだが、何故か全てを知った商店街の皆様は「ああ、毛利さんのところだものね」と軽く受け流していた。
 解せぬ、というのが元親の正直な感想である
 その元就は自分の隣に座り、ビールを飲みながら豆腐屋特製の厚揚げを囓っていた。見た目によらないワイルドなかじりつき具合である。さらに隣には紅白饅頭を頬張る家康がいる。
「良いか家康。この寄り合いには参加料がかかっておらぬ…持ち寄り故にな。…故にただ!家族三人で参加してもただとは素晴らしきものよ。存分に食べるが良い。そして食費を浮かすぞ。」
「よくわからんけどわかったぞ!」
「家康ー!わかんねーなら返事するな!面倒なことになるからあああああ!」
 もはや食費を浮かすことが主の目的にすり替わってきている気がする、元就。訳が分かってないのに元気よく返事する、家康。
 うちの人間はこんなのしかいないのか、と改めて考えて頭痛に襲われた。
 
 ちなみに他の参加者は単に、三成がよくわからないけど集まりたがっている→よしわかった集まろう→日曜の昼なら酒だな→酒盛りだ、という風に思考が推移していったらしく、既に酒盛りを始めている。魚屋も肉屋も豆腐屋も酒屋も八百屋もここぞとばかりに大盤振る舞いだ。
 恐るべし、三成効果。さすが生きるクーポンでありながら商店街のアイドルでもある訳だ。あの幼児が一生懸命頼んだらそりゃかなえない訳にはいかないと皆が思うのだろう。
「揚げたてコロッケ美味でござる~!団子もうまいでござる~!」
「政宗様!なりませぬ!団子を一度に六本も持っては!しかもみたらしが零れます!」
「はっ…俺はやりたいようにやるぜ!」
 ふと見ると商店街と関係があるのかないのかわからぬ三成の幼稚園での友達と家康の友達である小学校のガキ大将まで来ている。何故ガキ大将はみたらしだんごを片手で三本ずつ計六本も持っているのだろうか。持ちづらくないのだろうか、謎だ。
 というかもう商店街というくくりではない。最早なんでもありだ。
 
「俺が聞きたいのはそれもだけど…なんで当事者の俺に話が来たのは今日の朝だったのかってことだよ!」
 そう言いながら元親は隣に座る元就をギロリと睨む。睨まれた元就は涼しい顔のまま厚揚げに齧り付いていた。全くもって気にしてはいない。
 そうなのである。ちょべべ、即ち元親の呼び名を決めるために三成が開いたこの会合だというのに、当事者である元親がそれを知ったのは今日の朝の事だった。夜通し仕事をしており、朝食後に寝ようかと思っていたのだが、その朝食の場で家康が言った。「もとちかは、いかんのか?」と。思えばその時の元就がしまった…と言わんばかりの顔をしていたのは家康への口止めを忘れていたからなのだろう。何がだ、と尋ねると怪訝な顔をした家康は言った。「だってきょうはみつなりがもとちかのよびなをきめるかいぎをひらくといっていたぞ?もとちかはいかんのか?」と。その瞬間、顔を自分に見せないように横に向けた元就を元親は見逃さなかった。
「…も~と~な~り~…?これは一体どういうことだぁ~?」
 地獄の底から這い出たような形相で問い詰める元親をさすがの毛利も、知らぬ振りは出来なかったらしい。
「…イヤ、ウッカリシテイタダケヨ、ウム。」
 目をそらしたまま、思いっきり棒読みでそう言った。
「…冷や汗かきながら棒読みで言っても説得力ねーよ!!」
 毛利家の食卓に、元親の怒号が響いたのも無理はない話だった。ちなみに家康はそんな状況でも黙々と朝食を食べていた。神経が太いというのか、恐ろしき子供である。
 
 
 
