がんかたうるふ 花嫁と眷属(松親・パラレル) 忍者ブログ
こちらはサークル「がんかたうるふ」のうずみとみっしの二人組が、ラッキードッグ1とばさらのこばなしを黙々と投下する場所です。
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神様松永さんとその嫁(候補)元親と松永眷属のケモミミヶ原がゆるゆる過ごしている話。

ゆるゆると再開します。


書いた人:みっし



 *****



『お前を守る為にきた』



 銀髪の、見目麗しい美形に微笑まれながらそう言われたら、世の女子は皆嬉しいものかもしれない。しかしそれは女子の場合であり、元親は間違いなく生まれながらに男子である。
 そして何より、元親はこの石田三成と名乗った青年の本当の姿を知っている。人に話しても到底信じてはもらえないその正体を。



「………」
 現代文の授業中、ふと自分の隣の席を見る。
 そこには件の、朝のHRにて爆弾発言を投下した石田三成が物珍しそうに教科書を読んでいるのが目に入った。その瞳には未知なる物への好奇心がありありと浮かんでいるのが見て取れた。
(本当に楽しそうな顔してまぁ…)
 呆れつつも、本当の姿とどこか印象が被るその様子に思わず笑みが零れる。本当に、変わらない。松永の家で落書きしていたときと同じように無邪気なそれを見ながら、元親は朝の事を思い出していた。

 

 突如として自分のクラスにやってきた転校生。そこまではいい。ただ夏休みがあと数日で始まるこの時期に来るのも珍しいな、と話を聞いて思った。
 だから、担任が彼を連れてきたときは驚いた。
 まるで、松永の眷属たる佐吉が、人間として成長したらこうなるのでは無いかというような容姿の青年がその場に立っていたのだから。呆然とする元親に、石田三成なる青年はつかつかと近寄り、こう言った。

『私だ!佐吉だ!』

 まさか、日頃は幼児の佐吉が、二語文しか話さない佐吉が、自分を物理的な意味で食おうとしている佐吉が、何故に成長した人間の姿で現れようと思おうか。
 普通は想像出来ないだろう。だが、自分の想像の範疇で考えては行けない。何故ならば、相手は神様とその眷属だからである。そのことを元親は身をもって自覚していた。
 そして極めつけがあの言葉である。

『私はお前を守るためにここにきたんだ!』

 満面の笑みで、本人にしてみると松永から頼まれたという誇らしい気持ちで発言したのだろうということは容易に想像が出来たが、転校生が長曾我部に告白した、という歪んだ形で噂が駆け抜けるのも容易に想像がついた。
  更に「知り合いであるならば」という担任の配慮により席は隣、おまけに学校内の案内まで仰せつかってしまった。佐吉、いや三成は無表情を装いつつ上機嫌である。

「…これが机か。中々機能的なのだな!」
「む?これが教科書…?表紙がカラーだぞ!?いいのか!?贅沢では無いのか!?」
「おおお!?元親!?この機械は小さい人間でも住んでいるのか!?ジュースがでてきたぞ!?…知識では知っていても実際に見ると小人か精霊の仕業としか思えぬな…」

 などと発言して周りの生徒を呆然とさせていた。
 一応三成は、とんでもなく山奥の田舎から家庭の事情で転校してきたので色んな知識に疎いということになっている。最初は色めきたった女子はそのあまりの天然ぶりに呆気に取られ、美形ぶりに嫉妬した男子は三成が何事に対しても斬新な反応を示すので哀れみの視線をくれるようになった。
 最も、三成はあまり気にしておらず、恐らくは初めて目にするであろう物に夢中になっているようだった。この辺の反応は佐吉の時と同じで変わらない。

 元親としては対元就の言い訳を考えるのに頭が痛い。朝の三成の発言は、歪曲された意味で元就に伝わっている。携帯のメール着信が凄い勢いで増えたのはそれが原因だろう。何通か開いてみたところ「噂は誠か」と記載されていたので「噂がなんだかしらねーけど昔の友達が転校してきた」と返信したところ、凄い勢いでまた返信が来たのでそれはもう開いていない。もう個別フォルダの件数がえらいことになっている。

「……はぁ」
 人知れず、元親は溜息を吐く。もうすぐ昼休みになる。そうすれば、元就の襲撃は避けられないだろう。逃げたところで自宅で詰問されるぐらいならば今ここで腹をくくってしまった方が良いに決まっている。とはいえ、メールで伝えたこと以外に言えることなどないのだけれども。
 それに、時間が無くて聞けていないものの、何故佐吉が姿と名前を変えてまでここにきたのかも聞かなくてはならない。