 結局、当事者である元親は結局眠ることなく今この場に来ているのである。正直言って、眠い。今酒なんて飲んだら確実に寝る。というわけで今飲んでいるのはアルコールではなくコーラであった。
 元親の問いに三成は「ふむ?」と首をひねる。
「わたしがたずねたときはちかべがねていたのでいえやすともうりにつたえたのだが…れんらくふびがあったのだな。」
 つぎはちゃんとふみをしたためよう、と気合いをいれる三成にはツッコミ辛いが、元親は一応言った。
「いや、連絡不備というか…あれは元々伝える気無かったぜ…?」
 恐らく、元親が出ることが自分にとって何らかの不利になると考えたから元就は今まで自分に伝えなかったのだ。何が、までかはわからない。隣で浴びるように酒を飲んでいるにも関わらず全く表情を変えない、この男の真意は未だに読めない。
「ではほんだいにはいろう。ちょも、おまえはどのようによばれたいのだ?」
 両手で狐の可愛らしいイラストが描かれたプラコップにオレンジジュースを入れてこくこくと飲みながら三成は元親に問う。そんな三成を可愛くてたまらないというように松永は頭を撫でている。もう一度言おう。どっからどうみても犯罪者である。そしてアシスタントと言いながらさっきからやっていることは三成を愛でているだけである。仕事しろおっさん、と元親は未だ底知れない呉服屋のご隠居を見て思った。
 
「…あのー…こんなこと言ったらなんだけど、まずお前が俺の名前をよばねーのが原因じゃね?」
 三成は年齢に不釣り合いなほど聡い子供である。この年齢であれば読めないはずの漢字も「かたちでおぼえた」とわからないなりに読んでしまう恐ろしさである。なのに元親の名前は覚えない。結局かれはいつも、ちょべ、ちょかべ、ちょも…など本来の名字とは似て非なる名字で呼び出すのが常である。そしてそれはいつでもどこでも変わらない。商店街で買い物していようが、幼稚園にいっていようが、変わることがない。結果、不確定な呼び名だけが固定されていったのである。
「魚屋ではちょもさんだし、豆腐屋はちょかべさんだし…っていうか俺の名字ってそんなに読みづらいか?」
「ちかべのみょうじはおぼえづらいのだ…」
 しゅんとする三成に少し違和感を覚えた元親はふと手元にあったチラシ裏の白い部分を使って、手持ちのボールペンで文字を書くと三成に問う。
「これは?」
「まつながひさひで」
「こっちは?」
「もうりもとなり」
「じゃあこれ」
「とくがわいえやす」
「…じゃあこれは?」
「ちべ!」
「なんでだあああああ!先の三人は読めてなんで長曾我部がよめねーんだよ!訳わかんねえええええ!」
 
胸を張る三成とは対照的にがくりと項垂れる元親を誰も責められまい。
『松永久秀』、『毛利元就』、『徳川家康』この三人も形だけで覚えたにしては十分難しいと思うのだが、この三人が覚えられて何故に『長曾我部元親』は覚えられぬのであろうか。解せぬ。
「せいかくにいうとぎょうぶとかんべえがこやつはそんざいさえたしかににんしきしておけばなまえはどうでもよいといっていたのでわたしはあまりおぼえるきがなかった!」
「それはそれでひでえな!?つか本当にあのふたりってなにもんだ!?」
 三成の口からよく聞かれる名前だが実際に会ったことは数少ない存在に対して、疑惑の念も含めて声を荒げる。そんな元親に対して「まぁまぁ」と言いながら黙りっぱなしだった松永が口を開く。
「彼らは彼らだ。まぁ…関わっても君ならば、大丈夫だろう。彼らなりの親しみだと思っておきなさい。本当に悪しき者と認識されたり、後ろ暗いものがあるものならばこうはいかない。物理的にも社会的にも消されるから。」
「…ようやっと発言したと思ったら物騒極まりない発言ありがとよオッサン…。」
 名ばかりのアシスタントじゃなかったんだなぁ、と人ごとのようにぼんやりしながら元親は少々落ち着きを取り戻すべく、手元のコーラを飲み干す。少しぬるくなってはいたがこの際関係ない。
 そうだ。三成は普通の子供じゃない。でもその普通じゃない部分に大いに助けられたのだ。自分も、家康も。…ひょっとしたら元就自身すらも。
 隣に座る元就はこっちの会話がだだもれであろうに一向に気にする気配無く黙々と食べ続けている。何も気にしないのかと思ったが空になった元親のグラスに冷たいコーラを注いでくれたあたり、気にはかけてくれているらしい。「ありがとよ」と一声かけてから受け取った。彼のそういう、さりげない優しさが昔から好きだったことを思い出しながら。
 
 
 
「しかし、なまえのよびながだめだとするとなんとよべばよいのだろう?いえやすのははだからははうえか?」
 松永のひざから抜けだし、家康と並んで仲良くお稲荷さんを半分こして食べたかと思うと、今度はケーキ屋さんの特製プリンアラモードをつつきつつ三成は小首を傾げて問う。
 ちなみに周りの大人達の大半はもう出来上がっている。ぐでんぐでんである。大人も子供も素面もよっぱらいも混在する飲み会はどこまでもカオスであった。今やこの集まりが呼び名を決める大会であった面影は三成とその周囲を除いて消え失せていた。
 だが、三成の提案を元親よりも早く、プリンアラモードに入っていたさくらんぼを三成から譲られた家康が首を横に振って拒否した。
「みつなり、それはちがう。ワシのはははいまもむかしもひとりだけだ。もとなりはもとなり、もとちかはもとちかだ。それでもワシにとってはたいせつなかぞくだ。」
 幼子の声とは思えないほどしっかりと発されたそれを、元親はなんとも言えない思いで聞いていた。
 交通事故により実母と死別した家康はその母の弟である元就と、その嫁になった元親と共に暮らすことになった。てんでばらばらでちぐはぐな人間関係。だけれども、色々あって『家族』になった。いや、『家族』として、はじまったばかりだ。傍から見たら不思議な関係だろうけれども、元親は家康が『家族』と評してくれたことが何よりも嬉しかった。
 
「というかもとちかがははならもとなりをちちとよばねばならぬではないか!それはいやだ!」
 感動をぶちこわすような爽やかな笑顔で家康が言った。裏表がなさ過ぎてこの子どうしよう、と元親は思わず背筋が凍る。
「…我とて甥っ子に父と呼ばれる謂われはないわ。」
 一見平静を装いつつ、密かな怒りを滲ませた元就の声が周囲に響いた。
「あははははは…」
 元親は、乾いた笑いを浮かべることしか出来なかった。だがその元親を今度は元就がキッと睨み付ける。
「え…?俺なんかやったか?」
 心当たりが無いだけに何故怒られなくてはいけないのかがわからない元親に対し、思いっきり眉間に皺を寄せた毛利は、座位のままぐいっと元親に近づいて言った。
 正直言って、かなり顔が、近い。日頃は怜悧なその容貌が息を吹きかけられればわかるぐらいの位置にいることに元親は鼓動が早まるのを実感する。
「…さっきから黙って聞いておればぐだぐだと…そんなにちゃんとした名字で呼ばれたければ、さっさと養子縁組でも結ぶか!?」
「は!?なんで?なんでそうなるんだよ!?」
 突然激昂した毛利にも、激昂する理由もよくわからない元親は困惑するしかない。だが元就はその整った容貌を歪ませると、深い溜息をつきながら続ける。
「簡単な話だ。名前をもじった変な名で呼ばれるのがイヤならば、真に我の籍に入るが良い。名実共に、嫁になれるぞ。おまけに名字も毛利になれる。」
 毛利は、真顔だった。
 