 そんな事を考えながら時間だけが過ぎていった。



「…誰だ貴様」
「人に対して貴様という貴様こそどこの貴様だ。…ああ、お前が毛利か」

 さすがに教室で修羅場はまずいと判断した元親によって昼食は屋上でとることになった。元就には事前にメールを送り、三成と友に屋上に行く。さして間もなく、元就がやってきたのだ。そして元親を間に挟み、にらみ付けるような元就と涼しげな顔で見下ろす三成が対峙した。
 一言で言うと、険悪そのものである。
「…あー…元就。こっちが俺のクラスにきた転校生で石田三成。担任から面倒を見てやれ頼まれた。三成、こいつが俺の従兄弟で同居人の毛利元就だ」
 にらみ合う二人に挟まれながら、その雰囲気に耐えきれなくなってきた元親が若干顔を引きつらせながらも双方を紹介する。
「………」
「………」
 だが元親の努力もむなしく、二人はじーっとにらみ合っているだけである。
(…気まずいにもほどがあんだろおおおおおお!!)
 屋上にいたはずの他の生徒達は三人の間に生まれた黒い何かを悟ってか皆いなくなった。懸命な判断だと元親は思った。逃げられるものなら自分とて逃げたい。
 しかし膠着状態が続くかと思われたその時、『ぐー』と見事な腹の音がなった。
「…腹が減った。食事にしよう」
 けろりとした様子で三成が右手のお重を高々と掲げながらときょろきょろと周りを見渡し、フェンス側に赴くとフェンスを背にその場に座り込む。先程までの元就への敵意が嘘のように落ち着いた佐吉はきょとんとした表情で元親に問いかける。
「?食べないのか?」
 悪気は無く、純粋に空腹を感じたので言ったのであろう。何せ中身は佐吉である。こう見えても幼児である。ご飯と遊ぶことが大好きな人外である。
「……食う」
「………」
 本日何度目かわからぬ溜息を吐きながら、元親は元就を伴って三成の元に向かうのだった。

「……これはなんだ?」
 三成の重箱を指さしながら眉根を寄せた元就が苦々しげに口を開く。
「うん?おいなりさんだが」
 三成はさして気にする様子も無く重箱を抱えている。重箱の中には、一面いなり寿司で埋め尽くされている。一体何個あるのだろうか、検討も付かない。
「一面いなり寿司って…食べきれるのか?」
 元親の問いかけに三成はうむと言いながら頷く。
「いなり寿司は好物だから問題ない」
 そうして手を合わせたかと思うと「いただきます」と言い即座に食べ始める。あんぐりと口を開けてあっという間に一個、また一個と平らげていく。見た目の細さとは裏腹なその食欲に元就は呆気に取られているようだ。だが、はっと気がついたかのように弁当を凄い勢いで食べ始める。そして食べ終え、弁当箱を片付けると言った。
「すまぬがこれから委員会の打ち合わせがあるのであった。先に行く」
「お?…おお」
 そんな話は聞いた覚えが無かったが、元就は準備を終えるとさっさと立ち上がってしまう。そして三成を一瞥すると元親に向き直る。
「…元親。本当に、ただの転校生なのだな?」
「確認するもなにもそれしかねぇよ…」
 本当は嘘なのだが。むしろ隣の家に住む幼児の皮を被った人外なのだが、それを告げるわけにはいかない。
 元親の心の葛藤を知ってか知らずか、元就は一言「まぁよい」と呟くとすぐにいなくなってしまった。

 屋上に残されたのは、未だにいなり寿司と格闘している三成と、弁当箱を抱えた元親のみだ。
 今いる日陰はそれほどでもない物の、照り返す日差しの強さが夏を感じさせる。
 夏、そうだ。もうすぐ夏休みだったと元親は改めて思い出す。松永や佐吉、竹千代と再会してから初めて迎える夏。松永と出会って、自分が左目を失ったのも、夏の出来事だった。

「…夏だなぁ…」
 ぽつりと呟いた言葉に、頬を膨らませたままの佐吉が頷き答える。
「ひょうははは」
 本人は普通に話したつもりなのだろうが、いかんせん両頬が膨らんでしまった今となっては理解出来るはずも無い。
「…お前はまず全部食ってから話をしろ!!」
「?ふぁふぁっふぁ」
 相変わらず齧歯類のように頬を限界まで膨らませてほおばる三成は、やはり成長しても佐吉は佐吉なのだなと感じるのに十分なほどの説得力があった。



 その後元親の弁当の一部までつまみ食いして三成は食事を終えた。
「さて…これでようやく説明が出来るな」
「…うん頬にご飯粒付けて言う台詞じゃねぇな…」
 持っていたティッシュで取ってやると三成は「ありがとう」と口にする。見た目はでっかいが、中身は本当に佐吉なのだなと改めて痛感した。
 そして、その三成はというと改めて元親に向き直り正座で座っている。
「…まず、お前を守ると言ったことだが、あれは嘘では無い」
「…え?マジで?」
「マジだ。大マジだ。松永が言うには、お前の周りに何かが集うのだと出ているらしい。だが、それを防ぐためには四六時中近くに居た方が効率が良い。お前が家に居るときはともかく、学校に居るときになにがあっても遅いということで、私が遣わされたのだ」
 制服姿に、異常なまでに背筋を伸ばした正座姿で三成は言う。
 ちなみにと前置きすると三成はゆっくり口を開く。その重々しい様子に元親は思わず息を呑んだ。
「…元々は松永が頑張って行こうと思ったらしいがどうにも学生には見えないと言うことで私がくることになった」
「何を考えてんだあのおっさん!?正気か!?絶対おかしいだろ!?」
 ナイスミドルなひげの中年男性が、制服を着て着席している様子を想像してしまった元親は思わず頭を抱える。どこのコスプレだ。そんな神様を俺は認めねぇ。むしろあのおっさんが神様って嘘だろ?
 心の底から叫びたかったが叫ぶわけにも行かず、座ったまま頭を抱えると「よしよし」と佐吉が、普段元親がしてやるように頭を撫でる。普段と立場が逆転したようで面白くないが、ふと見ると佐吉がとても楽しそうだったので拒否はしなかった。佐吉はしばし元親の頭に触れていたが、ふとその佇まいを正して向き直る。
「…だから私が行くことになった。松永の力を少々借りて肉体を一時的に成長させることでな」
 確かに、石田三成と名乗る今の佐吉は恐らく彼が成長すればこのような容姿になるのだろうな、と容易に想像出来る容姿を持っている。
 これだ、と言いながら三成は首元にさげているお守り袋を掲げる。これに松永の力を込めているようだ。
 しかしそれならば疑問が募る。
 元親は、外からは見えないようにお守りを厳重にしまい込んでいる三成に向けて問いかけた。
「?なぁ佐吉だけなのか?竹千代は?」
 すると三成は表情を苦々しげに歪めると、溜息をつきながらこう言った。
「…あいつは、成長することまではできたのだが…どう頑張っても耳としっぽが消えなくてな…不適応とされ行けなくなった」
 だからあいつは留守番だ。不機嫌そうに言いはなつ。
「ああ…なるほど」
 たとえ成長したとしてもしっぽも耳も消せないのであればさすがにやばい。コスプレと言い張るのにも無理があるだろう。
 同時に、三成が頬を膨らませてむくれている理由もわかった。きっと、いつも隣に居る竹千代がいないから、寂しいのだろう。
 いつもユニゾンのごとくほぼ同じ行動を取っている二人である。それは毛玉になっても変わらない。松永に言われて納得はしていても、やっぱり寂しいのではないかと元親は思った。しかしだとしたらなおのこと佐吉のしっぽは消せたのに竹千代は消せなかったのかがわからない。個人差でもあるのだろうか。

「…私はしっぽも耳とちゃんと消せたぞ?元親、偉いと思うか?」
 本来の年齢相応の幼さと垣間見せるその姿は褒めて欲しいと暗に言っているようだったから、だから元親は笑顔でそれを肯定した。
 神様の眷属で人外とは言え、こいつも竹千代もまだまだ子供なのだ。自分が子供の頃そうだったように、認めて思いたいと思う気持ちは強いだろう。子供っぽいと言われる元親だからこそそう思ったのかも知れない。
「そうだな、偉いと思うぜ。佐吉は頑張った」
 笑いながら今度は逆に頭を撫でてやる。するときょとんとしたような顔を見せたがすぐにまた、笑い出した。いつもと同じ、佐吉の顔で。

『…随分と仲が良いんだねぇ』

 いきなり第三者の声がしたので慌てて振り向くとそこにいたのは一羽のカラス?だった。異常にでかいことを除けば、見た目はカラスだろう。何となく目がまがまがしくて黒い羽の一部が白くなっている事を除けば普通のカラスだ。多分。
 そこまでいったら最早カラスではない、そう思いながらも見た目はカラスである鳥を怪訝な顔で見ると、三成は実に慣れた様子で駆け寄っていく。