「…ええええええええ!?おま、それ飛躍しすぎだろ!?」
 これだけ大声出して騒いでいても、周りがそれ以上に大声を出して飲んだくれているのであまり気付かれない。この状況に追い込まれて初めて、元親はこの飲み会という状況に感謝した。いや、嫁であることは知られているんだけれども、だけれども!人前で見られるのは恥ずかしいことこの上ない。
 元就はその元親の慌てように満足したのか、その表情から先ほどまでの不機嫌さは消え失せていた。そしてどこか楽しげな表情を浮かべる。
「何を言う。一番確実で確かな方法よ。石田が我の名字であれば読めるのはそなたも知っておろう。商店街での呼び名も嫁か毛利嫁で統一出来るぞ。わかりやすかろう。」
 所謂ドヤ顔で決められても色々ツッコミ所満載である。なまじ元就の顔が整っている分、どうしたらいいのか分からない気持ちで一杯になりながらも元親は必死に焦って考えた。
 少々間が空いてしまったが故に、間近に迫る毛利の目が胡乱げなものを含ませているのを気付いていたが、こればっかりは仕方がない。なにせ寝ていないのだから。そして、元親は意を決して答えた。
 
「いや…でも職業柄名字変えるのはあれだし…親は…まぁ式まで挙げてるから俺の事諦めてるからなんとでもなるかもしれねーけど…でも、あんたの事は昔から大好きだけど、それはなんか、嫌だ!」
 
 それは一瞬の事だった。
 
 元親は、自分が眠さのあまり判断能力が鈍っていることを自覚していたが、自覚しているだけだった。どさくさに紛れて、人前で「大好き」と言ったことには全く、気がついていなかった。
 むしろ気がついたのは元就の方が先だった。一瞬ぽかーんとしていたがすぐに気を取り戻し、はっとして周囲を見渡す。そして自分が何を言ったのか自覚していない元親に対して、言う。
「こんの…馬鹿者が…!」
「ひぎゃ!」
 思わず額をべしっと勢いよく叩かれ元親は情けない声を挙げる。それと同時に、フンっと口にしながらも元就の体が元親から離れていった。そうかと思うと、元就は元親の手を引いて立ち上がる。いきなりのことで抗議の声を挙げそうになった元親だがそれよりも先に元就が言う。
「石田、松永。我はこやつを連れて帰るが故、締めは任せたぞ。家康はどうする?」
 未だに三成と並んでおやつを食べている家康は首を横に振った。
「ワシはまだみつなりとあそんでいくぞ!」
 そういう家康に応じるように三成もこくこくと頷く。そんな二人を見て元就は頷く。
「わかった。気を付けて帰ってくるがよい。夕方までには戻れ。今日は関西風うどんだ。」
わかった!と元気よく返事する家康を見届けると元就は今度は松永に向き直る。松永はこれまた楽しげに口元を歪ませると、元就と元親に言った。
「…妬けるねぇ…妬けるあまりこう思ってしまうよ…爆ぜろリア充…と。」
 顔色を青くさせたり赤くさせたりする元親とは対照的に、毛利はそれに対して全く動じず、むしろ鼻で笑って答えた。
「愛人を囲っては刺される男もある意味充実しているではないか。…言っておくが、我が死んだとしても決っっっして貴様には渡さぬぞ。」
 むしろ誰にも渡さぬ、と毛利は言う。肝心の「なにが」とは一言も口にしなかったが。松永は理解していた。プリンに夢中な幼子は気付いていない様子だったが。
 元就のその返答に松永は残念だ、と言わんばかりに手を上に向けそして首を横に振った。欧米人のようなリアクションである。
 
「好みなんだがねぇ…特に顔。…残念だ。」
「あいにく、このようなじゃじゃ馬を貴様が御しきれるとは到底思えん。」
 正直眠さのあまり寝ぼけていた元親には二人が何を話しているのか全く察することが出来なかった。それが幸運なのか不幸なのかは、誰にも判断出来ないのだが。
 
 
 