「…まつなが!!なんでそのかっこうなんだ!?」

 日頃の幼い口調になりながら三成は驚いたように声をかける。
 あのカラスが、松永??
 にわかには信じられないその言葉に元親は顔を強張らせる。

『いやなに、君がどんな首尾なのかと、あとは花嫁殿がどんな調子なのか見ておきたくてねぇ。思わず来てしまったよ』
 相変わらず麗しいね。

 淡々と人語を話し、熱っぽい視線を送りながら自分を口説くカラスなど、中身は松永以外に考えつかない。

 この世には相変わらず、ろくな神様がいないらしい。そこまで考えて元親の口から思わず溜息が漏れた。



『竹千代は「みつなり ぶん みる! ぜんぶ おぼえる!」といってきかなくてねぇ、結局テレビの前に座り込んだままだよ』
「ご丁寧に竹千代の声まで再現してんじゃねーよ!?びっくりするだろうが!!」
 目の前で堂々とくつろぐ巨大なカラス(中身は松永)を前に元親はうんざりしつつ突っ込むことしか出来なかった。
「松永は相変わらず芸達者だな」
「芸達者っていうレベルじゃねぇだろ…」
 相変わらずピントがスレたその発言にはぁっと軽く溜息を吐いた。
『まぁこれは暇つぶしの一環だがね…さて、冗談はさておき、本題に入ろうか』

 松永の声が重々しいものに変化していくのを、元親も三成も確かに、見た。

 気づけばいつの間にか周囲の音が止んでいた。まるでこの一帯の時間が止まってしまったかのような、不思議な感覚に襲われる。

『神たる私が話せるのは、ごく一部のことだ。本来であれば人の姿で会うのが望ましいものだろうが…すまないね』

 姿は獣だというのに、松永の声をして告げる。

『運命が動く。良い意味でも、悪い意味でも。そして君は、選ばなければならないだろう。私は、その選択に口出しは出来ない』

「俺が、選ぶ…?」

『そう。君自身が考えなくては意味が無い。そこに、神たる私は介入できない。…そして同時に嵐のごとき存在がやってくる。害は無いのだが…何せ強引でね。佐吉はそれへの手助けを頼んだんだ。』



 そこまで言うと松永は顔を佐吉に向けた。

『まぁ…世間知らずで何とかなるぐらい…かな…』
「何とかなったぞ松永!!」
「いやあんまりなってねぇよ!!」
 珍しく自信なさげにそう言う松永と力一杯肯定する佐吉に思わず突っ込むことしか出来ない。世間知らず過ぎてクラスメートから憐れまれるレベルというのも微妙なレベルである。

『私が言うのもなんだけど…ほら、佐吉も竹千代も…箱入りだから…人間界の常識は、あるけどズレていてね…』
「あんたまさか主に昭和初期の教育しかしてないんじゃ…」
 そこで松永は思いっきり顔を横に背ける。
『…さて、そろそろ私も戻るか。竹千代を一人にしておいて帰ったら家までもが無くなっていたら子割るし』
「わかりやすくごまかしやがった!?」

 追求する逃れる元親から逃れるように、カラスの松永は器用にとんとんと飛んでいく。

『では、無事を祈っているよ。花嫁殿』

 そうして松永は来たときと同じようにあっという間にいなくなった。



「相変わらず読めないおっさんだぜ…」
 運命、と言った。何が運命なんだか。そう呟いた所隣の佐吉が言った。
「安心しろ、死ぬことは無い」
「…いや、死んでたら困るだろう」
 そこで佐吉はうーんと首を捻る。
「…人間の嫁は前例があるが幽霊の嫁は前例がないな…」
「死んでも嫁にする気かよ!?」
「当然だ!!」
 物騒な呟きに元親は再度突っ込まざるを得なかった。



 放課後。
 日直業務があるという元就に、三成に近所の事を教えるからと伝え、二人で帰路についていた。

「この姿で外を歩くのは新鮮だな」
 そう言いながら佐吉はきょろきょろと辺りを見渡した。
「あー…そもそもお前、外に出ないもんな…」
 
 佐吉が外に出るのはもっぱら毛玉での状態のはずだと言うことをそこで改めて思い出す。幼児の姿では興奮したら耳と尻尾が飛び出すので佐吉も竹千代も容易に外には出られない。

「あと一つ聞いて良いか?」
「うむ?どうした?」
 元親は思い切って、朝からずっと気になっていたことを尋ねることにした。

「…お前、なんででっかくなると話口調がかわんの?」

 姿形は変わっても中身は佐吉のはずなのに、話す言葉が違う。一体何故だ。
 だが佐吉はうーんと唸った末に、一言だけ言った。

「何故だろう…」

「気づいてねーのかよ!?」

 まさかそう返されるとは思わなかっただけに深い溜息を吐く。
「自然と、この姿になったら口調が変わってしまうらしい…うん。松永が来たときはびっくりして戻ってしまったが」
「…まぁ確かに、普段のしゃべりで学校に来られたら目立つよなぁ…」

 そうやって並んで歩いて居たときの事だった。

「…元親、避けろ」
「え…?…うわああ!?」
 突如として三成によってそれまで居た場所とは反対側に追いやられたと思ったら、まばゆい光が遅う。

「ここ…焦げてる?…俺がいたとこ、焦げてる!?」
 まるで強い熱源で襲われたかのように、辺り一帯が焼け焦げていた。

「…相変わらず、物騒だな。貴様は」
 いい加減、姿を現したらどうだ。

 三成のその言葉と同時に、何も無いはずの空間が歪み、人影が姿を現した。


「よぉ、子狐。元気か?」

 黒い髪、右目の眼帯。全身に青を纏った青年がそこにいた。

「貴様に会ったせいで元気とは言い難いことは伝えておこう」

「…相変わらず冗談が通じねぇな、お前は」
 青年はそう言ってゆるりと笑んだ。



「おおおおい、お前の知り合いか!?」
 むしろ先程の雷すら彼の仕業なのだとしたら、彼もまた人外の一人だろうか。
 そして佐吉はゆっくりと頷く。

「伊達政宗。松永と懇意の、龍神だ」

 佐吉にそう言われると伊達政宗なる龍神は楽しげにけらけらと笑い出した。

「おーようやく覚えたか!!」

 佐吉の表情は変わらず、憮然としたままだ。

「単刀直入に聞く。何をしに来た」

 楽しげな笑みをそのままに、政宗は言う。

「そりゃあお前…あのおっさんが見初めたっていう花嫁を見に来たにきまってんだろ?」

 嫁。
 花嫁。

 神様の、花嫁。


「……俺かああああああ!?」



 


 夏休みまであと数日。
 

 過去最大級の嵐がやってきた瞬間でもあった。
 






○筆頭が来ました。筆頭の嫁も来ます。
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色々説明






拍手現在豊臣家転生パロ中学生編入ってます
(現在2本 家三 チカナリです)


注意事項
・フリーリンクじゃないです、基本的にはリンクはお断りしています
・ひっそりこっそりが信条なので、黙々と
・捏造、not公式のこばなしが多いので、スルー推奨


ラキドでは幹部全員を溺愛しておりますが、ベルナルドとイヴァンは特に偏愛。ばさらは家三とか奥州の愉快な仲間達と毛長がメインです。うずみさんが現在官三とか官佐にずっぽりとはまり中。
基本は、愛想のかけらもない「ネット怖い~」の書き手が二人で色々書いている場所です。


書いている人


みっし

・生真面目で堅物でムキムキな男性と一見そうじゃなくても根は真面目極まり ないキャラをこよなく愛している、がんかたうるふの片割れ。編み物とお菓子作りが趣味という、第三者曰く可愛らしい一面を持つ反面、パニクると踊ったり、オロオロしだして周囲は見ていて楽しいらしい。荒ぶる舞は、職場の名物だったりする……らしい。
イヴァンちゃんと片倉さんとシズちゃんとスカイハイさんと陛下を思いっきり愛している。好きなアニメは銀魂と最近はFate/zero。型月ファンというよりは元から虚淵ファンでうずみさんからオススメされまくった末にようやっと手を付けて完読した。ライダー組おいしいです。エクシリアではダントツで陛下が好き。陛下が使用可能になる完全版があるなら複数買いしても構わないとのたまう日々。バサラの好きキャラは片倉さん一強だったはずなのに最近はアニキも熱い。かっちり着込むキャラがすきだったはずなのにいきなり露出度が高いキャラを好きになったのは何故か悩む日々。二次元の向かう愛と同じぐらい甥っ子への愛を叫んでいる気がしてならない。



うずみ
・相方を愛しすぎている変な人。趣味は畑仕事に漬け物作り、好きな物は不幸属性の美人(男女問わず)。ばさらでは石田さんと黒田さんをこよなく愛していたり、赤い子めんこいにゃぁとたまに叫んでいる。

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ばさら垢できました
こんな二人で、ここを更新しております。

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