 引き摺られるように寄り合い所を去っていった元親と元就を家康と三成、そして松永は手を振って見送った。
「…夫婦喧嘩は犬も食わないと言うがね…」
 苦笑を含んだ松永の呟きがその口から漏れる。
「けっきょくもうりがもとちかにいわなかったのは、ひるにねないでいたらたいちょうくずすことがおおくなるからそれをあんじてだろう?かいぎのひはずらせなかったしな」
「…ワシはもとなりのきづかいをこわしてしまったのだろうか…」
 三成の発言をききしょぼくれる家康の頭を三成がなでる。
「いえやすはわるくはない。わるいのはきちんとせつめいしなかったもうりだとおもう。あのおとこはかんじんなところでふせるからだめなのだ。おとこならばびっときめなくれはなりません、とわたしのははうえはつねづねいっているぞ。」
「みつなりのははうえはすごいなぁ」
 そういって和やかに会話する二人の子供を松永は見つめていた。
「…本当に、君たちが羨ましいよ」
 呟きは、二人の子供に大してだったのか、立ち去ってしまった二人に対してだったのか。それとも、この場にはいない第三者の事だったのかは、だれにもわからない。
 
 
 
「…しっかり歩かぬか!!コーラでほろ酔いになる奴など初めて見たぞ!?」
「…うー…悪ぃ…」
 寝不足と場の異常なまでに盛り上がった空気からか、酒を飲んでいないにも関わらずほろ酔いになった元親は元就に肩を貸される形で家の寝室を目指していた。
 やはり、無理矢理にでも連れ出してよかったと元就は思う。人前で自分に対する好意を出すことに恥ずかしさが先立つ元親が、あんな場に置いてぼろっと大好きと口にするなぞ酔っているに違いないと思ったら案の定だった。とはいえ悪酔いではなく、あくまでほろ酔い程度なのが不幸中の幸いであったが。
 そんな事を考えながら手早く元親の寝具を整えていく。このまま放っておいたら立ちながらでも寝そうな元親を放置することは出来ない。
「ほら…早く横にならぬか。」
「うーん……」
 半ば意識が飛びかけているらしい元親はもうその返事すらもおぼつかない。どうやら人前にいるという緊張の糸が切れたことで最後の気力は失われつつあるらしい。
「さっさと上着を脱げ…窮屈な格好ではろくに寝られぬぞ。」
 なんやかんや言って元親には甘いという自覚のある元就は最早意識を飛ばしかけている元親に代わり服の準備まで行い始める。だがその最中で、元就の真正面にいたはずの、元親の体がぐらんと前に倒れ出す。
「な……!」
 そしてそのまま元就を押し倒すかのような体勢で布団に倒れ込んだ。
 
「…重い…」
 何をどうしたらこやつはここまででかくなるのだ。小さい頃に会ったチカちゃんとは似ても似つかぬその体格に溜息をつきつつも、毛利はなんとか元親の体を押し上げて隙間を作り、這い出る。見た目以上に力のある毛利だからこそ出来る行動であり、普通の人間には難しい行動であることを付け加えておく。
「……ん~……」
 そんなことには全く気がつかず、すっかり寝入ってしまったらしい元親の寝顔は思った以上に穏やかだった。というよりも、でっかい図体を妙に縮めて眠るものだから、なんとも言えず愛らしい。体全体を丸く縮めて眠る元親はそれだけ見ると子供の頃と全く変わっていなかった。
「いや…変わってはおらぬ、な。」
 姿形が変わっても、元就が幼い頃から思い焦がれたチカちゃんであることに変わりはない。そして今でも、愛している。
 
 大切な家族。唯一無二の愛しい存在。もう手放すことなど出来はしない。いや、手放す気などないのだけれども。そこまで考えて、元就は眠る元親に手を伸ばす。
 そして元就はそっと、眠る元親に軽く口づけをした。
 きっと永遠に、自分は彼を愛するだろう。例え己が死んだとしても、その愛で彼を縛り付けるだろう。仕方がない。これが自分の愛し方なのだから。
 
 
 
 そうしてそれからしばらく経っても元親の呼び名は相変わらず一貫性のないままだった。だけれども元親の呼び名を決めるという名目で、石田は度々集まりを企画する。それは変わらず周囲の大人達を巻き込んで、最終的に商店街総出の飲み会になるのだ。 
 
 それがいつしか商店街の恒例行事になっていくことなど、安らかな眠りについている元親にも、彼の髪を撫でていた元就にも、予想だに出来なかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
○幼稚園児可愛いなぁ…。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
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